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マレの薬物 所持で強制退去・売人同席で逮捕【2026】

マレの薬物トラブルの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.22 KAIGAI-RISK

モルディブはイスラム教国で、アルコールはリゾート島内と国際空港のバーでしか飲めません。そして違法薬物については、外国人が所持しているだけで、量も理由も問わず、強制退去+再入国禁止という、旅行者にとって極めて重い制裁体系を持っています。さらに在モルディブ日本国大使館「安全の手引き」には、マレ市内で売人と一緒にお茶していただけで逮捕された日本人の事例まで記録されています。

ハネムーン・リゾート旅行の行き先としてイメージされがちなモルディブですが、この薬物ルールを知らずに現地でトラブルに巻き込まれる旅行者がいます。この記事では、外務省と大使館のデータで違法薬物に関する実務ルールを整理します。

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所持だけで強制退去+再入国禁止

外務省「安全対策基礎データ」の核心。

外国人が麻薬等(覚醒剤、ヘロイン、コカイン、マリファナ、LSDなど)の売買および使用等に関して逮捕された場合、禁固刑に加え相当の罰金刑が科されます。単なる所持(量、理由を問わない)でも、逮捕・勾留後、強制退去となり、再入国が禁止されます。

「量、理由を問わない」というフレーズが徹底していて、ここに解釈の余地がない。具体的に対象となる物質として外務省が挙げているのは:

  • 覚醒剤
  • ヘロイン
  • コカイン
  • マリファナ(大麻)
  • LSD

このリストにマリファナ(大麻)が入っているのが重要。一部の国では大麻の規制が緩和されていますが、モルディブでは他の重麻薬と同じ扱い。「自国では合法だから」「少量だから」という言い訳はまったく通用しません。

「強制退去+再入国禁止」の意味

これが持つ実害は二段階あります。

  1. その場でリゾート旅行が終わる。拘留→裁判→強制退去のプロセスでリゾートの残り日程・ハネムーンは完全に吹き飛ぶ
  2. 再入国が一生禁止される可能性。モルディブへは二度と戻れないだけでなく、他の国のビザ申請時に「前科・強制退去歴」として不利に働くケースがある

一発で「二度とモルディブに来れない人」になるというリスク評価が必要です。各国の薬物法の差は海外の薬物法マップ、日本人が海外で逮捕される類型は日本人が海外で逮捕されるトップ10も参照。

マレ市で「お茶していただけで逮捕」の邦人事例

在モルディブ日本国大使館「安全の手引き」に、具体事例として記載されているのがこれ。

マレ市内で違法薬物の売人とお茶をしていただけで、売人とともに(逮捕された邦人事例)

「お茶をしていただけ」で共犯扱い。本人が薬物を所持していなくても、使用していなくても、売人と一緒にいたという事実だけで逮捕された事例です。

外務省がマレ市を名指しする根拠もここにあります。

特に首都マレ市では、違法薬物が取引されている旨報じられていますので、十分な注意が必要です。

マレ市内でローカルに声をかけられて、カフェや自宅に誘われ、そこで違法薬物取引が進行中だったら、日本人は「その場にいた外国人」として一緒に連行されるリスクがある、という構造です。

旅行者として避けるべき具体行動

  • マレ市内で声をかけてきた現地人に、カフェ・自宅・クラブへついていかない
  • 「友達を紹介する」「安くお茶飲める店がある」という誘いに乗らない
  • 複数人で現地人のグループに混ざって夜を過ごす状況を作らない
  • 夜遅くのマレ市内単独行動は避ける(マレのひったくりリスクも同じ時間帯・場所に重なる)

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荷物の預かりで「運び屋」扱いされるリスク

もう一つの典型パターン。

禁止薬物が隠されている荷物や小包を預かり、知らないうちに共犯者にされることもありますので、絶対に他人から荷物を預からないでください。

このフレーズは世界の多くの国で共通のルールですが、モルディブの場合出国時の税関チェックが厳しいため、日本帰国便に違法薬物を忍び込ませようとする「運び屋利用」の標的になる可能性がある。

典型シナリオ

  • マレ空港で「荷物の重量オーバーなので少しだけ預かってほしい」と頼まれる
  • リゾートで知り合った他国の旅行者に「日本の家族に渡してほしい」と小包を託される
  • 日本経由の便で「荷物が取れなくなったので預かってほしい」と依頼される

どれも、依頼者が善意の旅行者でも、荷物の中身を確認する権利も手段もない以上、引き受けた瞬間に法的リスクを負います。モルディブ出国税関で引っかかれば、モルディブ国内で逮捕・禁固刑・罰金。日本到着で引っかかれば、日本の麻薬取締法で逮捕。どちらに転んでも旅行者は詰みます。

