ソロモン諸島は南太平洋・オセアニア地域の島嶼国。ガダルカナル島の戦跡、世界的なダイビングスポット、第二次世界大戦の歴史スポットなどで知られる国ですが、観光客にとっては「南太平洋の楽園」のイメージと現実のギャップが特に大きい国です。
外務省はレベル1(十分注意)を継続。在ソロモン日本国大使館の安全の手引きは、冒頭でこう書いています。
当国は、全般的に治安が良いとは言えません。部族紛争後、20年以上経ちましたが、未だ種々の問題があります。
そして直近で最大の事件が、2021年11月の首都焼き討ち暴動。再発リスクは続いており、医療面ではチャーター機による2,000万円規模の緊急搬送が前提の国です。
Travel Alert 01
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危険レベル
外務省は全土でレベル1(十分注意)を継続。テロ脅威は確認されていませんが、政情不安・暴動・凶悪犯罪が断続的に起きています。
治安概況 — 2021年暴動の記憶
A2-1が示す事実。
2000年の暴動発生後、2003年から2017年まで、オーストラリアを主体とする太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国の警察・軍隊で構成される多国籍治安維持部隊「ソロモン地域支援ミッション」(RAMSI)がソロモンに派遣され、銃器回収、武装集団リーダー等の逮捕、武装解除が行われたことにより、治安情勢は大幅に改善されました。しかし、2021年11月、反政府デモに起因して大規模な暴動が起こり、首相邸、警察署、チャイナタウン等が焼き討ちに遭い、相当数の被害が発生しており暴動中に死亡者も出ています。豪州等から、軍・警察が派遣され一旦沈静化しましたが、引き続き注意が必要です。
ソロモンの治安は2017年までかけて改善されたが、2021年に首相邸・警察署・チャイナタウンが焼き討ちに遭った。死亡者も出ています。「沈静化したが引き続き注意」が外務省の現状認識です。
日中の治安と泥酔者リスク
A2-1-(1)はホニアラ市内についてこう書いています。
通常、首都ホニアラ市内は、日中は市内を歩いても治安上、特段の不安を感じることはありません。しかしながら、泥酔者や薬物中毒者による突発的なけんかから発展した傷害事件に居合わせて被害に遭うことが日常的にあります。
「日中なら歩ける」「ただし泥酔者の喧嘩に巻き込まれるリスクは日常」というギャップ。観光客が「のどか」と感じる時間帯にも、突発的な傷害事件が起きうる前提で動きます。
給料日後と週末・年末年始は犯罪増加
A2-2-(2):
一般的な給与支払日である毎月第1週から第4週いずれかの木曜日や週末の金曜日、土曜日の深夜等に事件が多く発生しています。また、クリスマス前後や年末年始も犯罪が増加する傾向にあるため、この時期には特に注意が必要です。
給料日後の木曜・週末・年末年始が要警戒タイミング。観光・出張のスケジュールが重なるなら、夜間外出を控える判断を最初から組み込んでおきます。
Travel Alert 02
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ワントーク・ペイバック — ソロモン固有の文化リスク
ソロモン旅行で最も知っておくべき固有のリスクが「ワントーク」と「ペイバック」の文化です。在ソロモン大使館の手引きはこう書いています。
「ワントーク」とはピジン語で「一つの(wan)言葉(tok)」を意味します。…同じ言葉を話す同部族の人々の意味から派生して、同じ村、同じ部族に対する「仲間意識」を意味しています。しかし、これに付随する習慣に「ペイバック(仕返し)」があります。これは同一内のワントークが、他のワントークに危害を加えられた場合「同程度の報復を加えるべし」という社会の習慣があり、被害側は加害側のワントーク集団のメンバーであれば誰に仕返ししても構わないという考え方です。…もし、加害者が邦人であった場合、在留邦人全体がペイバックの対象に成り得ます。
つまり交通事故や口論などの個人トラブルが、外国人コミュニティ全体への報復に発展する可能性がある国です。ホニアラで運転して接触事故を起こした場合、警察対応より先に現場から安全地帯(ホテル・職場)へ移動 → 大使館経由で対応が基本になります。
土地所有問題 — 海岸への立入で課金
ソロモン全土の問題として、土地所有制度が法的に未整備であることにも留意する必要があります。具体的には、知らない土地に入り込むと、土地所有者を名乗る人物が現れ、立入り料金と称して多額の現金を要求してくることがあります。
当国では土地制度が法的に未整備であるため、知らない土地や海岸に無断で立ち入ると法外な入場料を請求されることがあり対応を間違えるとトラブルになることがあります。
「きれいな海岸だから降りてみよう」が罠。村ごとに土地所有者がおり、観光客に立入料金を請求するケースがあります。トラブルになって対応を誤ると、ワントーク・ペイバックに発展しうる構造です。現地ガイド・ホテルツアー経由のビーチ訪問が基本で、自由に車で停まって海に降りるのは避けてください。
主要な犯罪手口
A2-2が示す犯罪パターン。
侵入強盗
