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ハラレの医療 コレラ大流行と南ア搬送505万円【2026】

ハラレの医療・感染症の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ジンバブエでは2023年のコレラで約4万人が感染し700人超が死亡。マラリアは年間患者数10万人以上。そして医療水準は2008年のハイパーインフレ以降に大幅に低下し、重篤な場合は南アフリカへのチャーター機搬送が前提になる。保険事例では505万円。ここではハラレを中心にジンバブエの医療リスクを整理します。

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医療水準 --- 「輸血すら大きなリスク」

外務省は「全身麻酔を要するような手術や複雑な処置、輸血を当国で受けることには大きなリスクを伴います。このため簡単な応急処置を除いて、当国での医療機関の利用は最低限にとどめ、南アフリカや欧州などの医療先進国で治療を受けた方が賢明」と書いています。

在ジンバブエ大使館も「重篤な病気やけがをした場合には、南アフリカ等の国外の医療機関への移送が必要」と明記。公的医療機関は医薬品・資材が常に不足しており邦人の利用には適しません。

私立病院は存在するものの、受診・検査・入院のたびに現金(米ドル)の前払いを求められます。クレジットカードが使えないことが多いのも特徴。大使館は「医薬品の在庫不足が深刻であり、推奨されるワクチンは必ず渡航前に本邦にて接種しておくことを強くお勧め」しています。

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コレラ --- 繰り返す大流行

2023年2月から発生したアウトブレイクでは、全土で約4万人近くの感染者数と700人を超える死者数を出し政府が緊急事態宣言を発令して対応にあたる事態となりましたが、2024年6月に収束するまで1年以上を要しました。

外務省「世界の医療事情」の原文です。2008〜09年にも10万人感染・4,000人以上死亡の大流行があり、ハラレが発生源でした。首都でもインフラの老朽化で上下水道が十分に機能しておらず、人口密集地区で汚物漏出やゴミの集積から集団感染が繰り返されています。

対策: 水道水・井戸水は飲まない。ボトル入りの水か煮沸した水のみ。屋台を避け信頼できるレストランで食事。食べる前に手洗いか手指消毒。渡航前にコレラワクチンを検討。

マラリア --- ビクトリア・フォールズ観光者は要注意

年間患者数10万人以上、死亡者数は数百人以上。ハラレ(標高1,500m)での感染リスクはほとんどないとされますが、ビクトリア・フォールズやカリバ湖周辺のザンベジ川流域では年間を通じて発生。雨季(11〜6月)にピークを迎えます。

潜伏期は7〜30日で、高熱・悪寒・頭痛・関節痛が出たら即受診。治療が遅れると命に関わります。ジンバブエの熱帯熱マラリアはクロロキン耐性が進んでいるため自己判断の服薬は危険です。

対策: 低地の観光地に行くなら防蚊対策(長袖長ズボン・DEET10%以上の忌避剤・蚊帳)を必ず実行。予防薬の内服を渡航前に医師と相談。

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その他の感染症リスク

  • 住血吸虫症: 国内各地の池・湖・川の淡水に手足を入れるだけで感染。慢性化すると膀胱癌リスク上昇。「泳がない」が鉄則
  • HIV: 罹患率約12%、感染者数約130万人。輸血によるHIV感染も過去に報告されており、ジンバブエでの輸血は可能な限り避ける
  • 結核: 罹患率は人口10万人あたり約200人で日本の約20倍。高蔓延国
  • 狂犬病: 年間数例の死亡報告あり。動物に咬まれたら石鹸と流水で洗浄し即受診(予防接種済みでも追加接種が必要)
  • 皮膚蝿蛆症: 洗濯物に卵を産みつけるニクバエが生息。洗濯物は屋内干しかアイロンがけを

南ア搬送505万円 --- 保険事例

SBI損保のデータにジンバブエの独立事例があります。

観光中に鉄橋で滑って転倒。大腿骨骨幹部骨折と診断され現地病院からチャーター機で南アフリカまで医療搬送し15日間入院・手術。家族が駆けつける。 --- 505万円

骨折1件でこの金額。チャーター機搬送の比率が大きい。近隣アフリカの参考事例として、ギニアでマラリア後の搬送で1,116万円(SBI損保)、エジプトで脳内出血895万円、タンザニアでキリマンジャロ高山病337万円があります。

大使館は「治療・救援費用補償を最大まで引き上げておくことを強くお勧めします」と書いています。治療救援費用は最低1,000万円、できれば無制限で。保険の比較はアフリカの海外旅行保険ガイドへ。

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出発前にやっておくこと

  • 海外旅行保険に加入: 緊急移送対応を含む補償内容で治療救援費用は無制限推奨
  • 予防接種: A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・腸チフス・コレラ(現地では在庫不安定)
  • マラリア予防薬: ビクトリア・フォールズ等の低地に行くなら渡航前に医師に相談
  • 現金(米ドル)を十分確保: 病院の前払いに必要。カードが使えない想定で
  • 持病の薬は多めに持参: 現地の薬局は在庫不足が深刻

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体調を崩したら

ハラレ市内の私立病院で邦人利用実績があるのはTrauma Centre Borrowdale(24時間、0242-886-921〜4)とMilton Park Medical Centre(24時間、086-7718-8522)。受診には現金(米ドル)が必要です。重篤な場合は民間救急HAC(0789-444-000/1/2)に連絡し、保険会社と南アフリカへの搬送を調整。大使館(0242-250025/6/7、24時間緊急 0712-202086)にも連絡してください。

ジンバブエ全体の治安はジンバブエの治安まとめ、ハラレの他のトラブルはハラレの治安へ。

よくある質問

ハラレでマラリアに感染するリスクはある?

ハラレは標高約1,500mにあり、1,300m超の高地ではマラリア感染リスクはほとんどないとされています。ただしビクトリア・フォールズやカリバ湖周辺(ザンベジ川流域)は年間通じて発生報告があるため、低地の観光地に行く場合は防蚊対策と予防薬の内服を医師と相談してください。

ジンバブエで病気になったらどこの病院に行けばいい?

ハラレではTrauma Centre Borrowdale(24時間、0242-886-921〜4)やMilton Park Medical Centre(24時間、086-7718-8522)が邦人利用実績のある私立病院です。受診には現金(米ドル)の前払いが必要で、クレジットカードが使えないことが多い点に注意してください。

ジンバブエに行く前に打っておくべき予防接種は?

在ジンバブエ大使館は成人にA型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、腸チフス、コレラを推奨しています。現地ではワクチンの在庫が不安定なので、渡航前に日本で済ませておくのが鉄則です。

保険はどのくらいの補償額が必要?

SBI損保にジンバブエでチャーター機で南ア搬送+入院・手術で505万円の事例があります。国外搬送を含む治療救援費用は最低1,000万円、できれば無制限をおすすめします。

出典

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