ローマの詐欺・ぼったくりはバリエーションが豊富すぎて、「一個覚えておけばOK」ができません。ニセ警官にカードの暗証番号を入力させられる、テルミニ駅で「助けが必要ですか」と声をかけられて60ユーロ取られる、ポポロ広場で赤い騎士のコスプレに囲まれて財布の中身全部を強奪される、スペイン広場でミサンガを手首に巻かれて法外な代金を要求される——全部、外務省と在伊大使館のレポートに載っている実話です。
共通するのは「向こうから声をかけてくる」こと。ローマでは知らない人に話しかけられたら全部疑うが基本姿勢になります。親しげな声かけの一部はビスケットやビールで意識を飛ばす睡眠薬強盗にも接続するので、「詐欺だけ」では済まないと覚えておいてください。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
ニセ警官のカード検査、暗証番号まで盗られる
外務省の安全対策基礎データに載っている手口で、一番危険なのがこれ。
制服を着た警官風の人物が現れ、旅行者に検査と称して財布を出させ、巧みに高額紙幣やクレジットカードを抜き取ります。また、クレジットカードを検査機のようなものにあてて暗証番号を入力させる場合もあります
本物の制服っぽい格好をしている上に、「違法両替の取り締まり」などもっともらしい理由をつけてくるので、旅行者は真に受けて財布を出してしまう。外務省は「警察官がクレジットカードの提示を求めることはありません」と明言しています。本物の警察でも、街頭でカードや暗証番号を要求することはない。これを覚えておけば防げます。
検査機を装った機械に暗証番号を入れさせる手口は、その後でクローンカードを作られるので、すぐに気づかないと被害が拡大します。声をかけられたら「大使館に連絡する」「警察署に一緒に行く」と言い返してください。本物なら応じます。詐欺師は消えます。
テルミニ駅の「助けが必要ですか」は60ユーロ請求される
2026年1-3月の大使館レポートに載っている具体事例。ローマ・テルミニ駅で切符購入に戸惑っていた旅行者が、女性から声をかけられました。
「助けが必要ですか」と女性に声をかけられた。列車が発車する、ストライキで今日この後の列車は使えなくなるなどと急かされ、冷静に判断ができなかったために同行者分も含め60ユーロを支払ってしまった
駅員を装った案内詐欺です。本物の駅員は自分から旅行者に声をかけて案内料を取ることはありません。「ストライキで今日使えない」も典型的な嘘の急かし方。テルミニ駅で声をかけてくる人は全員詐欺、くらいに割り切ったほうが安全です。切符は券売機で自分で買う、わからなければ駅構内の公式インフォメーション(i のマーク)に行く。それ以外の「親切」には応じない。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
ぼったくりバー、支払う前に112に通報する
テルミニ駅・レプッブリカ駅・ヴェネト通り付近で発生しているぼったくりバー。外務省は手口をこう書いています。
テルミニ駅等の主要駅周辺で、見知らぬ男に親しげに話しかけられ、バーに誘われて飲食した後で、店から不当に高額な料金の支払いを要求される
声をかけてくる男は「スイスから来た」「スペインから来た」などと同じ旅行者のふりをしてくる。連れて行かれた先のバーでピアノの生演奏があったり雰囲気が良かったりするので、さらに油断する。最後に数百ユーロの請求が来ます。
対処は支払う前に警察(112)に通報。外務省もこう書いています。
請求額に納得できない場合、クレジットカード等で「支払いを行う前」に、現場から警察(112番)に通報して介入を求めてください
カードで払ってしまった後だと取り戻すのは難しい。現金も同じ。払う前に動くのが鉄則です。そもそも見知らぬ男に誘われた店には入らない、が一番ですが、入ってしまったらメニューの価格を必ず確認してから注文してください。
ミサンガ押し売り、財布を出した瞬間に強奪に切り替わる
スペイン広場・コルソ通り・トレビの泉・コロッセオ・ナヴォナ広場付近で多発している手口。外務省はこう警告しています。
