ギリシャの邦人被害はアテネ中心部に集中しています。在ギリシャ日本国大使館「安全の手引き2026年版」が公表した被害場所ランキングは、1位シンタグマ広場周辺(33%)、2位アクロポリス(19%)、3位アテネ以外の都市・島しょ部(22%)、4位電車内・各駅(7%)。シンタグマとアクロポリスだけで5割超です。「腕利きの犯罪集団による犯行で、在留邦人や旅慣れた旅行者も被害に遭っている」と大使館が明記している街なので、観光客の油断は確実に刈り取られます。ギリシャ全体の治安と法律も合わせて確認しておこう。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
シンタグマ広場 --- 「液体・声かけ・気逸らし」が定番
シンタグマ広場は国会議事堂前の中央広場で、観光客なら必ず通る場所。被害が多すぎて大使館が「最も被害が多いエリア」と名指ししています。
シンタグマ広場周辺:最も被害が多いエリアです。液体をかけたり、声をかけて気をそらせ荷物を盗む手口が多発しています。
具体的な手口は3パターン。
- 土産物店や観光スポットに気を取られている間に鞄を持ち去られる
- 声をかけてわざと気を逸らす(共犯者が背後でバッグを開ける)
- 金銭トラブル(「電話貸して」「SIM代立て替えて」型)も多発
レストランでの置き引きもシンタグマ周辺で頻発。プラカ地区(アクロポリス麓の旧市街)はレストラン置き引きが特に多く、椅子の背もたれや足下にバッグを置いた瞬間に消えます。
泥棒は平気な顔をして店内にも入ってきたり潜んだりしています。椅子の背もたれや足下にバッグ等を置いていて置き引き被害に遭うケースが多く発生しています。膝上に置くなどして、目や手を離さないようにすることが重要です。
セキュリティが高くないホテルではロビーや朝食会場にも泥棒が入ってきます。「ホテルだから安心」は通用しません。
アクロポリスとモナスティラキ広場 --- 観光地で集団に囲まれる
世界遺産アクロポリスは被害場所2位(19%)。有名な世界遺産の人混みに紛れて行われる窃盗が横行しています。撮影に夢中になっている瞬間、リュックの背中側のファスナーが開いていることに気づきません。
モナスティラキ広場周辺では、2026年第1四半期報告でこんな事案も発生しています。
明るい時間であっても、リカヴィトスの丘やモナスティラキ広場のような観光地において、集団で金銭や貴金属のアクセサリー等を奪い取る強盗事案が発生し、邦人も被害に遭っています。
昼間でも強盗被害。リカヴィトスの丘(アテネ中心部の小高い丘、夕景スポット)も含めて、人混みでも油断できないエリアです。高価なアクセサリーは身につけない、これが基本対策。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ギリシャ日本国大使館 安全の手引き(2026年版))
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
地下鉄・電車・駅構内 --- 「数人に押される」のが合図
被害場所4位の電車内・各駅(7%)。比率は4位だけど、手口が露骨で要注意です。
アテネの電車や駅での被害が最も多く、最大限の注意が必要です。プロのスリによる犯行で、車内やエレベーターなどで数人に押されているうちに被害に遭うケースが多く、注意していたにもかかわらず被害に遭っている方も多くいます。
「車内で数人に押された瞬間に抜かれている」が定番パターン。混んでいないのに不自然に押されたら、それがスリのサインです。安全の手引きは「ギリシャのタクシー料金はさほど高くないので、タクシーの利用も検討してください」と明言しています。空港から市内中心地は40ユーロ(深夜は55ユーロ)の定額制なので、夜間や荷物が多いときは無理に地下鉄を使わずタクシーが安全。
ただしタクシーはメーターを作動させない「ぼったくりタクシー」もあるので、メーター作動とレシート受領は必ず確認。
オモニア・エクサルヒア地区 --- 観光で行く場所ではない
アテネ中心部の裏通りにあるオモニア地区・エクサルヒア地区は、安全の手引きが「近づかないように」と明言しているエリア。
アテネ中心部の裏通り(オモニア地区、エクサルヒア地区等)には、不法滞在者、アナキスト(無政府主義者)、薬物使用者等が集まる地域があり、犯罪に遭う危険性が高いので近づかないようにしてください。過去には、興味本位で立ち入った外国人観光客が強盗被害に遭っています。
エクサルヒアは「アナキストの聖地」として知られる地区で、アナキスト集団と警察部隊の衝突もこのエリアで多発。観光ガイド本では「ボヘミアンな雰囲気」と紹介されていることもありますが、邦人保護の現場では明確に避けるエリア。考古学博物館の北側〜エクサルヒア広場一帯がそれにあたります。
オモニア広場も国鉄アテネ駅前の繁華街として賑わっているように見えて、薬物関連犯罪が集中。安宿が多いエリアでもあるので、宿選びの段階でシンタグマ広場〜プラカ周辺に寄せるのが無難です。
アナキストの爆破事件と大規模デモ
