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ベリーズの治安 ベリーズシティの銃犯罪・ギャング抗争と高額医療費【2026】

ベリーズの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在ベリーズ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.06.08 KAIGAI-RISK

ベリーズは、中米のカリブ海沿岸に位置する九州ほどの面積の小さな国です。世界第2位のサンゴ礁バリアリーフやマヤ遺跡、キーズ(離島)のリゾートを目当てに、クルーズ船で多くの観光客が訪れます。一方で、最大都市ベリーズシティを抱えるベリーズの殺人率は人口10万人あたり19.01人(2023年)と、日本(0.23人)の80倍を超える高さです。

観光リゾートとしての顔と、ギャング抗争・銃犯罪という顔の落差が、この国の治安を読むうえでの大前提になります。外務省「ベリーズ 危険・スポット・広域情報」「安全対策基礎データ」と、在ベリーズ日本国大使館の情報を読むと、(1) ベリーズシティ南部のギャングと銃犯罪、(2) クルーズ観光客を狙った窃盗・強盗、(3) 麻薬中継地ならではの薬物リスク、(4) 医療水準の低さと国外搬送を前提とした高額医療費、という4点に注意が集まります。

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危険レベル --- ベリーズシティはレベル1、銃犯罪が断続的に発生

外務省は2024年8月9日付で、ベリーズシティをレベル1(十分注意してください)としています。理由は明確で、銃を使った犯罪が続いていることです。

●ベリーズでは、銃器を使った犯罪が断続的に発生しており、特にベリーズシティ市内南部地域においてギャング組織関連の犯罪が頻発していることから十分注意してください。

殺人事件の件数自体は減少傾向にあり、かつて年間140件前後だったものが2024年は89件まで下がっています。ただ「減った」とはいえ、人口40万人規模の小国でこの数字なので、人口あたりの発生率で見ると日本とは桁が違います。在ベリーズ日本国大使館の「海外安全対策情報」は、その水準をはっきり書いています。

ベリーズの2023年の殺人発生率(人口10万人あたりの殺人率)は19.01人と日本の数値(0.23人)と比較すると極めて高い発生率です。

「観光地だから大丈夫」という感覚は、ここでは通用しないと考えておきましょう。

ベリーズシティ南部 --- 約100組のギャングと非常事態宣言

危険が集中しているのは、ベリーズシティ市内の南部地域です。外務省はこのエリアの状況を具体的に説明しています。

ベリーズにおける犯罪の多くは、ベリーズ市内で夜間に多く発生しています。特に同市の南部地域では、大小含め約100組のギャング組織が活動しており、同地域ではギャング組織間の抗争から殺人や銃撃事件などの凶悪犯罪が発生し、この抗争に巻き込まれた一般市民にも被害が及んでいます。

ギャング同士の抗争に、無関係の一般市民が巻き込まれて被害に遭う点が怖いところです。治安当局は対策として、ほぼ毎年のように非常事態宣言を出しています。

治安当局はギャング組織の抗争による国内の治安悪化に伴い、2020年以降、同地域を含む一部地域の治安改善を目的に非常事態宣言を毎年発令しています。

宣言が出ている間は軍・警察の取り締まりで治安が改善しますが、解除から数か月で再び悪化に転じ、根本的な解決には至っていないと外務省は指摘しています。実際、2026年5月にも首都ベルモパンでの銃撃事件や非常事態宣言の発出が大使館から告知されました。ベリーズシティ南部には観光目的で立ち入る理由がほぼないので、用がなければ近づかないのが最もシンプルで確実な防御になります。

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クルーズ観光客が狙われる窃盗・強盗

ベリーズシティはクルーズ船の寄港地で、観光客が一気に降りてきます。当然、彼らを狙う犯罪も集まります。

ベリーズ市にはクルーズ船等からの多くの観光客も訪れますが、これら観光客を狙った窃盗(ひったくり、置き引き等)事件も頻発しています。

実際に日本人が巻き込まれた事例も、外務省がいずれもベリーズ市内のものとして記録しています。

TESTIMONY · 旅行者A
昼間に市内を歩いていたら、後ろからいきなり頭を殴られたんです。気を失っている間に、持っていたものを全部盗られていました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「ベリーズ 安全対策基礎データ」日本人の被害例

