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ウランバートルのスリ 広場5件連続とバス車内切り裂き【2026】

ウランバートルのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

モンゴルは2024年の犯罪認知件数が44,673件と1990年以降で過去最多、そしてそのうち約7割が首都ウランバートルで発生というのが外務省のデータです。スリ・置き引き・ひったくりは「市内のあらゆる場所で」発生していると A2-safety が書いていて、被害が集中しているホットスポットを押さえるだけでは足りない、というのがモンゴル特有の温度感です。

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2025年8月、スフバートル広場で5件連続発生

在モンゴル日本国大使館が2025年8月14日に出した緊急注意喚起から。

8月に入り、ウランバートル市内のスフバートル広場周辺やナラントール市場(ザハ)等で邦人の財布やスマートフォンが盗まれるスリ被害が5件連続発生しています。

たった2週間で日本人だけで5件、という頻度。スフバートル広場は観光でほぼ全員が立ち寄る場所なので、この注意喚起は渡航前の全員に当てはまると思ったほうがいい。

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被害が多い場所(観光動線とほぼ完全に重なる)

大使館「安全の手引き」(令和8年1月改訂)が名指ししている場所を整理すると、定番の観光動線とぴったり重なります。

市内中心部・スフバートル広場周辺

スフバートル広場、中央郵便局、フラワーセンター、市内ホテル周辺。立ち止まって写真を撮る瞬間、郵便物を出す瞬間、両替する瞬間が狙われる時間帯。スマホをひったくるタイプの被害も出ています。

デパート・ザハ(市場)

旧国立デパート(State Department Store)とナラントール市場。混雑の中でカバンのチャックを開けるタイプが主流。外務省 A2-safety はもう一歩踏み込んでこう書いています。

気がつかない間にバッグを開けられたり、ナイフでカバンを切り裂いて財布や貴重品を抜き取ったりする被害が多発している

「ナイフで切り裂く」は国によっては都市伝説的に語られますが、モンゴルは外務省の一次情報で明確に書かれているのが特殊。布製のトートバッグ・肩掛け鞄は避け、革や硬い素材のショルダー or 前掛けリュックが基本です。

バス車内・停留所

市内バス車内ではポケットに入れていたスマホが盗まれるカバンをナイフで切り裂いて中身を抜き取るの2パターン。バスは現地の人の主要交通手段なので避けきれない場面もありますが、ポケットにスマホを入れないカバンは体の前に回すの2点だけは徹底したいところです。

チンギスハーン国際空港・駅

空港は到着直後でカートに荷物を積んだ瞬間、駅は列車を待つホームで荷物を置いた瞬間。置き引きが名指しで出ているので、荷物から一切手を離さない・足で挟むくらいの意識が必要です。

観光地(チンギスハーン像・ガンダン寺・ザイサン・テレルジ)

郊外の観光地もホットスポットです。特にテレルジはテント・ゲル泊まりの拠点なので、次のゲル侵入盗リスクと連動します。

ツーリストゲル内での侵入盗

A2-safety から。

ツーリストキャンプのゲル(遊牧民の移動式住居)内で就寝中に何者かが室内に侵入して現金や貴金属が盗まれる被害も発生しています。

大使館手引きはさらに具体で、窓の網戸を破って邦人のゲルに侵入、現金・スマホ・貴重品を盗まれた事例が残っています。ゲルは施設によっては出入口に鍵がかからないのが構造上の弱点で、外務省は「鍵がない場合には、単身でのゲル宿泊を避ける」と推奨しています。旅行会社経由のツアーならドア施錠可否の事前確認が第一歩。侵入盗と性犯罪の重なりはウランバートルの侵入盗・性犯罪で詳しく書きました。

体験談

TESTIMONY · 旅行者A
ウランバートル市内の路線バスに乗っていたら、気づかないうちにカバンがナイフで切り裂かれて、財布とスマートフォンが抜き取られていた。降りてから異変に気付いた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「モンゴル 安全対策基礎データ」

TESTIMONY · 旅行者B
ツーリストゲルで就寝中、誰かが窓の網戸を破って侵入してきて、現金・スマートフォン・貴重品をまとめて盗まれた。寝ていて全く気付かなかった。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在モンゴル日本国大使館「安全の手引き」

