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バンコクの詐欺 寸借・見せ金・TDAC偽サイト【2026】

バンコクの詐欺・ぼったくりの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.10 KAIGAI-RISK

バンコクで邦人がハマっている詐欺・ぼったくりは、2025年だけで22件報告されています(恐喝・脅迫は2件)。手口はバラバラに見えて、共通点はひとつだけ。親しげに近づいてくる相手を信用してしまう、これだけです。

外務省が挙げてる代表例は、夜の繁華街のカラオケ店ぼったくり、声かけ詐欺、男女間の金銭トラブル、オーダーメード詐欺、レンタル料金トラブル。大使館の「安全の手引き」(令和8年版)にはさらに、寸借詐欺・見せ金詐欺・ホテル従業員なりすまし・ゴルフ場でのカードすり替え・架空入院送金詐欺まで、具体例がたくさん載っています。ひとつずつ見ていきます。

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典型手口(安全の手引き令和8年版より)

手口1:寸借詐欺(自称パイロット・自称台湾人)

手引きにはこんな事例が載ってます。

自称シンガポール人や中東系で航空会社のパイロットを名乗る男性や自称台湾人の人物が、偽の名刺等を渡して信用させた上で「キャッシングができなくて困っている。後ほど、あなたの銀行口座に送金するので、とりあえず立て替えてほしい」などと言って接近し、同情を引くように仕向け、現金をだましとる。

「職業・国籍・身分証(名刺)」を先に提示して信用を作り、「少額の立て替え」という低い心理的ハードルから入るのが特徴です。「後で送金する」という約束は守られません。

手口2:見せ金詐欺

親しげに「日本人ですか?今度日本に行きます。円のレートを教えてください。その前に日本円を見せてください」など英語と日本語を話しながら、近づいてくる。会話中に財布の中から現金が抜き取られる

スリ記事で触れた「お札を見せて」系の手口と同じ構造ですが、詐欺的な前置き(「日本に行くから」「レートを教えて」)で親近感を作る点が特徴です。

TESTIMONY · 旅行者A

バンコクで観光中、「日本人ですか?今度日本に行くので円のレートを教えてください」と流暢な日本語で話しかけられました。その流れで「日本円を見せてほしい」と言われ、財布を出して紙幣を見せていたら、いつの間にか数枚抜き取られていました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在タイ日本国大使館・在チェンマイ日本国総領事館「安全の手引き」(令和8年版)

財布を開かせて複数人で囲む手口はスリ・置き引きとほぼ同じ構造です。

手口3:オーダーメード詐欺(宝石店・スーツ店連行)

タクシーやトゥクトゥクの運転手が絡む、継続的に発生してる詐欺です。

タクシーやトゥクトゥクの運転手が、有名な観光スポットである王宮や寺院等の周辺で声を掛け、宝石店や洋服(オーダーメードのスーツ等)店に連れて行く。店では「貴重な宝石です。日本で高く売れます」や、「カシミア(タイシルク)100パーセントのスーツ(シャツ)です」などと言われるが、実際には粗悪品であることが多い。また、返品等も受け付けない

手引きは「宝石やオーダースーツなどの高級品は、事前に店舗を調査し、定評のある店を選んで購入する。購入前には必ず返金制度等について確認する」と書いてます。要するに、数千〜数万バーツの買い物を「特別なご案内」として持ちかけられたら、ほぼ100%このパターン。詳しい移動手段別の手口はバンコクのタクシー・トゥクトゥク詐欺も参照。

手口4:ホテル従業員なりすまし詐欺

ホテル宿泊者がチェックインしようとしたところ、従業員と名乗る者から声を掛けられ、宿泊代を支払うが、実はホテル従業員ではなかった

注意点は「従業員を示す名札や制服等の確認、支払いの際は請求(注文)書の内容を確認し、領収書は必ずもらう」。チェックイン時の混雑・疲労・言語障壁が重なる瞬間が狙われます。フロントカウンターで直接支払うが原則です。

手口5:ゴルフ場でのクレジットカードすり替え

ゴルフ場において、シャワーを浴びている間に、ロッカーのカギを開けられ、財布の中からクレジットカードを抜き去られる。すぐには犯行が分からぬよう、現金はそのままで、他人名義のカードにすり替えられる

