パナマシティの詐欺・ATM強盗・ぼったくりは、USドル経済という特殊事情が背景にあります。両替が不要で米ドルがそのまま流通する分、現金を狙う犯罪が中南米の中でも目立つ国です。在パナマ日本国大使館「安全の手引き」(令和7年11月改訂)の警告を整理します。
Travel Alert 01
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ATM強盗 --- エル・ドラド地区で銃撃事案
被害例の中で最も深刻なのがATM絡みの強盗です。
早朝、パナマ市エル・ドラド地区のショッピングモールに車で訪れ、ATMで現金を引き出した後、犯人に脅され車ごと奪われたうえ、銃で背中を撃たれた。
ATMで現金引き出し→車ごと強奪→銃で背中を撃つ。早朝のショッピングモール駐車場で発生したケースです。「人気のあるモールなら安全」が通用しないのがパナマの現実です。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在パナマ日本国大使館『安全の手引き』に記載されたエル・ドラド地区ショッピングモール駐車場でのATM強盗・銃撃被害を体験談形式で再構成)
大使館の対策。
夜間はATMでの現金引き出しを控える。日中であっても周囲の状況を確認した上でATMを利用する。
具体的にはこう動く。
- 1回の引き出しを少額に分ける: まとめて多額を引き出さない
- ATMは銀行店舗内・モール内のものを使う、路上ATMは避ける
- 引き出したらすぐに配車アプリで移動、徒歩は厳禁
- 暗証番号入力時は手で覆う: スキミング・覗き見対策
- 引き出し直後は車のドアロック確認: 駐車場で襲撃されるパターン
短時間誘拐 --- ATMを連れ回す
中南米共通の手口がパナマでも報告されています。
ショッピングモールの駐車場などで不特定多数の者を狙って身柄を拘束し、ATMなどで現金を引き出させた後、解放するといった、短時間誘拐も発生している。車の乗り降り時の周囲の状況確認を徹底するようにし、人気のない場所を歩かない。
被害者を車に乗せ、複数のATMを回って限度額まで現金を引き出させる。深夜にATM限度額がリセットされる前に2〜3か所のATMで30万〜100万円相当のドル現金を抜く、というパターンが中南米共通です。
短時間誘拐は予防が全て。
- 車の乗降時に周囲を確認
- モール駐車場では複数人で行動
- 人気のない場所を歩かない
- 配車アプリで建物前まで送ってもらう
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
レストラン強盗 --- 5人組で店全体を強奪
午後10時過ぎ、パナマ市のレストランに侵入してきた5人組にけん銃で脅され、店の売上金や客約20人(日本人を含む)の所持金を強奪された。
店全体がターゲットになる強盗。客約20人が一斉に所持金を奪われるパターンです。大使館の対策。
銃器を使用して金品を強奪するレストラン強盗が発生することがあるので、警備員が配置され、周辺に人通りがあり、かつ外部から見通しが良いレストランを利用するよう心掛けてください。最近では、レストラン内で銃撃戦が勃発し、抗争に無関係の子供が流れ弾に当たり亡くなるという事件も発生しています。
選ぶレストランの3条件。
- 警備員(ガードマン)が配置されている
- 周辺に人通りがある
- 外部から見通しが良い(路面店・大通り沿い)
深夜帯のレストラン・バーは避ける、というのも有効な防御です。
繁華街発砲 --- ウルグアイ通り・アルゼンチン通り
新市街のベジャ・ビスタ地区にある繁華街。
新市街にあるウルグアイ通り、アルゼンチン通り(繁華街)周辺は、深夜に素行不良者が立ち回り、けん銃発砲事案等が発生する場所であるため、夜間外出時の単独行動は避けるなど、特に注意が必要です。
夜遊びをするなら配車アプリでドア前→ドア前、酒に酔って一人で歩いて帰る、はパナマでは命を落としかねない判断です。
麻薬抗争の流れ弾 --- レストランや白昼の新市街でも
安全の手引きの背景。
犯行の主体はギャング(パンディージャス)などの若者グループが多く、麻薬組織とのつながりを背景に、対立グループとの抗争(報復殺人)を旧市街のみならずショッピングモール等で、白昼の新市街でも突然引き起こすことがあります。彼らはまた、新市街のレストランや商店などで拳銃強盗を行うことがあり、邦人を含む一般人も犯罪の標的になり得るため、注意が必要です。
白昼の新市街でも抗争が発生するのがパナマの現実。麻薬絡みのトラブルはパナマシティの薬物トラブルで詳述します。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
