Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

ミュンヘンのスリ マリエン広場写真狙いとビール祭り【2026】

ミュンヘンのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

ミュンヘンはバイエルン州都。州全体の犯罪発生件数は10万人あたり4,218件と、ドイツ全16州で最も低い数字です。これだけ見ると「ベルリンより安全」な印象ですが、実際には旅行者にとっての被害集中地点がちゃんと存在します。ミュンヘン中央駅、マリエン広場、ノイシュヴァンシュタイン城、そしてオクトーバーフェスト会場。在独大使館「安全の手引き」は、この4か所を名指しで注意喚起しています。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

マリエン広場は「写真の一瞬」が狙われる

ミュンヘン最大の観光スポット、マリエン広場。新市庁舎の仕掛け時計を見るために観光客が毎日集まります。ここでのスリの構造を、大使館はこう説明しています。

観光中に写真を撮影したり、景色を眺めるなど、鞄等から目を離した一瞬の隙に被害に遭うケースがよく見られます。

カメラやスマホを構えて建物を見上げている間、肩にかけたトートバッグが背後から開けられている。広場を見渡しながら連れと話している間、足元に置いたバックパックが消える。写真と景色に集中する瞬間が、スリにとってのゴールデンタイムです。

対策は単純で、写真を撮る前にバッグを体の前に回す。三脚を使うくらいのつもりで、両手で構える姿勢になる前にバッグの位置を確認する。これだけで被害率が大きく変わります。

中央駅と空港は「移動者の隙間」

ミュンヘン中央駅(Hauptbahnhof)とミュンヘン空港(MUC)。どちらも旅行者が荷物を持って行き先を探すので、スリにとって理想的な環境です。

大使館は「ミュンヘン中央駅、空港の構内やその周辺」を名指しで注意地区にしています。特に多いのは次のパターン。

  • 切符を買っている間の足元のキャリー
  • 電光掲示板を見上げている間のバックパックのファスナー
  • プラットフォームでICEを待つ間のスーツケース
  • 空港の出発ロビーでチェックインカウンター探しをしている間のカート横の小物

いずれも「目線が別方向に行っている時」に発生。荷物の車輪を自分の足で踏んでおく切符購入時もキャリーは身体側、これが基本動作です。

TESTIMONY · 旅行者A
ミュンヘン中央駅のICEプラットフォームで電光掲示板を見ていたら、足元に置いたスーツケースが気づいたら50センチずれていました。ふと振り向いたら、知らない男性が私のスーツケースを持ち上げようとしていたところでした。声をかけたら何も言わずに立ち去りました。その場で取り戻せましたが、あと10秒見上げてたら持っていかれてたと思います。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在独大使館「安全の手引き」令和8年1月版 ミュンヘン中央駅・空港周辺のスリ・置き引き事例を基に構成

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

オクトーバーフェストは人混み+ビール+スリ

9月〜10月初旬のオクトーバーフェストは世界最大のビール祭り。年間600万人が訪れます。大使館の警告はこう。

毎年9月〜10月初旬にミュンヘンで開催されるオクトーバー・フェストの他、サッカーやマラソンなどのスポーツイベント、クリスマス・マーケットなど多くの人が集まるイベントはスリなどの一般犯罪のみでなく、テロのターゲットにもなり得ます

2024年9月にはミュンヘン市内のナチス文書センターで銃撃事件、2025年10月にはミュンヘン郊外の爆発物発見でオクトーバーフェスト会場が一時閉鎖、2025年2月にはデモ行進の列に車両が突入する事件が発生しています。テロ・突発事案が現実に起きている都市です。

オクトーバーフェストでは「スリ対策」と「イベントテロ対策」の両方が必要。

  • テント入場時にバッグの中身を確認される(大きな荷物は預ける)
  • ビール1リットルジョッキを2-3杯飲むと注意力が落ちる → 最小限の貴重品でテントへ
  • 非常口の位置を入場時に確認(大使館の手引きに「非常口を確認するとともに、いざという時の退避ルートや隠れられる場所を頭の中で想像する習慣」とあります)
  • 夜は駅まで徒歩で戻らず、地下鉄U4/U5かタクシーで

ノイシュヴァンシュタイン城・ロマンチック街道

ミュンヘンから日帰りで行けるノイシュヴァンシュタイン城。これも大使館が名指しする注意地域です。ツアー移動中のバス車内・電車車内、城の入場待ち行列、中世の街並みが美しいロマンチック街道の各都市(ローテンブルクやディンケルスビュール)でも同じ構造でスリが発生します。

ポイントは城内ツアーの入場前。ガイド説明を聞きながら写真を撮って、背中の鞄を全部忘れている時間帯。ツアー中もキャリーは預けず体に近い位置に持つ、これを徹底してください。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