ミサンガを強引に手首に巻き付け、紐代と称し法外な代金を脅迫まがいに請求する事例が多発しています。また、複数の売り子に取り囲まれ、代金を払うため財布を取り出したところ、財布ごと所持金を強奪される事例も発生しています
注目すべきは「財布を取り出した瞬間に強奪に切り替わる」ところ。最初は数ユーロの紐代として近づいてくるけど、払おうとして財布を出すと目的が変わります。手首を出さない・財布を出さないの二段構え。
回避策は単純で、近づかれたら歩みを止めずに「No」を繰り返して離れる。絡まれても財布は絶対に出さない。どうしても振り切れなければ、周囲のレストランやホテルに入ってしまうのも手です。観光地の商業施設は詐欺師の入店を警戒しているので、中に入れば安全地帯になります。財布を出さずに済むよう、同エリアで多発するスリ・置き引きへの備えと併せて対策を立ててください。
ポポロ広場の赤い騎士コスプレ強盗
2025年10-12月の大使館レポートに載っている、新しめの手口。
ポポロ広場からピンチョの丘へ上がる道中、赤い騎士のコスプレをした複数人の男性に囲まれ、通り道を塞がれた後、強引に写真撮影を開始し、金銭を要求してきた。財布を取り出したところ、財布の中身全てを強奪された
ローマの観光地には古代ローマ兵士のコスプレをしたパフォーマーが昔からいて、勝手に写真を撮って金を要求するパターンはありました。ただこの赤い騎士の事例は、通り道を塞ぐ→強引に撮影→金銭要求→財布強奪と手口が暴力化しています。コスプレ姿の複数人に囲まれた時点で警戒してください。
財布を絶対に出さない。出したら中身を奪われます。囲まれたら、無視して歩き続けるか、近くのカフェに入って助けを求める。ポポロ広場は観光客が多い広場なので、人がいる方へ移動するのが安全です。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
ATMのスキミング、小型機械と隠しカメラで情報を抜かれる
外務省データに載っているキャッシュカード不正引き出しの手口。
キャッシュディスペンサーに小型の機械を取り付けてカード情報を読み取り、クローンカードを作成した上、ディスペンサーにあらかじめ取り付けた超小型カメラや、利用者の肩越しに暗証番号を盗み見て、後日クローンカードを使用してATMから預金を引き出す
ATMに不自然な出っ張りがないか、カード挿入口をちょっと揺らして確認してからカードを入れる。暗証番号入力時は必ず片手で隠す。街角のATMより、銀行内の設置機のほうが安全です。
住居賃貸契約詐欺は留学・長期滞在者向け
在伊大使館とミラノ総領事館が注意喚起している、少し特殊な手口。偽の物件情報でデポジットを騙し取られる詐欺で、留学や長期滞在で物件を探している人が狙われます。内見前に送金を要求されたら、ほぼ詐欺と思っていい。観光で数日滞在する人には直接関係ないので、詳細は大使館の注意喚起ページを見てください。
体験談
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在イタリア日本国大使館 邦人援護状況 2026年1-3月)
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在イタリア日本国大使館 邦人援護状況 2025年10-12月)
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:外務省 安全対策基礎データ(イタリア))
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
手口早見表
| 場所 | 手口 | 対策 |
|---|---|---|
| 街頭(制服姿) | ニセ警官の財布・カード検査/暗証番号入力 | 警察はカード提示を求めない、拒否して112 |
| テルミニ駅構内 | 「助けが必要ですか」で案内料60ユーロ | 駅員以外の声かけ無視、券売機で自分で買う |
| テルミニ駅周辺のバー | 旅行者を装った男に誘われ高額請求 | 見知らぬ人の誘いを断る、請求時は払う前に112 |
| スペイン広場等の観光地 | ミサンガ巻き付け→財布出したら強奪 | 手首も財布も出さない、無視して歩き続ける |