「現金はそのまま」なので被害に気づくのは後日・日本帰国後のケースもあります。カード会社の請求書で初めて不正利用に気づく、という構造です。ゴルフ場のロッカーに限らず、プール・スパ・ジム・ホテルのセーフティボックス非対応ロッカーも同様のリスクがあります。

手口6:架空入院による送金詐欺

しばらく連絡がとれていなかった親族と称する者から、「今バンコクの病院に入院しており、手術費用が必要なので送金してほしい」等との連絡があり、日本から送金したが、後になって、入院は架空のものであったことが判明した

これは日本にいる家族・知人に向けて仕掛けられる詐欺です。「バンコクで入院中の親族を装う」という構造上、出発前に「もし自分がタイで入院したら、どう連絡するか」を家族と共有しておくだけで防げます。本人からの電話・大使館経由の連絡など、連絡経路のルールを決めておくと安全です。

手口7:カラオケ店ぼったくり

外務省は「カラオケ店でのぼったくり被害も発生しており、特に夜の繁華街では十分な注意が必要」と言ってます。客引きに案内されて入店 → 出口で高額な請求 → 複数人に囲まれて支払いを強要、というのが定番の流れ。

TESTIMONY · 旅行者B

夜の繁華街で「日本人向けのいい店がある」と声をかけられ、案内されるままに入った店で数時間過ごしたら、出るときに想像の何倍もの請求書を出されました。複数人に囲まれて、その場で支払うしかありませんでした。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 海外安全ホームページ「タイ 安全対策基礎データ」

手口8:男女間の金銭トラブル

外務省・安全の手引きの両方に、こんな事例が載ってます。

  • 「交際していたタイ人に宝石をプレゼントしたが、その後、連絡が取れない」
  • 「結婚前提に交際していたタイ人に家や土地、車購入の資金を渡したが、逃げられた」

短期旅行で出会った相手と急に親密になっていく流れで、金銭の要求が始まり、応じると連絡が途絶える、という筋書き。SNSやマッチングアプリを起点とするケースも報告されています。手引きはさらに「結婚生活に破綻を来し、一方の親が他方の親に無断で子供を国外に連れ出してしまうケース」が国際問題化している点にも触れていて、長期の交際・婚姻でも別種のリスクがあります。交際関係を利用した犯罪は金銭だけでなく性犯罪にも発展し得ます。

手口9:レンタル料金トラブル(ジェットスキー等)

外務省はジェットスキーに関してこう書いてます。

ジェットスキーをレンタルする際の料金トラブルも発生しています。業者から料金等の説明を受け、契約書の内容を理解し納得した上でレンタル契約をするようにしてください。レンタルを終えて返却するときに「船体を傷付けた」「破損させた」等の理由で、高額な修理代金を請求される事例も報告されています。

安全の手引きも同様に、「タイ国内のリゾート地で車やバイク、ジェットスキーをレンタルした際に、返却時になって店側より『車体(船体)に傷を付けた』『破損させた』として、高額な修理代を請求されるケース」を明示し、「レンタルする前には必ず、店側と一緒に車体(船体)の状況を確認し、傷の有無を確認するようにしてください。またカメラ等で損傷部分の写真を撮るなどして、返却時のトラブルに備えてください」と指示しています。バンコク市内ではジェットスキーは一般的ではありませんが、自転車・バイク・電動キックボード等のレンタル全般で同じ構造のトラブルが起き得ます。

手口10:TDAC 偽サイト詐欺

2025年5月1日に導入された TDAC(Thailand Digital Arrival Card) について、外務省が注意喚起しています。

公式サイト以外のサイトを利用した結果、登録にあたり料金を請求されたり、クレジットカード情報を入力させられるなどのトラブルが発生しています。

TDAC は公式サイトでは無料です。Google検索の広告枠や類似ドメインから偽サイトにアクセスすると、カード情報を抜かれたり、「登録手数料」として不当な金銭を請求されます。出発前に必ず公式URLをブックマークし、現地でも公式経由で登録してください。

手口11:旅行代理店のビザ延長詐欺(偽出入国スタンプ)

