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レバノンの治安 レベル4退避勧告、不発弾と邦人拘束【2026】

レバノンの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在レバノン日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.05.05 KAIGAI-RISK

レバノンは2026年3月16日付で全土レベル4(退避勧告)に引き上げられ、ベイルート県・ベイルート国際空港敷地および空港-ベイルート間の幹線道路・山岳レバノン県・ケセルワン=ジュベイル県・北レバノン県・ベカー県を含む全土が対象となっています。直近の停戦合意(令和8年4月17日 外務大臣談話)後も大使館の領事・安全情報は「どのような目的であれ、レバノンへの渡航は止めてください」のメッセージを継続中です。

このページは「観光でレバノンへ行く」ための記事ではありません。復旧・業務などの理由でやむを得ず滞在している在留邦人・出張者、そして停戦後も続く不発弾・誘拐・経済破綻のリスクを把握しておきたい人向けに、外務省と在レバノン日本国大使館の一次情報から整理しています。

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観光目的では行かないでください — 全土レベル4の中身

外務省海外安全ホームページのレバノン危険・スポット・広域情報は、2026年3月16日付でこう指定しています。

外務省は地域を2グループに分けてレベル4を指定しており、南レバノン県・ナバティーエ県・バールベック・ヘルメル県・アッカール県・ベカー県東部・ベイルート南部郊外(ダーヒエ地区)に加え、ベイルート県・山岳レバノン県・ケセルワン=ジュベイル県・北レバノン県なども含めた結果、全土がレベル4(退避勧告)になっています。

引き上げの直接の引き金は2026年3月2日以降のイスラエル攻撃の地理的拡大でした。在レバノン日本国大使館の四半期安全対策情報(令和7年度1〜3月期)はこう書きます。

2026年3月2日以降、ヒズボッラーとイスラエルとの間の攻撃の応酬が激化し、イスラエルによる攻撃は従前のレバノン南部及び東部に加え、ベイルート県を含むレバノン国内各地に拡大し、多数の死傷者が発生しています。さらに、3月11日にはヒズボッラーがイランと共同でイスラエル北部に対する攻撃を実施し、12日以降、イスラエルはレバノンに対する攻撃の規模及び事前警告の地理的範囲を拡大しています。

外務省の4段階のうち最上位がレベル4「退避勧告」で、観光・出張・親族訪問のいずれも前提から外れます。在レバノン大使館の領事・安全情報ページにも明確に書かれています。

イスラエルによるレバノン国内への攻撃は、ベイルート県などにも拡大しています。今後、レバノン全土の情勢がさらに悪化する可能性は排除できません。レバノン全土の危険レベルは「レベル4:退避勧告」となっています。どのような目的であれ、レバノンへの渡航は止めてください。また、既に滞在されている方は安全を確保した上で直ちに退避してください。

停戦合意があっても「直ちに退避してください」のメッセージが取り下げられていない点をまず押さえてください。

ダーヒエ地区の不発弾と「立入制限区域に侵入して拘束された日本人」

2024年9月半ばにはヒズボッラーのメンバーが所持していたポケベル・無線機が一斉に爆発する事件が発生し、これを契機にヒズボッラーとイスラエル間の攻撃の応酬が一気に激化しました。ベイルート南部郊外のダーヒエ地区(Dahieh)は、ヒズボッラー関連施設へのイスラエル攻撃が2024〜2026年にかけて繰り返された地域で、停戦発効後も不発弾が残存しています。在レバノン大使館「安全の手引き」(C2-handbook、在ベイルート日本国大使館)はこう書きます。

国内各地で、イスラエルによる攻撃の不発弾処理が行われていますが、すべての対処には時間を要します。不発弾や不発弾らしきものを見かけた場合は、絶対に近づかないよう注意してください。

そしてこれが日本人にとって最も重い実情です。在レバノン日本国大使館の四半期報告(令和7年度1〜3月期)から、原文ママで引用します。

過去にレバノン国内において立入制限区域(ベイルート南部郊外(ダーヒエ地区)を含む)内に侵入した日本人がレバノン国軍(LAF)や治安機関に拘束される事例が発生しております。どのような目的であれ、同地域への渡航は止めてください。

