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ウランバートルの医療 脳溢血チャーター便1700万円【2026】

ウランバートルの医療・感染症の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

ウランバートル滞在で一番お金が飛ぶリスクは、スリでも強盗でもなく医療です。外務省「世界の医療事情」はモンゴル全体をこう書いています。

一般的にモンゴルの医療機関の質は日本に比べて低いです。(中略)重症疾患や手術が必要となり、日本へ医療専用機で緊急移送する際には、3000万円以上の経費が発生することがありますので、渡航前に緊急移送も対応する海外旅行傷害保険への加入を推奨します。

「3000万円以上」が公式の試算。そしてこの数字を裏付ける実例が1件、保険会社データに残っています。

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脳溢血で成田へチャータージェット、約1,700万円の実例

損保ジャパン「off!」アジア支払い事例ページに、モンゴル単独の事例が載っています。

病名事故地・搬送先支払額
脳溢血ウランバートル → 成田 チャータージェット エスコート医師2名 諸費用含むUS$112,962.53

約1,700万円規模(1ドル150円換算)。請求の主な内訳はチャータージェット(医療専用機ではなく民間ジェット機の貸切)+医師2名のエスコート。モンゴルで重症化して日本に戻ると、桁感がこれ、という実例が保険会社データに残っているということです。外務省の試算「3000万円以上」とこの実例、両方を想定して保険を組むのが現実的です。

地域全体の保険相場は東アジアの海外旅行保険ガイドに。

公共救急車は出動遅延あり、私立病院優先

B1-medical(世界の医療事情)が率直に書いています。

公共の救急車(電話103)を要請しても出動には時間を要すことがありますので、私立総合病院の有料の救急車、自家用車、タクシーで病院に移動する方が良いでしょう。

「公共救急車が遅い」と外務省が書いている国は多くありません。日本人利用が多い私立総合病院は次の4施設。

  • Intermed 病院(日本企業との連携あり)
  • SOS クリニック(国際医療支援、電話 11-4643 25)
  • Songdo 病院(韓国系、日本人対応あり)
  • 国立感染症センター(狂犬病ワクチン・感染症対応)

保険会社のアシスタンスデスクに電話して、病院指定+配車+キャッシュレス対応を一気に動かすのが最短ルートです。

冬の大気汚染(PM2.5が世界最悪クラス)

ウランバートル滞在の季節リスクの最大値。B1-medical から。

首都ウランバートル市は盆地にあり、汚染された大気が底部に滞留しやすく、冬季には気温がマイナス40℃以下になり、大気の逆転層ができて大気汚染が深刻化します。(中略)ウランバートル市のPM2.5は冬季には世界で最も高くなることがあります。

「世界で最も高くなることがある」は外務省資料としてかなり強い表現。「大気汚染により喘息などの呼吸器疾患が悪化しやすくなる」とも書かれていて、常用薬(吸入器・気管支拡張薬)がある人は必ず持参。旅行者もPM2.5対応マスクを持っていくのが基本装備になります。

冬季(11月〜3月)の渡航は、ホテルの空気清浄機の有無外出時間の短縮マスク着用で被曝量をコントロールする前提で計画したいところ。

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食中毒・ブルセラ症

B1-medical から。

レストランでの氷や生サラダ、路上販売の食品は食中毒の原因になりやすく注意が必要です。食品が傷みやすい夏は特に注意が必要です。肉は中まで火が通ったものを食べましょう。

モンゴル固有なのが未殺菌乳製品のブルセラ症

未殺菌乳から作られた乳製品(生乳、チーズ、ヨーグルトなど)の摂取によりブルセラ症になることがあります。

遊牧民のゲルでの歓待で馬乳酒(アイラグ)や自家製チーズが出ることがありますが、未殺菌の乳製品は感染源になりえます。文化体験と健康リスクのバランスは事前に割り切っておきたい。下痢・腹痛・発熱の際は病原性大腸菌・細菌性赤痢・A型肝炎が疑われます。