アテネ中心部ではATM・店舗・雑居ビルの爆破事件が2025年中も発生。狙いは政府関連施設・企業・銀行ですが、深夜〜早朝に閉店後の店舗が標的になるため、その時間帯の市街地一人歩きは避けたいところ。
大規模デモはアテネ中心部の交通遮断を引き起こします。
ギリシャでは、抗議集会やデモが多く行われ、特にアテネ中心部では交通が遮断されることも多くあります。多くは平和的に行われますが、過激派が扇動して、政府建物や商店などを破壊したり、警官隊を投石・火炎瓶などで攻撃したりするケースも発生しています。
写真撮影は厳禁。観光客が現場でスマホを構えていると暴徒側にも警察側にも誤認される可能性があります。デモ予定はホテルやガイドに事前確認、たびレジ登録で大使館からの注意喚起メールも受信できます。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
空港〜市内移動の罠 --- 深夜便なら空港隣接ホテルが正解
アテネ国際空港(ATH)から市内中心地まではタクシー・バス・地下鉄が使えますが、安全の手引きは深夜到着便について明確に警告しています。
深夜にスーツケース等を持ったままホテルを探し歩くことは危険です。不測の事態に巻き込まれないよう、深夜到着便を利用する場合には、空港に隣接するホテル等で休憩・宿泊することを強くおすすめします。
深夜便ならその日は空港ホテル泊、翌朝に市内移動。これだけで「電話貸して」詐欺やぼったくりタクシーのリスクが大幅に下がります。
詐欺・ぼったくり・スキミング・フィッシング
2026年第1四半期に大使館が報告している新しい被害類型。
- 「電話貸して」金銭詐欺:依然として継続中。アテネ空港・中心地で発生
- 不当なサービス料金請求・釣り銭ごまかし:レストランやキオスクで
- クレジットカードのスキミング:キオスク・ガソリンスタンド
- SMS/メールフィッシング:ホテル予約サイトや銀行を装った偽メッセージ
- 物売り集団による気逸らしスリ:話しかけられた瞬間にバッグから抜かれる
スキミング対策は現金より少額カード払い+利用明細をこまめに確認。フィッシングはSMSのリンクは絶対踏まず公式アプリから。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
医療 --- アテネの私立病院は信頼できる、ただし全額自己負担
アテネの私立総合病院(Athens Medical Center、Hygeia、Metropolitan、IASO、Mitera)は信頼できるレベルで24時間救急対応、英語も通じます。Metropolitan Hospitalは日本語通訳可能な医師もいるとされていて、緊急時は心強い選択肢。
ただし旅行者は公的保険対象外で全額自己負担。医師との面談だけで100ユーロ、入院が必要になるとかなり高額になります。同地域のイタリア事例ではホテル転倒・骨盤骨折で742万円、くも膜下出血・医療搬送で787万円といった支払い実績が出ています。
緊急連絡先(アテネ)
| 機関 | 電話番号 |
|---|---|
| EU共通緊急番号 | 112 |
| 警察 | 100 |
| 救急車 | 166 |
| 消防 | 199 |
| ツーリストポリス | 1571 |
| アクロポリス警察署(シンタグマ・プラカ・アクロポリス周辺) | 210-920-0703 |
| シンタグマ警察署(コロナキ・リカヴィトス周辺) | 210-725-7001 |
| オモニア警察署 | 210-520-2297 |
| エクサルヒア警察署 | 210-339-2010 |
| 在ギリシャ日本国大使館 | +30-210-670-9900 |
被害エリアごとに管轄警察署が分かれています。シンタグマ広場での盗難はアクロポリス警察署、コロナキ/リカヴィトス周辺はシンタグマ警察署が窓口。観光客向けにはツーリストポリス(1571)が英語対応で便利。
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
安全対策まとめ(アテネ版)
- シンタグマ広場ではバッグを体の前に。「液体かけられた」「服が汚れてる」と言われても立ち止まらない
- アクロポリス・モナスティラキで撮影中は背中のリュックに注意。集団に囲まれたら離れる
- 地下鉄で「数人に押された」感覚があったらすぐ財布の位置確認
- オモニア・エクサルヒアには近づかない。観光価値より安全優先
- 「電話貸して」は全部詐欺。連絡先も教えず立ち去る
- 深夜便なら空港隣接ホテル泊が正解。市内移動は翌朝に
- デモ・ストライキ予定を事前確認。地下鉄・フェリー24時間運休に備えて旅程に余裕を
被害に遭ったらまずツーリストポリス(1571)か警察(100)、パスポート紛失なら大使館に連絡。詳しくはアテネのスリ・置き引き対策、「電話貸して」詐欺・ぼったくり対策、アテネの医療費・島嶼部医療搬送へ。
この都市のトラブル別ガイド
読者の体験談を投稿する
あなたが現地で体験したこと・気をつけていることを共有してください。承認後に表示されます。