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大連の詐欺 偽大使館員の電話と番号偽装の手口【2026】

大連の詐欺・ぼったくりの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.15 KAIGAI-RISK

大連領事事務所は、中国本土の他領事館と比べても特殊詐欺への注意喚起を単独ページで出している珍しい公館です。それだけ被害報告が多いということ。手口はシンプルに見えて、実在する電話番号を偽装するなど年々巧妙化しています。

非対面の方法で相手に接触し金銭をだまし取る、いわゆる特殊詐欺が海外でも発生しています。日本国大使館職員、総領事館職員、日本の警察官や税関職員といった日本政府の職員をかたるケースも確認されております。また、日本の政府機関の制服を着用した姿を動画などで示して騙すケースもあります。

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大連で実際に起きている特殊詐欺の4パターン

大連領事事務所が列挙している典型手口。

1. 偽警官「SNSの不正利用で容疑がかけられています」

偽警官が架空の、又は実在する名前と身分番号を名乗り、SNSの不正利用で容疑がかけられているとして相手に逮捕をほのめかせ、取消しのための手続料を送金させようとする。

警官を名乗る人物から電話で「あなたに容疑がかかっている」「取り消しには手続料が必要」という流れ。不安をあおって考える時間を与えずに送金を要求するのが常套手段。

2. 偽大使館員「日本で逮捕状が出ています」

日本国大使館職員を名乗り、相手に日本で●●の容疑で裁判所から逮捕状が出ているとして、相手の個人情報やSNSのアカウント情報を聞き出したり、取消しのための手続料を送金させようとする。

日本にいるはずの裁判所の逮捕状話を、中国の大連で電話で受けるという構造自体がありえない。でも言葉の壁と不安で判断力が鈍る瞬間を狙われます。

3. 偽捜査機関「あなたの口座がテロに使われた」

警察を含めた現地捜査機関と名乗る者から電話で「あなたの口座は犯罪者に利用された」「あなたの口座はテロリストによって使用された」などとして、個人情報の詳細を聞き出そうとする。

口座番号・暗証番号・生年月日といった個人情報を聞き出すパターン。教えたら最後、別口座への送金誘導まで一気に進みます。

4. 偽銀行員「口座が凍結されます」

現地銀行などの行員を名乗る者から、「必要なお金を入金しなければ、口座は凍結される」などと言われ指定の口座への送金を要求される。また、公共機関等を名乗る者から料金未払い等により送金を要求される。

「凍結される」という時間的プレッシャーで判断を急がせる型。公共機関名義でも同じ構造です。

番号偽装の実態

ここが重要。領事事務所は明記しています。

実在する電話番号(日本国大使館、日本国総領事館、現地警察など)を偽装して表示させる手口が確認されるなど、犯罪の手口は益々巧妙になってきています。日本の公的機関の職員などを名乗る者から電話があった場合、相手の所属や名前を確認の上、一旦電話を切り、御自身で公的機関の電話番号を調べるなどしてご相談ください。

スマホの着信表示に「在中国日本国大使館」と出ていても信じない。これが大連領事事務所の明確なメッセージです。一度切って、自分で大使館の公式サイトから電話番号を調べ直して掛ける。これで詐欺は切り落とせます。

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対応方法(領事事務所の明示指示)

まず結論の1文。

日本国大使館、日本国総領事館、日本の警察や税関といった日本の公的機関が正式な手続によらず税金、罰金、保釈金などの名目で送金を要求することはありません。

つまり「送金してください」と言ってきた時点で詐欺確定。追加のガイダンス4点を要約します。

  1. 日本国大使館・総領事館は他の公的機関からの送金要求を代行しない
  2. 身に覚えのない不審な電話・メール・SNSには反応しない
  3. 送金を要求されたら「特殊詐欺」と判断して通話を切る
  4. 少しでも不安を感じたら、お近くの在外公館(大連領事事務所、在瀋陽日本国総領事館、在中国日本国大使館)に相談する

100元札の偽札すり替え(タクシー・ATM)

大連領事事務所の安全の手引きは、過去の被害事例として「タクシーや各商店などで買い物をした際、釣り銭等で偽札を渡された事案」を挙げています。大使館ハンドブックの具体描写。

タクシーでの支払いに際して100元札(最高額紙幣)を渡したところ、運転手から偽札であるとして偽札にすり替えて返却され、降車後にその紙幣が偽札と判明する事案が報告されています。

対策は次の3点。

  1. タクシーで現金を支払う場合、できる限り小額紙幣を準備する
  2. 運転手に不審な動きがないか注視する
  3. 降車時に領収書を受け取る(車両特定に使える)

