テルアビブの医療水準は高い。国内2位の1,500床を持つイヒロフ病院(テルアビブ・スーラスキ医療センター)を筆頭に、メディカルツーリズム対応の病院が複数あります。
ただし高い医療水準 = 高い医療費。救急外来の受診だけで4〜5万円、入院1日15万円〜。しかも2023年10月以降の戦争で医師が戦闘に従事し、救急外来で数時間待ちが常態化しています。2026年4月時点でイスラエル全土はレベル3(渡航中止勧告)。最新情勢はイスラエル国記事を確認してください。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
救急外来4-5万円、入院は1日15万円から始まる
外務省「世界の医療事情」が示す具体額を整理します。
| 項目 | 概算費用 |
|---|---|
| 救急外来受診料 | 4〜5万円 |
| 一般病棟(1日) | 15万円以上 |
| ICU(1日) | 60万円以上 |
| 専門医診察(1回) | 7〜9万円 |
| 救急車(市内搬送) | 約1.5万円(時間帯・距離で変動、妊婦は5割増) |
盲腸のような緊急手術で1週間入院すると、最低100万円超は覚悟する計算になります。ICU管理が必要なケースでは数日で数百万円。
イスラエル単独の保険支払事例はデータに出てきませんが、中東地域の参考として、隣国トルコでは「部屋でケガ、入院19日間」で441万円の保険金支払事例が損保ジャパンoff!に記録されています。入院が長引けば桁が変わるのは中東共通です。
戦時下の医療逼迫 — 医師が足りない、数時間待ち
2023年10月7日のガザ地区の武装組織ハマスによる襲撃以降、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、そしてイランなどとの戦争が激しくなっており、一部救急医療を圧迫しているほか、当地医療機関では、多くの医師も戦闘に従事するため、救急外来の待ち時間が長くなるなどの影響も見られます。
「世界の医療事情」がここまで率直に書くのは異例です。平時でも救急外来は混雑するのに、戦時下で医師が戦闘に呼ばれて物理的にいない状況がある。
押さえておくポイント:
- 救急外来は公的病院にしか設置されていない(私立病院は救急非対応)
- 一般外来はメディカルツーリズム部門を経由して予約が必要。飛び込みは不可
- 金・土・祝日は一般外来が休診。緊急時は救急外来のみ
- 医師は英語を話すが、受付・技師・看護師はヘブライ語またはロシア語のみが多い
- 受診時はパスポート持参必須
安息日(金曜日没〜土曜日没)に体調を崩すと、公共交通も停まっている中で救急外来に行くしかありません。タクシーまたはGett等の配車アプリを使える状態にしておくこと。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
テルアビブ地区のキャッシュレス対応病院
外務省「世界の医療事情」に掲載されているテルアビブ地区の主要病院です。一部保険会社のキャッシュレスサービスに対応しています。
| 病院名 | 概要 | キャッシュレス |
|---|---|---|
| Ichilov Hospital(イヒロフ病院) テルアビブ・スーラスキ医療センター | 国内2位の国立総合病院(1,500床)。救急外来は成人・小児・産科別。CT/MRI/PET/核医学あり | 一部対応 |
| Sheba Medical Center at Tel HaShomer | 国内最大の国立総合病院(2,000床)。外傷センターで年間15万人以上の外傷患者を診療 | 一部対応 |
| Raphael Hospitals(ラファエル病院) | 2020年開業の私立病院。外国人専用の国際部門あり。救急非対応、MRIなし | 一部対応 |
| Herzliya Medical Center | 富裕層向け私立病院(80床)。メディカルツーリズム対応。救急非対応 | 記載なし |
| ベン・グリオン国際空港クリニック | ターミナル3の21番出入口脇。24時間応急処置のみ | 記載なし |
ポイントは救急対応できるのはIchilovとShebaの2つだけ。ラファエルとヘルツェリアは予約制・救急非対応なので、急病・ケガではイヒロフかシェバに搬送されます。
ウエストナイル熱 — 2024年は世界最悪の流行
外務省が具体的な数字を出している感染症リスク。
イスラエルでは毎年6月から10月にかけて流行しますが、2024年は過去最大の流行が起きて、2024年9月の段階で患者数900人以上、死亡者数70人と世界でも最も多い状況となっています。テルアビブなどイスラエル中部で特に患者数が多く報告されています。
夜間に刺す「イエカ」という蚊が媒介。感染者の80%は無症状ですが、約20%がインフルエンザ様の発熱、150人に1人が髄膜炎・脳炎に進行して意識障害やけいれんを起こします。重症者・死亡者のほとんどは高齢者。ワクチンも特効薬もないため、蚊に刺されない対策が唯一の防御です。
6〜10月にテルアビブに滞在するなら:
- 虫よけスプレー(DEET含有)を日本から持参
- 夕方以降は長袖・長ズボン
- ホテルの窓は閉めるか網戸付きを確認
- 発熱が続いたら自己判断せず救急外来(101に通報)
水・食品衛生 — 硬水で下痢、加工食品で食中毒