「興味本位で立ち入って拘束された日本人」が実在するということです。スポット情報の話ではなく、邦人保護案件として在レバノン大使館が四半期報告に明記している事案。報道・取材・SNS用素材を理由とした立入も、この警告の対象に含まれます。

パレスチナ難民キャンプと写真撮影 — 「知らなかった」で拘束される

ダーヒエ地区以外にも、立ち入るだけで拘束されるエリアがレバノンにはあります。パレスチナ難民キャンプは一般の立入が厳しく制限されており、過去には不注意で紛れ込んだ日本人が当局に事情聴取された事例も発生しています。キャンプ内では武器を用いた衝突が頻発し、テロリストが潜伏しているケースもあるため、周辺を通る際も注意が必要です。

写真撮影にも神経を使ってください。レバノン国家警察軍(ISF)やレバノン国軍の施設、パレスチナ難民キャンプ、政治団体の施設などを撮影するのは厳禁です。軍事施設に隣接する場所や民兵組織の施設を許可なく撮った場合、スパイ容疑で身柄を拘束される可能性があります。看板も制服警備員もない建物が治安関係施設として使われていることがあり、私服の警備員が撮影を厳しく取り締まっているケースもあるので、街歩き中のスナップ撮影でも背景に何が写り込んでいるか意識しておこう。

退避フロー — 商用便が動いているうちに

「直ちに退避してください」のメッセージに対して、大使館は具体的な退避フローを「安全の手引き」で公開しています。商用便が動いている間に動くのが大原則です。

緊急事態の危険が高まった際には、「危険情報」等を参考にして商用便が利用できる間に避難・退避してください。空港や道路が突然閉鎖されることも想定されます。できるだけ速やかに避難・退避されることを強く推奨します。

四半期報告でも商用便の不安定化に触れています。

商用便の運航が不安定となる可能性がありますので、最新情報の確認に努めてください。

商用便が止まった場合の対応策は3層で、これも「安全の手引き」が明示しています。

ア 自宅待機:外に出るのは危険であると判断される場合には、しばらくの間自宅に待機してください。 イ レバノン国内の安全と考えられる場所への一時避難:自宅及びその付近に危険が及びそうな場合、移動が可能であれば速やかにその場を離れ、宿泊施設や知人宅など、安全と思われる場所に移って一時避難してください。 ウ 国外への退避:大使館が退避手段を手配できる場合、準備が整い次第、集合場所及び時間を連絡します。

大使館による退避手段(チャーター船等)が用意される場合の所要料金は自己負担で、軍用機・船舶を利用する際は手荷物に重量制限がかかる可能性まで明示されています。観光感覚の手荷物では出られないという前提です。

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平素の備え — 米ドル現金と15日分の備蓄

「安全の手引き」が在留邦人向けに指定する平素の備えは、戦時に近い水準です。

緊急事態の発生に備え、チェックリスト(別添2参照)も参考に、携行品や備蓄物資の準備を推奨します。 ア パスポート、現金等:パスポート、滞在許可証等の身分証明書、現金等、退避・避難する際に最低限必要なものは、直ちに持ち出せるようまとめて準備しておくことをお勧めします。現金は、航空券購入用資金や当座の生活用を考えレバノン・ポンドと小額紙幣を含む外貨(米ドル等)の用意を推奨します。 ウ 備蓄:移動が困難な場合や事態の早期収拾が見込まれる場合等、慌てて自宅から移動するよりも暫く自宅で待機した方が安全であると考えられるケースもあります。そのため、一定期間外出しなくても生活ができるよう平素から非常用食料や飲料水、医薬品、燃料等を一定量(15日分程度)備蓄しておくことを推奨します。

米ドル現金が指定通貨なのは後述の通貨破綻の文脈と直結します。15日分の備蓄という数字は、商用便停止・道路封鎖・断水断電が同時に来た場合に外出ゼロで耐える単位の目安です。

