Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

ガーナの治安 バイク強盗・419詐欺の本場【2026】

ガーナの治安や危険エリア、トラブル、医療費を、外務省と在ガーナ日本国大使館の情報からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.05.03 KAIGAI-RISK

カカオの世界的産地、独立アフリカ第1号、ケープコースト城の世界遺産、首都アクラの活気ある市場。ガーナは「西アフリカで比較的治安が安定している国」として観光・出張先に選ばれてきました。ただし、外務省と在ガーナ日本国大使館の安全対策はこう書いています。

ガーナは、西アフリカ諸国の中では、比較的治安の安定した国と言えますが、毎年多数の日本人を含む外国人が強盗や窃盗などの被害に遭っています。特に強盗の犯罪件数は、2019年にピークに達し、翌2020年には新型コロナウイルスによる外出規制の影響で一旦減少したものの、その後、再び増加の一途をたどっています。

つまり「比較的安定」と「外国人が毎年強盗に遭う」が両立する国がガーナ。バイク2人組の鉈・銃強盗、車のフロントガラスに生卵を投げつけて停車させる手口、首都の高級ホテル客室を深夜ノックして開けさせる手口まで、外務省は具体的に記録しています。さらに北部国境地帯にはイスラム過激派JNIMが浸透中。「観光のついで」では済まない情報を、出発前に押さえておきましょう。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

危険レベルと地域別の注意

外務省が2026年版で示している地域別の危険レベル。

地域レベル概要
ブルキナファソとの国境地帯、トーゴ及びコートジボワールとの一部国境地帯レベル2不要不急の渡航中止。JNIM浸透
アッパー・イースト州(上記国境地帯を除く)レベル2不要不急の渡航中止。部族間銃器衝突で引き上げ
上記を除く全地域(首都アクラ・クマシ含む)レベル1十分注意

外務省は北部の状況をこう説明しています。

ガーナの近隣国においてイスラム過激派組織によるテロ事件が頻発しており、ブルキナファソとの国境地帯並びにトーゴ及びコートジボワールとの一部の国境地帯にもテロの脅威が広がりつつありますので、危険レベル2を継続します。

アッパーイースト州の引き上げ理由は別の問題で、部族間の対立が激化して銃器を使用した衝突で死傷者が出ていること。2023年12月にバウクで発生した民族グループの衝突は州都ボルガタンガにも飛び火しました。北部の地名(タマレ、ボルガタンガ、ナワリンガ)が日程に入る場合は、出発前にもう一度A1危険情報を確認しておこう。

アクラ --- 「比較的安定」でも路上強盗は急増中

外務省が首都アクラを名指しでこう書いています。

首都アクラやクマシ等の都市部では、経済状況の悪化に伴い、強盗や窃盗事件等が頻発しており、引き続き注意が必要です。なお、2019年には外国人の誘拐事件が発生しています。

そして外務省はガーナの「特徴的な犯罪」として路上強盗の手口を明確に書きます。

ガーナにおける特徴的な犯罪である路上強盗は、徒歩での移動中に、バイクに乗った2人組の犯人が背後から近づいて、銃器やナイフ等で襲いかかり、ひるんだ隙に手荷物を奪うという手口です。

バイク2人組・銃器/鉈・徒歩中・背後から。この4要素はガーナで覚えておく必須セット。詳細はトラブル別記事に分けて解説します。

カテゴリ主な手口詳細
強盗・侵入バイク2人組鉈強盗・自宅前襲撃・ホテル客室深夜ノック・車両強盗(生卵・スパイクベルト)アクラの強盗・侵入被害
詐欺419詐欺(マネロン/遺産相続/黒塗り紙幣等)・国際ロマンス詐欺・金ダイヤ商取引詐欺・路上両替アクラの詐欺被害
空港・タクシーコトカ国際空港の偽出迎え誘拐強盗・偽警官置き引き・空港から自宅までの尾行強盗アクラのタクシー・空港トラブル

