瀋陽は遼寧省の省都、中国東北部の拠点都市で、在瀋陽日本国総領事館は遼寧省・吉林省・黒龍江省の3省を管轄しています。東北三省は満州事変(柳条湖事件、1931年)の発祥地であり、総領事館の安全の手引きも反日感情の表面化について他都市より踏み込んで書いているのが特徴。さらに近年は「闇バイト」応募の日本人が特殊詐欺のかけ子として拘束される事案も記録されています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
瀋陽エリアで日本人が遭っている事例
総領事館の手引きに掲載されている被害・加害事例リスト。
繁華街や観光名所、バスや地下鉄の中などで、人込みに紛れてバッグ内から財布やパスポートを抜き取られたという、置き引き・スリ事案。 就寝時に自宅に侵入され、腕時計等貴金属を盗まれた事例。 路上駐車した車の助手席に置いたバッグが持ち去られ、結果、パスポートを紛失した事例。 カード会社の職員と名乗る人物からの電話に従って行動した結果、金銭を詐取された事例。 夜間、盛り場でのトラブルが起因となる傷害事件。 現地の知人に預けた貴重品・パスポート等をすべて持ち去られたもしくは紛失された事例。 売買春行為(性的サービスを伴うマッサージ等を含む)により拘留・罰金を科された事例。 中国企業とのビジネストラブルにより軟禁された事例。 中国への持ち込み・持ち出し禁止品(例:象牙、二胡、骨董品など)を携帯していたことにより、空港税関で身柄を拘束された事例。
注目すべきなのは最後の行。
特殊詐欺グループの「かけ子」として拘束された事例。
特殊詐欺「かけ子」として日本人が拘束されるパターン
総領事館の手引きがはっきり書いています。
近年では、特殊詐欺事件の「かけ子」として日本人が拘留される事案が発生しています。特殊詐欺グループはインターネット等を通じ、「海外で、短期間で高収入が得られる」といった誘い文句で日本人を誘い出し、東北地域に連れてきて振り込め詐欺の電話を日本に向けてかけさせる。
SNSの「闇バイト」や高額短期バイト広告を見て応募した結果、気づけば中国国内で詐欺電話をかけさせられていて、中国警察に摘発される流れ。「知らなかった」「強要された」は中国の裁判では通用しにくいので、そもそも応募しないのが唯一の正解です。
外務省の広域情報(2025C003、「特殊詐欺事件に関する注意喚起(加害者にならないために)」)も継続発出されていて、東南アジアを含む海外全般で日本人が加害者側に回ってしまう構造が指摘されています。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
反日感情と嫌がらせ事案
東北地域の手引きは反日感情についてかなり率直。
日本や日中関係を巡って中国人の対日感情が悪化した場合、日本の大使館や総領事館、企業や商店を標的としたいわゆる反日デモ等が発生することがあります。街中でデモ等を見かけた場合は、近づかないようにし、その場を離れてください。2012年には、尖閣諸島を巡って中国国内で中国人の反日感情が高まり、各地で抗議デモが発生し、大使館、総領事館や日系企業が被害に遭った他、日本人への暴行や日本人をタクシーには乗せない、ホテルに宿泊させない等の嫌がらせ事案が発生しました。
同じ段落でこうも。
また、日本人であるというだけで嫌がらせをされる事案が発生していますので、常に反日感情をもった中国人がいることを意識してください。
特に柳条湖事件の9月18日、南京事件の12月13日、廬溝橋事件の7月7日、抗日戦争勝利記念日の9月3日は注意。この時期に東北三省を訪れる場合は、外出時の緊張感を一段上げる、日本語で大声を出さない、日系企業の密集エリアは避ける、あたりが実用的です。
白タクとタクシートラブル
瀋陽の手引きは交通トラブルにも相応の紙幅を割いています。
空港等のタクシー乗り場等で声をかけてくる所謂「白タク」も存在します。トラブルの元となります。
手引きの注意4原則は「運転手以外の人間が乗車しているタクシーに乗らない」「ナンバー・車種を控える」「領収書を必ず受け取る」「複数人で乗る」。タクシー車内に前の客の携帯・財布が落ちていることがあり、拾って運転手に渡すと後から詐欺の材料にされ得るため、手を触れないのが安全。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
繁華街のぼったくり・売買春
飲食店、カラオケ店、マッサージ店でのトラブル(不当高額請求、売買春)
路上で客引きに声を掛けられて入店 → 支払いを拒むと暴行を加えられるケースが報告されています。マッサージ店やカラオケ店で売春行為を誘う店もあって、買春は違法・入店しただけでも拘留される可能性ありというのは全中国共通。
反スパイ法と東北の国境エリア
東北三省は北朝鮮(鴨緑江・図們江沿い)、ロシア(黒龍江・ウスリー川沿い)と国境を接しています。大連の手引き事例で紹介したGPS使用による拘束は、吉林省・黒龍江省の辺境エリアでも同じリスクがあります。
国境近辺に足を伸ばす観光は、測量法・軍事施設保護法・反スパイ法の対象になり得る点を意識。北朝鮮が見える丹東(遼寧省)などは観光コースとしてある一方、撮影・スケッチ・GPS記録は慎重に。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
医療と気候
瀋陽は冬季が極めて寒冷(最低気温-20℃台)。暖房シーズンは大気汚染も上がりやすいので呼吸器症状のリスクも一定あります。医療事情ページには瀋陽でアクセスできる医療機関情報がまとまっていて、重症時は北京または日本への搬送を選択肢として持っておくのが現実的です。搬送費込みで想定する保険の選び方は東アジア向け海外旅行保険にまとめました。特殊詐欺「かけ子」拘束と同型の大連側の詐欺手口は大連の特殊詐欺の手口と対応で分解しています。
緊急時の連絡先
- 警察:110 / 救急:120 / 消防:119 / 交通事故:122
- 在瀋陽日本国総領事館:(024)2322-7490
- 管轄:遼寧省、吉林省、黒龍江省(大連市のみ在大連領事事務所が扱う)
瀋陽総領事館は春節休暇期間中の安全対策のお願い、中国での重要犯罪被害者弁護士無料相談サポートの案内も定期発出しています。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
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