ツェルマットはマッターホルン登山・スキー観光の拠点で、スイスを訪れる日本人にも人気の高地リゾート。標高1,620m、ガソリン車禁止のクリーンな雰囲気で、街中の治安は比較的落ち着いています。ただし外務省は「日本人ツアー客の死亡事故も毎年のように発生」と書いていて、事故が起きた時の医療費・救助費は世界最高水準。「治安は良いが命とお金のリスクが極端に大きい」のがツェルマットの特徴です。スイス全体の犯罪傾向と医療費事情も合わせて確認しておこう。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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マッターホルン登山 --- 「毎年のように」発生する死亡事故
外務省の安全対策基礎データはマッターホルン・グリンデルワルト・サンモリッツでの登山事故を名指しで警告しています。
スイス国内の山では、クレバス(氷河の裂け目)への滑落事故、登山中の死亡・負傷事故や行方不明が毎年発生しています。グリンデルワルト、ツェルマット、サンモリッツ、マッターホルン、モンブラン山系(仏領を含む)等において本格的な登山をする場合は、事前に地元ガイドのアドバイスを十分に聞き、装備を怠りなく、無理をしないよう心掛けてください。日本人ツアー客の死亡事故も毎年のように発生しています。
「毎年のように」と書いてある国は多くありません。本格的なマッターホルン登山は地元ガイド帯同が必須レベル。装備・経験・天候判断のどれかが欠けると事故に直結します。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
高山病・気圧低下・「ハイキング後脳梗塞」
ツェルマット周辺は登山電車やケーブルカーで簡単に標高3,000m超まで上がれてしまう。これがリスクの本質です。
スイスは全般的に海抜が高く、さらに登山電車やケーブルカー等の発達で比較的簡単に2,000メートルを超える高い山に登ることができますが、急な気圧の低下により体調を崩す場合がありますので、特に心臓の弱い方、体調の悪い方、お年寄り、小さなお子様は絶対に無理をしないように注意してください。
さらに見落とされがちなのが「ハイキング後の脳梗塞」。
短時間の簡易なハイキングであっても、旅行の疲労や急な気圧の変化等により、ハイキング中または下山後、脳梗塞等により緊急入院するケースも散見されるため、健康管理には十分注意してください。
短いハイキングでも、フライト翌日にいきなり3,000mに上がる行程は要注意。到着翌日は標高を上げ過ぎない、水分を十分にとる、体調が悪い時は無理をしない、これだけで防げる事故が大半です。
REGA(スイス・エアレスキュー)と1,000万円超の救助費
ツェルマット周辺で事故った時、救助に来るのは民間のREGA(スイス・エアレスキュー)。問題は費用が全額自己負担で、桁が違うことです。
スイスでは、山岳事故等における行方不明者救助費用や緊急患者輸送費用は自己負担です。その金額は非常に高額であり、一千万円を優に超えるケースもあります。
保険会社のスイス事例(ソニー損保・SBI損保)から、ツェルマット周辺で起こりうる事故の金額感を見ておこう。
| 内容 | 入院日数 | 金額 |
|---|---|---|
| ハイキング中に下り坂で転倒、ヘリ搬送、脛骨・腓骨骨折、看護師付添医療搬送 | 13日 | 688万円 |
| トレッキング中に転倒、ヘリ搬送、橈骨頭・膝蓋骨骨折、手術 | 5日 | 659万円 |
| スキー場リフトの床が外れ3メートル落下、ヘリ搬送、大腿骨骨折 | 10日 | 700万円 |
| ハイキング中に展望台で足を滑らせ転倒、足首骨折 | 8日 | 413万円 |
最低でも400万円台、医療搬送(チャーター機・看護師付き添い)まで行くと700万円前後。これにバスルームでの転倒でさえ1,269万円という数字が並んでいます。クレジットカード付帯保険の救援費用上限(多くは300〜500万円)では、ヘリ救助1回でショートする計算です。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
REGA会員登録 --- 山に行くなら必須レベル
海外旅行保険の加入とともにREGA(スイス・エアレスキュー)に加入し、入山前には山小屋やホテルに登山ルートや緊急連絡先等を伝えておくことをお勧めします。
REGAは民間の航空救助隊で、年会費を払って会員になっておけば状況によりREGAが救助費用を肩代わりしてくれる仕組み。日本からも英語サイトでオンライン登録可能です(年額CHF 40〜程度)。
そして必ず確認したいのが海外旅行保険の山岳特約。
海外旅行保険に加入する場合は、登山・ハイキング中の事故等にも適用されるかどうかを十分に確認することが重要です。
契約によっては「クライミング・本格登山は補償外」「登山届を提出していない場合は補償外」といった条件がつくことがある。ツェルマット行きが決まったら、保険証券の補償対象を必ず読み込んでおこう。
スキー場でのリフト事故・骨折
スキー場のリフトでも事故は起きています。
- スキー場でリフトに乗る際、金属の床が外れ3メートル落下しヘリコプターで搬送 → 大腿骨骨折、10日入院、700万円
リフト・ゴンドラの故障は防ぎようがない部分もあるけれど、スキー保険(=山岳特約付き海外旅行保険)に入っていれば金銭的リスクはカバーできます。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
街中の治安と置き引き
ツェルマット中心街は車両進入禁止のクリーンな雰囲気で、犯罪認知件数は少なめ。ただしスイス共通の手口(ホテル朝食ビュッフェの置き引き、列車内のスリ)は当然発生します。ツェルマット駅でのスリ、ホテル朝食での部屋鍵盗難は警戒しておこう。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察 | 117 |
| 救急 | 144 |
| REGA(山岳救助) | 1414 |
| 消防 | 118 |
| ツェルマット観光局 | +41 (0)27 966 81 00 |
| 在ジュネーブ領事事務所(ヴァレー州管轄) | +41-(0)22-716-9999 |
| 在スイス日本国大使館(ベルン) | +41-(0)31-300-2222 |
ツェルマットはヴァレー州なので、領事窓口は在ジュネーブ領事事務所が管轄。山岳事故が起きた時の生命線はREGAの1414です。電波の届かない山岳エリアではREGAの公式アプリ(衛星対応)を入れておこう。
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