駐車詐欺 --- 「車を見ててあげる」が車上荒らしの実行犯
駐車時は、周囲が明るく、人通りの多い場所を選び、路上駐車は避ける(駐車の見張りを申出る者が、車上荒らしをする場合もある)。
「車を見ててあげるよ、チップだけください」と申し出る人物が、その人物自身が車上荒らしの実行犯になるパターン。中南米全域で見られる手口です。管理人付き駐車場を選び、見張り申出には乗らないこと。
詐欺・ぼったくり全般
中南米共通の小トラブルもパナマで多発しています。
- タクシーのカード決済で一桁多く打たれる(流しタクシーで頻発)
- 両替時の偽札・紙幣すり替え: 大半は無許可両替所でのトラブル
- 観光ツアーの飛び込み販売: 内容と金額が違う、リコンファームできない
- 路上の物売り: 信号待ちで車に近づいて来るが、窓を開けないこと
USドル経済なので両替の必要は基本ありませんが、ATMで米ドル・バルボア両方を引き出せます。1ドル札・5ドル札を多めに持っておくとチップ・小売店で便利です。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
入国時の現金申告
入国時に1万米ドル以上の現金や有価証券を持ち込む際は、所定の様式に記入して申告する必要があります。(外務省 安全対策基礎データの一般的記述)
長期滞在で多額の現金を持ち込む場合は申告が必要。観光の範囲では問題になることはほぼありません。
ATM・銀行の選び方
| ATMの種類 | 安全度 | 推奨 |
|---|---|---|
| 銀行店舗内ATM(営業時間中) | 高 | 推奨 |
| 大型モール内ATM(人通りあり) | 中 | 可 |
| 大型モール駐車場ATM | 低 | 注意(被害例あり) |
| 路上設置ATM | 最低 | NG |
エル・ドラド地区のモールで銃撃事案があったように、モール駐車場のATMは使わないのが安全側です。店内のレジ近くにあるATMを選んでください。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
防犯対策まとめ
- ATMは銀行内・モール内(店舗近く)、夜間は使わない
- 引き出しは少額に分け、直後は配車アプリで即移動
- モール駐車場では複数人で行動、人気のない場所を歩かない
- レストランは警備員あり・人通りあり・見通し良いの3条件
- 深夜帯のレストラン・バー、繁華街単独歩行は避ける
- 「車を見ててあげる」の申出は断る、管理人付き駐車場を選ぶ
- 白昼の新市街でも抗争発生、銃声が聞こえたら即離脱
- 両替は銀行・正規両替店で、無許可所と路上両替はNG
- 強盗に遭ったら抵抗しない、銃器使用率8割の前提で動く
被害に遭った場合の届出手順、緊急連絡先はパナマシティの治安に。スリ・少年集団強盗対策はパナマシティのスリ・置き引き・少年集団強盗、流しタクシー対策はパナマシティのタクシー・交通トラブルへ。
よくある質問
ATMで現金を引き出すときの注意点は?
大使館は「夜間はATMでの現金引き出しを控える。日中であっても周囲の状況を確認した上でATMを利用する」と書いています。被害例には「エル・ドラド地区のショッピングモールでATMで現金を引き出した後、犯人に脅され車ごと奪われたうえ、銃で背中を撃たれた」と記録あり。1回の引き出し額を少額に分け、引き出したらすぐ配車アプリで移動が鉄則です。
短時間誘拐とは?
「ショッピングモールの駐車場などで不特定多数の者を狙って身柄を拘束し、ATMなどで現金を引き出させた後、解放する」(安全の手引き)パターン。被害者を車に乗せて複数のATMで限度額まで引き出させ、その後解放する手口です。中南米全域で報告されています。
レストラン強盗にはどう対処する?
大使館の被害例に「午後10時過ぎ、パナマ市のレストランに侵入してきた5人組にけん銃で脅され、店の売上金や客約20人(日本人を含む)の所持金を強奪された」とあります。レストラン全体がターゲットになる手口で、抵抗せず黙って従う、両手を上げ犯人の顔を直視しない、が大使館の鉄則です。
USドルだから両替不要?
パナマはバルボア(独自通貨)と並行してUSドルが事実上の法定通貨。両替は不要ですが、その分**現金を狙う犯罪が他の中南米国より目立つ**特徴があります。多額の現金を持ち歩かない、ATMは銀行内・モール内のものを使う、引き出し直後はすぐ配車アプリで移動が基本。
駐車の見張りを申し出る人物には?
大使館は「駐車の見張りを申出る者が、車上荒らしをする場合もある」と警告。一見親切に見える申出は、その人物自身が車上荒らしの実行犯になるパターンです。**管理人付き駐車場**を選び、見張り申出は断ってください。