昼間の市内でも背後から殴打されて気絶させられる、というのは衝撃的です。さらに、親切を装って人気のない場所へ誘い込む手口も報告されています。

TESTIMONY · 旅行者B
バスでベリーズ市のターミナルに着いたとき、知り合った現地の女性に「安い宿を紹介する」と言われてついて行ったら、裏通りで待ち伏せしていた男たちに囲まれて、ナイフで脅されました。現金もカードも全部奪われました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「ベリーズ 安全対策基礎データ」日本人の被害例

「安い宿を紹介する」と声をかけてくる見知らぬ人物にはついて行かない。これは覚えておいて損はありません。外務省が挙げる防犯の基本も、要点はシンプルです。

○夜間の一人歩きは極力避け、複数で行動する。 ○多額の現金や貴重品などを持ち歩かず、現金およびクレジットカードは何か所かに分けて携行する。

強盗に遭ってしまった場合は、身の安全を最優先に無理に抵抗しないこと、そして普段から羽振りのよい服装・振る舞いで目立たないようにすることも外務省は勧めています。銃が出てくる国だという前提を、行動の端々に効かせておきたいところです。

タクシーは料金を先に確認 --- メーターがない

ベリーズのタクシーにはメーターがありません。乗ってから法外な料金を請求されないよう、外務省は乗車前の確認を勧めています。

流しのタクシーよりも、ホテルの車寄せやタクシー乗り場で待機しているタクシーの利用が比較的安全です。料金メーターは付いていないため、タクシーを利用する際は、乗車する前にドライバーへ行き先を告げた上で料金を確認してから乗車することをお勧めします。

実際に日本人が法外な料金を請求された事案もあるとのこと。流しのタクシーを拾うより、ホテルやタクシー乗り場で待つ車を使い、行き先と料金を乗る前に決めてしまうのが安全策です。長距離バスは安いものの混雑して座れないことが多く、割高でも座席指定のあるバス会社のほうが安全とされています。

麻薬中継地ならではのリスク --- 厳罰と「荷物を頼まれる」手口

ベリーズは地理的に、南米から北米へ麻薬を運ぶルートの中継地点になっています。

ベリーズはこれら麻薬カルテルによる南米地域から北米地域への密輸中継地点とされており、所属不明の小型機や船舶を使用した大規模な密輸事件も起きており、治安当局による規制薬物押収量は毎年増加しています。

この背景があるため、取り締まりは外国人に対して特に厳しくなっています。罰則も重く、安易に関わると人生が変わります。

麻薬所持で逮捕された場合は、最低でも禁固5年および罰金5,000米ドルの刑に処せられ、所持する麻薬の量によっては刑罰が数十倍になることもあります。

警察官のおとり捜査が行われているという情報もあります。そして旅行者が最も巻き込まれやすいのが、「荷物を運んでほしい」と頼まれるパターンです。外務省は、これは荷物に麻薬を隠して他人に運ばせる手口だと明言しています。見知らぬ人物からの荷物の輸送依頼には、絶対に応じないでください。

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医療水準は低い --- 中等症以上は国外搬送が前提

ベリーズの治安と並んで重いのが、医療事情です。外務省「世界の医療事情」は、率直にその限界を書いています。

国内に医学部はなく、隣国グアテマラやメキシコ出身の医師が医療を提供しています。全般的に医療水準は低く、特に公的医療機関の受診は勧められません。

ベリーズシティには富裕層向けの私立病院もありますが専門医は少なく、中等症以上になると国内では満足な治療が難しいのが現実です。日本人医務官は現地におらず、在マイアミ日本国総領事館の医務官が担当しています。つまり重い病気・けがは、米国などへの国外搬送を前提に考える必要があります。

渡航に際しては、国外搬送の可能性を念頭に置き、高額補償の海外旅行傷害保険等に加入することを強くお勧めします。

公立病院は旅行者でも無料で受診できますが、医療水準がかなり低いため、緊急時に国外搬送ができる十分な補償の保険が必須、と外務省は重ねて勧めています。

感染症 --- デング熱の流行地、6年ぶりのマラリアも

ベリーズはデング熱の流行地です。「世界の医療事情」によれば、2023年は3,054名、2024年は7月時点で800名の患者が報告されています。雨期(6月頃~9月頃)にベリーズ南西部やグアテマラとの国境地域で増える傾向があります。

