コペンハーゲンは「世界一幸福な国の首都」と紹介されることが多いですが、外務省と在デンマーク大使館のソースで具体的に名指しされているスリ多発エリアと強盗多発地区は観光ルートと完全に重なっています。空港・中央駅・ストロイエ・ニューハウン・人魚姫像・アマリエンボー宮殿。さらに北西のノアブロと中心部のクリスチャニアはギャング抗争と武装売人の発砲事例があり、2024年10月にはHellerup地区のイスラエル大使館付近で手榴弾爆破、2025年9月には空港が正体不明のドローンで4時間閉鎖と、観光客に直接影響する事案が連続しています。デンマーク全体の犯罪傾向と法律も合わせて確認しておきましょう。
Travel Alert 01
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空港・中央駅・列車 --- 到着の瞬間から狙われている
コペンハーゲン空港(カストロップ空港)と中央駅周辺は、外務省・大使館がスリ・置き引き多発エリアとして名指ししている場所のトップ。被害事例も具体的に書かれています。
○空港に到着した際、ターミナルから駐車場に向かう間、背中側に鞄を掛けていたところ、気がついたらファスナーが開けられ、在中の旅券等を盗まれた。 ○空港で両替中、カートに乗せていた荷物が盗まれた。 ○空港から電車に乗り込もうとした際、見知らぬ男が荷物の載せ込みを手伝ってくれたが、荷物の一つが盗まれていた。 ○空港から出発した列車内において、荷物を網棚へ載せる作業を相席の男に手伝ってもらったが、その男が下車した後に網棚を見たら荷物がなくなっていた。 ○地下鉄駅のホームで電車待ちをしていたところ、複数の男に囲まれ、気がついたら財布を盗まれていた。 ○電車内で親切にしてくれた男が小銭を床にばらまき、その男から拾ってくれるよう頼まれたため手伝っていたところ、網棚に置いていた鞄が盗まれた。
「親切な男が荷物を運んでくれる」「小銭をばらまいて拾ってと頼んでくる」――この2パターンは典型的な誘導手口。到着直後に親切にされたら警戒する、という反射が必要です。コペンハーゲン中央駅はDSB(国鉄)と地下鉄の結節点で、観光客と地元民、国際列車の乗客が入り混じる雑踏のため、犯罪グループも待ち構えやすい地点。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(デンマーク) 過去の被害事例より)
ストロイエ・ニューハウン・人魚姫像 --- 観光地の写真撮影中が狙い目
大使館「安全の手引き」が名指しする観光地スポットはストロイエ通り、アマリエンボー宮殿、人魚姫像付近、ニューハウン。すべて「コペンハーゲンに来たら絶対行く」場所です。手口はシンプル。
○観光地においてスマホで写真を撮ることに気を取られ、その隙に鞄内から旅券等の貴重品が盗まれた。 ○観光ボート乗り場周辺を散策していたところ、気づいたら財布が盗まれていた。 ○繁華街や観光地で買い物をしていたところ、ハンドバッグに入れていたポーチ(旅券等在中)を盗まれた。
ニューハウンは観光ボート乗り場が集中するエリア。撮影に夢中になっている数十秒のあいだに背中のリュックを開けられるパターンが定番です。撮るときはバッグを体の前に回す、これだけで被害率は変わります。
人魚姫像(Den Lille Havfrue)は像自体が小さく、観光客が密集して写真を撮るので、グループ犯行の格好の現場になります。
ホテル朝食会場と部屋の金庫 --- 「ホテルだから安心」は通用しない
外務省の被害事例リストには、ホテル内での盗難が多数記載されています。
○ホテルの朝食会場で、席にバッグを置いて料理を取りに行き、席に戻るとバッグが盗まれていた。 ○ホテルに宿泊し、部屋に備え付けられているセーフティ・ボックスに旅券・現金等の貴重品を入れて夕食に出たが、部屋に戻るとセーフティ・ボックス内の貴重品が盗まれていた。 ○ホテルのチェックインやチェックアウトの際に、カウンターや床に置いていた荷物を盗まれた。
特に怖いのが部屋の金庫からの盗難。室内のセーフティ・ボックスに入れたから安心、というのは幻想です。本当の貴重品(パスポート・大金)はフロントの金庫を使うか、身につけて持ち歩く方がいい。
朝食会場のビュッフェも要警戒。料理を取りに席を立つときは、貴重品はポケットに入れて立つ習慣をつけよう。