通貨破綻と「現金経済化」 — ATMもカードも当てにできない

レバノンの経済危機は2019年10月の大規模抗議デモを起点に、2020年3月の事実上のデフォルト(債務不履行)、同年8月のベイルート港大規模爆発と連鎖し、ハイパーインフレ・銀行預金封鎖・現金経済化が常態化しました。外務省「世界の医療事情」(B1-medical)はこう書きます。

2019年10月の大規模抗議デモの発生を発端として政治混乱が生じ、2020年3月には事実上のデフォルト(債務不履行)が宣言されて、経済危機に陥り、同年8月のベイルート港爆発事故なども相まって、現在(2024年10月)に至るまで、高いインフレ率など経済面での回復の遅れが長引いています。

そして滞在者にとっての具体的影響がこれです。

かつては病院での精算はカード払いできることも多かったのですが、開業医を含め当地の医療機関を受診する際は、相当額の米ドルによる現金払いの準備が必要です。

医療機関ですら米ドル現金前払いが原則です。ATMが機能していない・銀行預金が引き出せない・現地通貨レバノンポンドのレートが日々変わる、という3点が同時に起きているため、米ドル小額紙幣を多めに持って動くのが基本になります。日本でドル両替を済ませてから出ない選択肢は、現実的にありません。

医療崩壊 — 名門病院でも燃料・医薬品が足りない

ベイルートには中東でも比較的高水準の私立病院が複数ありますが、燃料・医薬品不足が慢性化しています。「世界の医療事情」から原文ママで。

首都ベイルートには欧米の大学との提携を謳う私立病院が複数あり、高度医療を提供していましたが、外貨を稼ぐために、医師・医療技術者等の人材流出が続き、運営・品質維持が不安定な状況となっています。また流通も混乱しており、薬局では国産および欧州を含む近隣諸国からの輸入医薬品の品不足、在庫切れがしばしば生じています。

外貨建て前払いに関しても明確です。

入院の場合は相当額の預託金を請求されます。

外務省「世界の医療事情」が邦人受入病院として挙げているのは次の3つです。

  • CMC(Clemenceau Medical Center) — 米Johns Hopkins International提携。電話:(0)1-372888、Hotline 1240
  • AUBMC(American University of Beirut Medical Center) — Bliss Street, Hamra。電話:(0)1-350000、Hotline 1242。国際クレジットカード使用可(2022年10月時点)
  • Trad Hospital Medical Center — 53, Mexique Street, Clemenceau。電話:(0)1-369494。1939年設立の産婦人科に定評がある私立総合病院

このほか、在レバノン大使館「安全の手引き」の緊急連絡先にはHôtel-Dieu de France(オテル・デュー病院)(アシュラフィーエ地区、電話:01-615300)も記載されています。

救急番号は140(レバノン赤十字社)で、公営救急車は無料・最寄り病院搬送ですが、「時間によっては渋滞などで救急車の到着が遅れますので、自家用車またはタクシーを呼んでできるだけはやく病院を受診してください」と医療事情に明記されています。地方滞在中の急病はベイルートの病院への移動を最優先するよう指示されている点も押さえてください。

誘拐 — 外国人が身代金目的で連れ去られる

外国人を狙う身代金目的誘拐は、レバノンで継続発生中の犯罪類型です。「安全の手引き」から原文ママ。

TESTIMONY · 旅行者A

レバノンで日本人が誘拐された事例はないと聞いていたけど、外国人が身代金目的で連れ去られる事案は実際に起きている。夜間に銃器を持った犯人が車で連れ去る手口で、特にベカー県、バールベック・ヘルメル県、トリポリ、アッカール県あたりが多いらしい。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在レバノン日本国大使館「安全の手引き」

手口は2系統に分けて記述されています。

犯行グループは、対象者の行動を事前に観察した上で犯行に及びます。対象者が車で移動しているところを人通りの少ない路上で襲撃、銃器で脅迫し連れ去るという手口のほか、歩行中の対象者の脇に車両で接近して無理矢理車内に押し込んで連れ去るといった手口が確認されています。