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

419詐欺と金・ダイヤ詐欺 --- ガーナ固有の凶悪化リスク

「419事件」という言葉を聞いたことがなくても、海外ニュースで「ナイジェリア発の遺産相続メール詐欺」を聞いたことがあるはず。あれの西アフリカ版です。外務省はこう書いています。

通称「419事件」(国際詐欺事件):日本人を含め外国人が被害者となる通称「419事件」が増加しています。「419事件」とは、インターネットや電子メールを利用して、アフリカ諸国の政府高官や政府関係者の名をかたり、様々な儲け話を持ちかけ、連絡を取り合ううちに「手数料」や「政府高官への賄賂」などの名目で「前渡し金」をだまし取ろうとする手口が特徴です。

問題は単なる詐欺で済まないこと。

本件に関しての被害は詐欺だけにとどまらず、犯人グループによる拉致監禁・身代金要求といった凶悪犯罪にまで及ぶことがあります。

種類はマネーロンダリング型、貿易取引型、入札型、遺産相続型、黒塗り紙幣洗浄型、金保管型と6パターン。SNSで「ガーナの政府高官」「ガーナで取引したい日本人を探している」といった話が飛んできた段階で全部詐欺です。さらに国際ロマンス詐欺(白人女性・米軍人を名乗る写真送付→数十万円要求→音信不通)も多発。詳細はアクラの詐欺被害へ。

ホテル深夜ノック強盗 --- 「ホテル従業員」と思って開けない

外務省が首都アクラで具体的に書いている強盗手口です。

首都アクラ市内の高級ホテルにおいて、深夜帯、強盗が外国人の滞在する部屋をノックし、ホテル従業員だと思い込んで扉を開けたところ、ナイフを突きつけられ現金とパスポートを奪われる事件も発生しています。

「高級ホテル」と書いてあるのがポイント。安宿の話ではなく、外国人が選ぶ高単価ホテルでこの被害が出ています。深夜にノックされた時点で、ドアスコープ越しに本物のスタッフかを確認する、内線でフロントに電話して本当に従業員を寄越したかを確認する。これが基本動作になる国です。

コトカ国際空港 --- 偽出迎え・偽警官・尾行強盗

ガーナの玄関口、アクラのコトカ国際空港は手口がはっきり記録されています。

(3) 空港の到着出口では、到着客の出迎えのためにサインボードを掲げている出迎え人が多数みられます。その場で偽のサインボードを作成し、あたかもその到着客を出迎えているように装い、その到着客を自分の車に乗せ込んだ後、強盗を行うという手口も報告されています。 (4) 空港や職場から出発した車両を尾行し、自宅に到着した際に金品や車両を強奪する事件も多く発生しています。

「自分の名前を書いたボードを持っている=本物の出迎え」と思い込まない。事前にホテルや会社に「出迎え担当者の氏名」「車両ナンバー」を聞いておき、空港で照合してから乗る。これがガーナ着の最初の関門です。詳細はアクラのタクシー・空港トラブルへ。

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

北部ブルキナファソ国境 --- JNIM浸透と部族間銃撃

外務省のテロ・誘拐情勢はこう書きます。

マリやブルキナファソに拠点を置くイスラム過激派組織「イスラム・ムスリムの支援団」(JNIM)がガーナ北部に浸透しているとする調査結果や、ガーナ人2名がイスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に参加するため出国したとの報道、イースタン州ゾンゴ地区においてイスラム教徒のグループがISILの訓練施設を建設したとの情報、また、主にナイジェリアで活発なテロ活動を行っている「ボコ・ハラム」グループ関係者の疑いがある者がガーナ国内で逮捕されたとの報道などがあります。

