ヤンゴンの詐欺・ぼったくりは「観光地で親しげに声をかける→後でお金を取る」という構造がパターン化されています。在ミャンマー日本国大使館が名指しで記録しているのは、ダウンタウンの「破れ紙幣交換」詐欺と、観光スポットとして急浮上したダラ地区でのガイド料倍請求。いずれも手口が定型化していて、知っていれば回避できるタイプです。
Travel Alert 01
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1. 「破れ紙幣交換」型の囲い込み詐欺(ダウンタウン地区)
外務省「安全対策基礎データ」から。
2021年4月の昼間帯、ヤンゴン市において、在留邦人の男性がダウンタウン地区ダゴン付近を徒歩で買い物中に、後をつけてきた複数の男性から『あなたから受け取ったお金が破れていたので、交換して欲しい。』と言われ、財布を取り出したところ、財布を奪われた(他にも、同様の手口2件発生)。
同時期に3件記録されているので、パターン化された組織的手口です。手口の核は:
- 後をつけてきて複数人で声をかける
- 「お金が破れていた」と嘘の前提で財布を出させる
- 財布を取り出した瞬間に財布そのものを強奪
「破れた紙幣を渡した」という事実自体がそもそも嘘なので、声かけの時点で詐欺確定。財布を出す行動そのものを避けるのが唯一の対処です。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「ミャンマー 安全対策基礎データ」)
対処
- 「破れた紙幣」系の声かけは100%詐欺。無視してその場を離れる
- 財布・札束を路上で出さない。必要なら店舗内・ATMブース内で
- 人通りの多い場所に移動、場合によっては店舗内に避難
- 複数人で追ってきている時点で付近の警察官・観光警察に駆け込む
Travel Alert 02
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2. ダラ地区のガイド料倍請求
大使館「安全の手引き」から。
なお、近年、手軽に田舎の風情が楽しめる観光スポットとして人気が高まっているダラ地区において、邦人旅行者や在留邦人が観光の際に過剰請求(ボッタクリ)被害にあうトラブルが増えております。
具体事例。
(エ) 2017年9月、邦人旅行者がスーレーパゴダにて声をかけてきた青年にダラ地区を案内され、当初のガイド料の倍の金額を請求を受けました。手持ちがないと断ってもしつこくホテルまで付いてきて、最終的には持っているお金を支払いました。
手口の流れ:
- スーレーパゴダ(ヤンゴン中心部の観光拠点)で声をかけてくる
- 「安くダラ地区を案内する」などの誘い文句
- 観光が終わった時点で倍の金額を請求
- 断ってもホテルまで付いてくる、宿泊先が特定される
- 根負けして支払う
ダラ地区はヤンゴン川の対岸にあるフェリーで渡る農村エリアで、「ヤンゴン中心部で調達したガイドと一緒に行ってしまうと、帰路も含めて主導権が相手側」という構造的問題があります。
対処
- スーレーパゴダ・シュエダゴン・フェリー乗り場で「安く案内する」と声をかけてくるガイドは避ける
- ホテルのコンシェルジュ・正規ツアー会社を通して手配する
- ガイド料は事前に書面(紙やスマホメモ)で金額・所要時間・含まれるサービスを確認
- 宿泊先は相手に教えない、付きまとわれたらホテルの警備員に助けを求める
3. 付きまとわれた場合の対処(ホテル到着後)
ガイド料トラブルでホテルまで付いてこられた場合、金を払うとその金額で「成功例」となり次の被害者に繋がる構造があります。大使館事例では「手持ちがない」と断っても押し通されていますが:
- ホテルのロビーまで入ってドアマン・フロントに助けを求める
- 「警察を呼ぶ」と明言する(付きまといは犯罪)
- 観光警察(01-379991)に電話する準備を見せる
- 部屋に入って扉を閉めてから、フロント経由で退去要求
日本人旅行者は「トラブルを大きくしたくない」と支払ってしまいがちですが、毅然と警察対応を示すことで相手が引き下がるパターンが多いです。
Travel Alert 03
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4. 参考: タクシーの料金交渉トラブル
