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アテネの医療 島嶼部ヘリ搬送と面談100EUR【2026】

アテネの医療・感染症の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ギリシャの医療水準はアテネの私立病院に限れば信頼できるレベル。ただし旅行者は公的保険対象外なので全額自己負担で、医師との面談だけで100ユーロという請求もあります。最大の落とし穴はサントリーニなど島嶼部からの医療搬送。地域病院では専門治療ができずアテネへの空輸が前提で、搬送費用は別格になります。同地域のイタリアでは医療搬送付きで1,011万円・787万円・742万円といった支払い事例が公表されていて、ギリシャもこの水準を覚悟しておきたいところ。アテネ全体の治安と多発エリアも合わせて確認しておこう。

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アテネの医療事情 --- 私立病院は信頼できる、ただし全額自己負担

外務省「世界の医療事情(ギリシャ)」(医務官情報)によると、ギリシャの医療体制は次の通り。

上下水道などの衛生状態は良好で、水道水は飲用可能です。医療機関も整備されていますが、特に公立の医療機関では一部物資や薬剤などが不足したり、診察まで長時間待たされたりすることがあります。

公立病院は無料相当ですが待ち時間が長い・物資不足のリスクあり。旅行者が頼るなら私立総合病院で、アテネには次の病院が24時間救急対応で挙げられています。

病院特徴電話
Athens Medical Center英語可、24時間緊急対応210-619-8100
Hygeia Hospital英語可、24時間緊急対応210-686-7000
Metropolitan Hospital日本語通訳可能な医師あり、24時間210-480-9000
IASO Hospital産婦人科・小児科併設210-618-4000
Mitera Clinic産婦人科・小児科210-686-9000

日本語が通じる医師がいるMetropolitan Hospitalは、緊急時の選択肢として覚えておくと心強い。

医療費の水準について、医務官情報の生々しい一文。

医療費は通常、診療当日に精算します。(中略)保険に加入していない場合、特に入院が必要になった場合などかなり高額な医療費を請求されることになります(医師との面談のみで100ユーロなど)。

面談だけで100ユーロ(約1.7万円)。入院・手術になれば数十万〜数百万円規模になります。

救急車の呼び方

医務官情報の指示。

緊急時はダイヤル「166」番で救急車を要請します。これで駆けつけるのは、公営救急車(黄色地にオレンジのラインが入った車輌)で、最寄り公立病院へ無料搬送してくれます。他にも、私立病院固有の救急車と、希望病院へ搬送してくれる民間救急車があり、こちらはいずれも有料です。ときに救急車の到着には時間がかかることがあるので、自力移動が可能ならタクシーなどを利用した方が速い場合もあります。

公営救急車(166)は無料だが行き先は公立病院。私立病院希望なら民間救急車(Athenofora Express 6980-356-356、Athens Ambulance 210-729-9000)で約50ユーロ。重症で動けないなら166、軽症で意識がしっかりしているならタクシー+私立病院、という使い分け。EU共通の112でも英語対応で取り次いでもらえます。

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同地域・イタリア事例で見る高額医療リスク

ギリシャ独自の医療費事例は保険会社から公開されていませんが、同じ地域・近隣のイタリアでの保険金支払い実績が参考になります(出典: SBI損保)。

内容入院日数金額
ツアー中に胸痛、心筋梗塞・手術、医師看護師付添い医療搬送16日1,011万円
突然の頭痛、くも膜下出血・手術、看護師付添い医療搬送45日787万円
ホテルで転倒、骨盤骨折、医師看護師付添い医療搬送11日742万円
激しい腹痛、卵巣嚢腫・手術、家族駆けつけ6日638万円
自転車走行中転倒、顔面骨骨折・手術、家族駆けつけ8日317万円
腹痛で受診、急性虫垂炎・手術、家族駆けつけ8日355万円

最高額は1,011万円。心筋梗塞で手術、医師・看護師付添いの医療搬送が加わるとこの水準になります。クレジットカード付帯保険の治療・救援費用上限(多くは数百万円程度)では足りない可能性が高い金額帯。

サントリーニなど島嶼部のリスク --- 医療搬送が別格

医務官情報の中で、島嶼部に行く人は必ず読んでおきたいのがこの2つ。

都市から離れた島嶼部などの地域では、人材も設備も整わない地域病院があり、専門的な医療を求めアテネなどに移動しなければならない場合があります。

都市部から離れた島嶼部などで重篤な病気や怪我をした場合、ヘリコプターや航空機による移送が必要になることがあり、その費用は高額となるため、渡航前に海外旅行傷害保険に加入しておくことを強くお勧めします。

サントリーニ・ミコノス・クレタ・ロードスといった人気の島々で重症化したら、島内病院 → アテネへ航空搬送 → 私立病院 → 必要なら日本へ医療搬送となり、各段階で費用が積み上がります。

特に頻発しているのが島嶼部のレンタルバイク・バギー転倒

島嶼部ではバイク、バギーのレンタルが人気ですが、転倒して負傷し入院を余儀なくされる事例があるので、十分注意してください。

サントリーニのカルデラ沿いの細い坂道や、クレタ・ミコノスの観光ルートで、運転に不慣れな観光客の事故が多発。ヘルメット未着用は罰金対象の交通違反でもあります。

夏の健康リスク --- 熱中症・西ナイル熱・山火事

6〜9月のギリシャは厳しい環境。

熱中症

ギリシャは地中海性気候に属し、年間を通じて温かいイメージがありますが、日本と同様に四季があります。(中略)夏季には強い日差しが照りつけることから、遺跡など遮蔽物がない場所では、特に熱中症に注意してください。