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手口早見表

手口発生場所対策
チャック開け・カバン切り裂きデパート・市場・バス車内硬い素材の前掛けリュック、ジッパーを手で押さえる
スマホひったくりスフバートル広場、路上歩きスマホ禁止、内ポケットにしまう
置き引き空港・駅・ホテルロビー荷物を足で挟む・一切手を離さない
観光地でのスリチンギスハーン像・ガンダン寺・テレルジ貴重品は首掛けポーチ、撮影時も手で押さえる
ゲル侵入盗ツーリストゲル(テレルジ等)施錠可能な施設のみ選択、貴重品は体に付けて就寝
バー・酒場周辺でのトラブルカラオケ・バー路上深夜単独移動を避ける、過度の飲酒回避

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予防策(出発前・現地)

出発前

  • 現金・カードを分散(メインの財布・予備財布・首掛けポーチの3分散)
  • パスポートは宿の施錠ロッカーまたは体に付ける首掛けポーチ
  • カード紛失時の停止連絡先を紙とスマホの両方に控えておく
  • 海外旅行保険の携行品損害特約に加入(ノートPC・カメラ・スマホの補償額確認)
  • 冬季渡航なら切り裂き耐性のあるショルダーバッグを選ぶ

現地

  • バス車内・市場・デパートではカバンを体の前に回してチャックを手で押さえる
  • スフバートル広場・中央郵便局・フラワーセンターでは立ち止まっての撮影・両替を短時間で
  • 空港・駅では荷物を足で挟むか、ベルトで自分の体と繋ぐ
  • スマホのポケット入れはNG、内ポケットまたはチャック付きポーチへ
  • 夜間・早朝の単独外出は避ける(強盗リスク、過去に殺人事例あり)
  • ゲル宿泊時はドア施錠可否を事前確認、貴重品は寝袋内または首掛けポーチで就寝

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被害に遭った場合の対応

  1. 安全な場所へ移動(反撃・追跡しない)。A2-safetyは「抵抗せずに犯人の要求に従う」と明記
  2. 所持品確認(パスポート・カード・現金・スマホ)
  3. カード停止(各社の国際フリーダイヤルへ即連絡)
  4. 警察へ届け出(102)。盗難届受理証明を必ず発行してもらう(保険請求に必要)
  5. 大使館へ連絡(+976-11-320777、閉庁時は+976-7004-5004)。パスポート紛失時は旅券再発行または帰国のための渡航書を申請
  6. 保険会社へ連絡(携行品損害の請求)

よくある質問

ウランバートルでスリに遭いやすい場所は?

在モンゴル日本国大使館「安全の手引き」が名指ししているのは、市内ホテル・中央郵便局・フラワーセンター・スフバートル広場周辺路上・旧国立デパート・ナラントール市場・チンギスハーン国際空港・列車駅構内・市内バス停留所・チンギスハーン像・ガンダン寺・ザイサン・テレルジの観光地です。観光動線とほぼ完全に重なります。

バス車内で気をつけることは?

外務省 安全対策基礎データによると、ウランバートル市内の路線バスでポケットのスマホが盗まれる被害や、ナイフでカバンを切り裂いて財布を抜き取る被害が多発しています。貴重品はリュックを前掛けにしてジッパーを常に手で押さえ、スマホは内ポケットにしまうのが基本です。

ゲル宿泊時の盗難対策は?

外務省は「ゲルに一人で宿泊する際には、出入口に鍵がかかる施設を利用し、鍵がない場合には、単身でのゲル宿泊を避ける」と明記しています。窓の網戸を破って侵入された邦人事例が大使館手引きに残っているため、貴重品は体に付けて寝る(首掛けポーチなど)か、施錠可能なロッカーのある施設を選ぶのが現実解です。

被害に遭ったらまず何をする?

まず安全な場所に移動し、パスポート・カード類の所持確認。カードは発行会社に即停止連絡、パスポート紛失は警察に届け出て「盗難届受理証明」を取得し、在モンゴル日本国大使館(+976-11-320777、閉庁時間は+976-7004-5004)で旅券の再発行または帰国のための渡航書を申請します。

出典

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