ブカレストはルーマニアの首都で、ヘンリ・コアンダ国際空港の発着、ノルド駅からブラショフ方面への列車乗り換え、旧市街地区での観光と、日本人観光客のほぼ全員が通る街です。在ルーマニア日本国大使館の「安全の手引き」を読むと、観光客被害のほぼ全パターンがこのブカレスト市内で発生していることがわかります。空港・駅・旧市街・夜のホテル周辺――観光客の動線がそのまま犯罪の動線です。ルーマニア全体の概況は国ページにまとめています。
Travel Alert 01
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ヘンリ・コアンダ空港 --- 2012年に日本人女性が殺害された現場
ブカレストの玄関口、ヘンリ・コアンダ国際空港。ここで2012年に起きた事件が、外務省と大使館が今も警鐘を鳴らし続ける根拠になっています。
2012年には、日本からヘンリ・コアンダ国際空港に、夜遅い時間に到着した女性が、同空港において親切心を装ったルーマニア人男性に声をかけられ、一緒にタクシーに乗車したところ、その男性により暴行・殺害される事件が発生しています。
夜遅い到着便で、片言の日本語や英語で話しかけられ、「タクシー乗り場まで案内するよ」「一緒に乗ろう」と誘われて応じてしまった結果。夜遅い到着便で空港で見知らぬ相手と話さない・一緒にタクシーに乗らない、これは絶対のルールです。
正規タクシーの呼び方は手引きが具体的に書いていて、
ヘンリ・コアンダ国際空港には到着ロビー両脇に、登録業者のタクシーを呼び出すことができるタッチパネル式機械が設置されており、同機械を利用することで白タクへの乗車を回避できます。
タッチパネルで呼ばれた登録業者タクシーか、Uber/Boltアプリで呼んだ車両のみ使う。詳細はブカレストのタクシー対策へ。
ノルド駅 --- ホテル探し中の暴行強奪事件
ブカレストの中央駅にあたるノルド駅(Gara de Nord)。ブラショフ・シビウ方面への列車の発着駅で、観光客が必ず通る場所ですが、ここでも具体的な日本人被害が発生しています。
観光目的で訪れた日本人男性が、ブカレスト市内のノルド駅に到着しホテルを探していたところ、ルーマニア人の男女から道案内をすると声をかけられ、暗がりへ誘い込まれて現金を出すよう脅され、男性がこれを拒否すると、殴る蹴るの暴行を受け貴重品および現金を強奪される事件も発生しました。
「道案内するよ」と声をかけられ、暗がりに誘い込まれて強奪・暴行。ノルド駅から宿へ移動する際は、駅前で声をかけてくる相手には絶対に応じず、駅構内のタッチパネル式タクシー機械か、Bolt/Uberで車を呼ぶことを徹底してください。
外務省が推奨する駅での乗車方法も明確です。
ノルド駅では、正面メインゲートの車寄せから乗車することをおすすめします。
裏口や駅周辺の路上ではなく、正面メインゲートの車寄せ。これが安全な動線です。
Travel Alert 02
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ロマーナ広場・ウニリイ広場 --- 若者グループのネックレス強奪
ブカレスト旧市街観光のハイライトとなる、ロマーナ広場・ウニリイ広場周辺。手引きと外務省が具体的に名指しで警告しています。
過去にはロマーナ広場、ウニリイ広場周辺の旧市街地区といった中心部において、若者グループが観光客等をねらって取り囲み、ネックレスなどを引きちぎり強奪していくといった事件も発生しています。
旧市街地区を観光中、複数人の若者に取り囲まれてネックレスを引きちぎられる――これが現実に発生している被害です。
対策の基本は、
- 目立つアクセサリーは身に付けない(特にネックレス、高級腕時計)
- 人通りの少ない時間帯・場所を歩かない
- 取り囲まれたら大声で「Help!」と叫び、近くの店に逃げ込む
外務省も具体的な防御行動を書いています。
スリやひったくり等の被害に遭わない、また、遭っても被害を最小限にするためには、バッグはたすき掛けにする、バッグの留め具やファスナーはかならず閉める、バッグを背中側に回さない、バッグ内には必要最小限のものしか入れない、貴重品は入れない、金品は分散して持つ、混雑している場所では前へ抱え込むようにして持つなどの工夫をしてください。
トラム・バス・地下鉄のスリ
公共交通機関も油断できません。
混雑した乗り物(トラムバス・バス等)への乗車時には、スリなどの危険があるので、十分注意してください。
ブカレストのトラムや地下鉄は朝夕の通勤時間帯に混雑し、観光客が押されたタイミングで財布を抜かれます。混雑時はバッグを前抱え、スマホはポケットから出さないのが基本。
偽警察官の両替詐欺と「親切な日本語声かけ」
ブカレストで観光客が遭いやすい詐欺の代表格が2つ。