「どんなに親しげに頼まれても、他人の荷物は預からない」が唯一の正解。

処方薬を薬物と誤認されないために

旅行者が引っかかりやすいのが、日本では合法な処方薬・市販薬の扱い。モルディブは保守的イスラム国家で、睡眠導入剤・精神安定剤・鎮痛剤の一部が管理物質扱いになることがあります。

ソース上で具体的な禁止薬剤リストが公開されているわけではありませんが、一般的な対策として:

  • 処方薬は処方箋の英文コピーを必ず携帯
  • オリジナルのパッケージのままで持参(詰め替え禁止)
  • 必要最小限の数量のみ
  • ADHD治療薬(メチルフェニデート系)、強い鎮痛剤(オピオイド系)、一部の睡眠導入剤は事前に在モルディブ日本国大使館に問い合わせて判断

「常用薬が問題薬物と誤認されて拘束される」のも広義の薬物トラブル。念には念を。

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手口・リスクパターン早見表

パターン発生場所帰結
単純所持(大麻含む)全土量・理由問わず強制退去+再入国禁止
売買・使用全土禁固刑+罰金
売人と同席(お茶・食事)マレ市内共犯扱いで逮捕(大使館記録あり)
他人の荷物預かり空港・リゾート・マレ共犯者扱い、実刑リスク
処方薬の誤認入国時・持込時拘束・取調べ(処方箋英文で回避可能)

予防策

出発前

  • 処方薬は処方箋の英文コピーを準備、オリジナルパッケージで携帯
  • 強い処方薬(精神安定剤・オピオイド等)は事前に大使館問い合わせ
  • 旅行同行者にもモルディブの薬物ルールを共有(「知らなかった」が通用しない世界)

現地で

  • マレ市内で声をかけてきた現地人についていかない(カフェ・自宅・クラブ)
  • 見ず知らずの人からの飲食物・タバコ・荷物の受け取りを断る
  • リゾート島内でも、他のゲストから「日本へ送ってほしい」という依頼は断る
  • モルディブ出国便の荷物は自分のものだけ。頼まれても預からない

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被害・巻き込まれた場合

  1. 即座に日本大使館に連絡(在モルディブ日本国大使館、マレ)
  2. 警察の取り調べでは弁護士立会いを要求(英語で「I want a lawyer」)
  3. 日本大使館は逮捕時の通報→領事面会→弁護士紹介を担当。刑事訴追の代行はしない
  4. 家族への連絡、保釈金、弁護士費用は本人負担。海外旅行保険の弁護士費用特約があれば使える場合あり
  5. SNS・メディアでの状況発信は控える。裁判中の発言が不利材料になる可能性

緊急連絡先

  • 警察:119
  • 救急車:102
  • 消防:118
  • 在モルディブ日本国大使館(マレ):モルディブ唯一の日本在外公館。トラブル時の第一連絡先
  • 日本の外務省領事局 海外邦人安全課:03-3580-3311(国内)

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海外旅行保険

薬物トラブルそのものは海外旅行保険の補償対象外(違法行為はほぼ全社で免責)ですが、弁護士費用特約・救援者費用は契約によって使える場合があります。また、誤解や冤罪で一時拘束された場合の費用も、保険によってカバー範囲が異なる。渡航前に証券の免責事項を確認しておきたい。 → 南アジアの海外旅行保険ガイド

よくある質問

モルディブで大麻を所持していたらどうなる?

外務省「安全対策基礎データ」に「単なる所持(量、理由を問わない)でも、逮捕・勾留後、強制退去となり、再入国が禁止されます」と明記。大麻・マリファナも覚醒剤・ヘロイン・コカイン・LSDと同じ扱いで、量や理由を問わず強制退去+再入国禁止です。

売買・使用で逮捕された場合の刑罰は?

「禁固刑に加え相当の罰金刑が科されます」と外務省が明記。具体年数は公開資料に金額付きの記述はありませんが、単純所持で強制退去、売買・使用は実刑+罰金の世界、と理解しておくのが正確。

マレ市で実際に逮捕された日本人はいる?

在モルディブ日本国大使館「安全の手引き」に、マレ市内で違法薬物の売人と一緒にいた日本人が、売人とともに逮捕された事例が記載されています。本人が薬物を使用・売買していなくても、現場に居合わせたことで逮捕対象になる、という教訓。

他人から頼まれた荷物を預かってもいい?

絶対にやめてください。外務省が「禁止薬物が隠されている荷物や小包を預かり、知らないうちに共犯者にされることもありますので、絶対に他人から荷物を預からないでください」と明記。観光客・ビジネスマン装いの依頼者も含め、誰の荷物でも預からないのが原則。

薬物と誤認されないためには?

処方薬(特に精神安定剤・睡眠導入剤・鎮痛剤)は処方箋の英文コピーを携帯、オリジナルのパッケージのまま持参する。市販薬でもモルディブでは管理物質に該当する場合があるので、税関申告が必要そうなものは事前に在モルディブ日本国大使館に確認を。

出典

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