北京は中国の首都で、故宮・天安門・万里の長城の観光拠点であり、語学留学やビジネスでも日本人が一番多く訪れる都市。医療インフラは中国本土で最も厚く、外資系クリニックも揃っています。一方で大使館ハンドブックには「空港・地下鉄・観光地でのパスポート抜取り」「100元札の偽札すり替え」「外国人が使う飲食店での高額請求」といった北京ならではの注意点が並びます。
危険レベル指定はありませんが、北京でも2013年10月に天安門前で車両突入・炎上事案が起きて日本人も負傷したこと、そして反スパイ法の運用下では首都であるがゆえに政府庁舎や軍事関連施設が多いことは、旅行者として意識しておくポイントです。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
北京で特に注意すべき犯罪パターン
大使館ハンドブック(2025年12月版)が名指ししている場面別の手口を整理します。
空港・両替所・地下鉄での抜取り
手引きはこう書いています。
空港ではパスポートの出し入れが頻繁に行われるため、エレベーター内やタクシー乗り場で並んでいる際にパスポートを盗まれることが多いので、注意してください。また、銀行 ATM の使用や記念撮影をする場合も、置き引きに注意し、荷物は目の届くところに置き、貴重品は体から離さないことが肝要です。
特に注意が必要なのが人混みでの刃物型。カミソリでバッグを切られて中身を抜かれるパターンも報告されていて、リュックを背負ったままだと気づけません。乗る前に前抱えに変える、貴重品は体に密着するファスナー付きポーチへ、が基本です。
タクシーのぼったくりと偽札すり替え
これも手引きで名指しされている典型。
タクシーでの支払いに際して100元札(最高額紙幣)を渡したところ、運転手から偽札であるとして偽札にすり替えて返却され、降車後にその紙幣が偽札と判明する事案が報告されています(被害の大半が100元札)。
もうひとつ、地方都市で声をかけてくる「白タク」や流しのタクシーでのぼったくり、スーツケースがトランクから出される前に発車して荷物が持ち去られるケースも載っています。対策としてハンドブックは「配車アプリの利用」「ナンバーと運転手名を控える」「複数人で乗る」「領収書を必ず受け取る」と書いています。
繁華街のバー・カラオケ・マッサージ店
繁華街にある「バー」やカラオケ店、マッサージ店などでぼったくり被害に遭い、数十万円の支払いを強要されるケースがあります。また「日本語を勉強しているので教えてくれないか。」等と若い女性に片言の日本語で声をかけられ、一緒に入店した飲食店で高額な料金を請求される例もあります。
買春(性的サービスの利用)は中国では違法。治安管理処罰法で15日以下の拘留および5,000元以下の罰金、国外退去処分を受けることもあります。「日本では合法とされる性行類似行為」もアウトなので、軽い気持ちの入店が拘束・罰金につながり得ます。
振り込め詐欺(外国人滞在者も標的)
詐欺事件は、中国においても近年大幅に増加しており、最も検挙件数の多い事件です。特に、携帯電話やインターネットを使用した「振り込め詐欺」が増えています。
検察院・裁判所・警察・銀行などを名乗り、「起訴されている」「犯罪に関与した可能性がある」として口座番号や暗証番号を聞き出す手口。北京滞在中の日本人にも直接電話がかかってくるケースがあって、身に覚えがなければ「特殊詐欺だ」と判断して即切るのが正解です。
反スパイ法と写真撮影
北京は首都で政府機関・軍事施設・要人警護エリアが多いため、旅行者でも撮影リスクが他都市より高い場所です。手引きが警告する具体例。
写真撮影は、撮影した対象が国家機密に触れると判断された場合は重罪となりますので、撮影可能な場所なのか事前によく確認しておくことが肝要です。特に、軍事関係の施設・設備、国境管理施設等の一部の公的施設等では写真撮影が厳しく制限されており、決して興味本位でこれらの施設等を撮影しないようにしてください。
逮捕に至らなくても撮影データの削除を求められたり、携帯やパソコンを取り上げられたりした例が明記されています。スケッチも取締り対象になり得る、博物館や美術館でも撮影禁止の場所あり。天安門前や人民大会堂周辺を歩く際は、むやみにカメラを構えないほうが無難です。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
