ダブリンはアイルランドの首都で、日本人観光客の大半が必ず通る街です。ギネス・ストアハウスにテンプルバー、トリニティ・カレッジ。「のんびり安全な国の首都」というイメージで来る人が多いけれど、在アイルランド日本国大使館の「安全の手引き」を読むとスリ・置き引き・路上強盗の発生場所として真っ先に名指しされているのがダブリン中心部。さらにギャング団同士の銃撃事件まで発生していて、警察の武装部隊が警戒活動をしている街です。アイルランド全体の治安概況は国ページに整理しています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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オコンネル通り・グラフトン通り・テンプルバー --- スリの3大スポット
大使館「安全の手引き」がスリ・ひったくり・置き引き・路上強盗の主な発生場所として名指ししているのが、ダブリン中心部の3エリア。
ダブリンの中心的な繁華街であるオコンネル通りやグラフトン通り及びその周辺、テンプルバー地区などの表通り、裏通り
オコンネル通り(O’Connell Street)はリフィー川北側の目抜き通り、グラフトン通り(Grafton Street)は南側のショッピングストリート、テンプルバー(Temple Bar)はパブが密集する観光地。日本人観光客が必ず歩く動線が、そのままスリの活動範囲です。
加えてギネス・ストアハウスやフェニックス・パークなどの観光施設、ホテル・空港・ショッピングモール・レストラン・パブ、バス・電車などの公共交通機関――要するに「観光客がいるところ全部」と書かれています。手引きが特に強調しているのは、
昼夜を問わず発生している。特に夜間は、絶対安全と言える場所はない。
「絶対安全と言える場所はない」と断言しているソースはあまりない。それくらいダブリンは油断できない街です。
バイク・自転車のひったくりとリュック切り裂き
ダブリンの手口で特徴的なのが、ひったくりが徒歩だけでなく自転車・バイクで行われること。
徒歩、自転車又は車両で後ろから近づき、追い越しざまにバッグやスマートフォンをひったくる。
歩道を歩いている時に背後から追い越しざまにバッグやスマホを奪う。スマホを耳に当てて電話している瞬間が一番狙われる。これは大使館も明示的に「バイク等によるひったくり防止のため、歩道を歩く際は壁側の手でバッグを持つ」とアドバイスしています。
リュックの場合は別パターン。
人混みに紛れ、背負っているリュックサックから財布等を抜き取る。
人混みでリュックを背負ったまま歩くと、ファスナーを開けられて中身を抜かれる。グラフトン通りやテンプルバーのように人の密度が高い場所では普通に発生します。リュックは前抱え、財布はジャンパーの内ポケットが基本。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
ホテル・空港のチェックイン中、足元のバッグが消える
オコンネル通りやテンプルバーの路上だけが現場じゃない。手引きはホテルや空港の手続き中の置き引きも具体的に書いています。
ホテル、空港等での手続中に足下のバッグ等を持ち去る。
レストラン等で離席した際にテーブルの上に置いた貴重品や椅子に置いた上着やバッグ等を持ち去る。
チェックインカウンターでパスポートと予約票を出している3分。レストランでトイレに立った数分。その隙にバッグが消える。「ホテルだから」「空港だから」と気を抜くタイミングがそのまま犯行のチャンスになります。席を立つときは貴重品をポケットに入れて立つ、チェックイン中は荷物を足で挟む、これだけで防げます。
ニセ警察官と「服が汚れてますよ」 --- 詐欺の主流
ダブリン中心部で歩いていて声をかけられるパターンは、ほぼ詐欺だと思って良い。大使館は典型を5つ挙げています。
- 服が汚れていると声をかけてくる
- アイスクリーム等を持った相手がぶつかってきて、服を汚す
- 地図を広げて、現在地や目的地を聞いてくる
- 路上にコインをばらまいたり、瓶を落として割ったりして、注意を引きつける
- 私服の人物が「警察官です」と名乗って所持品検査を要求
特にニセ警察官は、本物との見分け方がハッキリしています。本物の制服警官は肩や胸にIDを表示しているし、職務質問の場で罰金名目の現金を要求することは絶対にない。これは大使館が明言しています。私服で「警察」を名乗って財布を見せろと言ってきたら、その場で999に電話するのが正解。詳しくはダブリンの詐欺・ぼったくり対策で手口別に整理しています。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
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ギャング抗争と少年グループ --- 夜の路上で気をつけること
ダブリンを語るうえで外せないのが、ギャング団の抗争。
ダブリン市内および近郊では、ギャング団同士の抗争とみられる銃撃・殺人事件が発生しており、警察の武装部隊による警戒活動も行われています。銃声や悲鳴が聞こえた時には速やかに避難するなどして巻き添えにならないようご注意ください。