デング熱による成人の死亡率は高くありませんが、まれに重症化してデング出血熱を発症した場合には、適切な医療を受けないと死亡率が40~50%に上がります。

予防薬はなく、蚊に刺されないことが唯一の対策です。虫除けスプレーと肌の露出を抑える服装を基本にしましょう。加えて2025年4月には、国内で6年ぶりとなるマラリアの感染も報告されています。ジカ熱も含め蚊媒介の感染症が複数あるので、防蚊対策はしっかり。飲料水も水道水は避け、ミネラルウォーターや煮沸した水を使うのが無難です。9月〜10月はハリケーンの季節にもあたるため、雨期の渡航は天候情報のチェックも欠かせません。

治療費の現実 --- 北米圏(米国)の参考事例

ベリーズ単独の保険金支払い事例は損保各社のデータベースに見当たらないため、国外搬送先になり得る北米(米国)の事例を「中米でこの規模の医療が必要になったときの費用感」という参考枠で挙げておきます(いずれもベリーズ国内で起きた事例ではありません)。

  • 急性盲腸炎で緊急手術・入院3日間 --- 支払保険金 241万円(米国/損保ジャパン off!)
  • 乗車中の交通事故で頭部強打、入院23日間(治療費2,178万円以上) --- 支払保険金 748万円(米国/損保ジャパン off!)

盲腸のような「ありがちな急病」でも数百万円、交通事故で頭を強く打てば治療費は2,000万円を超えます。ベリーズでは中等症以上なら国外搬送が加わるため、ここに搬送費が上乗せされると考えてください。「国外搬送を前提に」という外務省の言葉どおり、搬送費まで含めて補償される海外旅行保険を備えておくのが現実的です。中米旅行に必要な備えの考え方は中南米の旅行保険まとめで整理しています。

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通信手段 --- 現地SIM・eSIMの備え

ベリーズシティ南部の回避や非常事態宣言の確認、被害時の連絡には、現地で確実につながる通信手段が欠かせません。空港や街なかのフリーWi-Fiに頼り切らず、渡航前にeSIMを用意しておくと安心です。料金はベリーズのeSIM最安料金比較で、各社公式サイトから取得した実売価格を旅行日数別に確認できます。各社の性格や選び方そのものはeSIM比較を参考にしてください。

緊急時連絡先(保存推奨)

外務省「ベリーズ 安全対策基礎データ」から:

  • 警察: 911
  • ベリーズ市 消防: 223-1183 / 救急: 223-1548
  • ベルモパン 消防: 822-2311 / 救急: 828-4512
  • NEMO(ベリーズ国緊急事態管理庁): 936(ハリケーン等の自然災害時)
  • 病院: Belize Medical Associate(24時間)223-0303 / Karl Heusner Memorial Hospital(24時間)223-1548
  • 在ベリーズ日本国大使館(ベルモパン): 822-1202/領事メール ryoji@bf.mofa.go.jp

日本からかける場合は「010-501-(相手先番号)」です。3か月未満の旅行者は たびレジ に登録しておくと、ベリーズの非常事態宣言や治安の注意喚起、緊急時の安否確認に使えます。

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まとめ --- リゾートの裏にある銃社会を踏まえて

ベリーズはサンゴ礁とマヤ遺跡の魅力にあふれた国ですが、出発前に押さえておきたいのは次の4つです。

  1. ベリーズシティ南部はギャング・銃犯罪が集中(殺人率19.01人、用がなければ近づかない・夜間の一人歩きを避ける)
  2. クルーズ観光客を狙う窃盗・強盗(「安い宿を紹介する」等の誘いに乗らない、強盗には抵抗しない、目立たない)
  3. 麻薬中継地ならではの厳罰と荷物運び詐欺(見知らぬ人の荷物は絶対に運ばない)
  4. 医療水準が低く中等症以上は国外搬送が前提(搬送費まで含む高額補償の保険を備える、デング熱対策も)

サンゴ礁の海を安心して楽しむために、危険エリアの回避と海外旅行保険の備えだけは、出発前に必ず済ませておきましょう。

出典