上海は中国経済の中心、外灘・南京路・豫園といった定番観光地があり、蘇州・杭州への日帰り拠点にもなる都市。治安は中国本土の大都市の中では比較的落ち着いていますが、在上海日本国総領事館「安全の手引き」(2026年2月改訂版)はマッチングアプリ経由のぼったくりという他都市より目立つパターンを明確に名指ししています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
上海で日本人が遭っている典型的な被害
マッチングアプリ・客引き経由のぼったくり
総領事館の手引きはこう書いています。
上海市内の観光地周辺や多くの邦人が居住する地域において、マッチング・アプリ等で知り合った中国人女性とみられる人物や、客引きに誘われて入った飲食店、あるいはマッサージ店などで高額な料金を請求される、いわゆる「ぼったくり」被害の報告があとを絶ちません。
同じページの注意事項としてストレートに3点書かれています。
【注意1】マッチング・アプリの利用は避ける。 【注意2】性風俗店への入店は違法行為。 【注意3】出張者などへの注意喚起を徹底する。
上海で出会い系アプリに登録している「魅力的な中国人女性」は、その高確率でぼったくり店舗の客引きと考えてOK。食事だけのつもりでも、連れていかれた店で数十万円請求されるのは広州の手引きでも並行して記録されている典型パターンです。
スリ・置き引き
手引きの窃盗項はシンプルにこう。
いつのまにか傍らに置いていたはずのバッグが消えていた、バッグに入っていたパスポートや財布がなくなっていたといった被害報告が寄せられています。パスポートの再発給には一定の日数を要しますので十分御注意ください。
地下鉄・外灘・南京路歩行街など観光客密度が高い場所で、カフェや飲食店で座席横に置いたバッグが一瞬で消える、というのが上海の典型。注意点は「バッグ類は常に見える場所で管理し、席を外す際には必ず持ち歩く」。
暴行・傷害(日本語の罵り言葉に注意)
一般的に中国人は日本人の言動に敏感です。日本語の罵り言葉が広く知られていることもあり、ちょっとした諍いが大きなトラブルに発展することもあります。
手引きは「喧嘩して相手に怪我をさせれば犯罪者となるおそれもある」と書いていて、状況次第で被害者が加害者側に回る点が怖いところ。酔った勢いの日本語も控えめに、というのがここでの教訓です。
白酒(バイチュウ)の一気飲みリスク
「白酒」と呼ばれるアルコール度数の高い酒が提供されることがありますが、急性アルコール中毒で緊急入院を余儀なくされたり、死亡したりする例も報告されています。
会食文化の一環で一気飲みを求められる場面はあるそうで、泥酔中のパスポート盗難・ぼったくり・交通事故に絡むリスクが一気に跳ね上がります。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
反スパイ法・写真撮影の注意
上海は経済都市ですが、反スパイ法の運用は北京と同じ枠組みが適用されます。手引きの該当箇所から。
幅広い行為が「スパイ行為」とされている上、「その他のスパイ活動」も「スパイ行為」の1つとして規定されているため、列挙されているもの以外にも様々な行動がスパイ行為とみなされる可能性があり、これらの法律の内容が当局によって不透明かつ予見不可能な形で解釈・運用される可能性もあります。
「軍事禁区」「軍事管理区」の標識がある場所、政府庁舎、港湾の軍関連設備の撮影は避ける。旅行者がやりがちな「空港・港・鉄道施設の記念撮影」もリスクゼロではないと意識しておきたいところです。
また過去の歴史に関わる日(柳条湖事件9/18、南京事件12/13、抗日戦争勝利記念日9/3等)は、日本関連行事を予定しているなら慎重に。上海は第一次・第二次上海事変の舞台にもなっていて、手引きに列挙された注意日には上海天長節爆弾事件(4/29)と第一次上海事変記念日(1/28)・第二次上海事変記念日(8/13)も含まれています。
臨時宿泊登記(24時間以内)
上海は手引きで臨時宿泊登記の項目が1章分割かれていて、個別ページへのリンクまで用意されている重要テーマ。
外国人が中国国内の住所地に在留する、あるいはホテルに宿泊する場合、中国到着後24時間以内に管轄の公安機関において「臨時宿泊登記」をする必要があり、これを怠ると罰金が科せられます。
ホテル宿泊なら施設側が登記してくれるので自分では何もしなくてOK。自分で登記が必要になるのは次のケース。
- 一時帰国から上海に戻ってきた場合
- 日本から来た家族や友人を自宅(社宅・借りているマンション)に泊める場合
Airbnbや民泊を使う場合は、施設側が登記してくれるのか事前確認。上海市は独自のオンライン臨時宿泊登記システムもあるので、民泊利用者はここを押さえておくと罰金回避になります。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
交通事故と電動バイク
手引きは「EVや電動バイクの多い上海では、走行時の音が静かなため、歩行者にとってその接近を認識しにくいので十分な注意が必要」と明記。医療事情ページの指摘も並行して。
歩行者優先という意識は乏しく、車の右折が常に可能な交差点が多いため、青信号で横断歩道を渡っていても注意が必要です。電動バイクが歩道を走行し、音もなく近づいてくるので歩行者にとって非常に危険です。
注意3点は「歩きスマホをしない」「信号・シートベルト基本ルール」「運転時は中国の道路安全交通法の確認」。上海は電動スクーターが歩道にも容赦なく入ってくるので、耳で気づけないと想定して視線で前後確認を。
医療費と外国人向け医療機関
上海は蘇州と並んで日本人医師や日本語対応医師のいる医療施設がある都市。ただし医療事情ページは、医療費の現実についてこう書いています。
外国人向け診療の医療費は日本と比較して相当に高額になる場合が多いので、十分な医療補償のある保険に加入しておくことを強く勧めます。
ソニー損保の中国事例には、上海で腹部の痛みで受診 → 胆のう炎で8日入院・手術、家族駆けつけで425万円というケースが記録されています。クレジットカード付帯の疾病治療費(200〜270万円程度が多い)では足りない金額で、詳しい事例と医療機関の使い方は上海の医療費と日本語対応病院、保険選びは東アジア向け海外旅行保険にまとめました。
キャッシュレスサービス対応の医療機関を保険会社経由で紹介してもらうと、窓口での立替なしで受診できます。加入している海外旅行保険の事故受付窓口を中国入国前に必ずスマホに保存しておくと、いざという時に動きが早くなります。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
緊急時の連絡先
- 警察(公安):110 / 消防:119 / 救急:120(搬送費は有料)
- 在上海日本国総領事館:(021)5257-4766
- 管轄:上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省
医療トラブルで日本語対応の緊急医療サービスが必要なら、手引き掲載のインターナショナルSOS(021-5298-9538、24時間)、日本エマージェンシーアシスタンス(021-5213-2303)も連絡先として使えます。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
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