オマーンは「中東の中では穏やか」と言われる国。実際、街を歩いていて治安の悪さを感じることは少ない。でも在マスカット日本国大使館の安全の手引きはこう書いている。
当地の治安状況は、近隣の中東諸国に比べ良好と言われているものの、路上強盗、空き巣、車上狙い、自動車盗など市民生活に身近なところで発生する犯罪も少なからず確認されています。
「良好」だけ読んで安心すると痛い目を見る。マスカットでの盗難被害は場所と時間帯のパターンがはっきりしているので、そこを押さえれば防げる。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
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ホテル・空港・レストランでのスリ・置引き
大使館の手引きには、人が集まる場所での被害について明記されている。
ホテル及びそのプールサイド並びにレストラン、空港等、人が多く集まる場所で被害が報告されています。… 食事中でも鞄が自分の体に密着するように置くなど、盗難被害に遭うことの無いよう工夫する。高級とされるホテルのレストランなどでも決して油断しない。
ポイントは「高級ホテルでも油断するな」というところ。マスカットは高級リゾートホテルが多く、宿泊者は気が緩みがち。プールサイドにバッグを置いて泳ぎに行く、ロビーで荷物を足元に置いてチェックイン手続きに集中する、こういう瞬間が狙われる。
深夜便の機内荷物棚から盗まれる
2024年3月の安全対策連絡協議会報告で出てきた、最近の傾向がこれ。
最近、オマーンを含む近隣国間の深夜航空便において、客室上部荷物収納棚からの荷物盗難被害が多発している模様。犯人はアジア系という情報もあり、夜間フライトでとんぼ返りを繰り返し犯行に及んでいる模様である。
UAEやインドなど近隣国との深夜便では、機内で乗客が寝ている間に荷物棚から貴重品を抜く手口が報告されている。機内持込みの貴重品(パスポート・現金・スマホ・PC)は座席下か身につけること。荷物棚に置いていいのはお土産や衣類だけ、と割り切ったほうが安全。同じく深夜便での盗難手口は香港の機内置引き記事でも紹介している。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
車上狙い・自動車盗 --- 「路上駐車」が一番危ない
当地では、空き巣等の侵入窃盗、路上強盗、自動車盗、車上ねらい等が発生しており、注意が必要です。
レンタカーや自家用車の場合、路上駐車は最大のリスク。マスカットは公共交通が乏しく車社会だけど、ショッピングモールでも警備員がいる管理駐車場と、路上の青空駐車では明らかにリスクが違う。車内にバッグやスマホを置きっぱなしにしないのは大前提。
ATMの小型カメラで暗証番号盗撮
外務省の安全対策基礎データに明記されているのがこれ。
過去には、ATMに小型カメラを取り付けて、暗証番号を盗み取る手口も報告されており、ATM利用時には注意が必要です。
カメラはキーパッドの真上やすぐ脇に仕込まれていることが多い。暗証番号を入力するときは反対の手でキーパッドを完全に覆う。これだけでスキミング被害の大半は防げる。マスカット国際空港・大型モール(マスカット・グランド・モール、シティ・センター等)のATMでも油断しないこと。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
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路上強盗・侵入窃盗 --- 海岸散歩と留守宅
大使館の手引きにはこんな記述もある。
夕方、海岸沿いを散歩中の路上強盗や、夜間、家屋に忍び込み、家人に発見され事後強盗に発展した被害も報告されています。また過去には、警察官を騙って住居に押し入り、金品を強取した事案も確認されています。
夕方のコーニッシュ(海岸沿い遊歩道)は気持ちいいし観光客も歩く場所だけど、人通りが減る時間帯と区間がある。ひとりで歩くなら明るいうちに、または人通りの多い区間に限定すること。
手口早見表
| 手口 | 場所・時間帯 | 対策 |
|---|---|---|
| ホテル・空港でのスリ/置引き | 高級ホテルでも発生 | 食事中も鞄を体に密着、プールサイドに貴重品を置かない |
| 深夜便の機内荷物棚盗難 | マスカット発着の近隣国便 | 貴重品は座席下、棚にはお土産程度 |
| ATMカメラ盗撮 | 空港・モール内ATM | 暗証番号入力時にキーパッドを手で覆う |
| 車上狙い・自動車盗 | 路上駐車 | 警備員のいる管理駐車場へ。車内に荷物を置かない |
| 海岸沿いの路上強盗 | 夕方〜夜のコーニッシュ | 明るい時間に人通りの多い区間を歩く |
| 偽警察官による侵入強盗 | 住居・宿泊先 | 身分証提示を求め、不審なら9999に通報 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にやっておくこと
- クレジットカードの暗証番号を再確認。ATMで使う前に手で覆う癖をつけておく
- 貴重品の分散管理。パスポート・現金・カードを1箇所にまとめない
- 配車アプリ(Otaxi、Marhaba)のインストール。深夜便で着いたとき流しのタクシーを使わずに済む
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭った場合の対応
- 警察(9999)に通報して被害届を取得(保険請求に必要)
- クレジットカードが盗まれたら即カード会社に連絡して停止
- パスポートが盗まれた場合は在オマーン日本国大使館(24601028)に連絡
オマーンの法律全般は国ページ、マスカットの治安概況はマスカット都市ページを参照。中東の旅行保険の選び方は中東旅行の保険ガイドへ。
よくある質問
マスカットで一番多い盗難手口は?
大使館の手引きでは、ホテル・プールサイド・レストラン・空港など人が集まる場所での「スリ及び置き引き」、夕方の海岸沿いの「路上強盗」、家屋への侵入窃盗が代表的に挙がっています。最近はマスカット発着の深夜便で機内荷物棚からの盗難も報告されています。
ATMでカメラに気をつけろ、というのは具体的に何?
外務省の安全対策基礎データに「ATMに小型カメラを取り付けて、暗証番号を盗み取る手口」が報告されています。盗まれた暗証番号と偽造カードで現金を引き出される手口です。ATM利用時はキーパッドを手で覆って入力することが基本です。
スリや置引きに遭ったらどうすればいい?
警察(9999)に通報して被害届を取得してください。海外旅行保険の請求に必須です。パスポートが盗まれた場合は在オマーン日本国大使館(24601028、国外からは+968-24601028)に連絡を。
ホテルの部屋に貴重品を置いておいても大丈夫?
高級ホテルでも油断は禁物。大使館の手引きには「外国人が多く居住する高級住宅街においても侵入窃盗が発生」とあります。セーフティボックスの利用、貴重品の分散、長時間外出時の警戒が必要です。