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バチカンの治安 サンピエトロのスリと荷物預かり詐欺【2026】

バチカン市国の治安や危険情報、サンピエトロ広場のスリ・荷物預かり詐欺、医療費を、外務省と在バチカン日本国大使館の情報からまとめました。

UPDATED · 2026.06.01 KAIGAI-RISK

バチカン市国(聖座)は、ローマ市内に位置する世界最小の独立国です。サン・ピエトロ大聖堂とバチカン美術館を擁するカトリックの中心地で、年間を通じて世界中から観光客と巡礼者が押し寄せます。外務省の危険情報・スポット情報・感染症危険情報はすべて発出なしですが、観光客が集中する土地ならではの軽犯罪リスクははっきり存在します。

外務省「バチカン 安全対策基礎データ」を読むと、サン・ピエトロ広場・大聖堂・バチカン美術館でのスリ・置き引きが具体的に警告されており、特に日本人を含むアジア系が狙われる傾向にあると名指しされています。さらに在バチカン日本国大使館は、大使館の名をかたる有料荷物預かりサービス詐欺への注意喚起も出しています。バチカンは在バチカン日本国大使館(ローマ所在)が管轄し、防犯対策は基本的にローマ市内と同じです。

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危険レベル --- 危険・スポット・感染症すべて「発出なし」

外務省の海外安全ホームページを開くと、バチカンは危険情報・スポット情報・感染症危険情報のいずれも発出されていません。広域情報はヨーロッパ全域共通の一般的な注意喚起で、バチカン固有のリスク情報は出ていません。

テロ・誘拐情勢(更新日 2025年3月11日)の概況は次のとおりです。

バチカン市国警備連携当局によれば、現在のところ同国内においてテロ事件あるいは爆破予告等のテロ関連事件は発生しておらず、反政府武装組織の活動や国際的なテロ組織の活動は確認されておりません。

しかしながら、バチカン市国は国際的な観光地であり、カトリック信仰の中心であるため、テロの標的となり得る可能性も排除されません。なお、インターネット上でイスラム過激派組織がバチカンに対するテロを呼びかけていたこともこれまでに確認されています。

サン・ピエトロ大聖堂、同広場及びバチカン美術館は一般に公開されており、テロリストが観光客に紛れて入り込む可能性があるため、バチカン市国警備連携当局、スイス衛兵及びイタリア警察当局による厳重な警備体制が敷かれており、警戒態勢のレベルは高いものとなっています。

誘拐事件はこれまでに発生確認なし、日本人のテロ・誘拐被害も確認されていません。レベル感としては「警備が手厚く、重大犯罪のリスクは低い」一方で、観光客を狙う軽犯罪が日常的に起きる国です。

観光客が気をつけたい2つ

1. サン・ピエトロのスリ・置き引き --- アジア系が狙われる

外務省「バチカン 安全対策基礎データ」の「犯罪発生状況・防犯対策」は、バチカンのリスクをそのまま言い当てています。

バチカン市国内では、一般観光客が訪れるサン・ピエトロ広場、サン・ピエトロ大聖堂及びバチカン美術館で、スリ、置き引き等が発生しており、特に日本人を含むアジア人は狙われる傾向にあるため、貴重品は常に肌身離さず持ち歩き、混雑時には特に注意が必要です。クリスマス、復活祭、毎週日曜日のお告げの祈り(アンジェラス)および毎週水曜日の教皇一般謁見は混雑が予想され、軽犯罪が発生する可能性が高くなり、テロが発生する可能性も否めません。

スリ・置き引きの三大スポットは サン・ピエトロ広場・サン・ピエトロ大聖堂・バチカン美術館。日本人を含むアジア系が狙われやすいと明記されています。特にリスクが高まるのは次の混雑イベントです。

  • クリスマス・復活祭(イースター)
  • 毎週日曜日正午のお告げの祈り(アンジェラス)
  • 毎週水曜日の教皇一般謁見

これらのタイミングは広場が人で埋め尽くされ、身動きが取りにくくなります。バッグは体の前で抱える、リュックは前に回す、財布やスマホをズボンの後ろポケットに入れない、といった基本を徹底しましょう。外務省は防犯上の注意について、ローマ市内と同じと案内しています。

防犯上の注意は基本的にローマ市内と同じですので、イタリアの安全対策基礎データおよび在イタリア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」をご参照ください。

イタリアの治安 で書いたローマのスリ・置き引き対策が、そのままバチカンで効きます。

2. 「日本大使館の荷物預かり」をかたる詐欺

在バチカン日本国大使館は、令和8年(2026年)2月19日付で重要なお知らせを出しています。

最近、当館が荷物の有料預かりサービスを行っていると誤認される掲示が見受けられますが、当館はそうしたサービスは一切行っておりませんので、ご注意下さい。

大使館がこうした注意喚起を出すのは異例で、「日本大使館が荷物を有料で預かってくれる」と誤認させる掲示が現地に出回っていることを意味します。バチカン美術館やサン・ピエトロ大聖堂は大きな荷物の持ち込みが制限されるため、「荷物を預けたい」という観光客の心理につけ込む手口といえます。日本大使館は荷物の有料預かりサービスを一切行っていません。そうした掲示や勧誘を見かけても、料金を払わないこと。荷物は公式のクロークや正規のロッカーを使いましょう。