これは長期滞在者向けですが、出発前に知っておくと役立つ話。

タイ所在の旅行代理店の中には、「VISA EXTENSION(ビザの延長)を請け負います」等と宣伝しているところがあります。過去には、「本人はタイに滞在し続けても、旅券上でタイを出入国したことにすることで30日無査証滞在の延長ができる」等と説明を受けて代理店に旅券を預けたところ、偽造のタイ出入国スタンプを押されてしまい、タイから出国する際に不法入国とみなされ、当局に拘束・逮捕された事案が発生しています。

長期滞在者向けのリスクですが、「パスポートを代理店に預ける」時点でほぼ確実に危険です。ビザ延長は必ず入国管理局(1178)で自分で手続きしてください。

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手口早見表

手口場面特徴的なサイン主な対策
寸借詐欺観光地・ホテル周辺「パイロット」「銀行口座に送金する」知らない相手への立て替えは一切しない
見せ金詐欺観光地・人混み「日本円を見せて」「レートを教えて」財布を開かず立ち去る
オーダーメード詐欺王宮・寺院周辺タクシー/トゥクトゥクの「特別ご案内」運転手の買い物案内に乗らない
ホテル従業員なりすましチェックイン混雑時「従業員です」と声かけフロントで直接支払う・領収書確認
ゴルフ場カードすり替えプレー後のシャワー中現金はそのまま・カードだけすり替え貴重品はセーフティボックス、帰国後も請求書確認
架空入院送金詐欺日本にいる家族に電話「バンコクで入院、送金して」家族と連絡経路ルールを事前共有
カラオケぼったくり夜の繁華街・客引き「日本人向けの良い店」客引きの店は入らない・事前決め打ち
男女金銭トラブルSNS・マッチングで知り合う急な金銭要求(宝石・治療費・土地)短期交際で金銭を渡さない
レンタル難癖修理リゾート地の乗り物レンタル「返却時に傷発見」借りる前に車体全部撮影
TDAC偽サイト入国前のオンライン登録登録料請求・カード情報入力公式URLをブックマーク
ビザ延長詐欺長期滞在者の代理店利用「出国スタンプ偽造」代理店にパスポートを預けない

予防策

外務省の「3ない行動」(近づかない・慌てない・楽観視しない)を踏まえると、以下が現実的です。

  1. 見知らぬ者からの声かけに乗らない — 外務省・安全の手引きともに「軽々しく話に乗らないことが肝要」と明示。「いい店がある」「両替に協力して」「お金を見せて」「パイロットだけど立て替えて」と言われたら、即離れる
  2. 現金を大量に持ち歩かない — 「お金を見せて詐欺」や「寸借詐欺」の被害を限定するには、財布に入れる現金を最小限にするのが有効。Revolutのような海外でそのまま使えるカードを主軸にして、現金は最小限に抑えるのが現実的
  3. 客引きに案内された店には入らない — 入口で料金表が確認できない店は避ける
  4. 夜の繁華街は事前に行く店を決めて移動 — その場の流れで店を選ばない
  5. 短期間で深まる関係には金銭を渡さない — どんな理由でも、出発前に決めた予算以上の金銭を渡さない
  6. ホテル支払いはフロント直接で領収書を取る — 客室に来た「従業員」に現金を渡さない
  7. ゴルフ場・プール・ジムでは貴重品をセーフティボックスへ — 現金が残っていてもカードだけすり替えられるリスクを前提に
  8. 家族との連絡経路を事前に決める — 「入院したら必ず本人から電話する」「大使館経由で連絡する」等
  9. レンタル品は借りる前に全方位を撮影 — 返却時の言いがかりを物理的に防ぐ
  10. TDAC 登録は公式URLをブックマーク — 検索からアクセスしない
  11. ビザ延長は自分で入国管理局へ — 代理店にパスポートを預けない

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詐欺の「加害者」にされるリスク — 闇バイト

詐欺は「巻き込まれる」だけでなく、知らずに「加担させられる」リスクもあります。外務省は2025年2月の広域情報(2025C003)で、闇バイトに応募して海外で特殊詐欺の「かけ子」「受け子」として現地警察に拘束される事案が継続発生していると注意喚起しています。犯罪組織は「闇バイト」とは伝えず、「外国に遊びにおいで」「リゾートで息抜きしよう」といった甘い誘い文句で渡航させ、現地で軟禁状態にして犯罪を強要するパターンが報告されています。