ATMで偽札が出てくるケースは「冠字号碼」表記のあるATMを使うと紙幣番号記録機能があり、後から銀行に訴えられます。怪しい場合はその場を離れずATM記載の連絡先に通報。

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ホテル付近の買春誘い=拘留リスク

大連領事事務所の「過去に報告のあった具体的事例」にこれ。

ホテル付近で声を掛けられた女性との買春容疑で拘留

中国は治安管理処罰法で買春を処罰します。大使館ハンドブックより。

カラオケ店やマッサージ店の中には買春や性的サービスを誘う店がありますが、これらは、「治安管理処罰法」によって、15日以下の拘留および5,000元以下の罰金に処されるほか、国外退去処分を受け数年間中国への入国が禁止されるケースもあります。

拘束拘留・罰金・入国禁止。金銭被害ではなく人生を詰ませるルートとして扱うべきです。

BECビジネスメール詐欺(駐在員・出張者向け)

広州総領事館のハンドブックが詳しく書いていますが、大連でも起き得るもう一つのパターン。

  • 取引先や上司になりすましたメールで「口座が凍結されたから別の口座に送金して」と指示
  • 一度送金すると回収は極めて困難
  • いつもと違うメールが来たら必ず別チャネル(電話・対面)で確認

会社のビジネスメール経由の詐欺は個人向け特殊詐欺と手口は近く、「送金指示が来たら一旦止まる」が唯一の対策です。

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予防策のまとめ

  1. 「日本の公的機関です」と名乗る電話で送金を要求されたら即切る
  2. 不安なら一度切って、自分で調べた番号に掛け直す
  3. 個人情報(口座番号・暗証番号・生年月日・SNSアカウント情報)を電話で伝えない
  4. タクシーは小額紙幣を準備、降車時に領収書を受け取る
  5. ATMは「冠字号碼」表記のあるものを優先
  6. ホテル周辺の声かけ(特に女性からの買春誘い)には絶対に応じない
  7. 会社メールで振込先変更の指示が来たら、別チャネルで必ず確認
  8. 少しでも不安を感じたら大連領事事務所に相談

被害に遭ったら

  1. 即座に大連領事事務所(0411-8370-4077)または在瀋陽日本国総領事館(024-2322-7490)に連絡
  2. 公安に通報(110)、被害届を出す
  3. 銀行に連絡して口座停止・送金取消を依頼(送金直後なら回収可能性あり)
  4. クレジットカード会社に即連絡(カード情報を教えてしまった場合)
  5. 家族や信頼できる友人にも共有(判断冷静化のため)

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大連の他のトラブル情報

大連の治安全般・スリ追跡時の傷害被害・反スパイ法事例は大連の治安・危険エリア情報にまとめています。同じ東北地域で「かけ子」拘束など加害側に巻き込まれるパターンは瀋陽の治安・危険エリア情報、中国全体のリスク構造は中国の治安・危険情報で。

よくある質問

「日本大使館の者ですが」と電話が来たらどう対応すればいい?

即座に電話を切ってください。大連領事事務所はハッキリ書いています。「日本国大使館、日本国総領事館、日本の警察や税関といった日本の公的機関が正式な手続によらず税金、罰金、保釈金などの名目で送金を要求することはありません」。不安なら自分で調べた大使館の公式電話番号に掛け直すのが正解です。

100元札の偽札すり替えを防ぐには?

タクシーやATMでは高額紙幣の使用を避け、小額紙幣を準備するのが大使館ハンドブックの推奨です。タクシーで現金を支払う時は、運転手の動きを注視する、できる限り小額紙幣を使う、領収書を必ずもらう。ATMは「冠字号碼」表記のあるものを使うと、引き出し紙幣の番号記録機能で後から銀行に訴えられます。

ホテル付近で声をかけてきた女性についていくとどうなる?

大連領事事務所の「安全の手引き」は過去の被害事例として「ホテル付近で声を掛けられた女性との買春容疑で拘留」を明記しています。中国では買春は治安管理処罰法違反で、15日以下の拘留・5,000元以下の罰金・国外退去処分もあり得ます。そもそも誘いに応じないのが唯一の対策です。

実在する大使館の電話番号から掛かってくる詐欺もある?

あります。大連領事事務所は「実在する電話番号(日本国大使館、日本国総領事館、現地警察など)を偽装して表示させる手口が確認される」と明記しています。電話の発信番号を信じず、一旦切って自分で公的機関の番号を調べ直して確認するのが対策です。

出典