Travel Alert 02
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偽警察官と日本語声かけ --- デンマーク特有の手口
ヨーロッパ共通の偽警察官手口に加えて、デンマークでは大使館「安全の手引き」が日本語で話しかけてくる手口を独自に挙げています。
●一人が話しかけるなど注意を引き、その隙に他の者が抜き取る。 ●多人数で取り囲み、被害者を動けないようにして抜き取る。 ●日本語で親しげに話しかけてきて、自然に抱きついてきながらその隙に抜き取る。
3つ目はデンマーク独自。日本語が話せる外国人犯罪者が観光客を油断させて抱きつくパターンです。日本語で話しかけられても警戒を緩めない、というのが鉄則。
偽警察官は外務省も注意喚起しています。
繁華街で警察官を名乗る者から職務質問を受けて所持品検査に応じたところ、財布から現金が抜かれていた。(類似事案:同様の手口で巧みにクレジットカードの暗証番号を聞き出され、多額の現金を引き出された)
ケチャップ/ペンキ攻撃もあります。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(デンマーク) 過去の被害事例より)
中央駅周辺・ノアブロ・クリスチャニア --- 強盗とギャング抗争の現場
大使館「安全の手引き」が強盗多発地区として名指ししているのは中央駅周辺とノアブロ(Nørrebro)地区。
銃器や刃物を使用した強盗事件も発生しています。特にコペンハーゲン中央駅周辺、NØRREBRO地区などは、治安が悪く強盗の多い地区ですので、特に注意を払いましょう。
中央駅周辺は宿泊施設が多くて観光客が荷物を持ったまま歩いていることが多いエリア。深夜の駅周辺は避けた方が無難です。
ノアブロ地区は近年「ヒップなエリア」として旅行ガイドで紹介されることが増えていますが、外務省はギャング団抗争の現場として明記しています。
コペンハーゲン市内のノアブロ(Nørrebro)地区、クリスチャニア地区等では、ギャング団の抗争と見られる発砲事件や刺傷事件が発生しました。
クリスチャニア地区は大麻文化で知られる「自由都市」ですが、外務省は武装売人の銃発砲事例を挙げています。
コペンハーゲン市内のクラブ、街頭等で大麻等の違法薬物の密売が行われている場所もあり、警察による取締りに対して武装した売人が銃を発砲した事例もあります。
2024年に有名な路上販売エリア「プッシャーストリート」が住民投票で閉鎖されましたが、密売そのものは街頭・クラブに分散しただけ。興味本位で訪れて巻き込まれるのがいちばん危ない。詳しい手口はコペンハーゲンの薬物トラブルで扱います。
夜間の一人歩きと性犯罪リスク
大使館「安全の手引き」は夜間の行動について踏み込んだ書き方をしています。
夜間は、市内を中心に酩酊集団や不良少年などが徘徊しており、事件に巻き込まれる可能性があります。過去には邦人の強姦被害も発生していますので、深夜の一人歩きはできる限り避け、交通量の多い明るい道路を選択してください。
「過去には邦人の強姦被害」と明記されているのは重い表現。深夜のホテル徒歩帰りは避けて、必ずタクシーかライドシェアを使うこと。
Travel Alert 03
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空き巣 --- 長期滞在者は夏期・クリスマスに警戒
コペンハーゲン市内・近郊の住宅地域では空き巣が多発していて、特に夏期とクリスマスなどの長期休暇時が要警戒。
コペンハーゲン市内及び近郊の住宅地域では、空き巣が多発しており、特に夏期やクリスマスなどの長期休暇時には注意が必要です。
留学生・駐在員はもちろん、Airbnbの一棟貸しに泊まる旅行者も対象。長期滞在では大使館も度々注意喚起を出していて、2024年12月と2025年7月にもPDFで警告しています。基本的な対策は窓・扉の施錠徹底、夜間の照明(タイマー利用)、近所との挨拶など。
イスラエル大使館付近の爆破とユダヤ系施設
2024年10月2日、Hellerup地区(コペンハーゲン中心部から地下鉄で15分)のイスラエル大使館付近で手榴弾を使用した爆破事件が2箇所で発生しました。負傷者は出なかったものの、テロに関する法律で複数名が起訴されています。