対策として大使館が挙げているのは、(1)通勤・通学の時間や経路を変える(行動パターン化を避ける)、(2)華美な服装・高価な装飾品の着用を控える、(3)多額の現金は持ち歩かない・人前で財布を取り出さない(両替後やATM引き出し後の周囲の動向に特に注意)、(4)夜間における人通りの少ない場所での単独通行を控える、の4点です。両替・ATM後の動線が決定的に危ないという指摘は、現金経済化のレバノンでは重みが違います。

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銃器の蔓延 — 祝砲・検問・タクシー殺害事件

過去の内戦の影響でレバノン国内では銃器の入手が容易で、これが日常リスクの底流になっています。

蔓延する銃器に関連して、生活の重要な局面で祝砲として空中に実弾を発砲する習慣があり、これにより例年死傷者が発生している他、民間航空機が被弾する事案も発生しています。例えば、結婚や葬儀等の冠婚葬祭の会場、学術試験の結果発表の時期にあたる夏季、大晦日、宗教関連の祝日、政党の重要人物による演説が国内で放送される時間帯等は、特に注意が必要です。

夏季の試験結果発表時・大晦日・宗教祝日は、屋外に長時間出ない判断材料になります。

検問所での対応も命に関わる項目として明記されています。

治安当局の検問所では必ず一旦停止または徐行してください。治安当局の指示に従わず検問所を通り過ぎたために射殺された例もあります。

タクシー利用は深夜の単独行動が特に危険です。「安全の手引き」は2017年12月の英国女性外交官殺害事件を引いてこう書きます。

夜間にタクシーを利用する際は信頼できる大手のタクシー会社に連絡して運転手の身元がはっきりしたタクシーを手配するように努めてください。大手の配車アプリも油断はできません。2017年12月には個人タクシーの運転手による殺人事件が発生し、英国女性外交官が犠牲となりました。被害者は深夜にタクシー配車サービス用のアプリで手配した個人タクシーに1人で乗車していたところ被害に遭いました。

配車アプリの普及国でこのレベルの事例が一次資料に明記されている国は多くありません。深夜の単独タクシーは選択肢から外すのが現地の運用です。

空港 — ベイルート国際空港-市内幹線道路の不安定さ

ベイルート国際空港と市内を結ぶ幹線道路は、抗議行動・道路封鎖が散発する区間です。在レバノン大使館の四半期報告(令和7年度1〜3月期)はこう記録します。

2025年2月、当地国際空港からベイルートを結ぶ幹線道路において、イラン航空機の着陸禁止措置に対するヒズボッラー支持者らによる抗議行動が発生し、国際機関の車両が燃やされる等一部暴徒化しました。やむを得ず同幹線道路を通行される場合は、事前に治安関連情報の収集を行ってください。

空港-市内移動は出発・到着のたびに現在の道路状況を大使館の最新お知らせで確認してから動く前提です。商用便の発着時刻と一緒に幹線道路の通行可否を確認する手順を、入出国ごとに踏むのが現地運用です。

ホテル — 値段の安さで選ばない

短期滞在のホテル選びにも具体的な事例が紐付いています。

2022年10月、ベイルート市内のホテルにて宿泊していた日本人が、何者かに扉の鍵を解錠され、部屋に侵入されるといった事案が発生しました。幸いにも怪我や盗難被害はありませんでしたが、当地への短期滞在等でホテル等に宿泊される場合は、事前に値段、立地条件、宿泊施設の状況及び評価等を事前によく確認され、総合的に安全と判断できる宿泊施設に宿泊されることを推奨します。

経済危機下で宿泊料が下落しているため、価格だけで選ぶと低層階・防犯設備不足のホテルに当たる確率が高い、というのが大使館の懸念です。「安全の手引き」は住居選択でも警備員・門番の有無、監視カメラ、施錠扉、低層階の場合は窓・バルコニーの鉄枠を判断軸として明示しています。

