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アテネのスリ シンタグマ広場の液体手口と集団犯行【2026】

アテネのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

在ギリシャ日本国大使館「安全の手引き2026年版」によると、邦人被害の59.3%がスリ。場所はシンタグマ広場周辺が33%で1位、アクロポリスが19%で2位。この2エリアだけで5割超です。「腕利きの犯罪集団による犯行で、在留邦人や旅慣れた旅行者も被害に遭っている」と大使館が明言している街なので、「自分は気をつけてるから大丈夫」が通用しません。アテネ全体の治安と多発エリアも合わせて確認しておこう。

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シンタグマ広場 --- 「液体・声かけ・気逸らし」が定番フォーマット

外務省「安全対策基礎データ」がスリ多発エリアとして真っ先に名指ししているのがシンタグマ広場。

シンタグマ広場周辺:最も被害が多いエリアです。液体をかけたり、声をかけて気をそらせ荷物を盗む手口が多発しています。

「液体をかける」手口はイタリアフランススペインでも横行しているヨーロッパ共通フォーマット。ケチャップ、アイスクリーム、ファンデーションなどを服にかけられ、「汚れてますよ」と心配する役が近寄ってくる。拭いてくれている間に共犯が財布を抜く。複数名の連携プレーです。

アテネ市内では、「道を教えてほしい」、「花を買ってください」、(実際に液体をかけた上で)「服が汚れているぞ、すぐに脱いだほうがいい」などと巧みに被害者の気をそらしているうちに、共犯者がバッグ等を盗む手口が横行しています。

大使館「安全の手引き」のこの一文がリアル。「服が汚れている」と声をかけられたら立ち止まらず無視して離れるのが正解。土産物店や観光スポットに気を取られている瞬間も狙われます。

TESTIMONY · 旅行者A
シンタグマ広場で観光中に、知らない人に道を尋ねられて立ち止まった瞬間、背後でリュックが開けられて財布を抜かれていました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ギリシャ日本国大使館 安全の手引き(2026年版)

アクロポリス・モナスティラキ --- 人混みでの集団犯行

被害場所2位のアクロポリスは、「有名な世界遺産の人混みに紛れて行われる窃盗が横行」と大使館が明言。撮影に夢中になっている瞬間、背中側のリュックは完全に無防備です。

モナスティラキ広場・リカヴィトスの丘では、昼間の強盗事案まで報告されています。

明るい時間であっても、リカヴィトスの丘やモナスティラキ広場のような観光地において、集団で金銭や貴金属のアクセサリー等を奪い取る強盗事案が発生し、邦人も被害に遭っています。

集団に囲まれた瞬間にネックレスや時計を奪われる手口。高価なアクセサリーは身につけない、これがアテネでの基本ルール。撮影中はバッグを体の前に回す、これだけで被害率が変わります。

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地下鉄・電車・駅構内 --- 「数人に押される」が合図

被害場所4位(7%)の電車内・各駅。比率は4位だけど、手口の詳細が大使館によく書かれているので注意して読みたいところ。

アテネの電車や駅での被害が最も多く、最大限の注意が必要です。プロのスリによる犯行で、車内やエレベーターなどで数人に押されているうちに被害に遭うケースが多く、注意していたにもかかわらず被害に遭っている方も多くいます。

アテネの市街地や地下鉄内、駅構内におけるスリが最も多く、知らぬ間にリュックサックや鞄を開けられ、財布等を盗まれています。被害防止のため、リュックサック等を身体の前でしっかり保持することが重要です。

車内で数人に押された瞬間に抜かれているのが典型パターン。混んでいないのに不自然に押されたら、それがスリのサイン。タクシー(市内中心地まで40ユーロ、深夜は55ユーロの定額制)も普通に使える価格帯なので、夜間や荷物が多いときは無理に地下鉄を使わない選択肢もあり。

レストラン・カフェの置き引き --- プラカ地区が要注意

外務省「安全対策基礎データ」が挙げる4手口の3番目が「公園・レストラン・カフェで荷物から目を離した隙にバッグを盗む」。アクロポリスの麓にある観光地区プラカは、レストラン置き引きが特に多発エリアです。

プラカ地区では、レストラン内での被害が多く報告されています。泥棒は平気な顔をして店内にも入ってきたり潜んだりしています。椅子の背もたれや足下にバッグ等を置いていて置き引き被害に遭うケースが多く発生しています。膝上に置くなどして、目や手を離さないようにすることが重要です。

「店内だから安心」は通用しません。椅子の背もたれにかけたバッグはほぼ確実に狙われていると思って、膝の上か足の間にしっかり挟んで視界に入れておく。これだけで防げる被害です。