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観光マナー --- 服装と撮影のルール

バチカンは観光地であると同時に、敬虔な信仰・礼拝の場です。外務省「バチカン 安全対策基礎データ」は、服装と振る舞いのルールを明記しています。

サン・ピエトロ大聖堂やバチカン美術館内では撮影禁止(フラッシュ及び三脚の使用禁止)の場所がありますのでご注意ください。また、大聖堂内は大声での会話や携帯電話での通話、肩や膝を出した肌の露出の多い服装での入場も禁止されているのでご注意ください。

サン・ピエトロ大聖堂には毎日多くの観光客が訪れますが、あくまでも敬虔な信仰、礼拝の場です。そのため、袖なし服、半ズボン、ミニスカート等、肌の露出の高い服装は入場を拒否されることがありますので注意してください。また、ミサや礼拝が行われている場合は、信者や教会関係者に迷惑となる行為(携帯電話での通話等)を慎むよう特に気をつけてください。

夏でも肩と膝が隠れる服装が入場の条件です。薄手のストールやシャツを1枚持っておくと、入口で入場を断られずに済みます。フラッシュ・三脚の撮影禁止区画、礼拝中の通話マナーにも従いましょう。

健康と医療 --- 受け皿はローマ(イタリア)

バチカン市国内で体調を崩したり負傷した場合の医療は、実質的にイタリア(ローマ)の医療機関が受け皿になります。バチカン専用の医療情報ソースはなく、外務省も医療事情はイタリアに準じる扱いです。

外務省「バチカン 安全対策基礎データ」は、館内で具合が悪くなったときの初動をこう案内しています。

バチカン市国内(美術館等)で気分が優れないまたは怪我をした場合は、近くのバチカン市国の職員に相談ください。

海外旅行保険の項では、無保険のリスクを警告しています。

海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。

緊急電話は 警察113/消防115/救急118(イタリアと共通)です。

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治療費の現実 --- バチカン市国内で起きた事例

バチカンは観光客が集中し、大聖堂の階段や長時間の行列・見学で体調を崩すケースが起こり得ます。損保のデータベースには、バチカン市国の地名を明示した支払事例が掲載されています(ソニー損保「イタリア・バチカン市国」事例)。

  • バチカン美術館で心臓の痛みを訴え受診、心筋梗塞で18日間入院・手術、家族が駆けつける --- 583万円
  • サンピエトロ大聖堂の階段を踏み外し転倒、大腿骨頸部骨折で14日間入院、医師・看護師付き添いで医療搬送 --- 951万円
  • サンピエトロ広場で気分の悪さを訴えた後に倒れ救急車で搬送、心不全で14日間入院、家族が駆けつける --- 577万円

大聖堂の階段での転倒・骨折が約951万円というのは、医療搬送費が大きく乗ったケースです。隣接するローマ(イタリア)でも、くも膜下出血で45日間入院・手術で787万円、心筋梗塞で16日間入院・手術で1,011万円といった事例があります。詳しい近隣の参考事例は イタリアの治安 ページを参照してください。「世界最小の国だから医療費も小さい」わけではなく、受け皿のローマはイタリアの医療費水準であり、海外旅行保険は持っておきたい安心装備です。

滞在のミニ知識

たびレジ・在留届

3か月未満の旅行者は たびレジ に登録すると、最新治安情報や緊急時の安否確認に使えます。3か月以上の長期滞在者は在留届を在バチカン日本国大使館に提出します。

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緊急時連絡先(保存推奨)

外務省「バチカン 安全対策基礎データ」から:

  • 警察: 113
  • 消防: 115
  • 救急: 118
  • 在バチカン日本国大使館: (国番号39)06-687-5828、06-687-5878
  • 美術館等で気分が優れない・怪我をした場合は、近くのバチカン市国の職員に相談する

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まとめ --- 「世界最小の国」でも油断しない

バチカンは危険情報・スポット情報・感染症危険情報すべて発出なし、テロ・誘拐の日本人被害もゼロで、警備も手厚い国です。それでも観光客が集中するため、軽犯罪のリスクは現実に存在します。

出発前に頭に入れておきたいのは次の2つ:

  1. サン・ピエトロのスリ・置き引きに注意(アジア系が狙われやすい、混雑イベントで急増、貴重品は肌身離さず)
  2. 大使館をかたる荷物預かり詐欺には料金を払わない(日本大使館は荷物預かりをしていない)

加えて、肩と膝が隠れる服装と撮影マナーを守れば、聖地の見学はスムーズです。防犯対策はローマ市内と同じなので、イタリアの治安 を一読しておくのが近道です。

出典