詐欺というより交渉トラブルですが、大使館はタクシー運転手による暴行・殺害事案を記録しています(2018年1月、ミャウッ・ダゴウン地区)。料金口論から強姦・刺殺・死体遺棄に発展した事例で、タクシーの料金トラブルは極めて深刻な結果になりうる前提で動く必要があります。詳細はヤンゴンのタクシー・交通トラブルに。
手口早見表
| 手口 | 発生場所 | 主な被害 | 危険時間帯 |
|---|---|---|---|
| 破れ紙幣交換型 | ダウンタウン地区ダゴン付近 | 財布そのもの | 昼間 |
| ダラ地区ガイド倍請求 | スーレーパゴダ→ダラ地区 | ガイド料金、ホテル付きまとい | 日中 |
| 声かけガイド営業 | スーレーパゴダ・シュエダゴン | 後に倍額請求 | 日中 |
| タクシー料金交渉トラブル | ヤンゴン市内流しタクシー | 口論から暴行に発展 | 夜間 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
予防策
- 「破れた紙幣」系の声かけは100%詐欺、無視して離れる
- 路上で財布を出さない、両替や支払いは店舗内・ATMブース内で
- 観光地で親しげに声をかけてくる日本語・英語話者は距離を取る
- ガイドはホテル経由・正規ツアー会社経由で手配
- ガイド料は事前に金額・所要時間・含まれるサービスを紙に書いて相互確認
- 宿泊先ホテルは相手に教えない
- 現金は1カ所に集めず、1日分+緊急用を分散
- 付きまとわれたらホテル警備員・観光警察に助けを求める
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 抵抗しない。特に「破れ紙幣」型は複数人による囲い込みで、相手が武装している可能性あり
- 警察通報: 199 / ヤンゴン観光警察 01-379991
- 付近の警察官・観光警察が見つからない場合は最寄り警察署に駆け込む
- バハン警察署 01-554630
- カマユ警察署 01-534304
- マヤンゴン警察署 01-660352
- サンジャウン警察署 01-535184
- 在ミャンマー日本国大使館(01-549644〜549648)に連絡
- 被害届(Police Report)を必ず取得 — 保険金請求に必要
- カード・スマホは即座に停止
ヤンゴンの他の手口はスリ・置き引き・タクシー・交通トラブル・強盗・昏睡強盗も合わせて確認を。ミャンマー全体の法律・医療・税関はミャンマーの治安トップに。
よくある質問
ダラ地区のガイドは安全?
大使館は「手軽に田舎の風情が楽しめる観光スポットとして人気が高まっているダラ地区において、邦人旅行者や在留邦人が観光の際に過剰請求(ボッタクリ)被害にあうトラブルが増えている」と明記しています。2017年9月にはスーレーパゴダで声をかけてきた青年にダラ地区を案内され、当初のガイド料の倍を請求、断ってもしつこくホテルまで付きまとわれた邦人旅行者の事例が記録されています。フェリー乗り場で声をかけてくるガイドは基本的に避け、ホテルのコンシェルジュ経由で正規ガイドを手配するのが安全です。
「お金が破れてたから換えて」と言われたら?
2021年4月の昼間帯、ダウンタウン地区ダゴン付近で同じ手口が3件記録されています。後をつけてきた複数人から「あなたから受け取ったお金が破れていた」と声をかけられ、財布を出した瞬間に奪われる手口。そもそも「破れた紙幣を渡した」という前提自体が嘘なので、この声かけは全て詐欺と考えて無視、財布は絶対に出さないでください。
スーレーパゴダで声をかけてくる人は?
大使館記録の事例では、スーレーパゴダで声をかけてきた青年にダラ地区を案内され、ガイド料を倍請求され、断ってもホテルまで付きまとわれて最終的に支払わされています。観光地で英語や日本語で親しげに声をかけてくる相手は、結果としてお金の要求に繋がる可能性が高いので距離を取るのが基本です。
観光でお金を多めに持ち歩く必要がある?
大使館はミャンマーで10,000米ドル以上の外貨持ち込みは税関申告必須と明記しており、多額の現金携行は持ち歩きも管理もリスクです。1日分の予算+緊急用を2カ所に分散、大金はホテルに(ただし備え付け金庫は従業員犯行のリスクあり、TSAロック付きスーツケース推奨)、カード決済可能な場所ではカードを優先するのが現実的です。