モナコは、フランスのコートダジュールとイタリアの間に位置する、面積わずか2.02km²(バチカンに次いで世界第2の小国)の都市国家です。在モナコ日本国大使館の紹介ページが書くとおり、丘の上の宮殿、地中海の青い海、F1モナコ・グランプリ、華やかなカジノと社交場で知られる、世界有数の富裕層が集まる土地です。外務省の危険情報・スポット情報・感染症危険情報はすべて発出なしで、ヨーロッパでもトップクラスの低リスク帯にあります。
ただ「危険情報ゼロ」と「現地で気をつけることもゼロ」は違います。外務省「モナコ 安全対策基礎データ」を読むと、カジノ・ホテルでの窃盗とフランス並みの高額な医療費という、富裕層が集まる土地ならではの2つの落とし穴がはっきり書かれています。モナコは在フランス日本国大使館(パリ)が兼轄しており、犯罪傾向も対策もフランスに準じる点を押さえておくのがモナコの歩き方です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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危険レベル --- 危険・スポット・感染症すべて「発出なし」
外務省の海外安全ホームページを開くと、モナコは危険情報・スポット情報・感染症危険情報のいずれも発出されていません。広域情報(闇バイト注意喚起、中東情勢の緊迫化など)は掲載されていますが、これらはヨーロッパ全域に共通する一般的な注意喚起で、モナコ固有のリスク情報は出ていません。
テロ・誘拐情勢(更新日 2025年2月20日)の概況は次のとおりです。
近年、モナコ公国では、テロと見られる事件の発生は確認されておらず、また、国外のテロ組織が活動している状況も確認されていません。
一方、モナコ公国は、近年複数のテロ事件が発生しているフランスと国境を接しており、特に、近隣であるニースでは、2016年7月には多数の死傷者を伴う車両突入テロ事件が発生し、2020年10月には教会で3人が刃物で首元を切られ殺害されるテロ事件が発生していることから、今後も注意が必要です。
現在のところ、モナコ公国において、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていません。
レベル感としては「ヨーロッパで最も安全な国の1つ」と考えて大丈夫な国です。ただしその下に、観光客がハマりやすい落とし穴があります。
治安が良い国でも気をつけたい2つ
1. カジノ・ホテルでの窃盗 --- スリ・置き引きが中心
外務省「モナコ 安全対策基礎データ」の「犯罪発生状況」は、モナコの治安をひと言で表しています。
一般的に治安は良好であり、強盗や殺人などの凶悪犯罪は多くはありませんが、スリや置き引きなどの一般犯罪は発生しています
「防犯対策」の項では、具体的なスポットが名指しされています。
犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。特にカジノなどの遊技場、ホテルなどでは、窃盗の被害に遭わないように注意してください。
モナコといえばモンテカルロのカジノですが、カジノやホテルこそが窃盗の要警戒スポットと外務省が明記しています。豪華な雰囲気に気を取られた瞬間に、テーブルやクロークに置いたバッグ、ジャケットの内ポケットから財布やスマホを抜かれる、という置き引き・スリの構図です。多額の現金・貴重品を持ち歩かないこと、視線を切らないことが基本です。
外務省は犯罪傾向そのものについても、フランスを参照するよう促しています。
モナコにおいてはフランスと同様の犯罪が発生する傾向にありますので、フランスの安全対策基礎データにも目を通して、安全対策に努めてください。
地中海の観光地としてのスリ・置き引き対策は、フランスの治安 で書いた対策がそのまま効きます。
2. フランス並みの高額医療費 --- 無保険だと治療を断られることも
モナコは医療水準が高い一方で、医療費はフランス同様にかなり高額です。外務省「モナコ 安全対策基礎データ」の医療・衛生事情にこうあります。
衛生事情は良く、医療レベルも高水準ですが、フランス同様病院での診察料・入院費は日本と比較するとかなり高額です。なお、一般的な薬は薬局で買うことができます。
海外旅行保険の項は、さらに踏み込んだ警告です。
一般的に海外の医療施設で受診した場合、高額な医療費を請求されます。モナコも例外ではなく、医療費は高額となることがあり、また、無保険かつ支払い能力が無いと判断された場合には、治療を受けることができない可能性もあります。
「無保険だと治療を受けられない可能性がある」という記述は重く受け止めたい一文です。後述の参考事例のとおり、フランス圏の医療費は入院・搬送込みで数百万円〜700万円超に達することがあります。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
入国・出国 --- フランス経由が基本