大気汚染(PM2.5)の健康リスク
北京市の2023年PM2.5年間平均濃度は38.98μg/m³で、2013年の101.56μg/m³から61.6%減少しました(米国国務省データ、外務省 世界の医療事情より)。改善傾向ではあるものの日本と比べればまだ高い水準。医療事情のページには次のように書かれています。
対策として、長時間過ごす室内環境の改善には空気清浄機が有効です。また、毎時間ごとに公的に発表される大気質指数(AQI)をチェックし、指数が高い時間帯は、外出や屋外での運動を控え、外出する場合には、濾過性能の高いマスクを着用するなどの予防策が重要です。
短期旅行者でも、冬季の暖房シーズン(11〜3月)や春の黄砂時期は体感で喉がやられやすいので、N95相当のマスクを持って行くのがおすすめ。気管支喘息や花粉症の持病がある人は特にマスクとAQIアプリ必須です。
交通事故と電動バイク
北京は交通渋滞が常態化していて、右側通行で右折は常時可能。左折車が歩行者用横断歩道を突っ切ってくるのが普通です。医療事情ページはこう書いています。
携帯電話を操作しながらや、イヤホンをつけての運転も多く、接触事故は頻繁に見られます。自身が安全に走行することはもちろんですが、電動バイクなどは音もなく、猛スピードで追い抜くため、周りの交通状況を確認することが重要です。
歩道を電動バイクが走ってきて音もなく横を抜ける、という現象は実際にあります。横断中のスマホ操作はやめて、左右だけでなく前後の歩道側も見るのが安全側。2023年の中国の交通事故死亡者数は60,028人(日本は同年3,573人)です。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
宿泊登記とパスポート携帯義務
ここは犯罪ではなく法令系の注意点。中国の出入国管理法では、外国人はチェックイン後24時間以内に「宿泊登記」が必要で、ホテルは自動的にやってくれますが、友人宅や社宅、短期民泊に泊まる場合は自分で管轄派出所に届出が必要。怠ると2,000元以下の罰金です。
さらに16歳以上の外国人はパスポート携帯義務があり、ホテル・航空機・鉄道・長距離バス・主要観光地の入場でパスポート提示を求められます。コピーではなく原本携帯が基本です。
医療費(都市部でも「気軽な受診」は高い)
北京は中国本土で最も医療インフラが厚い都市で、外資系クリニック(ユナイテッドファミリー、ワールドパスインターナショナルSOSなど)は日本語・英語対応。ただし医療費は日本とは桁が違います。医療事情ページから。
外資系医療機関では、感冒や胃腸炎などでも1,000元(およそ20,000円)以上かかる上、レントゲンや採血、超音波などの検査により医師の収入が増加するシステムのため、医療費は高額になりがちです。ただし、多くの医療機関は海外旅行傷害保険が使用できますので、万が一に備え十分な保障を備えた保険への加入をお勧めします。
損保ジャパンには北京で短期留学中の21歳女性が急性咽頭炎で6日入院し治療費15万円という事例が載っています。軽症でこの金額なので、肺炎や脳梗塞クラスになると数百万〜1,000万円規模になるのは北京の医療費と感染症で保険会社事例と合わせて整理しました。クレカ付帯だけで足りるかは東アジア向け海外旅行保険で確認を。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
緊急時の連絡先
- 警察:110 / 救急:120または999 / 消防:119 / 交通事故:122
- 在中国日本国大使館:(010)8531-9800(代表)/(010)6532-5964(邦人援護)
- 住所:北京市朝陽区亮馬橋東街1号
管轄地域は北京市、天津市、河北省、山西省、内モンゴル自治区、河南省、湖北省、湖南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
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