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リヒテンシュタインの治安 空港のカード詐欺と高額医療費【2026】

リヒテンシュタインの治安、空港でのクレジットカード詐欺、高額な医療費を、外務省と在スイス日本国大使館の情報からまとめました。

UPDATED · 2026.06.01 KAIGAI-RISK

リヒテンシュタインは、スイスとオーストリアに挟まれた、面積約160km²の小さな公国です。通貨はスイスフラン、スイスと関税同盟・シェンゲン圏を組み、国内には空港も国際鉄道駅もなく、旅行者の多くはスイスのチューリッヒ空港やザルガンス駅を玄関口に入国します。在外公館も独立しておらず、在スイス日本国大使館(ベルン)がリヒテンシュタインを兼轄しています。外務省の危険情報・スポット情報・感染症危険情報はすべて発出なしで、ヨーロッパでもトップクラスの低リスク帯にあります。

ただ「危険情報ゼロ」と「現地で気をつけることもゼロ」は違います。外務省「リヒテンシュタイン 安全対策基礎データ」を読むと、旅行の玄関口であるスイス・チューリッヒ空港でのクレジットカード詐欺スイス並みの高額な医療費という、この国ならではの2つの落とし穴がはっきり書かれています。生活インフラの多くをスイスに依存する国なので、犯罪傾向も医療事情もスイスに準じて備えておくのがリヒテンシュタインの歩き方です。

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危険レベル --- 危険・スポット・感染症すべて「発出なし」

外務省の海外安全ホームページを開くと、リヒテンシュタインは危険情報・スポット情報・感染症危険情報のいずれも発出されていません。

現在、危険情報は出ておりません。 現在、感染症危険情報は出ておりません。 現在、スポット情報は出ておりません。

広域情報(闇バイト注意喚起など)は掲載されていますが、これらはヨーロッパ全域に共通する一般的な注意喚起で、リヒテンシュタイン固有のリスク情報は出ていません。

テロ・誘拐情勢の概況も、ほぼリスクなしと言える内容です。

リヒテンシュタインにおいては、テロ組織、反政府組織や国際的なテロ組織の関連組織の活動は確認されていません。

近年、外国人を標的とした誘拐事件は確認されていません。

現在のところ、日本人及び日本権益を標的とした脅威情報は確認されていません

レベル感としては「ヨーロッパで最も安全な国の1つ」と考えて大丈夫な国です。ただしその下に、観光客がハマりやすい落とし穴があります。

治安が良い国でも気をつけたい2つ

1. 玄関口チューリッヒ空港でのクレジットカード詐欺

外務省「リヒテンシュタイン 安全対策基礎データ」は、治安の良さを認めつつ、旅行者がよく利用するスイス側の空港で起きている詐欺を具体的に名指ししています。

リヒテンシュタインは治安の良い国として知られていますが、旅行者も多いことから、他国からの移動時なども含め、一般犯罪が発生しています。一例として、リヒテンシュタインへの旅行者等がよく利用する、スイスのチューリッヒ空港でのクレジットカード詐欺が挙げられます。日本人の名を名乗る見知らぬ人から、「フライトがキャンセルとなったため航空会社に電話したいが、クレジットカードを持っていないので現金と引き替えにクレジットカードを使用させてほしい」と依頼され、クレジットカードを渡したところ、知らないうちに同種のカードにすり替えられ、後日、不正使用されていたことに気づいたといった詐欺犯罪が近年発生しています。

「日本人を名乗る人が日本人に近づく」という構図で、同郷の安心感につけ込まれるのが厄介な点です。外務省は対策もはっきり書いています。

見ず知らずの人にクレジットカードの使い方等の支援を求められても、安易に信用せず、警察に相談するよう返答する。

クレジットカードが一瞬でも犯人の手に渡った場合は、すり替えられている可能性があるので、すぐにカードの名義を確認する。

カードは一瞬でも他人の手に渡さない、渡してしまったら名義をその場で確認する。これがチューリッヒ空港を通るときの基本です。

リヒテンシュタイン国内の犯罪統計も、件数こそ少ないものの財産犯が中心です。

リヒテンシュタインの犯罪統計によれば、2024年の犯罪件数は1,373件(前年比1%減)で、主な内訳は、財産・経済犯罪(窃盗・車両盗・器物損壊・詐欺等)が883件、薬物:404件、傷害(脅迫を含む):230件、性犯罪:28件となっています。

外出先での防犯は、外務省が挙げる基本どおりです。

見知らぬ人物に話しかけられたら、毅然とした態度で接するとともに、十分な距離をとり、荷物から注意を逸らさない。

ATM利用時は、他人に暗証番号を見られないよう注意し、引き出した現金はすぐにしまう。

荷物運びを手伝うなどの親切心を装ったスリに注意する。

スリ・置き引き対策は、入国経路となるスイスでも共通です。駅や乗り換えで気をつけたい点は スイスの治安 ページにまとめています。

2. スイス並みの高額医療費 --- 無保険だと多額の自己負担

リヒテンシュタインの医療は生活インフラの多くをスイスに依存しており、医療費の水準もスイス同様にかなり高額です。外務省「リヒテンシュタイン 安全対策基礎データ」は、保険未加入の危うさを次のように書いています。

