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トリニダード・トバゴの治安 緊急事態宣言と銃犯罪【2026】

トリニダード・トバゴの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在トリニダード・トバゴ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.05.03 KAIGAI-RISK

トリニダード・トバゴはカリブ海に浮かぶ南米大陸沖の島国で、世界最大級のカーニバル開催地として知られています。外務省はレベル1(十分注意)を出していますが、2025年7月以降、政府が治安悪化を理由に緊急事態宣言を繰り返し発令・延長している、レベル1としては異例の状況です。殺人発生率は人口10万人あたりで日本の58倍凶悪犯罪の約8割で銃器が使用される。観光のキラキラした写真の裏側を、出発前に知っておいてほしい。

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危険レベル --- レベル1だが緊急事態宣言が継続

外務省の指定は国全体レベル1(十分注意)。ただし、在トリニダード・トバゴ日本大使館の安全の手引き(令和7年12月改訂)にこう書かれています。

2025年7月18日には治安悪化を受けて政府が緊急事態宣言を発令し、現在のところ、2026年1月31日まで効力が継続することとなっています。緊急事態宣言は治安機関による取締り強化を可能とする一方で、国内情勢が依然として不安定であることを示しており、邦人の皆様におかれましても引き続き最大限のご注意をお願いいたします

その後の経過を大使館発表で追うと、

  • 2025年7月18日: 緊急事態宣言の発令
  • 2025年10月: 3か月間の延長(2回目)
  • 2026年1月31日: いったん効力切れ
  • 2026年2月: 緊急事態宣言の終了
  • 2026年3月: 緊急事態宣言の再発令、3か月延長

国の自己申告で「治安が不安定」と発令される宣言が、何度も延長されている。レベル1の表示だけ見て油断するのは危険、というのが現状の正確な読み方です。

数字で見る治安 --- 殺人率は日本の58倍

安全の手引きから、犯罪統計の数字をそのまま引きます。

トリニダード・トバゴの治安は依然として安心できる状況にはありません。2024年の10万人あたりの殺人発生件数は日本の58倍でした。2024年の殺人事件は625件発生しており、十分に注意が必要です

人口140万人の小国で、年間625件の殺人。日本基準では考えにくい密度です。さらに大使館月次集計(2025年)では、

  • 殺人368件、強盗等710件、傷害等297件、誘拐20件
  • 銃器使用率70.81%

凶悪犯罪の約8割で銃器が使用される点も、安全の手引きが警告しています。

違法銃器が密輸入されて銃社会化し、ギャング同士の抗争事件が激化して問題となっています。昼夜を問わずに街中や行楽地において銃を乱射し、関係のない一般人や子どもを巻き沿いにした殺人事件等が多発傾向にあり、凶悪犯罪の約8割で銃器が使用されるなど、非常に危険な治安情勢です

「街中や行楽地において銃を乱射」「関係のない一般人や子どもを巻き沿い」の表現は、外務省・大使館文書としてはかなり強いトーン。観光地でも巻き込まれが起こる、という前提で動く必要があります。

違法タクシー誘拐殺害 --- 社会問題化

トリニダード・トバゴの治安を象徴する事件として、安全の手引きが明記しているのがこれ。

過去には、違法タクシーに乗車した若い女性が誘拐され、遺体で発見される事件が続けて発生し、犯罪者への厳罰化や違法タクシーの管理強化などを求める声が上がるなど、社会問題として当国で大きな反響を呼んでいます

違法タクシーは絶対に乗らない、というのがトリニダード・トバゴでの最重要ルール。安全の手引きはこう続けます。

違法タクシー、バスやマキシタクシー(個人所有のミニバス)の利用は避け、信頼できるホテルや正規のタクシー会社のタクシーを利用しましょう

詳しくはポートオブスペインの違法タクシー・自動車強盗で。

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カーニバル期間中の邦人事例

トリニダード・トバゴ・カーニバルは毎年2〜3月に開催され、世界中から観光客が集まる祭り。ただし安全の手引きはこう記録しています。

過去には、カーニバル(毎年2月~3月頃に開催)に参加した日本人女性が殺害されたり、日本人旅行者が宿泊先のゲストハウスで貴重品などの盗難被害に遭ったり、10人ほどのグループに囲まれて所持品を強奪される事件等が発生しています

カーニバル参加日本人女性の殺害事件は、トリニダード・トバゴの邦人被害事例の頂点として記録に残っている。さらに2018年2月には、

カーニバルを狙ったテロ攻撃を計画したとして複数名の者が逮捕される事件が発生しました

カーニバルを目的に渡航する場合、人混みでの単独行動・夜間外出・違法タクシー・派手な装飾品は絶対に避ける、というのが最低ライン。詳しくはポートオブスペインの強盗・誘拐も合わせて。

自動車強盗 --- 乗降時に限らず停車時も

近年増加しているのが自動車強盗。

数年前から自動車強盗が増加しており、乗降時に限らず、無理に停車させられて襲われる危険があるため、常に用心することが必要です

故障で停車中の車も標的になる、と手引きは警告しています。

故障等で停車中に強盗に襲われる場合もあるので、日常点検をしっかりと… 自動車業者等に助けを呼び、車内で待ちましょう(強盗被害の危険性があります)

レンタカー利用や駐在員の運転では、ガソリン残量管理・タイヤ点検・全窓ロック・走行中の窓開放しないを徹底。故障しても車外には出ない、車内で助けを待つ、これが手引きの推奨です。

