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ヤンゴンのスリ 夜行バスの抜き取りとホテル従業員犯行【2026】

ヤンゴンのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

ヤンゴンのスリ・置き引きは「観光地の雑踏」ではなく移動中・食事中・ホテル滞在中に狙われるのが特徴。在ミャンマー日本国大使館の「安全の手引き」と外務省のデータを並べると、夜行長距離バス・市内路面バス・レストラン・人気のない路上、それにホテル従業員の内部犯行まで、守るべきポイントが「観光客が意識しにくい場所」に集中しているのが見えてきます。

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1. 夜行長距離バス・市内路面バスの抜き取り

外務省「安全対策基礎データ」と大使館「安全の手引き」が共通で名指ししている手口です。

邦人旅行者の被害例としては、インレー湖やバガン等からヤンゴンへの夜間長距離バスやヤンゴン市内の路面バス、ヤンゴン市内のレストランや人気のない路上等でカバンなどから現金等を盗み取られる被害が複数報告されています。

バガン→ヤンゴン、インレー湖→ヤンゴンのような長距離夜行バスは、車内が消灯され乗客が居眠りする時間が長いため、座席下や頭上の棚に置いたバッグから現金だけ抜かれるパターン。市内路面バスは混雑の中で接触してくる手口が中心。

対策は東南アジアの夜行バス共通で:

  • 現金・パスポート・カードは身につけたウエストポーチ/斜めがけポーチ
  • メインバッグは座席下ではなく膝の上か足で挟む
  • 現金は1カ所に集めず複数ポケットに分散
  • 貴重品を手荷物の上部ポケットに入れない

2. レストラン・カフェでの置き引き

同じくA2-safetyの記述。市内の飲食店でテーブル下や隣の椅子に置いたバッグを抜かれるパターン。複数人で来店した「客」の1人が気を引いている間に、もう1人が隣席からバッグを持ち去る典型。

単独で食事するときはバッグを椅子にかけない、足の間に挟む。複数人で食事するときも、窓際席や入口近くの席はスナッチに遭いやすいので奥の席を選ぶ。

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3. 人気のない路上での「破れ紙幣交換」型の財布抜き取り

A2-safety の邦人事例から。

2021年4月の昼間帯、ヤンゴン市において、在留邦人の男性がダウンタウン地区ダゴン付近を徒歩で買い物中に、後をつけてきた複数の男性から『あなたから受け取ったお金が破れていたので、交換して欲しい。』と言われ、財布を取り出したところ、財布を奪われた(他にも、同様の手口2件発生)。

TESTIMONY · 旅行者A
ダウンタウンのダゴン付近で買い物してた昼間のこと。後ろから歩いてきた3人に『さっきのお金、破れてたから換えて』と声をかけられて、とっさに財布を出したんです。見せた瞬間に財布ごと持っていかれました。抵抗する暇もなかった。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「ミャンマー 安全対策基礎データ」

同時期に3件記録されているので、パターン化された組織的手口です。詳しい対処はヤンゴンの詐欺・ぼったくりにまとめています。

4. 流しのタクシー車内への置き忘れ狙い

大使館「安全の手引き」から。

2019年7月、夜間、在留邦人の男性がダウンタウン地区で流しのタクシーを拾い、ホテルに着いた際にドアマンと話している間にタクシーに置いてあったバッグから財布が盗まれていた。

ドアマンと話している一瞬の間に車内のバッグが触られる、という手口。バッグを車内に残して降りたのが隙になります。タクシーを降りるときはバッグを必ず手元に持ってからドアを閉めるのが基本。詳細はヤンゴンのタクシー・交通トラブルに。

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5. ホテル・事務所への侵入窃盗(内部犯行)

大使館が名指しで記録している内部犯行の事例が2件あります。

(イ) 2017年5月、在留邦人男性が留守中、ヤンゴン市内にある会社事務所に保管してあった現金数百万チャットが何者かに盗難されました。状況から身内の関係者が盗んだ可能性が高く、その後、現地スタッフが盗難したことが判明しました。

(ウ) 2017年5月、在留邦人男性が留守中、ヤンゴン市バハン地区にある多目的施設内事務所の鍵を壊され、空き巣被害にあいました。ノートPCや外付けHDD、キーボード、携帯電話が何者かに盗まれました。その後、監視カメラの映像から、同施設の警備員が逮捕されました。

警備員・現地スタッフによる内部犯行が監視カメラで立証されているのがポイント。ホテル滞在でも同じ構造で、大使館は「備え付け金庫は従業員がマスターキーを所持」と明言しているので、本当に重要なものはTSAロック付きスーツケースか身につけて持ち出すのが安全です。

6. ダウンタウン地区の強引なひったくり

A2-safety と C2-handbook に記録されている事例。

(1)2019年10月の夜間帯、ヤンゴン市において、在留邦人の男性がヤンゴン市内ダウンタウン地区を観光中に自動車に乗った男に突然殴られ、現金や貴重品の入ったバッグをひったくられた。