狂犬病(市中の病院・薬局にワクチンがない)

2025年8月14日の大使館注意喚起はスリ被害連続発生と狂犬病を同時に取り上げたもので、スリ側の詳細はウランバートルのスリ・置き引きに。ここでは狂犬病リスクを。B1-medical から。

イヌ、ネコ、コウモリなどの動物に咬まれたり、なめられたりすることで感染します。発症後の致死率は100%です。野犬が徘徊しており、特に子供は咬まれただけでも重傷になりやすく、野生動物には近寄らないようにしましょう。

そして受診先の指定が厳しいのがポイント。

もし咬まれたら石けんと流水で良く洗い、国立感染症センター、SOSメディカモンゴリアを受診し、狂犬病ワクチンの接種を受けて下さい。なお、市中病院や薬局には狂犬病ワクチンはありません。

「市中病院や薬局にはワクチンがない」と明記されているので、咬まれたら迷わず国立感染症センターかSOSメディカモンゴリアへ。地方にいる場合はウランバートルへの移動が必要になるので、ツアーガイド・保険会社アシスタンスと同時連携が必要です。

A2-safety はタルバガン(マーモット)のペスト保菌も警告しています。接触・捕獲は絶対に避けます。

乗馬・落馬

B1-medical から。

落馬や路面凍結時の転倒による骨折が多く見られます。例年、夏の観光シーズンには特に落馬によるけがが増加します。乗馬時はヘルメットの着用を心掛けて下さい。

夏の観光シーズンに落馬急増というのは、テレルジ等の乗馬アクティビティがピークになるため。ヘルメット貸与があるキャンプを選ぶ初心者コース限定事前の経験の正直な申告の3つが基本対策。骨折で「初期治療はモンゴルで行わざるを得ない場合でも、不適切な治療による後遺症や感染症の危険性がある」ため、日本帰国後に改めて診断を受けるのが外務省の推奨です。

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アルコール(アルヒの一気飲み文化)

大量飲酒の傾向があり、アルヒ(度数の高いウォッカ)を何回も一気飲みして盛り上がる習慣がありますので、十分な注意が必要です。

付き合いの席で急性アルコール中毒に至るケースが想定されるので、断る術を事前に持っておくのが現地対策。また A2-safety は「飲酒法により、午前0時以降に屋外で警察官による職務質問で酩酊状態と判断された場合、酩酊者用留置場に勾留」と書いています。

ゲル内ストーブの熱傷

冬のゲルで意外な怪我が熱傷。

ゲル内では、常にストーブが焚かれ、熱湯が放置されているため、特に冬の小児の熱傷の発生が多くなっています。

子連れ渡航では特にストーブ周辺・熱湯ポットの配置を確認しておきたい。

推奨予防接種

B1-medical の成人推奨。

  • 破傷風トキソイド
  • B型肝炎
  • A型肝炎
  • 腸チフス
  • 狂犬病
  • 季節性インフルエンザ

A型肝炎・B型肝炎は A2-safety にも「これらを含めたワクチンを渡航前に接種することをお勧めします」と明記されています。

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体験談

TESTIMONY · 旅行者A
ウランバートル滞在中に脳溢血で倒れ、現地病院では対応困難と判断されて日本に戻ることに。チャータージェットに医師2名がエスコートで付き、成田までの搬送費用を含めて請求は US$112,962.53。保険がなければ破産していた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:損保ジャパン off! アジア支払い事例

TESTIMONY · 旅行者B
テレルジの観光中に野犬に手を咬まれた。現地の町の薬局・病院では狂犬病ワクチンの在庫がなく、ウランバートル市内の国立感染症センターまで戻ってワクチン接種を受けた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 世界の医療事情「モンゴル」