ATM後の強盗 --- クリスマス前の警報

2025年12月、大使館は「クリスマス前の現金引出後の強盗などにご注意願います」という警報を出しました。安全の手引きにも背景があります。

ATMは、建物内に設置されているものを利用しましょう。預金引き出し後を狙った強盗が発生しています。多額の現金を引き出さないようにしましょう

銀行を利用した後は、他への立ち寄りを控えて帰宅する等、狙われないように注意して下さい

ATMから現金を引き出した直後に標的化される手口です。対策は、

  • 建物内ATMを使う(路上ATMは避ける)
  • 多額を一度に引き出さない(小分けにする)
  • 引き出し直後に他の店に寄らない(直行で帰宅 or 宿に戻る)

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ATM誘拐 --- 身柄拘束で限度額まで引き出させる

ATM絡みの誘拐が、別パターンで存在します。

当地では身代金目的や性犯罪、他の犯罪に巻き込まれて監禁や、キャッシュカードでATMから現金を引き出させた後に身柄を解放するという類の強盗事件が多発しています

身柄を拘束して、複数のATMで限度額まで引き出させてから解放するパターン。日本の感覚では考えにくいですが、中南米・カリブで「Express Kidnapping(短時間誘拐)」として知られる手口です。ATMの限度額を低く設定しておく、複数枚のカードを持ち歩かない、こういう備えが現地で意味を持ちます。

危険地区とトバゴ島 --- ポートオブスペイン近郊と観光地

エリア別のリスクは安全の手引きにこう書かれています。

ポート・オブ・スペイン市近郊には、当地人も立ち入りを敬遠するような極めて危険な地域があります。そのような場所やその近隣への立入りは必ず避けるとともに、日常生活でも危険な地域を通過する際には十分警戒する必要があります

外務省「安全対策基礎データ」では、特に危険な地域としてポート・オブ・スペイン市ダウンタウン地区東端のドライリバーを隔てて東側に広がる、イースト・ドライリバー、ラベンティル(Laventille)、モーバー、ベルモント、ビーサム(Beetham)、シーロッツの各地区が名指しで挙げられています。「現地の人でさえ立ち入りを避ける場所」「絶対に近づかないでください」と外務省も明記。ホテル選びは事前にエリアを調べる、Google Mapで「警察署が近い」「主要ホテルが集中している」エリアを選ぶ。

トバゴ島はリゾート観光地で、相対的に治安は良いとされています。ただし大使館の月次集計では、2026年3月にトバゴ島で殺人3件発生。「トバゴ島だから完全に安全」とは限らないので、夜間外出・人気のないビーチ・違法タクシーの回避は同様に必要です。

詳しくはポートオブスペインのエリア別ガイドで。

1990年クーデター未遂・テロ警戒

国際テロは現状確認されていませんが、歴史的経緯と最近の動きで警戒は続いています。

当地では国際テロに関する情報は確認されていませんが、1990年にイスラム系過激派集団が国会議事堂を占拠するクーデター未遂事件が発生しています。

近年では多くのトリニダード・トバゴ国籍者が、テロ活動に参加するために中東地域に渡航していると言われており、それらの者が自国へ帰還後にテロ事件を起こす可能性も否定できません

カーニバル狙いのテロ計画で複数名逮捕(2018年2月)の事例もあり、祭りシーズンの群衆地点では情報収集を欠かさない。出発前に外務省「海外安全ホームページ」と大使館発信を確認してください。

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医療事情 --- 公立は混雑、私立病院が選択肢

外務省「世界の医療事情」によれば、トリニダード・トバゴの公立病院は混雑が常態化していて、外国人滞在者の主な選択肢は私立病院になります。手引きの緊急連絡先から:

  • St Clair Medical Center(私立): 628-1451
  • West Shore Medical Center(私立): 622-9878
  • General Hospital(国立): 623-2951

警察999、消防・救急990(救急専用811)、と日本と番号体系が違うのも要注意。デング熱・チクングニア熱・ジカウイルスの流行があり、雨季の蚊媒介感染症リスクは継続中です。

高額医療事例 --- 中南米/カリブ地域の参考額

トリニダード・トバゴ単独の保険会社支払事例は確認できなかったため、中南米/カリブ地域の参考額として近隣国の事例を借ります。

  • ペルーで脳梗塞→医療搬送で1,144万円(SBI損保)
  • 損保ジャパンoff!南北アメリカ事例集に複数の重症入院事例
  • ジェイアイ傷害火災のトラブルデータも南北アメリカ枠で参照可

カリブ海の島国から日本までの医療搬送は、米国(マイアミ)経由が現実解になりやすく、保険なしでは数百万〜千万円規模の自己負担が発生します。同じ中南米/カリブ圏ならキューバコスタリカの医療事情も似た構造です。

詳しい比較は中南米の海外旅行保険で。

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トリニダード・トバゴに行く前に頭に入れておくこと

最後に、これだけは押さえておきたいリスト。

  • 2025年7月以降、緊急事態宣言が繰り返し発令・延長(レベル1としては異例)
  • 殺人発生率は日本の58倍、凶悪犯罪の約8割で銃器使用
  • 違法タクシー絶対禁止、日本人女性誘拐殺害の事例あり
  • カーニバル期間中の事件多発、参加日本人女性の殺害事例あり
  • 自動車強盗増加、停車中・故障時も標的化、車外に出ない
  • ATM後の強盗、建物内ATM・小額引き出し・直行帰宅
  • ATM誘拐(限度額まで引き出させて解放)、カード複数枚を持ち歩かない
  • 危険地区はホテル選びで回避、ポートオブスペイン東部・北部の一部
  • 医療搬送は米国(マイアミ)、海外旅行保険必須

カーニバル文化と海岸リゾートの魅力がある国だけに、「楽しむ装備」と「身を守る装備」を両方持っていく意識で出発してください。

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