セキュリティが高くないホテルではロビーや朝食会場にも泥棒が入ってきます。ビュッフェを取りに行く時は貴重品を身につけたまま、が原則。

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花押しつけ・物売り集団 --- 4つ目の手口

外務省が挙げる4類型の最後が「路上で花の売り子が花を押しつけている間に貴重品を盗む」。

アテネ市内では、観光客を狙った物売りの集団に話しかけられ、荷物から注意をそらした隙に鞄などを盗まれる被害が発生しています。

2026年第1四半期報告でも継続して報告されている手口。バラの花・ミサンガ・絵葉書など、何かを差し出してきたら「No!」と一言、立ち止まらず歩き続けるのが鉄則。受け取ってしまうと「料金を払え」と絡まれることもあります。

防ぎ方の基本 --- バッグの位置と「立ち止まらない」

外務省「安全対策基礎データ」が挙げる対策の中核を抜粋。

  • 荷物から目を離さず、特に人混みでは必ず荷物を胸の前にしっかりと保持する(リュックは特に背負っている際に開けられて財布等を盗まれる被害が多い)
  • ブランド物のバッグや高価な装飾品などの華美な服装は控え、周囲に溶け込んだ服装を心掛ける
  • 深夜や早朝は不要不急の外出を避ける

加えて、状況別の具体策。

シーン対策
シンタグマ広場・観光地バッグは体の前、ファスナー側を体側に
地下鉄・電車内リュックは前掛け、混雑時は財布の位置を手で押さえる
カフェ・レストランバッグは膝の上か足の間、椅子の背もたれは絶対NG
「服が汚れている」と言われた立ち止まらず無視、その場を離れる
花を差し出された「No」と一言、立ち止まらず歩き続ける
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被害に遭ったら

  1. その場で警察に通報(100、または英語対応のツーリストポリス1571)
  2. 被害届の受理証明書(コピー)を必ず取得(保険請求に必須)
  3. クレジットカードは日本のカード会社に即連絡して停止
  4. パスポート紛失なら在ギリシャ日本国大使館(+30-210-670-9900)に連絡、帰国のための渡航書か新パスポートを申請
  5. 海外旅行保険の携行品損害(バッグ・カメラ等)を申請

被害届がないと保険請求も大使館対応も進みません。まず警察、これが鉄則。アテネ中心部はエリアごとに警察署が分かれていて、シンタグマ広場周辺はアクロポリス警察署(210-920-0703)、コロナキ/リカヴィトス周辺はシンタグマ警察署(210-725-7001)が窓口です。

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海外旅行保険の備え

スリでカード・現金・スマホをまとめて盗られると、当日の宿・交通費から数万〜数十万円の補填が必要になります。携行品損害補償の範囲を出発前に確認しておきましょう。詳しくはヨーロッパの海外旅行保険ガイドを参照。

よくある質問

アテネで被害に遭うのはどれくらいの確率?

在ギリシャ日本国大使館によると、2025年の邦人被害は27件、2024年は36件、コロナ前の2019年は120件でした。被害の59.3%がスリで、ギリシャ全体の邦人被害の大半がアテネ市内に集中しています。

一番被害が多い場所は?

大使館「安全の手引き」の被害場所ランキングは1位シンタグマ広場周辺33%、2位アクロポリス19%、3位アテネ以外の都市・観光地・島しょ部22%、4位電車内・各駅7%です。シンタグマとアクロポリスだけで5割を超えます。

「液体をかける」手口って具体的にどんな感じ?

ケチャップやアイスクリーム、コーヒーなどを服にかけられ、「汚れていますよ、すぐ脱いだほうがいい」と親切ぶった共犯者が拭いてくれている間に、別の共犯がバッグから財布を抜く分業型の手口です。シンタグマ広場で多発と外務省が名指ししています。

地下鉄でどう守ればいい?

大使館「安全の手引き」は「車内やエレベーターで数人に押されているうちに被害に遭うケースが多い」と明記しています。混んでいないのに不自然に押されたらスリのサインです。リュックは前掛け、バッグは体の前に。タクシー(市内40ユーロ程度)の利用も検討するよう大使館が推奨しています。

被害に遭ったらまず何をすればいい?

ギリシャの警察(電話100)かツーリストポリス(1571、英語可)に届け出て被害届を取得します。パスポート紛失なら在ギリシャ日本国大使館(+30-210-670-9900)に連絡。クレジットカードは日本のカード会社へ即停止。被害届のコピーは保険請求にも必須です。

出典

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