中央駅・旧市街のナイトクラブ周辺

ミュンヘンの夜で気をつけたいのは観光地のスリだけじゃない。大使館はこう書いています。

ミュンヘンの中央駅や旧市街(マリエン広場・カールス広場周辺)を中心として、ナイトクラブに薬物乱用者が集まるほか、酔客による暴行・傷害事件等が多発していることから、できる限り夜間は出歩かない、ナイトクラブの周辺には近づかない

日没後のマリエン広場周辺や中央駅の裏手は、昼の顔とは別のモード。ナイトクラブやバーで知らない人と一緒に飲まない、人通りが消えた裏通りを通らない、が基本。ぼったくりや睡眠薬強盗の被害も発生していて、詳細はミュンヘンの詐欺・ぼったくり・暴行トピックとして今後追加予定です。

手口早見表

手口多発場所対策
写真撮影中の置き引きマリエン広場・新市庁舎前撮る前にバッグを前に回す
プラットフォーム置き引き中央駅ICEホームキャリーの車輪を自分の足で踏む
空港チェックイン前の荷物抜きミュンヘン空港カート横の小物は膝の上
オクトーバーフェスト会場スリテント内・出入口貴重品は最小限、ビール後は要注意
日帰りツアー車内置き引きバス/電車 ミュンヘン-フュッセン頭上置き場に荷物を置かない
ナイトクラブ周辺の暴行中央駅裏・カールス広場夜は近づかない/Uber使う
クリスマスマーケットスリマリエンプラッツCM刃物持込み禁止(2024/10/31〜)も留意

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

出発前にやっておくこと

  • 刃物持込み禁止の確認: 2024年10月31日からクリスマスマーケット・長距離ICEへの刃物持込みが全面禁止。アーミーナイフもアウト(大麻・薬物トラブルで詳述)
  • 非常口の確認習慣: テロ対策で大使館が明記している行動。イベント会場・駅で最初に非常口の位置を確認
  • バッグはファスナー付き・体前ホールド: マリエン広場では特に
  • ICE移動時は頭上荷物置き場を避ける: 足元か目の前のデッキへ
  • 海外旅行保険に加入: オクトーバーフェストでの転倒骨折も保険対象。医療費が高額な国です。ヨーロッパの海外旅行保険で備えを

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

被害に遭ったら

  1. 警察(110)に通報。または最寄りの警察署で被害届を提出
  2. 被害届受理証明書(Bescheinigung über die Erstattung einer Strafanzeige)を必ず受け取る
  3. クレジットカードは116116で緊急停止
  4. パスポートを盗まれた場合は在ミュンヘン総領事館(089-4176040)に連絡。帰国のための渡航書または新パスポートを申請
  5. ミュンヘンの都市ページドイツの国ページに全体傾向と緊急連絡先をまとめています

よくある質問

ミュンヘンで特にスリが多い場所は?

在独大使館は「ミュンヘン中央駅、空港の構内やその周辺」「マリエン広場などの旧市街や旧植物園周辺」、そして南ドイツの観光地としてノイシュヴァンシュタイン城とロマンチック街道を名指ししています。特にマリエン広場では観光客が写真を撮る一瞬の隙を狙われるケースが多発しています。

オクトーバーフェスト中は危ない?

危険度が跳ね上がります。大使館は「毎年9月〜10月初旬にミュンヘンで開催されるオクトーバー・フェストの他、サッカーやマラソンなどのスポーツイベント、クリスマス・マーケットなど多くの人が集まるイベントはスリなどの一般犯罪のみでなく、テロのターゲットにもなり得ます」と明記。ビールを飲んで注意力が落ちた状態で人混みに入るので、被害リスクが最も高まる時期です。

バイエルン州全体の治安はいい?

人口10万人あたりの犯罪発生件数は4,218件と全ドイツで最も低い水準(連邦平均6,995件)。数字だけ見れば「ドイツで最も安全な州」ですが、これは州全体の平均で、ミュンヘン中央駅周辺や観光地では別の数字になります。安心して良い数値ではありません。

ノイシュヴァンシュタイン城の日帰りツアーで気をつけることは?

ミュンヘン中央駅発のバスツアーや電車で移動する際、頭上荷物置き場からの置き引きが頻発しています。ツアー中もガイド説明に夢中になっている間に荷物を離さないこと、特に写真撮影では鞄を体から離さないでください。

中央駅周辺の夜は治安が悪い?

中央駅と旧市街(マリエン広場・カールス広場周辺)のナイトクラブに薬物乱用者が集まり、酔客による暴行・傷害事件が多発している、と大使館は明記しています。夜間はナイトクラブ周辺に近づかない、という原則を守ってください。

出典