| ポポロ広場〜ピンチョの丘 | コスプレ複数人に囲まれ撮影後金銭強奪 | 囲まれたら財布を出さずカフェへ避難 |
| ATM | スキミング機械+隠しカメラで情報窃取 | 銀行内ATM利用、暗証番号は手で隠す |
予防策
出発前に準備すること
- クレジットカードの24時間緊急停止電話番号を控えておく(裏面の番号)
- 現金は1カ所にまとめない。メインの財布と別にサブの小銭入れを作る
- ATM利用は銀行内設置機を優先する習慣をつけておく
- 海外旅行保険の携行品損害補償がある保険に加入しておく
ローマ市内での行動ルール
- 知らない人に話しかけられたら全部詐欺を疑う。これが基本姿勢
- 警察官を名乗る相手にカードも暗証番号も見せない
- テルミニ駅では券売機と公式インフォメーション以外の「親切」に応じない
- 見知らぬ男に誘われたバーには入らない
- ミサンガ・コスプレ・写真撮影等で囲まれたら財布を絶対に出さない
- ATMは銀行内設置機を使い、入力時は片手で隠す
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭った場合の対応
- 支払う前なら必ず警察(112)に通報。ぼったくりバーは払う前の通報なら介入してもらえる
- 払ってしまった場合も警察(112または113)に届け出て盗難証明書(Denuncia)を発行してもらう。保険金請求に必要
- クレジットカードで払ってしまった/暗証番号を入力してしまった場合は即座にカード会社へ連絡してカード停止・不正利用の異議申し立て
- パスポートや現金が奪われた場合は在イタリア日本国大使館(06-487991)に連絡
- 海外旅行保険に加入している場合はサポートデスクに連絡。盗難証明書があれば携行品損害の請求ができる
海外旅行保険の備えについてはヨーロッパ向け保険まとめ、他の手口はローマの都市ページとイタリアの国ページから確認してください。
よくある質問
ローマで警察官を名乗る人にカードを見せてと言われたら?
外務省は「警察官がクレジットカードの提示を求めることはありません」と明言しています。制服を着た警官風の人物が「検査」と称して財布やカードを出させ、高額紙幣を抜いたり、検査機を装った機械に暗証番号を入力させて情報を抜く手口です。本物の警察官でも、カードの提示や暗証番号入力を求めることはありません。拒否して警察(112)に通報してください。
テルミニ駅で「助けが必要ですか」と声をかけてくる人は?
駅のガイドを装った詐欺師です。2026年1-3月の大使館レポートに具体事例が載っていて、「列車が発車する」「ストライキで今日この後使えなくなる」と急かされ、案内料として同行者分含め60ユーロを支払わされています。本物の駅員は自分から声をかけて案内料を取ったりしません。声をかけてきた時点で無視してください。
ぼったくりバーで高額請求されたらどうする?
外務省は「請求額に納得できない場合、クレジットカード等で支払いを行う前に、現場から警察(112番)に通報して介入を求める」と書いています。払ってしまった後だと取り戻すのは難しいので、払う前に動くのが鉄則です。テルミニ駅・レプッブリカ駅・ヴェネト通り付近で見知らぬ男に親しげに誘われたバーは特に警戒してください。
ミサンガを手首に巻かれたら払わなきゃダメ?
払う義務はありません。スペイン広場・コルソ通り・トレビの泉・コロッセオ・ナヴォナ広場付近で多発している押し売り手口で、外務省は「法外な代金を脅迫まがいに請求」「複数の売り子に取り囲まれ、財布を取り出したところ財布ごと強奪される」と注意喚起しています。手首を出さない、絡まれたら財布を出さずその場を離れるのが鉄則です。
ポポロ広場でコスプレの人に写真を撮られた後に金を要求されたら?
2025年10-12月の大使館レポートに具体事例があります。ポポロ広場からピンチョの丘へ上がる道中で、赤い騎士のコスプレをした複数人の男性に通り道を塞がれ、強引に写真撮影を開始された後、財布を出したところ中身全部を強奪されています。コスプレ姿の相手に囲まれたら、財布を絶対に出さず、その場を離れて警察に通報してください。