- 「留守宅や深夜または早朝の時間帯を狙った建物侵入」
- 「家屋泥棒の常習犯は、いろいろな工具を携帯していて、2〜3人のグループで行動し、ドアの鍵や防犯用鉄格子などをこじ開けて侵入します」
- 在宅中の侵入強盗も発生 → セキュリティフェンス・鉄格子・二重ロック・警備員必要
スリ・置き引き
- 「特にホニアラ中央市場付近やホニアラ空港付近、ゴルフ場付近では頻繁に被害が発生」
- 「スリは後ろから近づき、混雑する通路などでポケットやセカンドバックのチャックを開けて中に手を入れて、財布や現金を盗みます」
女性を狙った犯罪
- 「女性を狙った犯罪が増加しており、所持品を強奪される、身体に触れる、しつこく付きまとい金品を要求する等の邦人女性に対する被害も報告されています」
車両関連
- 「乗用車での移動中、減速した際に施錠していないドアを開けられ座席に置いてあった荷物を窃取された事案」
詳しい都市別の手口と対策はホニアラの治安と注意点、トラブル別ではホニアラの侵入強盗・夜間集団強奪で整理しています。
Travel Alert 03
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ココナッツニュース — 噂が事実より速い
A2-3-(6)は独特の注意点を挙げています。
正確な治安情報を入手する。大きな事件が発生すると、市中での噂が先行することがあります。現地では「ココナッツニュース」と呼ばれ、事件によっては大げさに脚色され、事実とは異なる情報が出回ることがありますので、注意が必要です。
事件が起きると噂が先行して脚色されるため、現地民の証言だけで状況判断しない。大使館の発信・領事メール・在留邦人ネットワークを情報源にしてください。
医療事情 — チャーター機搬送2,000万円
ソロモンの医療体制は、PNG以上に厳しい状況です。外務省「世界の医療事情」が書く事実。
ソロモン諸島の医療体制は極めて脆弱であり、医療統計の信頼性が乏しいのが実情です。各州の主な都市には公立の基幹病院がありますが、いずれも第二次世界大戦後に米軍や豪軍が設立した病院を拡充しているに過ぎず、邦人が受診するには厳しい環境です。首都ホニアラの国立中央病院(National Referral Hospital)(通称No9:米軍駐留時の第9病院)がソロモン諸島で最高水準の病院とされていますが、同病院でさえMRIなどの高度な医療機器はなく、通常の医療資材にも事欠く状況です。邦人の入院治療が必要になった場合に、入院可能な施設は現在のところ当国には皆無と言っても過言ではありません。
軽症〜中等症の疾患の場合であれば、私立のクリニックで治療が可能ですが、入院を要する疾患の場合は、原則として国外で治療することになります。緊急移送には多額の費用がかかります。チャーター機を利用した場合、2000万円程度を請求されることもありますので、ソロモン諸島を訪問される際には、事前に十分な保証額の旅行傷害保険に加入していることをご確認ください。
外務省自身が「入院可能な施設は皆無と言っても過言ではない」「チャーター機2,000万円」と書いています。これは観光地としては異例の重さです。
マラリア — 熱帯熱型6割の重症化リスク
ソロモンのマラリアは、PNGと並んで深刻です。外務省「世界の医療事情」によると、ソロモン諸島のマラリアの約61%は熱帯熱マラリアで、発症すると重症化しやすく生命にかかわることがあります。さらにソロモンの媒介蚊(Anopheles farauti)は日没前の夕方や日が出た後の早朝に屋外で吸血行動をとるという特徴があり、観光・ダイビングの時間帯と重なりがちです。
マラリアの中でも熱帯熱マラリアは最も重症化しやすく、24時間以内に意識障害から死亡に至るタイプ。出発前の予防内服・現地での虫除け徹底・帰国後の発熱時受診(ソロモン滞在歴を必ず告げる)が必要です。
ソロモン旅行はマラリア予防が前提です。詳しくはホニアラの医療・感染症で。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
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自然災害
- 地震・津波: 環太平洋火山帯上、頻繁に地震発生
- サイクロン期: 11月〜4月のモンスーン期と重複
- 火山活動: 活火山あり
宿泊先での避難経路確認・サイクロン期の旅程調整が必要です。
主要都市
- ホニアラの治安と注意点 --- 首都、中央市場・空港・ゴルフ場のスリ多発、夜間ナイトクラブ周辺要警戒
オセアニア医療費の参考事例(豪・NZ)
ソロモンからの大病・大怪我は、豪州・ニュージーランドへの航空搬送が前提です。
ソロモンからの航空搬送費用が加算されると総額は2,000〜3,000万円規模に達することもあります。詳細はオセアニア旅行の保険ガイドで。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急時の連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察(緊急) | 999 |
| 在ソロモン日本国大使館 | +677-22953 |