イスラエルの水道水は「淡水化海水と地下水を水源としており飲用可能」とされていますが、硬水であるため下痢をしやすい。さらに時折汚染があり、保健省から地域ごとに使用中止が警告されることもあります。ボトル水が無難。
食品衛生では、サルモネラ菌やリステリア菌の加工食品への混入がしばしば報告されています。特に鶏卵は「サルモネラ菌で汚染されていることが多いので、生で食べないように」と外務省が注意喚起。日本の感覚で卵かけご飯的な食べ方をしないこと。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
その他の健康リスク
- 日射病・熱中症: 夏季(6〜8月)の日差しは強烈で、乾燥しているため汗をかかなくても脱水が進む。喉の渇きに関係なく水分補給を
- 毒蛇・毒サソリ: イスラエル全域に生息し初夏に活動性が高まる。最も危険なのはイエロースコーピオン。岩陰・藪に不用意に手足を突っ込まない。噛まれたら心臓寄りを布で軽く縛り、速やかに救急外来(101)へ
- 死海の高濃度塩水: 浮遊体験中に水を飲み込む事故が起きている。監視員のいない場所・飲酒後の入水は避ける
- 皮膚リーシュマニア症: 都市部での報告はほとんどなく地方で発生。サシチョウバエ(蚊の約3分の1の大きさ)が媒介。6〜10月の夕暮れ〜夜明けがリスク高
- 狂犬病: テルアビブの公園にもジャッカルが生息。咬まれた場合は速やかに救急外来を受診してワクチン接種を受ける
中東地域の高額医療費事例(参考)
イスラエル単独の保険支払事例はデータ上確認できませんが、中東・周辺地域では以下の事例が報告されています。
| 国 | 内容 | 支払額 |
|---|---|---|
| トルコ | 部屋でケガ、入院19日間 | 441万円(損保ジャパンoff!) |
| エジプト | 緊急移送を含む高額事例 | 895万円超のライン |
| 南アフリカ | 暴漢に襲われ入院16日間 | 350万円+搬送費 |
イスラエルの入院単価(一般病棟15万円〜/日、ICU60万円〜/日)は欧米並みに高い。19日間入院なら最低でも285万円。ICU管理が加われば1,000万円を超える計算も現実的です。
海外旅行保険の治療費用は1,000万円以上の補償額を推奨。中東の保険事情は中東の海外旅行保険で。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
緊急時ヘブライ語メモ
| 日本語 | ヘブライ語 |
|---|---|
| 救急車 | アンブランス |
| 痛い | コエブ |
| 病院へ連れて行ってください | カハ・オティ・レ・ベイト・ホリム |
| 助けてください | タツイル― |
| 具合が悪い | アニ・ロ・マルギッシャ・トーヴ |
ただし「当国では一般的に英語が通用しますので、必ずしもヘブライ語だけを使用する必要はありません」(安全の手引き)。英語が通じないのは受付・看護師クラスなので、最低限の医療ヘブライ語は覚えておくと安心です。
出発前にやること
- 海外旅行保険に加入(治療費用1,000万円以上推奨、キャッシュレス対応の保険会社を選ぶ)
- 虫よけ持参(6〜10月はウエストナイル熱の流行期)
- ボトル水を飲む前提(硬水による下痢予防)
- 金・土の病院アクセスを事前確認(安息日は一般外来が閉まる)
- 保険会社の24時間日本語デスク番号をスマホに登録
- Red Alertアプリをインストール(医療とは別だが、空襲で病院に搬送される可能性も含めて必須)
体調不良を感じたら自己判断で様子を見ない。戦時下の医療逼迫で後手に回ると、より悪い状態で救急に運び込まれることになります。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 救急車 | 101 |
| 警察 | 100 |
| 民間防衛軍緊急回線 | 104 |
| 在イスラエル日本国大使館(テルアビブ) | +972-3-695-7292 |
テルアビブの治安全体はテルアビブの治安を、スリ・置き引きはテルアビブのスリ・盗難を確認してください。
よくある質問
テルアビブで救急車を呼ぶにはどうする?
電話番号101に通報します。救急隊員が病状を判断して近隣の救急外来に搬送してくれます。市内搬送は約1.5万円、時間帯・距離・入院有無で変動します。救急外来は公的病院にしか設置されていないため、私立病院には搬送されません。
テルアビブの病院で英語は通じる?
医師はほとんど英語を話しますが、受付・技師・看護師はヘブライ語またはロシア語しか話さないことが多いと外務省が指摘しています。受診時はパスポート持参必須。意思疎通に不安がある場合、海外旅行保険の日本語医療アシスタンスサービスを利用してください。
金曜日の夜に体調を崩したらどこに行ける?
金・土・祝日は一般外来が休診。緊急時は救急外来(24時間365日対応)を受診しますが、受診料は4-5万円程度かかります。安息日(金曜日没〜土曜日没)中は公共交通も運休するため、タクシーか配車アプリ(Gett等)で病院に向かう必要があります。
海外旅行保険なしで受診できる?
受診自体は可能ですが、入院すると一般病棟で1日15万円以上、ICUは1日60万円以上。戦時下で医療逼迫中のため、保険の支払保証(キャッシュレス)がないと受け入れ優先度が下がる可能性もあります。イスラエル渡航では海外旅行保険は必須装備です。