タシケントで一番リアルなトラブルがスリ・置き引き。2024年の窃盗発生件数は48,375件で前年の約3倍。テロ事件こそ20年起きていない街ですが、駅とバザールに代表される人混みでの貴重品狙いは確実に増えています。中央アジアの空気感だけで「安心」と判断すると、地下鉄の乗降1回で財布が消える街です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
チョルスーバザールと駅 --- 大使館が名指しする多発スポット
在ウズベキスタン日本国大使館「安全の手引き」(2025年5月版)はスリ・ひったくりの多発場所をはっきり挙げている。
駅やバザール等の人混みの中では、スリやひったくりの危険があります。カバンから目を離さず、貴重品を体から離さないようにしましょう。
具体的には次のシーン。
- チョルスーバザール: 旧市街の代表的な市場。ドーム屋根の下と外周屋台のエリアで人がぎゅっと密集する瞬間
- アライスキー・バザール: タシケント中心部で観光客がよく立ち寄る市場
- タシケント駅・南駅周辺: 列車到着時間に荷物を持った旅行者が集まるタイミング
- 地下鉄の乗降時: ドアが開いて短時間に人が押し合うタイミング
リュックを背負ったまま市場の中を歩くと、ファスナーを後ろから開けられても気づきません。リュックは前掛け、ショルダーバッグはファスナーを体側にが基本。財布をズボンの後ろポケットに入れるのは、押し合う瞬間に抜かれるリスクがいちばん高い持ち方です。
歩道は中央を歩く --- 「引き込み」と路上ひったくりへの対策
大使館の手引きで珍しく具体的に書かれているのが歩道の歩き方。
歩道を通行する際は、建物への引き込み防止、路上ひったくり防止のため、歩道中央付近を通行するよう意識しましょう。
「建物への引き込み」というのは、歩道脇のビル入口や路地に強引に引き込まれる手口。タシケントの旧市街や住宅街の細い路地ではこの動線が現実にあります。歩道の建物側を歩くと引き込まれやすく、車道側を歩くとバイクのひったくりに遭いやすい。中央を歩くのが両方を避ける唯一の動線、というのが大使館の見方です。
夜の一人歩きは別格で危険度が上がります。
日頃から、自宅や勤務先の地理の把握に努め、人通りの多い道、明るい道を選ぶようにし、特に夜間の一人歩きは慎みましょう。
夜の移動はホテル前から配車アプリでドアtoドアにする。これだけで路上ひったくりのリスクは大幅に下がります。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
邦人被害は届出ベースで少ない --- ただし「届けていない」可能性
大使館が把握している過去5年間の邦人被害はこれだけ。
2022年:窃盗1件(置き引き)、2023年:届出なし、2024年:届出なし
数字だけ見ると「日本人は安全」と読みたくなる。でも市内の窃盗発生件数自体は2024年に3倍に跳ね上がっています。被害届を出していない、あるいは「軽微な置き引きで諦めた」ケースが含まれていない可能性が高い。「邦人被害は少ない=自分は無事に済む」という保証ではないことだけ覚えておきましょう。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ウズベキスタン日本国大使館「安全の手引き」2025年5月版(被害類型に基づく一般的事例))
夜行列車・長距離列車の盗難 --- 寝ている間が無防備
ウズベキスタン国内移動の定番は鉄道。タシケント→サマルカンド→ブハラの夜行列車を組む人も多い。問題は寝ている間にカバンが触られるリスク。
夜行列車では滞在登録手続きが行われないので、列車の切符はパスポートと一緒に必ず保管します。これは盗難対策というより出国時のチェック対策ですが、結果的に車内で切符と貴重品を体から離さない動線を作ることになります。個室寝台でも貴重品はマネーベルトに入れて身につけて就寝するのが鉄則。網棚や足下に放置したカバンは、停車駅で人が乗り降りするタイミングに消えるリスクがあります。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
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ホテル朝食・カフェの置き引き