海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。

実際にどれくらいの規模になるのか、後述の参考事例のとおり、アルプス圏の医療費は入院・ヘリ搬送・帰国搬送込みで数百万円〜1,000万円超に達することがあります。海外旅行保険は持っておきたい安心装備の1つです。

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入国・出国 --- スイス経由が基本

リヒテンシュタインは独立国ですが、通貨はスイスフラン、スイスと関税同盟・シェンゲン圏を組んでおり、国内に空港や国際鉄道駅はありません。旅行者の多くはスイスのチューリッヒ空港やザルガンス駅から陸路で入国します。査証や持込みのルールも、スイスに準じます。

日本とリヒテンシュタインとの間には、スイスに準じた査証免除取極が締結されているため、観光などを目的とした90日以内の短期滞在については、査証の取得は免除されています。入国の際に、パスポートの残存有効期間が出国予定日から3か月以上ある必要があります。

シェンゲン協定により、滞在は「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」範囲に限られます。現金10,000スイスフラン相当額以上を持ち込む場合は申告が必要です。

最新のビザ・出入国の手続きは、リヒテンシュタイン政府の領事業務を代行している駐日スイス大使館(電話:03-5449-8400)に確認してください。

健康と医療 --- スイス水準で高額

リヒテンシュタイン専用の医療情報ソースはなく、医療体制の多くをスイスに依存しています。医療水準は高い一方、診察料・入院費は日本と比べてかなり高額です。

旅行者にとって覚えておきたい緊急番号:

  • 警察: 117
  • 救急車: 144
  • 消防署: 118

外務省・在スイス日本国大使館とも、緊急番号は警察117・救急144・消防118で一致しています。日本語の通じる医療機関の案内はありません。この番号にかけるにも自分のスマホが繋がっていることが前提なので、現地SIMかeSIMは出発前に用意しておきたいところです。料金はリヒテンシュタインのeSIM最安料金比較で、各社公式サイトから取得した実売価格を旅行日数別に並べています。各社の性格や選び方は海外eSIM比較を参照。

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治療費の現実 --- アルプス圏の参考事例

外務省が「無保険だと多額の出費を余儀なくされる」と明記するとおり、医療費の現実はアルプス圏の事例で把握しておくのが実践的です。リヒテンシュタイン単独の保険金支払い事例は損保各社のデータベースに掲載が確認できなかったため、生活インフラを共有するスイスの事例を「リヒテンシュタインと同水準の医療費」という枠で貼っておきます(リヒテンシュタイン国内で起きた事例ではありません)。

スイスでは、登山・ハイキング中の転倒や急病で、ヘリ搬送・入院・帰国搬送込みの請求が次のような規模になっています。

  • トレッキング中に転倒しヘリコプターで搬送、橈骨頭骨折・膝蓋骨骨折で5日間入院・手術、家族が駆けつける --- 659万円
  • 胸の痛みと吐き気で受診、心筋梗塞で8日間入院・手術、家族が駆けつけ医師・看護師付き添いで医療搬送 --- 463万円
  • ハイキング中に下り坂で転倒しヘリコプターで搬送、脛骨・腓骨骨折で13日間入院・手術、看護師付き添いで医療搬送 --- 1,269万円
  • 発熱・耳が聞こえなくなり受診、大葉性肺炎・中耳炎で18日間入院、家族が駆けつけ医師付き添いで医療搬送 --- 688万円

山岳地帯でのヘリ搬送が絡むと、医療費は一気に1,000万円超に届きます。近隣の参考事例は スイスの治安 ページも参照してください。

滞在のミニ知識

たびレジ・在留届

3か月未満の旅行者は たびレジ に登録すると、リヒテンシュタインの最新治安情報や緊急時の安否確認に使えます。3か月以上の長期滞在者は、在留届を在スイス日本国大使館(リヒテンシュタインを兼轄)に提出します。

在外公館はスイス・ベルンの大使館が兼轄

在スイス日本国大使館は、安全情報ページの冒頭で兼轄を明記しています。

在スイス日本国大使館は、リヒテンシュタイン公国を兼轄しています。

リヒテンシュタイン専用の在外公館や「安全の手引き」はなく、緊急時の相談先はベルンの在スイス日本国大使館になります。

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緊急時連絡先(保存推奨)

外務省「リヒテンシュタイン 安全対策基礎データ」から:

  • 警察: 117
  • 救急車: 144
  • 消防署: 118
  • 在スイス日本国大使館(リヒテンシュタインを兼轄): (国番号41)31-300-22-22/スイス国内からは(市外局番31)300-22-22
  • 住所: Engestrasse 53, 3012 Berne, Switzerland

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まとめ --- 「危険情報ゼロ」を上手に使うために

リヒテンシュタインはヨーロッパで最も平和な国の1つで、危険情報・スポット情報・感染症危険情報すべて発出なし、テロ組織の活動も外国人を標的とした誘拐も確認されていません。基本的にはアルプスの小国らしい静かな滞在を楽しめる国です。

その上で、出発前に頭に入れておきたいのは次の2つだけ:

  1. 玄関口チューリッヒ空港でのクレジットカード詐欺に注意(カードを一瞬でも他人に渡さない、渡したら名義を確認)
  2. 医療費はスイス並みに高額で、無保険だと多額の自己負担になる(海外旅行保険を備える)

入国経路も医療体制もスイスを共有する国なので、スイスの治安 を一読しておけば、リヒテンシュタインの歩き方はそのまま身につきます。

出典