アクロポリスは木陰がほぼない遺跡。早朝(開門直後)か夕方の入場、水・帽子・日焼け止め必携が基本。

西ナイル熱

蚊に媒介されてヒトに感染し、インフルエンザに似た症状のウエストナイル熱を引き起こします。通常、1週間以内で回復しますが、脳に感染して重篤化する場合があります(ウエストナイル脳炎)。(中略)ワクチンはなく、ウエストナイル熱・脳炎に対する特効薬もないため、症状を軽減する治療しかありません。

ワクチンも特効薬もないので、虫除けスプレー+長袖長ズボン+水たまりを避けるが予防策。

山火事

近年6月から9月頃にかけて、各地で大規模な山火事が発生しています。ギリシャ気候危機・市民防災省から、山火事への警戒や発生に関する情報、取るべき行動について情報提供があるので、情報を入手の上、当局の指示に従ってください。

アテネ郊外でも山火事の影響が及ぶことがあります。たびレジ登録で大使館の注意喚起メールを受け取れます。

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食中毒・サルモネラ・野犬

医務官情報のその他の注意点。

魚介類が食べられるレストランがたくさんありますが、不衛生なお店は避け、食事前の手洗いを心がけてください。サルモネラ菌による食中毒も散見しますので、生卵は食べないようにしてください。旅行者に多い症状としては、下痢があげられます。ギリシャ料理はオリーブ油を多く使っているのでメニューを選ぶ時に注意しましょう。

アテネ市内には野犬や野良猫が放置されています。噛まれるなどの被害を受けないようにむやみに近づかないようにして下さい。

生卵NG・オリーブ油料理は控えめに・野犬猫に近づかない。これだけで多くの体調不良が防げます。野犬に噛まれたら狂犬病・破傷風のリスクがあるので24時間以内に病院で対応を。

予防接種

入国のために求められる予防接種は特にありませんが、A型・B型肝炎と、破傷風やジフテリアの追加接種を受けると安心です。

入国時の必須ワクチンはなし。長期滞在やバイクで島巡りするなら破傷風の追加接種を検討。

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病気・怪我に遭ったら

  1. 重症なら166(救急車)、または英語対応のEU共通112
  2. 意識があり動けるなら、私立病院に直接タクシーで(Metropolitan Hospitalは日本語通訳可)
  3. 海外旅行保険の現地連絡先にも電話、キャッシュレス治療が可能か確認
  4. 領収書・診断書は必ず取得(保険請求に必須)
  5. 島嶼部で重症なら本土への搬送を視野に、保険会社のアシスタンス窓口に即連絡

保険のキャッシュレス対応病院リストを出発前に確認しておくと、現地で慌てずに済みます。

まとめ --- アテネ・ギリシャの医療6か条

  1. アテネの私立病院は信頼できる(Metropolitan Hospitalは日本語可)
  2. 旅行者は全額自己負担、医師面談だけで100ユーロ
  3. 同地域のイタリアでは医療搬送付き1,011万円、ギリシャも同水準を覚悟
  4. 島嶼部から本土への搬送費用が別格、サントリーニなど離島で重症化のリスク
  5. 救急車は166(無料・公立行き)か民間(有料・約50ユーロ)
  6. 夏は熱中症・西ナイル熱・山火事、生卵・野犬猫もNG

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海外旅行保険の備え

ギリシャ独自の高額事例は公表されていませんが、近隣のイタリアでは1,011万円の支払い実績。サントリーニなど島嶼部からの搬送が加わるとさらに膨らむ可能性があります。クレジットカード付帯では不足の可能性が高いので、出発前に治療・救援費用の上限を必ず確認しましょう。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドを参照。

よくある質問

アテネの医療水準はどれくらい?

外務省医務官情報によると、アテネ市内の私立総合病院(Athens Medical Center、Hygeia、Metropolitan、IASO、Mitera)は信頼できる一定のレベルにあり、24時間救急対応・英語可です。Metropolitan Hospitalは日本語通訳可能な医師もいます。

医療費はどれくらいかかる?

旅行者は公的保険対象外で全額自己負担です。医務官情報は「医師との面談のみで100ユーロなど」と明記しています。入院・手術になると数十万〜数百万円規模、医療搬送が加わるとさらに膨らみます。

ギリシャ独自の高額医療費事例はある?

公開されているギリシャ単独の事例はありません。同地域のイタリアでは、SBI損保で心筋梗塞・医療搬送1,011万円、くも膜下出血・医療搬送787万円、ホテル転倒・骨盤骨折742万円といった支払い実績が公表されています。

サントリーニなど島嶼部で重症化したら?

医務官情報は「島嶼部などの地域では人材も設備も整わない地域病院があり、専門的な医療を求めアテネなどに移動しなければならない場合がある」「ヘリコプターや航空機による移送が必要になることがあり、その費用は高額」と明記しています。海外旅行保険の救援費用補償が必須です。

救急車の呼び方は?

緊急時はダイヤル「166」で救急車を要請。最寄りの公立病院へ無料搬送(公営救急車・黄色地にオレンジライン)。私立病院希望なら民間救急車(有料、アテネ市内約50ユーロ)。EU共通緊急番号「112」も使えます。

出典

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