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ローマの強盗 ビスケット1個で意識を失う睡眠薬手口【2026】

ローマの睡眠薬強盗の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

ローマで「親しげに話しかけてきた外国人旅行者とビスケットを食べたら意識を失った」——これ、外務省が安全対策基礎データで名指しで警告している実際の手口です。被害者のほとんどが単独旅行の壮年男性。一人旅で気が緩んだ瞬間に、ビスケット1個、ビール1杯で全貴重品を持ち去られます。

派手な強盗ではなく、向こうから笑顔で近づいてくるタイプの犯罪なので、警戒していないと本当に引っかかります。入り口はニセ警官やミサンガ押し売りなどの詐欺と同じ「親しげな声かけ」で、財布を出す前に意識を奪われる分むしろ悪質です。

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旅行者風の男が近づいてきて、ビスケットで意識が飛ぶ

外務省がローマの手口として具体的に記録しているのが、この導線です。

ローマの観光スポットで旅行者風の男から勧められたビスケットやガムを食べた後に意識を失い、気が付いた時には貴重品を全て盗まれた事例

流れはほぼ決まっていて、まず犯人が外国人旅行者を装い親しげに近寄り、飲み物をおごるなどして信用させます。そこで「これも食べない?」とビスケットやガムを差し出す。親切心で受け取って口にした瞬間、数分〜十数分で意識が飛びます。気づいたときには財布もパスポートもスマホも、全部消えている。

外務省は被害者像も明記していて、「被害者のほとんどが単独旅行の壮年男性」です。中年男性の一人旅で、現地で出会った同胞風・旅行者風の相手と会話が盛り上がり、警戒心がほどけたタイミングが一番危ない。

TESTIMONY · 旅行者A
観光スポットで旅行者風の男から勧められたビスケットを食べた後、意識を失いました。気が付いたら貴重品は全部盗られていました。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(イタリア)犯罪発生状況 (8)睡眠薬強盗

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バールで一緒にビール、それが最後の記憶

もう一つローマで名指しされているのが、バール(イタリアの軽食喫茶)での手口です。

写真撮影等で親しくなった旅行者風の男と一緒に入ったバールで、ビールを飲んで意識を失って所持品を盗まれる

こっちは写真撮影という導線が入っているのがポイント。観光地で「シャッター押しましょうか」「一緒に撮りませんか」から会話が始まり、打ち解けた流れで「近くにいいバールがある」と誘われる。連れて行かれた店でビールを1杯、そこに薬物が混入している、という構図です。

ビスケットの手口と合わせて読むと分かるのは、犯人は飲食物に混入するタイミングを作るために、まず「一緒に飲食する関係」に持ち込むということ。写真撮影・道案内・世間話、入り口はいろいろですが、目的地は常に「食べ物か飲み物を一緒に口にする場面」です。観光地での親しげな声かけはスリやひったくりの入口でもあるので、飲食物の受け渡しが起きる前でも警戒レベルは下げないでください。

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手口早見表

入り口場所混入される物盗まれるもの
旅行者風の男が親しげに話しかけ観光スポット(広場・公園のベンチ等)ビスケット・ガム財布・パスポート等の貴重品全て
写真撮影で親しくなる → バールに誘うバール(軽食喫茶)ビール所持品
飲み物をおごる → すきを見て薬物混入場所不問(親しくなった後)飲食物全般貴重品

出典: 外務省 安全対策基礎データ(イタリア)

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予防策:見知らぬ人の飲食物は絶対に口にしない

ルールはシンプルですが、旅行中のテンションで崩れやすいので意識的に守ってください。

  • 見知らぬ人から勧められた飲食物は一切受け取らない。観光地のベンチで隣になった人、道を聞いた先で親切にしてくれた人、写真を撮ってくれた人——誰から差し出されても、ビスケット1個でも受け取らない
  • 一緒に入った店でも、自分の飲み物から目を離さない。トイレで席を立つ、レジに行く、電話に出る、その隙に入れられます。新しいグラスに注ぎ直させる、新しいボトルを開けさせるのが安全
  • 「一緒に飲みに行こう」は断る。写真撮影や道案内の延長で誘われても、初対面の相手とは行かない。特に単独旅行中の男性は、同胞・旅行者を装った相手に要警戒
  • 単独行動時の警戒を上げる。外務省が「被害者のほとんどが単独旅行の壮年男性」と明言している通り、一人でいるときが狙い目です。ベンチで休憩中・カフェで一息ついている時など、リラックスした瞬間ほど警戒

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被害に遭った場合の対応

意識が戻ったら、次の順番で動いてください。

  1. 身体の状態を確認: 睡眠薬の種類によっては呼吸・循環に影響が残ります。ふらつき・吐き気・意識混濁があれば救急(112または118)を呼ぶ。無理に動かない
  2. 警察(112)に通報: 被害届を出します。場所・時間・相手の特徴を覚えている範囲で伝える
  3. 在イタリア日本国大使館へ連絡: パスポートが盗まれていれば即連絡。ローマは(39)-06-487991
  4. クレジットカードの即時停止: 意識を失っている間に暗証番号を引き出されている可能性もあるので、カード会社に連絡して利用停止と不正利用の確認
  5. 医療機関で薬物検査: 何を飲まされたか特定できると保険請求や後遺症の治療で役立ちます。公立病院は待ち時間が長いので、海外旅行保険があれば私立病院も選択肢

医療費はイタリアだと私立病院が高額で、外務省も「私立病院での医療費は高額なため、海外旅行障害者保険に加入することをおすすめします」と書いています。睡眠薬強盗の場合、薬物検査・点滴・入院で数十万円〜のオーダーになり得るので、保険未加入で来るのは避けてください。


海外旅行保険の備えについてはヨーロッパ向け保険まとめ、他の手口はローマの都市ページイタリアの国ページから確認してください。

よくある質問

ローマで観光客から食べ物を勧められたら受け取っていい?

受け取らないでください。外務省の安全対策基礎データに、ローマの観光スポットで「旅行者風の男から勧められたビスケットやガムを食べた後に意識を失い、気が付いた時には貴重品を全て盗まれた」事例が記載されています。親しげに近づいてきた相手が勧めてくる飲食物は、観光地のベンチや広場でも絶対に口にしないのが鉄則です。

睡眠薬強盗の被害者はどんな人が多い?

外務省は「被害者のほとんどが単独旅行の壮年男性」と明記しています。一人で旅行している男性が、現地で声をかけてきた「外国人旅行者風」の相手と話が弾んで一緒に飲食する、という流れで被害に遭うパターンが典型です。一人旅の男性は特に、親しげに近づいてくる同胞風・旅行者風の人物を警戒してください。

バールで知り合った人と飲みに行くのはアリ?

初対面なら避けるべきです。外務省のローマの事例に「写真撮影等で親しくなった旅行者風の男と一緒に入ったバールで、ビールを飲んで意識を失って所持品を盗まれる」ケースが載っています。写真撮影で仲良くなった程度の相手に誘われて一緒にバール(軽食喫茶)に入るのは、典型的な導線です。どうしても行くなら、自分の飲み物から目を離さないこと。

被害に遭って意識が戻ったらまず何をすべき?

まず身体の状態を確認し、救急(112または118)を呼んでください。睡眠薬の残留で判断力が戻りきらないうちに動くと二次被害に遭います。その後、警察(112)に被害届を出し、パスポートが盗まれていれば在イタリア日本国大使館(06-487991)に連絡。クレジットカードも即時停止してください。

出典

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