感染症 — A型肝炎・コレラ・破傷風

「世界の医療事情」が直近で警告している感染症は次の通りです。

2022年5月には、下水の上水道への混入によるA型肝炎の中規模な流行が報告され、10月には30年ぶりにコレラの症例が報告されており、十分な注意が必要です。2024年のA型肝炎発症例は9月初め時点で既に1678件報告されていますが感染爆発は起こっていません。

水・食物経由のリスクが構造化されているため、上水道インフラを信用して生水を飲む選択肢はありません。ペットボトルの飲料水を米ドル現金で買う前提で動きます。推奨ワクチンも明記されています。

入国に際して接種が求められるワクチンはありませんが、成人までに推奨される一連の予防接種に加えA型、B型肝炎と破傷風と狂犬病ワクチン等を検討されるとよいでしょう。

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薬物は所持だけで懲役、交通ルールは存在しないと思え

レバノン国内で麻薬は厳しい取締りの対象で、所持しているだけで2か月から3年の懲役刑です。国家や宗教的信条、公務員への侮辱は最高2年の禁固刑が科されるため、SNS投稿の内容にも注意してください。

交通事情も命に関わるレベルです。歩行者優先の意識はほぼなく、飲酒運転・信号無視・一方通行の逆走・バイクのすり抜けが日常的に発生しています。経済危機に伴う停電で多くの信号機が消えたままの区間もあり、夜間は街灯もほとんど点いていません。レバノンの交通事情に慣れるまでは自分で運転せず、信頼できるタクシー会社への配車依頼か運転手付きレンタカーが推奨されています。

在留届とたびレジ — 大使館が連絡できる前提を作る

レベル4下のレバノン滞在で最優先の手続き在留届(3か月以上滞在)またはたびレジ(短期滞在)への登録です。理由は単純で、登録されていない邦人には大使館が緊急連絡を取れないからです。

退避手段(チャーター船等)の集合場所・時間連絡、商用便の運航停止情報、空爆被害域の通知——すべて在留届のメールアドレスを通じて運用されます。観光のための任意登録ではなく、レベル4下では生命線と考えてください。

レバノン専用の保険支払事例は公開されていない — 中東の参考額

レバノン単独の海外旅行保険支払事例は、損保ジャパン off! / ジェイアイ傷害火災 / SBI損保ともに公開されていません。理由はシンプルで、観光ベース渡航者がほぼいないため事例の絶対数が少なく、また業務渡航は通常の旅行保険ではなく戦争危険担保特約付きの特殊な保険(団体契約・短期出張保険等)で対応するケースが大半だからです。

参考までに、近隣中東の保険支払事例で構造的に重いのは疾病・ケガの治療費です。サウジアラビアやUAEなど湾岸国でも邦人が救急搬送・入院した場合、米ドル建て前払いで数百万円規模の請求が日常的に発生します。レバノンは医療側が燃料・医薬品不足で機能低下しているうえ、上述の通り米ドル現金前払いが標準——日本への医療搬送(チャーター便での緊急帰国)が現実解になるケースが他の中東国より多くなる構造で、欧州→日本搬送の他国事例から見て1,000万円超を見込むのが妥当な水準です。

業務渡航で入る場合は所属企業の戦争危険担保付き保険が前提ですが、それでも個人で海外旅行傷害保険を上乗せするのが定石。詳しくは 中東の海外旅行保険 のページで、中東全域でカバーすべき項目と支払事例を整理しています。

緊急連絡先(在レバノン日本国大使館・ベイルート)

「安全の手引き」記載の連絡先を整理しておきます。滞在前に紙のメモにも控えておくのが基本です(停電・通信途絶時のため)。

  • 大使館代表:01-989751〜3
  • 領事直通:01-989856 / 01-989855
  • 領事携帯:03-366018 / 03-345977
  • 領事緊急:03-362540
  • FAX:01-989754
  • 警察(ISF)緊急:112
  • 救急車(レバノン赤十字社):140

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関連リソース(公式)

レバノンの状況は週単位で動きます。停戦合意後も攻撃の応酬は再燃する可能性があり、商用便の運航は不安定なままです。出発前・滞在中ともに、上記一次情報を自分の目で最新版に当て直してください。本記事は2026年5月時点のスナップショットです。