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バルバドスの治安 日中の銃器殺人・薬物犯罪が横行【2026】

バルバドスの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在バルバドス日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.05.04 KAIGAI-RISK

バルバドスは東カリブ海の島国で、「カリブ諸国の中では治安が良い」と言われることが多い国です。実際MOFAの危険レベル指定はゼロ。ただし人口10万人あたりの犯罪発生件数は日本の約4倍、首都ブリッジタウン中心部の日本国大使館近隣で日中に銃器を使った殺人事件が起きている、という現実もある。さらに2024年7月のハリケーン・ベリルは観測史上最強級、2021年の火山降灰では1週間以上の断水・停電という自然災害履歴。来年の旅程を組む人は、この二段構えで備えてください。

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危険レベル --- 指定なし、ただし広域情報多数

外務省の危険情報レベルは指定なし。地域別レベル発出もありません。一方で広域情報(カリブ全域・北米中南米共通)は継続発出中:

  • 2026年02月13日 テロ等に関する注意喚起
  • 2026年02月03日 デング熱に関する注意喚起(更新)
  • 2025年11月21日 ジカウイルス感染症/チクングニア熱に関する注意喚起
  • 2025年05月30日 ハリケーン・シーズンに際しての注意喚起(北米・中南米)
  • 2025年04月30日 違法薬物(大麻等)の密輸/国際ロマンス詐欺

「レベルなし=楽勝」の意味ではなく、広域情報を読みながら出発前準備をする国だ、と覚えてください。

犯罪統計 --- 日本の4倍、銃器殺人の比率高い

A2「安全対策基礎データ」より。

バルバドスは、人口約28万人の島国ですが、欧米からの定期直行便が就航し、観光客が多く訪れています。観光が国の大きな収入源であることから、政府は治安対策を重要な課題として取り組んでおり、カリブ諸国の中では比較的治安が良いとされています。しかしながら、空き巣、窃盗、強盗、性犯罪、麻薬関連などの犯罪も多く発生しており、人口10万人あたりの犯罪発生件数は日本の約4倍に上ります

ここから一段深掘り。

バルバドス警察が発表した犯罪発生件数は、2022年は5,803件であったのに対し、2023年は6,228件と前年比7.3%増加しています。殺人事件が2023年は21件発生し、うち14件が銃器によるものでした。なお、首都ブリッジタウン中心部に位置する日本国大使館近隣においても、日中に銃器を使った殺人事件が発生していますので、注意が必要です

殺人21件中14件が銃器(67%)、大使館近隣で日中銃器殺人——「比較的治安良好」イメージとのギャップが強烈な記述です。さらに、

違法薬物関連の犯罪も毎年1,000件近く発生しています…薬物関連犯罪は依然大きな社会問題となっています

窃盗や恐喝、住居侵入(空き巣や忍び込み、ホテルの客室荒らしなど)といった犯罪についても、毎年1,000件近く発生しており、外国人観光客が犯罪被害に遭うケースもしばしば見受けられます

ホテル客室荒らしと観光客被害が公的データに明示されている、という意味で油断できない国です。

「日中でも近づくな」エリアが明示されている

カリブ諸国としては珍しく、A2「安全対策基礎データ」が日中でも立ち入りNGエリアを具体的に名指ししています。

  • ブリッジタウン近郊「ブラウンビーチ(Brown Beach)」: 日中は観光客で賑わうが、日没後は麻薬の密売人や売春婦が出没、急激に治安悪化、夜間は近づかない
  • ブリッジタウン付近「ネルソンストリート」「ウェリントンストリート」: 日没後治安悪化、夜間近づかない
  • セント・ルーシー教区「クラブ・ヒル」、セント・マイケル教区「ザ・アイヴィー」「ニュー・オリンズ」「パイン」「キャリントンビレッジ」「グリーンフィールズ」: 発砲事件や強盗、麻薬に係る事件が多発しているため日中でも近づかない

旅行者用のリストとしては「夜は◯◯」止まりの国が多い中、日中でもNGの地区名が並ぶのは強いシグナル。レンタカーや徒歩で誤って入り込まないよう、Google Mapで事前にマーキングしておいてください。