モナコは独立国ですが、陸路の入出国はフランス経由が基本で、フランスとの間には出入国審査・税関検査がありません。観光目的で90日以内の滞在はビザ免除、90日を超える滞在はフランス大使館でモナコ長期滞在ビザを取得します。フランスへの現金10,000ユーロ以上の持込みには申告義務がある点も、フランスのルールに準じます。
立入禁止区域について、外務省「滞在時の留意事項」はこう書いています。
軍事施設、宮殿など立ち入りが禁止されている区域があります。
大公宮殿(プリンスパレス)周辺など、観光ルートに含まれるエリアでも立入禁止の区画があるので、表示と警備員の指示に従いましょう。
健康と医療 --- 高水準だが日本と比べて高額
モナコ専用の医療情報ソースはなく、外務省も対策をフランスに準じる扱いとしています。医療水準は高く、衛生事情も良好ですが、診察料・入院費は日本と比べてかなり高額です。
旅行者にとって覚えておきたいポイント:
- 消防/救急: 18 または 9330-1945
- 警察: 17 または 9315-3015
- 病院: Centre Hospitalier Princesse Grace(プリンセス・グレース病院)9798-9900
- モナコ国外からは、国際電話番号 +377 + 国内電話番号
一般的な薬は薬局(ファルマシー)で購入できますが、日本語の通じる医療機関の案内はありません。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
治療費の現実 --- フランス圏の参考事例
モナコは在フランス日本国大使館が兼轄し、外務省も「医療費はフランス同様に高額」と明記しているため、医療費の現実はフランス圏の事例で把握しておくのが実践的です。モナコ単独の保険金支払い事例は損保各社のデータベースに掲載が確認できなかったため、フランスの事例を「モナコと同水準の医療費」という枠で貼っておきます(モナコ国内で起きた事例ではありません)。
フランスでは、駅やホテル、美術館での転倒・骨折で、入院・帰国搬送込みの請求が次のような規模になっています。
- 駅の改札で転倒、大腿骨頚部骨折で12日間入院・手術、看護師付き添いで医療搬送 --- 614万円
- ホテルでふらつき脳内出血、14日間入院、看護師付き添いで医療搬送 --- 804万円
- 美術館見学中に転倒、大腿骨転子部骨折で20日間入院・手術、看護師付き添いで医療搬送 --- 707万円
歩行中に飲酒運転の車に轢かれて眼窩骨折・肝臓裂傷(4日間入院・手術)で356万円という事故事例もあります。詳しい近隣の参考事例は フランスの治安 ページを参照してください。外務省が「無保険だと治療を断られる可能性」と書くモナコでは、海外旅行保険は持っておきたい安心装備の1つです。
滞在のミニ知識
たびレジ・在留届
3か月未満の旅行者は たびレジ に登録すると、モナコの最新治安情報や緊急時の安否確認に使えます。3か月以上の長期滞在者は在留届を在フランス日本国大使館(モナコを兼轄)に提出します。たびレジの通知も現地で受け取れてこそなので、現地SIMかeSIMは出発前に用意しておきたいところ。料金はモナコのeSIM最安料金比較で、各社公式サイトから取得した実売価格を旅行日数別に並べています。各社の性格や選び方は海外eSIM比較を参照。
長期滞在者向けの「安全の手引き」
在フランス日本国大使館では、フランスに長期滞在する方を対象として「安全の手引き」を作成しています。フランスとモナコは共通する点が多いため、モナコでの長期滞在にあたっては「安全の手引き」を参考として、安全対策に努めてください。
モナコ専用の手引きはなく、フランス版が共通の防犯マニュアルとして案内されています。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
緊急時連絡先(保存推奨)
外務省「モナコ 安全対策基礎データ」から(モナコ国外からは +377 + 国内番号):
- 消防/救急: 18 または 9330-1945
- 警察: 17 または 9315-3015
- 病院(Centre Hospitalier Princesse Grace): 9798-9900
- 在フランス日本国大使館(モナコを兼轄): +33-1-4888-6200
- 在マルセイユ日本国総領事館: +33-4-9116-8181
- 在モナコ日本国名誉総領事(エリック・ベンチモル氏): +377-97982325
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
まとめ --- 「危険情報ゼロ」を上手に使うために
モナコはヨーロッパで最も平和な国の1つで、危険情報・スポット情報・感染症危険情報すべて発出なし、テロ・誘拐の日本人被害もゼロ。基本的には地中海と社交の雰囲気をリラックスして楽しめる国です。
その上で、出発前に頭に入れておきたいのは次の2つだけ:
- カジノ・ホテルでの窃盗に注意(多額の現金・貴重品を持ち歩かない、視線を切らない)
- 医療費はフランス並みに高額で、無保険だと治療を断られる可能性もある(海外旅行保険を備える)
犯罪傾向も対策も、外務省自身が「フランスに準じて」と書いています。フランスの治安 を一読しておけば、モナコの歩き方はそのまま身につきます。