C2-handbook には「自転車に乗った男にいきなり殴られ」の類似事例も別途記録されています。殴打して抵抗力を奪ってからバッグを奪う手口で、純粋なひったくりより強盗に近い。ひったくりと昏睡強盗・刃物強盗の中間パターンとしてヤンゴンの強盗・昏睡強盗でも扱っています。

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手口早見表

手口発生場所主な被害危険時間帯
夜行長距離バスの抜き取りインレー湖・バガン⇔ヤンゴン座席下・頭上棚バッグからの現金夜行移動中
市内路面バスの接触スリヤンゴン市内路面バス混雑の中で現金・スマホ通勤時間帯
レストラン置き引き市内飲食店テーブル下・隣席のバッグ日中〜夜
破れ紙幣交換型ダウンタウン地区ダゴン付近財布そのもの昼間
タクシー置き忘れ狙いダウンタウン夜間の流しタクシー車内に残したバッグ夜(ホテル到着時)
殴打+ひったくりダウンタウン地区バッグごと夜間
内部犯行(空き巣・警備員)事務所・ホテル居室ノートPC・現金・貴重品不在時

予防策

  1. 貴重品は身につけたウエストポーチ/斜めがけポーチに入れ、メインバッグに入れない
  2. 夜行バスではバッグを膝の上か足で挟む、頭上棚には貴重品を置かない
  3. レストランで椅子の背にバッグをかけない、足の間に挟むか膝の上
  4. 「破れた紙幣」「お釣りのお金が違う」と声をかけてくる人は無視、財布を見せない
  5. タクシーを降りるときはバッグを必ず手元に持ってからドアを閉める
  6. ホテルの備え付け金庫は内部犯行前提で過信しない、大金はTSAロック付きスーツケースか身につける
  7. 事務所・自宅の鍵は定期的に交換し、警備員や掃除スタッフにも合鍵を渡さない
  8. 夜間ダウンタウンでの単独徒歩を避け、配車アプリ(Grab、Oway Ride)を使う

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被害に遭ったら

  1. 抵抗しない。大使館は「治安悪化に伴い自衛措置として武器を携行するミャンマー人も少なくない」「棍棒・鉄パイプ・金属バット等の武器類が多数押収されている」と記録しており、命が優先
  2. 警察通報: 199(一般)/ヤンゴン観光警察 01-379991 / 最寄り警察署(バハン 01-554630 / カマユ 01-534304 / マヤンゴン 01-660352 / サンジャウン 01-535184)
  3. 被害届(Police Report)を必ず取得 — 保険金請求に必要
  4. 在ミャンマー日本国大使館(01-549644〜549648)に連絡
  5. パスポート紛失時は大使館で帰国のための渡航書を発行
  6. カード・スマホは即座に停止
  7. 保険会社のアシスタンスデスクに連絡し、事故証明書の発行手順を確認

ヤンゴンの他の手口はタクシー・交通トラブル詐欺・ぼったくり強盗・昏睡強盗も合わせて確認を。ミャンマー全体の法律・医療・税関はミャンマーの治安トップにまとまってます。

よくある質問

ヤンゴンで一番盗難が多いのはどこ?

大使館「安全の手引き」は、インレー湖やバガンからヤンゴンへの夜行長距離バス、ヤンゴン市内の路面バス、市内のレストランや人気のない路上でカバンから現金を盗まれる被害が複数報告されていると記録しています。観光地ではなく移動中・食事中に狙われるのが特徴です。

ホテルの備え付け金庫は安全?

大使館はホテル・ゲストハウスでの内部犯行を注意喚起しています。2017年5月にはバハン地区の多目的施設内事務所で警備員による空き巣が、同じ月には会社事務所で現地スタッフによる現金数百万チャットの盗難が発生し、いずれも逮捕されています。備え付け金庫は従業員がマスターキーを持っている前提で、大金や重要書類は身につけるか別手段で守る必要があります。

夜行バスに乗るとき何に注意する?

インレー湖・バガンからヤンゴンへの夜行バスで、居眠り中にカバンから現金を抜かれる被害が複数記録されています。貴重品は必ず身につけたウエストポーチ・斜めがけポーチに入れ、足元や上の荷物棚に置いたバッグには貴重品を入れないこと。パスポートと現金は別の場所に分散するのも基本です。

盗難に遭ったらまずどこに連絡?

まず警察(199)かヤンゴン観光警察(01-379991)に通報して被害届を取得(保険金請求に必要)。その後、在ミャンマー日本国大使館(01-549644〜549648)に連絡。パスポート紛失時は大使館で帰国のための渡航書を発行してもらいます。カード・スマホは即停止、保険会社のアシスタンスデスクに事故証明の発行手順を確認してください。

出典

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