大使館の注意喚起によると、ユダヤ教の祭日前後(スッコート、ハヌカー、過越祭)は標的にされやすい時期。シナゴーグ(Krystalgade 12)、ユダヤ博物館(Proviantpassagen 6)、ユダヤ人学校(Strandvejen 93)は観光地と近接しているので、ニューハウンやアマリエンボー宮殿を歩く際にも、これらの施設にはなるべく近寄らない方が無難です。
ガザ関連の大規模デモもコペンハーゲン市庁舎前(Rådhuspladsen)で頻繁に行われています。デモの予定場所には近づかず、現場に遭遇したら速やかに離れること。
ドローンで空港4時間閉鎖(2025年9月)
2025年9月22日夜から23日にかけて、複数の正体不明ドローンがコペンハーゲン空港を飛行し、空港が約4時間閉鎖。多数のフライトが迂回・キャンセルとなりました。デンマーク政府は「重要インフラに対する深刻な攻撃」と表明し、警戒態勢を継続中。
今後、同様の事案の発生や警戒態勢の強化により、空港の閉鎖、フライトの遅延・キャンセル等の不測の事態が発生する可能性も排除できません。
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Travel Alert 04
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自転車レーンの罠 --- バス降車時に轢かれる
コペンハーゲンは市民の半数以上が自転車通勤する自転車都市。歩道と車道の間に自転車専用レーンがあるため、バスやタクシーから降りるとそのまま自転車レーンに踏み出してしまう構造です。
多くの道路では、自転車専用レーンが歩道と車道の間に設けられていることから、バスやタクシーから降車する際には、安全のため、自転車の有無をよく確認する必要があります。
降りたら一度立ち止まって左右確認、というのが日本人旅行者には一番の事故防止策。
緊急医療 --- 「1813」が首都圏のハブ
コペンハーゲン首都圏で病院にかかりたい場合、まず1813(24時間)に電話します。看護師が病状を聞き、必要に応じて医師に繋ぐか、緊急病院を指定するか、救急車を呼ぶかを判断します。
倒れた・大ケガした緊急事態は112で救急車。Privateで医師の往診を希望する場合は6075-4070(Private Doctor、有料)。
主要救急病院:
| 病院 | 住所 | 救急TEL |
|---|---|---|
| Rigshospitalet | Blegdamsvej 9, 2100 København Ø | 35 45 35 45 |
| Bispebjerg Hospital | Bispebjerg Bakke 23, 2400 København NV | 35 31 31 72 |
| Frederiksberg Hospital | Nordre Fasanvej 57, 2000 Frederiksberg | 38 16 35 22 |
| Amager Hospital | Kastrupvej 63, 2300 København S | 32 34 35 02 |
| Hvidovre Hospital | Kettegård Allé 30, 2650 Hvidovre | 36 32 25 57 |
家庭用医薬品の一部を除き処方箋なしでは薬が買えないため、風邪薬・頭痛薬・胃腸薬は日本から持参するのが安心。EU外からの医薬品輸入は事前許可制で、家族に郵送してもらおうとしても届かないケースがあります。詳しくはコペンハーゲンの医療トラブルで扱います。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
| 警察・救急・消防 | 112 |
| 首都圏緊急医療(24時間) | 1813 |
| 在デンマーク日本国大使館 | +45-3311-3344 |
| 大使館所在地 | Havneholmen 25, 9F, 1561 Copenhagen V |
中央駅から徒歩15分ほどの距離。来館にはパスポートを持参してください。
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