手口早見表

リスク主因対策
重症疾患→日本帰国搬送医療水準の差、専門医不足治療救援3,000万円以上の保険、キャッシュレス対応
冬のPM2.5被曝盆地逆転層、マイナス40℃の石炭暖房PM2.5対応マスク、空気清浄機付きホテル
狂犬病野犬・マーモット・コウモリ国立感染症センターかSOSメディカモンゴリアで即ワクチン
ブルセラ症未殺菌乳製品(生乳・チーズ・ヨーグルト)遊牧民歓待の自家製乳製品は避ける
食中毒氷・生サラダ・路上食加熱済みのものを、夏は特に注意
落馬骨折乗馬アクティビティヘルメット着用、初心者コース限定
急性アルコール中毒アルヒ一気飲み文化断る術、深夜屋外酩酊は勾留リスクあり

予防策(出発前・現地)

出発前

  • 治療救援3,000万円以上の海外旅行保険に加入(緊急移送特約の確認)
  • 推奨予防接種(A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病)の接種、2〜3ヶ月前から計画
  • 常用薬の持参(特に呼吸器・循環器系)
  • PM2.5対応マスクを冬渡航時は必携
  • 保険会社のアシスタンス電話番号をスマホと紙の両方に控える

現地

  • 生水・氷・生サラダ・路上食を避ける(夏季特に)
  • 未殺菌乳製品(生乳・自家製チーズ)を避ける
  • 野犬・マーモット・コウモリに絶対に触らない
  • 乗馬はヘルメット着用・初心者コース
  • 冬はPM2.5マスク着用、長時間の屋外活動を避ける
  • 深夜の過度な飲酒を避ける(勾留リスク・急性アル中)
  • ゲル内のストーブ・熱湯ポットの配置確認(子連れ特に)

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被害に遭った場合の対応

  1. 重症・急病: 保険会社アシスタンスへ電話 → 病院指定+キャッシュレス手配
  2. 軽症・一般: Intermed 病院 / SOS クリニック / Songdo 病院へ
  3. 犬・動物に咬まれた: 石けんと流水で洗浄 → 国立感染症センター or SOSメディカモンゴリア(市中病院・薬局にワクチンなし)
  4. 公共救急は103だが出動遅延あり、私立病院の有料救急車を優先
  5. 大使館連絡(+976-11-320777、閉庁時は+976-7004-5004)で日本語医療通訳・支援
  6. 骨折等の初期治療後: 日本帰国後に改めて診断・再治療(外務省推奨)

よくある質問

モンゴルで実際に高額医療費が発生した事例は?

損保ジャパン off! の公表事例に、モンゴル単独の事例が1件残っています。脳溢血でウランバートルから成田までチャータージェット+エスコート医師2名、諸費用含めて US$112,962.53(約1,700万円)。外務省「世界の医療事情」は「日本へ医療専用機で緊急移送する際には、3000万円以上の経費が発生することがある」と試算しています。

狂犬病に咬まれたらどこに行けば?

外務省は「市中病院や薬局には狂犬病ワクチンはありません」と明記しており、国立感染症センターまたはSOSメディカモンゴリアの受診が必要です。発症後の致死率は100%なので、咬まれたら石けんと流水でよく洗い、即日ワクチン接種を受けてください。野犬やタルバガン(マーモット)への接触は絶対に避けます。

ウランバートルの冬の大気汚染はどれくらい?

外務省「世界の医療事情」は「ウランバートル市のPM2.5は冬季には世界で最も高くなることがあります」と明記しています。盆地地形と気温マイナス40℃以下での逆転層で汚染が滞留する構造。冬に喘息・呼吸器疾患の悪化事例があり、常用薬の持参と PM2.5 対応マスクが必須です。

公共救急車は呼べる?

呼べますが、外務省は「公共の救急車(電話103)を要請しても出動には時間を要すことがあります」と明記しています。私立病院(Intermed・SOSクリニック・Songdo 病院など)の有料救急車、または自家用車・タクシーでの移動のほうが早いケースが多いとされています。

出典

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