安全の手引きも次のように明示しています。

近年、東南アジアを中心とする海外において、「短期間で多額の報酬を得られる」といった、いわゆる闇バイトの謳い文句に誘われ、犯罪組織等にいわゆる「かけ子」として海外で特殊詐欺に加担させられるケースや意図せず違法薬物(大麻等)の運び屋として犯罪に加担した結果、現地警察に拘束される事案が多く発生しています。

「闇バイトの応募者は使い捨て要員」であり、現地警察に拘束されても犯罪組織は助けてくれません。たとえ「知らなかった」と主張しても、現地または日本で罰せられる可能性があります。タイ・バンコクは経由地として使われるケースもあるため、SNSやオンラインゲームで知り合った人物からの甘い誘いには警戒してください。

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もし被害に遭ったら

  1. その場で抵抗しない — 外務省は「慌てず冷静に対処し、生命・身体の安全を第一に考え、抵抗しないようにしてください」と明示しています
  2. 観光警察(1155)に通報 — 英語対応可。観光客向けの相談窓口
  3. 領収書・写真・チャット履歴等の証拠を保全 — 金銭被害の届出に必須
  4. クレジットカードで支払った場合はカード会社に連絡 — 不正利用としての対応が可能なケースもある
  5. 大使館・総領事館に相談 — 在タイ日本国大使館 02-696-3000(代表)または 02-207-8500、領事部 02-207-8502
  6. ゴルフ場カードすり替え等は帰国後のカード請求書も要確認 — 即日気づかない手口への事後対応

詐欺・ぼったくりは、被害金額が数万円〜数十万円に及ぶこともあります。クレジットカード付帯保険+ネット保険を組み合わせておくと、トラブル時の弁護士費用や相談窓口を活用できるケースもあります。

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バンコクの他のトラブル情報

詐欺・ぼったくり以外のトラブル手口と安全対策は、バンコクの治安・危険エリア情報からまとめて確認できます。

タイ全体の法律・マナー(不敬罪・薬物規制・電子タバコ禁止など)は、タイの治安・法律・マナーでまとめています。

よくある質問

バンコクで多い詐欺の典型パターンは?

一番多いのは「親しげに話しかけてきて金銭を抜く」系です。自称パイロットや自称台湾人が名刺を見せて「キャッシングできなくて困ってる。後で口座に送金するから立て替えて」と頼んでくる寸借詐欺、「日本円を見せて」で財布を開かせる見せ金詐欺、タクシーやトゥクトゥク運転手が「特別なご案内」と称して宝石店やスーツ店に連れて行くオーダーメード詐欺の3つが代表格。どれも軽々しく話に乗らないのが基本です。

バンコクでカラオケ店やバーのぼったくりを避けるには?

客引きに案内された店には入らないのが鉄則。外務省も「カラオケ店でのぼったくり被害も発生しており、特に夜の繁華街では十分な注意が必要」と警告しています。入口で料金表が確認できない店、路地裏、看板の曖昧な店は避けて、夜の繁華街は出発前に行く店を決めておくのがおすすめ。

TDAC(Thailand Digital Arrival Card)で詐欺に遭わないためには?

公式サイトは無料です。Google検索の広告枠や類似ドメインにある偽サイトから登録すると、登録料を請求されたりクレカ情報を抜かれるトラブルが発生しています。出発前に公式URLをブックマークしておき、検索経由でアクセスしないこと。外務省も2025年の情報で注意喚起しています。

SNSで知り合ったタイ人に金銭を渡しても大丈夫?

大丈夫じゃないことが多いです。安全の手引きは「交際していたタイ人に宝石をプレゼントしたが連絡が取れない」「結婚前提に交際していたタイ人に家や土地、車購入の資金を渡したが逃げられた」という事例を複数記録しています。短期間で深まる関係で金銭の話が出た時点で、出発前に決めた予算以上は渡さないのが自衛策。

ぼったくられた・詐欺に遭ったらどうすればいい?

外務省は「慌てず冷静に対処し、生命・身体の安全を第一に考え、抵抗しないように」と案内しています。その場で抵抗せず、安全な場所に着いたら観光警察(1155、英語可)に通報。領収書・写真・チャット履歴を証拠として保全。クレカで支払った場合はカード会社に即連絡。大使館の邦人援護窓口(02-207-8502/02-696-3002)にも相談できます。

出典

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