外務省の安全対策基礎データの一文。観光客が直接狙われる事案ではないものの、深夜の繁華街裏路地・住宅地周辺では巻き添えリスクが現実にある。
そしてもう一つ深刻なのが、少年少女の不良グループによる外国人への暴行・恐喝。ダブリン市内でも複数の事件があり、過去に日本人も被害に遭っています。手引きの「対策」項目には、
不良グループ等不審な人物を認めた際は、目を合わせることなく速やかに離れる。
じろじろと見られたり、尾行される等の不審な兆候があれば、近くのレストランなど多数の人がいる場所に入る。
目を合わせない・早足で離れる・人のいる店に逃げ込む。これがダブリンで身を守る基本動作です。
テンプルバーの夜 --- パブ街の暴行・粗暴事案
テンプルバー地区はダブリンを代表する観光名所だけど、夜は酩酊者による暴行・喧嘩の現場でもあります。手引きは「繁華街や観光スポットを中心とした窃盗犯罪や粗暴事案」が高い水準で発生していると明記。深夜のパブ周辺で酔客と口論になる、絡まれる、財布を狙われる、というパターンが定番です。
帰り道についても明確なアドバイスがあります。
帰宅が遅くなる場合は、家族・知人に迎えに来てもらうか、公共交通機関を利用する。タクシーは、タクシー手配アプリの利用や信頼できる業者への電話で手配する。深夜の単独乗車は避ける。
深夜の徒歩帰宅は避ける。タクシーはアプリ手配(Free Now、Lynkなど)が基本。流しのタクシーよりアプリの方が記録が残る分安全です。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
屋外ATMのスキミングと「銃口を向けられて引き出し」
現金をATMで引き出すなら、手引きはハッキリと屋内設置のATMを推奨しています。
ATMはなるべく屋内設置のものを利用し、屋外設置のものを利用する場合には、周囲に人(不審者)がいないことを確認の上、なるべく日中に利用する。
屋外ATMはスキミング装置を仕掛けられることがあるし、引き出し直後に背後から襲われるケースもある。銀行の建物内のATMを使うのが無難です。
医療事情 --- GP制度と長い待ち時間
ダブリンの医療水準は比較的高いものの、観光客にとっては1年未満は公的医療の対象外=実費が原則。GP(ホームドクター)の紹介状なしには専門医を受診できないため、急患でなければまずGPを探すことになります。
公立病院のA&E(救急科)は深刻な混雑で、緊急度の低い症状だと長時間待たされる。GP紹介なしで救急科に行って入院不要と判断された場合は100ユーロの請求が発生します。
ダブリンの主要病院は次の通り(外務省「世界の医療事情」より)。
- St James’s Hospital(総合・Dublin 8、+353-1-410-3000)
- Mater Misericordiae University Hospital(総合・Dublin 7、+353-1-803-2000)
- Beaumont Hospital(総合・Dublin 9、+353-1-809-3000)
- Tallaght University Hospital(総合・Dublin 24、+353-1-414-2000)
- Beacon Hospital(プライベート総合・Dublin 18、+353-1-293-6600)
キャッシュレスメディカルサービスが使える病院は限られているので、加入している保険会社に事前確認が必須。詳しくはダブリンの医療費・体調不良対策へ。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察・救急・消防 | 999 または 112 |
| 在アイルランド日本国大使館 | +353-(0)1-202-8300 |
| 大使館所在地 | Nutley Building, Merrion Centre, Nutley Lane, Dublin 4, D04 RP73 |
| 領事班Eメール | consular@ir.mofa.go.jp |
| Tourist SOS(英語のみ) | +353-(0)1-661-0562 |
| Tourist SOS WhatsApp | +353-(0)87-47-69-402 |
Tourist SOSはアイルランド国家警察委託の外国人犯罪被害者支援。月〜土10:00-18:00、日祝12:00-18:00。所在地は O’Connell Street Garda Station, Dublin 1, D01 EF98 と Pearse Street Garda Station, Dublin 2, D02 W289 の2箇所で、スリ被害の届出から保険書類の準備までサポートしてくれます。
緊急時は夜間や土・日も大使館代表電話で夜間対応業者(JAN緊急連絡サービス)に転送される仕組みがあるので、深夜の事件・事故でも遠慮せず架電を。
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