詳しくはブリッジタウンの治安で。

Travel Alert 02

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ハリケーンと火山降灰 --- 自然災害が桁違い

C2「安全の手引き」(在バルバドス大使館)が記録する近年の主要災害。

  • 2021年4月: 火山噴火灰被害。降灰により1週間以上の断水・停電が発生
  • 2021年7月: ハリケーン・エルサ直撃。家屋500棟以上損壊、インフラ数日間停止
  • 2024年7月: ハリケーン・ベリル。観測史上最強級、南部海岸のインフラに甚大な被害

「日本では考えにくい時間軸の自然災害」が起きる土地。非常用物資10日分の備蓄を大使館が推奨しています。旅行で行くなら、

  • ハリケーンシーズン6〜11月の渡航は中止費用補償付き保険
  • 米ナショナルハリケーンセンター(nhc.noaa.gov)でハリケーン情報を確認
  • 滞在中も気象情報・大使館メーリングリストを有効に

A2より:

バルバドスにおいては、ハリケーンや地震、津波などの自然災害に対する備えが必要です。特にハリケーン・シーズン(雨季の6月から11月頃まで)には、テレビやラジオ、インターネットなどから情報収集に努めてください

観光客が遭う犯罪 --- ホテル客室荒らしとミニバン傷害

観光客が遭う犯罪の主軸は ホテル客室荒らし・置き引き・ミニバン傷害事件。手口の詳細とエリア別注意はブリッジタウンのスリ・ひったくり・置き引きで。

A2より公共交通について:

バルバドスには鉄道網はなく、島内の公共交通機関はバス、ミニバン(乗合)およびタクシーです。なお、ミニバンの車内で傷害事件が発生した例もあり注意が必要です。ホテルに信頼のおけるタクシーを依頼することをおすすめします

ミニバン乗合は値段が安いものの、車内で傷害事件発生例。観光客にはホテル経由のタクシー一択を推奨します。タクシー・交通の詳細はブリッジタウンのタクシー・交通トラブルで。

テロ・誘拐は脅威ゼロ

A3「テロ・誘拐情勢」より:

バルバドスにおいては、テロ組織、反政府組織や国際的なテロ組織の関連組織の活動は確認されていません

当国において、誘拐事件の発生件数は年間数件程度(2023年は1件)ですが、家出や深夜徘徊中に家族が通報したものを含んでおり、それら以外は麻薬犯罪等に関係したトラブル及び男女間のトラブルによるものです。なお、日本人など外国人観光客の被害は確認されていません

観光客誘拐被害ゼロ。これはバルバドスの強みで、誘拐リスクは事実上ない国だと考えて大丈夫です。

違法薬物・飲酒運転 --- 厳格取締

違法薬物(マリファナ、コカインなどの麻薬)の所持、使用、運搬などは違法であり、違反者には懲役と高額な罰金が科せられます

バルバドスの道路交通法により、アルコール検知器を使用した検査を導入しており、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.3ミリグラム以上の場合、罰則が科されます

地域差なく懲役+罰金の対象になる薬物犯罪。観光客でも例外なし。「ちょっと吸わない?」と勧められても断る、知らない人物のバッグを預からない、これが基本です。飲酒運転も検知器導入で取締。レンタカー利用時は飲酒したらタクシーを呼ぶこと。

Travel Alert 03

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医療事情と入国前医療保険

B1「世界の医療事情」(バルバドス)より。

バルバドスは、カリブ島諸国のなかでは、個人あたりの所得が高い国に分類され、医療水準も、カリブ諸国の中では高い方とされています。600床の収容能力を有する公立総合病院、エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)では、全診療科目の医療が提供されており、24時間体制の救急外来(ER)が設置されています…重症の傷病の場合には入院、あるいは場合によっては医療先進国への緊急搬送が必要となります。その際に医療費は高額になり、場合により高額な緊急搬送費用が必要となることがありますので、補償額の大きな海外旅行傷害保険に加入しておくことが大切です

ポイントは3つ。

  • 公立Queen Elizabeth Hospitalは混雑長時間待ち、私立や開業医の方が早い
  • 重症は医療先進国(マイアミ等)への緊急搬送、医療費・搬送費高額
  • 医務官は在マイアミ日本国総領事館(バルバドス駐在ではない)