偽警察官の両替詐欺:
一般人を装う者から両替を依頼されて対応したら、偽警察官が現れて違法両替を指摘した上で所持品検査をし、現金等を奪われる事件が発生しています。
路上で「両替してくれませんか」と頼まれても絶対に応じない。本物の警察官が職務質問の場で所持品検査をすることはあるが、現金やカードをその場で抜き取ることはありません。詳細はブカレストの詐欺対策へ。
親切心を装った声かけ:
親切心を装って近づいてくる犯罪者がいます。空港や路上あるいはレストラン等で見知らぬ人から片言の日本語または英語で親しげに話しかけられた場合などは要注意です。しつこく話しかけられても相手にせず、「急いでいる」等と答えてその場を立ち去り、決して立ち話を始めたり、同席したりしないでください。
「日本人ですか?」「日本に行ったことあるよ」と片言の日本語で話しかけてくる――これは100%警戒対象。
Travel Alert 03
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夜のホテル周辺と一流ホテル前の路上
外務省の警戒対象には、夜の高級ホテル周辺も含まれています。
夜間帯における一流ホテル周辺(路上等)
ブカレスト中心部の高級ホテル周辺は、夜になると外国人観光客が現金やカード、高級時計を持って出歩いている前提で待ち構える犯罪者がいます。夜のホテル前を徒歩で移動しない、Bolt/Uberで車を呼んでドアtoドアが基本動作。
両替後の警戒も特に大切。
用件を済ませて建物から出てきた時(特に両替後)は、ひったくり等に十分注意してください。
両替所や銀行から出た直後を狙うひったくり。両替後すぐにバッグの奥に仕舞う・路上で財布を見せないことを徹底してください。
野犬と狂犬病 --- ブカレスト郊外で要警戒
ブカレストの公園や郊外、夜間の住宅地周辺では野犬の群れに遭遇するリスクがあります。外務省「世界の医療事情」は、
当国には野犬が多く、犬にかまれる方が後を絶ちません。過去には在留邦人の方が犬咬(こう)傷でお亡くなりになられた事例もあります。
と明記。ブカレストの野犬には絶対近づかない・餌をやらない・撫でようとしない。咬まれたら即座に石鹸と流水で洗い、医療機関へ駆け込んで曝露後ワクチンを受けます。発症すれば死亡率はほぼ100%なので、咬まれた段階で必ず受診してください。
Travel Alert 04
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医療事情 --- 私立病院は英語可、重症は西欧搬送
ブカレストの医療水準は、私立病院に限れば比較的高い。外務省「世界の医療事情」も、
ブカレストや一部の地方都市では、近年新しい私立医療機関が増えており、規模の大きいところは24時間体制で救急対応を行っています。…一般的な疾患に関しては西欧先進国に近い水準の診療が行われています。また、多くの部署で英語が通じます。
と書いています。ただし重症ケースは周辺の医療先進国か日本への搬送が前提。在ルーマニア日本国大使館はブカレスト市内の医療機関リスト(私立中心)を独自に公開していて、出発前に確認しておくと安心です。
私立病院での支払いは原則として現金またはクレジットカードで、
私立の医療機関の請求は概して明瞭で、サービスもある程度の水準に達しています。ただし、受診の際には現金またはクレジットカードでの支払い保証を求められます。海外旅行傷害保険のキャッシュレスサービスに対応できる病院はありませんが、今後対応可能となることもあり得ますので、受診前に保険会社に確認すると良いでしょう。
キャッシュレスサービス対応病院がないのがブカレストの特徴。詳細はブカレストの医療費・体調不良対策へ。
交通事故 --- 歩行中も危険
外務省が歩行中も警告しているのがブカレストの交通事情。
運転マナーは極めて悪く、道路整備も十分に行われていないため、交通事故が頻発しています。運転中のみならず、歩行中にも十分な注意が必要です。
横断歩道があっても車が止まらない、信号無視も日常。横断時は左右複数回確認+アイコンタクトが必要です。冬季は凍結路面の転倒も加わるため、注意が二重になります。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察・救急・消防(EU共通) | 112 |
| 在ルーマニア日本国大使館 | +40-(0)21-319-1890~1 |
緊急時はEU共通の112で、英語対応。火災・救急・警察すべてここで通報できます。在ルーマニア日本国大使館はブカレスト市内に所在し、犯罪被害・パスポート盗難・医療緊急時の領事サポートを受けられます。
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