ニュージーランドには「ACC(事故補償制度)があるから保険いらないでしょ?」と思っている人がたまにいます。結論から言うとACCは海外旅行保険の代わりにはなりません。帰国後の治療費は対象外、旅行変更の費用も出ない。しかも医療費自体がかなり高額で、SBI損保のデータには脳内出血で43日間入院して1,483万円という事例がある。アドベンチャー観光が盛んな国で、保険なしは完全にギャンブルです。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
GP制度 — まず「ホームドクター」を通す仕組み
在ニュージーランド大使館の医療情報によると、NZはホームドクター制(GP制)。緊急時を除いてはGPに紹介状を書いてもらい、そこから専門医や病院を受診する流れです。
- GP診察: 通常60~70NZドル(約5,000~6,000円)
- 専門医: 10分程度の診察でも100~200NZドル
- 歯科: 定期検診で100NZドル以上、矯正なら数千NZドル
- 薬: 医薬分業のため、GPの処方箋がないと購入できない(市販薬は一部除く)
旅行者はGPに登録していないので、急病時は「ウォークインクリニック」や救急外来(Emergency Department)を利用します。ただし公立病院の専門医は緊急時以外数週間~数か月待ちになることがあるため、迅速な対応を求めるなら私立病院を使うことになり、さらに高額に。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
ACC(事故補償制度)の落とし穴
NZにはACC(Accident Compensation Corporation)という制度があり、NZ国内で起きた事故による傷害の治療費を補償してくれます。外国人旅行者も対象です。ただし大使館は重要な注意点を挙げています。
ACCは、例えば日本帰国後の治療費への支払いは無いなど、海外旅行保険に代わるものではないことにご注意ください。
つまり:
- NZ国内の治療費は一部補償される
- 日本に帰国してからの治療費は対象外
- 旅行計画変更の費用(キャンセル・延泊等)も対象外
- 既往症に起因する事故は対象外
- 死亡補償金は日本に比べてかなり少額
骨折して帰国後もリハビリが必要、というのはアウトドア事故ではよくある話。その部分はACCでカバーされないので、海外旅行保険は必須です。
実際に発生した高額事例
SBI損保の事故データ(2015年度~2023年度)には、ニュージーランドで実際に発生した事例が2件載っています。
海外で実際に支払われた医療費の事例
出典:SBI損保 海外旅行保険事故データ(オーストラリア・ニュージーランド 2015〜2023年度)
- 1,483万円
頭痛で救急搬送、脳内出血
43日間入院/医師・看護師付き添い医療搬送
- 337万円
バイクで転倒、頚椎・胸椎骨折
頚椎・胸椎骨折・肋骨骨折/10日間入院/医師付き添い医療搬送
損保ジャパンoff!のデータでも、NZでの腎臓結石による入院6日間+エスコートナース付きビジネスクラスでの帰国でUS$20,833(約320万円) の事例があります。
オセアニア地域全体では、オーストラリアでの肺気胸650万円、ガソリンスタンドで転倒して骨折665万円なども。アドベンチャー観光中の転倒・骨折は「あり得る範囲」のリスクです。
バイクでカーブを曲がり切れず転倒して頚椎骨折。10日間入院で337万円。保険入ってなかったら人生終わってた。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:SBI損保 海外旅行保険事故データ(オーストラリア・ニュージーランド))
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
紫外線 — 夏以外も油断できない
外務省は気候について以下の注意を出しています。
夏に限らず晴天の日中は直射日光や紫外線が強いので、帽子、日焼け止めクリーム、サングラス、水筒等を準備することをお勧めします。
「夏に限らず」がポイントで、冬でも晴天なら紫外線が強い。特に山岳部のトレッキングでは標高に比例して紫外線も増すため、日焼けによる皮膚のやけど・水ぶくれは旅行者にありがちなトラブル。SPF50以上の日焼け止めと、サングラスは必携です。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にやること
- 海外旅行保険に必ず加入する。治療・救援費用は最低でも1,000万円以上の補償を選ぶ(1,483万円の事例があるため3,000万円以上が安心)
- クレカ付帯保険の補償額を確認。90日以上の滞在なら現地の医療保険も検討
- 常備薬がある場合は英文の処方箋を持参(NZは医薬分業のため日本の薬は処方箋なしに購入不可)
- 日焼け止め(SPF50以上)・サングラス・帽子を荷物に入れる
保険の選び方はオセアニアの海外旅行保険ガイドで詳しく解説しています。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
現地で体調を崩したら
- 緊急: 111番で救急車を呼ぶ(Police/Ambulance/Fireのうち「Ambulance」と伝える)
- 緊急でない場合: ウォークインクリニックを受診。ホテルのフロントに最寄りのクリニックを聞く
- 無料医療相談: Healthline(info.health.nz)に電話で相談可能
- 保険会社の事故受付: 入院や高額治療の前に保険会社に連絡。キャッシュレス治療が使える病院を確認
- 領事館: 在オークランド総領事館 (09) 303-4106 で医療機関の情報提供を受けられる
よくある質問
ニュージーランドの医療費はどのくらい高い?
在ニュージーランド大使館によると、GP(ホームドクター)の診察だけで60~70NZドル(約5,000~6,000円)、専門医は10分の診察でも100~200NZドルかかります。歯科は保険外のことが多く定期検診で100NZドル以上。SBI損保のデータでは脳内出血で43日間入院し1,483万円の保険金が支払われた事例があります。
ニュージーランドのACC(事故補償制度)は旅行者にも使える?
NZ国内で起きた事故による傷害の治療費はACC(Accident Compensation Corporation)で一部補償されますが、大きな制限があります。帰国後の日本での治療費は対象外、旅行計画変更の費用も補償されません。大使館は「ACCは海外旅行保険に代わるものではない」と明言しています。
ニュージーランドで急病になったらどうすればいい?
緊急時は111番で救急車を呼べます。緊急でない場合はGP(ホームドクター)を受診しますが、旅行者は登録していないため「ウォークインクリニック」を利用します。医薬分業なので薬は処方箋を持って薬局で購入。無料医療相談のHealthline(info.health.nz)も利用できます。
紫外線対策は本当に必要?
外務省は「夏に限らず晴天の日中は直射日光や紫外線が強いので、帽子、日焼け止めクリーム、サングラス、水筒等を準備することをお勧めします」と記載しています。日焼けによる皮膚トラブルは旅行者にありがちな症状です。