C2「安全の手引き」が推奨する主要医療機関:

施設種別電話
Sandy Crest Medical Center私立 24時間419-4911
Queen Elizabeth Hospital公立 24時間ER436-6450
FMH Emergency Medical Clinic私立 緊急228-6120
Mobile Service(往診)私立 24時間自宅対応538-3838

観光客の第一選択はSandy Crest(私立24時間)。重症は米国搬送を視野に。

デング熱アウトブレーク --- 2023年10月から半年で4名死亡

B1より。

バルバドスでは、首都ブリッジタウンを中心に2023年10月からデング熱のアウトブレークが発生し、半年で約1,200名が罹患、4名が死亡しています

デング熱は対症療法しかない感染症。ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ刺咬予防が唯一の対策です。海棲生物外傷(クラゲ・サンゴ・ウニ)も含め、医療事情の詳細はブリッジタウンの病気・医療トラブルで。

高額医療事例 --- 中南米・カリブ近隣の参考額

バルバドス独自の保険会社支払事例は確認できませんでした(D系全社で事例なし)。中南米・カリブ地域の参考事例として近隣国の事例を借用。

  • コスタリカ: クルーズ中に意識を失い下船して受診、脳内出血と診断され8日間入院・家族駆けつけ。442万円(SBI損保)
  • エジプト: ホテルの部屋で倒れ救急車搬送、脳内出血で18日間入院、医師付添で医療搬送。895万円(SBI損保、医療搬送参考)
  • ハワイ(南北アメリカの参考): 海水浴中の溺水事故でICU、約1か月入院後プライベートジェット搬送。現地治療費約3,000万円(損保ジャパンoff!)

カリブ島嶼国の重症 → 米国本土への搬送、というシナリオは、ハワイ事例の3,000万円が桁感の参考になります。補償額1億円以上の海外旅行保険を選ぶのが現実解です。

Travel Alert 04

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通信手段 --- ローミングは高い、eSIMが現実的

バルバドスでもeSIMは利用可能で、島内の移動・ホテル外でのGoogle Map・緊急時の連絡を考えるとプリペイドSIMかeSIMが現実的。出発前の準備は海外eSIM比較で。

緊急連絡先 --- 警察211/消防311/救急511

連絡先番号
警察211
消防311
救急511
在バルバドス日本国大使館+1-246-538-5700
Sandy Crest Medical Center(私立24時間)419-4911
Queen Elizabeth Hospital(公立24時間ER)436-6450

バハマと違ってバルバドスはブリッジタウンに日本国大使館があるので、パスポート紛失時の対応は比較的速い。たびレジ登録は短期旅行でも推奨です。

海外旅行保険の備え --- 米国搬送と災害補償を重視

バルバドス旅行で保険を選ぶときに見ておきたい3点。

  1. 医療搬送特約: マイアミ等の米国本土搬送を含む補償
  2. 旅行中止・遅延費用: ハリケーン・ベリル級の災害に備える
  3. 携行品損害: ホテル客室荒らし・置き引き対応

クレジットカード付帯保険でも上記をカバーできるか個別確認が必要。詳しい比較は中南米の海外旅行保険で。

Travel Alert 05

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バルバドス出発前のチェックリスト

最後に頭に入れておきたいリスト。

  • 人口10万人あたり犯罪は日本の4倍、銃器殺人比率67%(2023年)
  • 大使館近隣で日中銃器殺人、ブリッジタウン中心部でも油断禁物
  • 「日中でも近づくな」エリアが明示: クラブ・ヒル/ザ・アイヴィー/パイン等
  • ハリケーン・ベリル(2024年7月)は観測史上最強級、6〜11月渡航は中止費用補償
  • ホテル客室荒らし・ミニバン車内傷害が観光客被害の主軸
  • 自転車ヘルメット法律義務(C2、旅行者でも適用)
  • 公立病院は混雑、観光客の第一選択は私立Sandy Crest
  • 重症は米国本土搬送が前提、補償額の大きい海外旅行保険を

「カリブ諸国の中では治安が良い」のはその通りでも、日本基準ではしっかり警戒すべき国。データを頭に入れた上で、自然災害シーズンと滞在エリアを丁寧に選んでから出発してください。

主要都市の治安情報

出典