モーリシャスの医療水準はインド洋圏で随一で、私立病院は近隣諸国から患者を受け入れるメディカルツーリズム拠点になっています。一方で、ダイビング減圧症の高圧酸素療法は国内に1病院しかないこと、重症は国外搬送が前提であること、雨季のデング熱の3点は知らずに行くと困る論点。「アフリカで一番医療がしっかりしている国」のはずが、いざというときの選択肢は限られます。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
公立は無料、私立は高額・国外搬送は千万円単位
モーリシャスの医療事情は、公立と私立で構造が違います。
国民は公立病院を受診すれば医療費は無料。私立病院での医療費は有料で高額ですが、待ち時間が短く、施設も綺麗でサービスも良いです。 フランス海外県のレユニオンと並んで高い医療水準を有しているため、モーリシャスの私立病院では近隣のインド洋諸国やアフリカなど医療事情の悪い国々から多くの患者を受け入れています。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「世界の医療事情 モーリシャス」)
ただし重症は別問題。
重症疾患の場合は国内で初期対応後に国外への医療搬送を考慮しなければならないこともありえます。レユニオンの他、南アフリカ、フランス(パリ)等、場合によっては日本へ緊急搬送となる可能性もあります。緊急搬送費用は大変高額ですので、当地を旅行する方にとって海外旅行傷害保険への加入は必須です。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「世界の医療事情 モーリシャス」)
D系保険会社のモーリシャス専用支払事例は確認できていませんが、インド洋・アフリカ圏の参考として:
- タンザニアでの高山病ケニア搬送で約337万円(SBI損保 アフリカ・中南米事例)
- 南アフリカでの暴漢襲撃治療で約350万円、近隣国医療搬送で約505万円(SBI損保)
- エジプトでの肺炎入院・搬送で約895万円(SBI損保)
レユニオン・南アフリカ・パリへのエア搬送は、保険なしだと自費で千万円単位。キャッシュレス対応の海外旅行保険は必須レベルです。詳しくはアフリカ向け海外旅行保険で。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
ダイビング減圧症 --- 高圧酸素療法は国内1病院だけ
モーリシャスの観光の柱の一つがスキューバダイビング。北部のグランベイ、東部のベル・マール、南西部のフリック・アン・フラックなど、日本人ダイバーにも人気のスポットがあります。ただし、減圧症(潜水病)対応は国内で1病院しかありません。
モーリシャスには多くの観光客がスキューバダイビングを目的に訪れます。 モーリシャスで高圧酸素療法(chambre hyperbare)を受けることができる病院は公立病院Victoria Hospital(所在地:Candos, Candos Vacoas Road, Quatre Bornes、電話:425-3031)だけです。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「世界の医療事情 モーリシャス」)
ダイビング後に「関節痛、息切れ、胸痛、チアノーゼ」などの症状がみられた場合は、直ちにダイビングショップやホテルに相談して、救急病院を受診
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「世界の医療事情 モーリシャス」)
ポートルイスから車で南西部のVictoria Hospitalまでは20-30分。北東部のリゾートからだと1時間以上かかる距離感です。深い深度のダイブの後は陸上で十分休む、症状が出たら無理せず即報告の2点は徹底してください。
デング熱・チクングニア熱・マラリア --- 雨季のサイクロンシーズン
蚊媒介感染症はインド洋諸島の共通リスク。
モーリシャス保健省によると、2020年は229例、2021年は1例が確定診断されており、2024年初頭には数百例の感染が報告されました。 デングウイルスを保有するヤブカ属の蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)に刺されることで感染
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「世界の医療事情 モーリシャス」)
蚊を媒体とする感染症であるマラリア、チクングニア熱およびデング熱が流行したことがあります。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「モーリシャス 安全対策基礎データ」)
外務省「モーリシャス 安全対策基礎データ」は防蚊対策の基本として、肌の露出を控えることと蚊除け剤の使用を挙げています。
- 長袖・長ズボン(薄手で通気性の良いもの)
- 蚊除け剤(皮膚と衣類に併用)
- 宿のドア・窓の網戸チェック
- ベッドに蚊帳があれば必ず使用
特に12月〜3月のサイクロンシーズンは雨水が溜まり蚊が大発生する時期。発熱・関節痛・発疹が出たら、放置せず私立病院かWellkin Hospitalで血液検査を受けてください。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
サイクロン・洪水後の上水道汚染
雨季のもう一つのリスクが水。
集中豪雨や洪水が発生することがあります。2013年3月および2024年1月には、豪雨により土砂流および地下歩道の冠水等、死傷者を伴う被害が発生 下水は自然浸透処理させている地域が多いため、大雨の後は上水道が汚染されている可能性
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省「モーリシャス 安全対策基礎データ」)
水道水は通常は飲用可能ですが、サイクロン・大雨直後は煮沸するかミネラルウォーターを使用。氷も注意(ミネラルウォーターで作っていない可能性あり)。歯磨きもボトル水で、というのが雨季の鉄則です。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
ポートルイス・近郊の主要病院
| 病院名 | 区分 | 特徴 | 電話 |
|---|---|---|---|
| Wellkin Hospital(Moka・C-Care系) | 私立 | 24時間救急・英語可 | +230 605-1000 |
| Victoria Hospital(Quatre Bornes) | 公立 | 国内唯一の高圧酸素療法(減圧症) | 425-3031 |
公立は無料ですが、待ち時間が長く言語面での難しさがあります。観光客は私立を利用するのが一般的ですが、支払い保証(保険会社のキャッシュレス対応または前払い)が必要なケースが多いので、保険会社の指定病院リストを事前に確認してください。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
やってしまったときの動き
- 症状を放置しない: 発熱・激しい腹痛・関節痛は早めに受診
- ダイビング後の異変は即報告: ダイビングショップ・ホテル経由でVictoria Hospital(425-3031)へ
- 救急番号 999 (警察と共通)
- 保険会社の24時間サポートに連絡: 渡航前に番号を控えておくこと
- 大使館に連絡: 入院・国外搬送が必要なケースは +230-460-2200
帰国後にも症状が続く場合(特にデング熱は帰国後発症もある)は、渡航歴を伝えて感染症内科を受診してください。
よくある質問
モーリシャスでダイビング後に体調が悪くなったら?
関節痛、息切れ、胸痛、チアノーゼなどの症状は減圧症(潜水病)の可能性。直ちにダイビングショップやホテルに相談して救急病院を受診してください。モーリシャスで高圧酸素療法(chambre hyperbare)を受けられる病院は、Quatre Bornes地区の公立Victoria Hospital(電話 425-3031)の1か所のみです。
デング熱に注意すべき時期は?
12月〜3月のサイクロン・雨季が最大のピーク。2024年初頭には数百例の感染が報告されました。ヤブカ属(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)が媒介するため、長袖・長ズボンと蚊除け剤での防蚊対策が基本です。
私立病院は高い?保険なしで大丈夫?
モーリシャスの国民は公立病院なら医療費無料ですが、外国人観光客が私立病院(待ち時間短く施設綺麗)を使うと有料で高額。重症で国外搬送(南アフリカ・レユニオン・パリ)になると千万円単位の費用が発生し得ます。海外旅行保険は必須、保険会社のキャッシュレス対応(治療費の直接保証)が使える病院かを事前に確認してください。
水道水は飲んでも大丈夫?
一般的には飲用可能とされていますが、外務省は「煮沸するか、市販のミネラルウォーターを利用」を推奨。特にサイクロン・洪水後は「下水は自然浸透処理させている地域が多いため、上水道が汚染されている可能性」があるので、雨季はミネラルウォーター必須です。