大連は遼寧省南端の港湾都市で、日系企業の進出も多く、日本人観光客・駐在員とも一定数います。在大連領事事務所の安全の手引きによれば「中国国内でも比較的治安が良い」とされる都市ですが、そのぶん日本人が油断した場面での特殊詐欺や置き引きが目立ちます。大連領事事務所が特殊詐欺を独自ページで注意喚起している点は他都市より強めのシグナルです。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
大連で実際に起きている被害事例
在大連領事事務所の安全の手引きは、過去に報告のあった被害事例をリスト化しています。
地下街、飲食店、デパート、ホテル等での置き引き・スリ被害(主な被害:旅券、現金、貴金属・カメラ類) 暴漢による暴行被害、強盗傷害被害 スリの現行犯を追跡した結果、同犯人から刺されて負傷した事案 ホテルの部屋で来訪者を確認せずドアを開けたことによる強盗被害 夜間、盛り場でのトラブルが起因となる傷害事件 タクシーや各商店などで買い物をした際、釣り銭等で偽札を渡された事案 ホテル付近で声を掛けられた女性との買春容疑で拘留
スリを追いかけたら刺されたというのは、中国全土で共通する「相手が凶器を持っている前提で動け」という警告の典型例。ひったくり・スリの現行犯を見ても追わないのが正解です。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
大連領事事務所が特に警告する特殊詐欺
大連領事事務所は「特殊詐欺についての注意喚起(被害に遭わないために)」という単独ページを出しています。典型的な手口はこの4パターン。
偽警官が架空の、又は実在する名前と身分番号を名乗り、SNSの不正利用で容疑がかけられているとして相手に逮捕をほのめかせ、取消しのための手続料を送金させようとする。
日本国大使館職員を名乗り、相手に日本で●●の容疑で裁判所から逮捕状が出ているとして、相手の個人情報や SNSのアカウント情報を聞き出したり、取消しのための手続料を送金させようとする。
警察を含めた現地捜査機関と名乗る者から電話で「あなたの口座は犯罪者に利用された」「あなたの口座はテロリストによって使用された」などとして、個人情報の詳細を聞き出そうとする。
現地銀行などの行員を名乗る者から、「必要なお金を入金しなければ、口座は凍結される」などと言われ指定の口座への送金を要求される。
領事事務所がハッキリ書いているのは次の一文。
日本国大使館、日本国総領事館、日本の警察や税関といった日本の公的機関が正式な手続によらず税金、罰金、保釈金などの名目で送金を要求することはありません。
加えて、「日本政府の制服を着た動画をビデオ通話で見せてくる」「実在する大使館の電話番号を偽装して表示させる」といった手口の高度化も指摘されています。対応方法としてはシンプル:身に覚えのない送金要求はすぐ電話を切る、不安なら自分で調べた大使館の公式電話番号に掛け直す、家族や信頼できる友人に相談する、です。
反スパイ法の適用事例(大連由来)
大連の手引きには、反スパイ法・測量法が実際に適用された具体例が載っています。
GPSを用いて中露国境に近い辺境地域を旅行していたところ、国土資源局に身柄を拘束され、長期間取調べを受けた後、GPS機器や地図等を没収されたほか、罰金数万元の支払いと強制退去を命じられた。
考古学研究のため、中国関係機関と調整の上、博物館や遺跡の見学を行っていたところ、国務院の許可を得ずに見学を行ったとして文化市場総合執法支隊に身柄を数日間拘束され、長時間の取調べを受けた。最終的には無罪放免となったが、カメラ内のメモリーデータや…
遼寧省は北朝鮮・ロシアと国境が近いことから、旅行で辺境エリアに足を伸ばす場合は測量法や軍事施設保護法に触れないよう特に慎重に。GPS機能付きデバイスや地図を持って国境近辺に行くこと自体がリスクになるので、「なんとなく行ってみる」は避けるのが無難です。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
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買春容疑での拘留
手引きが事例として挙げているのが「ホテル付近で声を掛けられた女性との買春容疑で拘留」。治安管理処罰法の罰則について手引きはこう書いています。
繁華街にあるカラオケ店やマッサージ店の中には買春や性的サービスを誘う店がありますが、これらは「治安管理処罰法」によって拘留及び罰金刑に処されるほか、国外退去処分を受け数年間中国への入国が禁止されるケースもあります。
大連は港湾地域ゆえ夜の繁華街もあり、ホテルのそばや盛り場での声かけは中国では違法行為に直結するルートと認識しておいてください。
医療事情
損保ジャパン事例には大連で脳出血で25日入院(うちICU 4日間)、血腫除去手術を受けた後、医師・看護師付き添いでストレッチャーで日本へ搬送というケースが記録されています。金額は明記されていませんが、医療チャーター便を使うと数千万円規模になります。
外資系医療機関は大連にも一部ありますが、上海・北京ほど選択肢は多くないので、重症化した場合は大連領事事務所が案内する医療機関に相談するのが早道です。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
緊急時の連絡先
- 警察:110 / 救急:120 / 消防:119 / 交通事故:122
- 在瀋陽日本国総領事館 在大連領事事務所:(0411)8370-4077
- 管轄:大連市(遼寧省全体は瀋陽総領事館)
特殊詐欺被害に遭いそうになった、もしくは遭ってしまったら、まず大連領事事務所に電話相談。送金前に一呼吸置いて家族に確認するだけで、かなりの被害は防げます。偽大使館員・偽警官・偽銀行員の具体的な手口は大連の特殊詐欺の手口と対応に分解しました。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
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