ガーナ国内で大規模テロは未発生ですが、2019年に外国人を対象とした誘拐事件が3件報告されています(エストニア名誉総領事誘拐、インド人誘拐他)。2020〜2025年12月末まで誘拐事件は確認されていませんが、隣国ブルキナファソ・マリ・ニジェールの治安悪化を考えると、北部国境ルートの陸路移動は基本的に避けるのが安全です。

通貨と両替 --- 路上両替は犯罪に巻き込まれる

外務省は路上両替を明確に避けるよう書きます。

日本円をガーナ・セディに両替することはできません。両替可能な主な通貨は、米ドル、英国ポンド、ユーロです。両替は銀行、空港、ホテルの両替所および両替商で行うことができます。路上で両替をしている業者も見受けられますが、両替の際に犯罪に巻き込まれるおそれもありますので、利用しないでください。

日本円から直接セディに両替できないので、出発前に米ドル/ユーロ/英ポンドのいずれかを準備して、現地で銀行・空港・ホテルの両替所で換えるのが鉄則。レートが良く見える路上両替商は、両替自体が強盗の入り口になる構造です。クレジットカードはホテルやレストランで一部使えますが、外務省はスキミングへの注意を明記しています。

入国準備 --- ビザ事前取得・黄熱イエローカード必須

ガーナはアライバルビザがありません。

ガーナへの入国に際しては、入国査証(ビザ)の事前取得が必要です。空港での査証取得手続きはできませんので、必ず駐日ガーナ大使館若しくは第三国にあるガーナ大使館で目的に応じた査証をあらかじめ取得してください。 黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が必要です。

イエローカードがないと入国を拒否される国の一つ。日本国内では検疫所や指定医療機関で接種でき、接種から10日以上経過してから有効になるため、出発の最低2週間前には予防接種を済ませておこう。外貨持込みは10,000米ドル相当までの制限あり、超える場合は申告が必要です。

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

医療事情と緊急搬送費 --- アフリカ近隣事例で337〜1,116万円

ガーナの医療水準について大使館の医療情報は「設備の整った病院は数件のみで、緊急時は欧州または日本への医療搬送が前提」と書いています。マラリア(特に熱帯熱マラリア)が最大の感染症リスクで、北部全域で通年。黄熱・コレラ・腸チフス・髄膜炎などのアフリカ系感染症リスクも高い。

ガーナ独自の保険会社支払事例は確認できませんでしたが、アフリカ地域の参考として近隣国の事例を紹介します。

  • 南アフリカで暴漢に襲撃され入院16日+医療搬送で約350万円(損保ジャパン off!)
  • ジンバブエから南アフリカへチャーター機で医療搬送505万円(SBI損保)
  • タンザニアでキリマンジャロ高山病337万円(SBI損保)
  • ギニアで緊急医療搬送1,116万円(SBI損保)
  • エジプトで医療搬送895万円(SBI損保)

ガーナはマラリアが重症化すると現地のICUでは対応しきれず、ヨーロッパ(フランクフルト・ロンドン・パリ)への医療搬送になるパターンが想定されます。マラリアでも黄熱でも、重症化すれば医療搬送費だけで数百万円。海外旅行保険の治療・救援者費用無制限プランは「保険」というより「医療搬送のチケット」と考えておくのが現実的です。

詳細はアフリカ向けの海外旅行保険で解説しています。

通信手段 --- 現地SIMかeSIMかで初日が決まる

着いた瞬間にネットが繋がるかで、コトカ空港でのタクシー手配・偽出迎え対応・ホテル到着連絡の安全度が変わります。詳細は海外eSIM比較へ。

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

緊急時連絡先

機関連絡先
警察(緊急)191 / 18555
救急・消防999
在ガーナ日本国大使館(アクラ)+233-302-765060
大使館(休館中緊急)大使館サイト掲載の緊急連絡先

被害に遭った場合は、すぐに警察と大使館の両方に連絡。パスポートを盗られたら大使館で再発行手続き、強盗で負傷したら大使館経由で病院紹介を受けられます。

主要都市の治安情報

出典