タシケントの中級〜高級ホテルではビュッフェ式朝食が普通。料理を取りに行く間、テーブルに置いたバッグやスマホが消えるパターンは中央アジアでも報告例があります。朝食会場でも貴重品は身につけたままが基本。スマホは充電だけテーブルに残してその場を離れない。
カフェでも椅子の背もたれにかけたバッグや床に置いたバッグは置き引きの定番ターゲット。膝の上か視界の届く位置に置きましょう。
タシケントでは詐欺・偽警官が別記事、医療水準の低さは感染症・医療費で別途まとめています。
手口早見表
| 手口 | 主な発生場所 | 対策 |
|---|---|---|
| 人混みでのスリ | チョルスーバザール、駅 | リュックは前掛け、ファスナーを体側に |
| 地下鉄乗降時のスリ | 地下鉄各駅 | ズボンの後ろポケットに財布を入れない |
| 路上ひったくり | 旧市街の細い路地 | 歩道中央を歩く、夜間一人歩きを避ける |
| 夜行列車の盗難 | タシケント発の長距離列車 | 貴重品はマネーベルトで身につけ就寝 |
| ホテル朝食の置き引き | 中級〜高級ホテル | 料理を取りに行くときも貴重品は携行 |
| カフェ・レストランでの置き引き | 観光地周辺 | バッグは膝の上か視界内 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にやっておくこと
- リュックを前掛けで使える状態に。ショルダーバッグはファスナーが体側になる持ち方を確認
- ズボンの後ろポケットを財布禁止に。マネーベルトか前ポケット派に切り替える
- 配車アプリ(Yandex Goなど)を日本で登録。タシケントに着いてからでなく、空港の電波下で動く状態を作っておく
- 海外旅行保険の携行品損害補償を確認。スマホ・カメラ・ノートPCの盗難対象範囲と上限額をチェック
- パスポート・滞在登録証は手で見せ、相手に渡さないルールを徹底
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 観光警察(+998-90-010-9242、英語可)に連絡。被害届の手続きをスムーズに進められる
- 警察(102)に被害届を提出。受理証明書(ポリスレポート)を必ずもらう
- クレジットカードはカード会社に即連絡して利用停止
- パスポート盗難は在ウズベキスタン日本国大使館(+998-78-120-8060)に連絡。緊急携帯は +998-91-785-0673
- 海外旅行保険の携行品損害補償を請求するには、警察の受理証明書と購入時のレシートまたはクレジット明細が必要
よくある質問
タシケントでスリが一番多い場所は?
在ウズベキスタン日本国大使館「安全の手引き」が名指ししているのは駅とバザール(市場)です。チョルスーバザールやアライスキー・バザールの人混み、タシケント駅・南駅周辺、地下鉄の乗降時が特に危ないとされています。歩道は中央付近を歩き、貴重品を体から離さないことが基本対策です。
2024年にウズベキスタンで窃盗が急増したと聞いたけど本当?
本当です。外務省と大使館の統計で、2023年14,851件→2024年48,375件と窃盗発生件数が約3倍に増えました。背景は急激な物価上昇と経済格差の拡大による生活困窮、アフガニスタン・ロシア情勢の影響と分析されています。日本人を含む観光客も標的になりうる水準です。
夜行列車でサマルカンドやブハラに移動する場合の盗難対策は?
個室であっても貴重品は身につけて就寝するのが基本です。網棚や足下に置いたカバンは寝ている間に持ち去られる可能性があります。さらに夜行列車では滞在登録がされないため、切符はパスポートと一緒に保管してください。出国審査で滞在期間の証明を求められることがあります。
スリに遭ったらまず何をすればいい?
観光警察(+998-90-010-9242、英語可)か警察(102)に被害届を出します。クレジットカードが盗まれた場合はカード会社に即連絡して利用停止。パスポートが盗まれた場合は在ウズベキスタン日本国大使館(+998-78-120-8060)に連絡して紛失届と渡航書発給の手続きを進めてください。
ホテルの部屋に貴重品を置きっぱなしにしても大丈夫?
部屋の金庫に入れるのが基本です。大使館「安全の手引き」は窃盗事案の増加を強調しており、部屋に放置した現金や電子機器の盗難リスクは想定しておく必要があります。金庫がない宿の場合はパスポートと現金は外出時も身につけ、ホテル全体の防犯レベルが心配ならフロントに預ける選択肢もあります。