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ヴィリニュスの薬物 電子タバコリキッドと食品偽装型【2026】

ヴィリニュスの薬物トラブルの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

リトアニアで2025年から急速に問題化しているのが、電子タバコリキッド食品偽装の形で密売される違法薬物。在リトアニア日本国大使館の四半期報告では薬物犯罪が前年同期比+13.9%増となっていて、ナイトクラブ・路上・オンラインで取引が広がっています。日本人観光客が「もらった」「吸ってみただけ」で所持として逮捕される入口になりかねないので、リトアニアでは見知らぬ相手から渡されるものを絶対に受け取らないことが法的リスク回避の基本動作です。

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電子タバコリキッド型違法薬物 --- 「これ吸ってみて」が一番危ない

リトアニアの薬物事情で特殊なのが、薬物を電子タバコ用のリキッド(vape juice)に希釈して密売する手口。外務省の安全対策基礎データに明記されています。

ナイトクラブなどの夜の飲食店で、薬物(覚醒剤、麻薬、違法ドラッグ)の取引が行われています(薬物を希釈し電子タバコ用のリキッドとして取引するケースが特に多い)。

四半期報告はもっと具体的に書いています。

薬物事案については、大麻、覚醒剤、向精神薬、違法ドラッグ等の薬物は、ナイトクラブなどの夜の飲食店や路上等で取引が行われる傾向にあります。その他、オンライン上での取引も盛んに行われており、薬物を希釈し電子たばこ用のリキッドとして密売する手口や食品に偽装した薬物の流通が目立っております。

電子タバコと並んで深夜のクラブで遭うのがヴィリニュスの昏睡強盗・睡眠薬入り飲み物対策で取り上げた飲み物への睡眠薬混入。

ヴィリニュス旧市街のクラブやバーで、現地の人と打ち解けて「吸ってみる?」と電子タバコを渡されるパターン。普通のフレーバーリキッドだと思って吸ったら、実は違法薬物が混ざっていた――という展開です。

決定的なリスクは、「中身を確認できない」状態で違法薬物を体に入れることになること。所持・使用が判明すれば刑事責任が問われますし、使用後の体調不良・パニック発作で病院に搬送されたら、血液検査で薬物反応が出た時点で逮捕です。

食品偽装の薬物 --- グミ・チョコ・クッキーに注意

電子タバコと並んで増えているのが、食品の形に偽装された違法薬物。

食品に偽装した薬物の流通が目立っております。

グミ・チョコレート・クッキー・キャンディなどの形に成形された違法薬物が出回っていて、見た目だけで判別するのは困難。ヴィリニュス旧市街のクラブや路上で「お土産にどうぞ」「これ食べてみて」と渡されても、絶対に受け取らない・食べない。これは「もらわない・食べない」を徹底するしかありません。

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「取得」「所持」だけで厳罰 --- 「知らなかった」は通用しない

リトアニアの法律は厳格で、外務省も明確に書いています。

麻薬の製造、使用、取得、所持、携行、運送および普及は禁止されており、違反者は厳罰に処せられます。

注目すべきは「取得」と「所持」が処罰対象に含まれている点。つまり、

  • 知らない相手からもらった瞬間 → 取得=違法
  • ポケットに入れている瞬間 → 所持=違法
  • ホテルから空港へ移動している瞬間 → 携行=違法

「もらっただけ」「吸ってみただけ」「自分のものじゃない」という弁明は通用しません。

日本人がリトアニアで薬物事犯として検挙された場合、リトアニア国内で起訴・実刑を受けるだけでなく、日本の刑法でも処罰される可能性があります(大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法は属人主義適用部分あり)。人生が大きく変わるリスクです。

SNS・オンライン取引の罠

四半期報告は、対面取引だけでなくオンラインでの取引拡大も指摘しています。

その他、オンライン上での取引も盛んに行われており、…

旅行先でTinder、Instagram、Telegramなどで知り合った相手から「面白いものがある」と誘われるパターン。SNS DMでの取引はトレースが困難で、警察が摘発する材料も多いため、巻き込まれた瞬間に証拠が残りやすい。

不用意に見知らぬ人と親しくなる、連絡先を交換する、怪しいサイト(SNS)を閲覧・利用しないなどして、不測の事態に巻き込まれないなように注意してください。

ヴィリニュス滞在中のSNSでの新しい出会い・連絡先交換は避ける。「今夜どう?」と誘われて行ったクラブで薬物を勧められる、という流れも実例がある手口です。

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「荷物を預かって」の運搬役にされる罠

世界共通の手口だけど、リトアニアでも要注意なのが「荷物を預かって」「これ運んでくれたらお小遣い」型。空港やバスターミナルで「ちょっと荷物見ててくれる?」と頼まれて、知らないうちに薬物を運搬する役にされるパターン。応じれば自分が密輸犯として逮捕されます。

ヴィリニュス空港の出国エリアやバスターミナルで、見知らぬ相手から荷物を預けられそうになったら、100%断る。中身を確認させてもらっても、判別できない違法薬物が混入されている場合があるため、預かること自体を拒否するのが正解。

大麻も合法ではない

ヨーロッパでは一部の国で大麻が合法化されていますが、リトアニアは違法です。手引きと外務省の安全対策基礎データに「大麻、覚醒剤、向精神薬、違法ドラッグ」がすべて並列で禁止対象として書かれています。

オランダやドイツで大麻製品(CBD含む)を購入してそのままリトアニアに入国するのもリスク。THCが微量でも検出されれば、リトアニアの法律下では違法薬物の所持です。

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手口早見表

手口入口対処
電子タバコの「すすめ」ナイトクラブ・バー・路上受け取らない、吸わない
食品偽装薬物クラブ・路上・SNS取引知らない相手の食品は受け取らない
ナイトクラブの薬物取引旧市街クラブ・パブ「いい店ある」の誘いに乗らない
SNS DMでの誘いTinder・Instagram・Telegram個人情報交換しない、密室で会わない
荷物の預かり依頼空港・バスターミナル100%断る、中身確認も不要
大麻製品の越境持ち込みオランダ・ドイツ→リトアニアTHC検出で違法、CBD製品も注意

巻き込まれたらどうする

  1. 即座に警察112に通報して、自分は被害者であることを明確に主張。「もらったが吸っていない」「中身を知らなかった」を最初の段階で記録に残してもらう
  2. 絶対に容認しない・所持を続けない。受け取った時点で速やかに警察に渡すか、その場を離れて廃棄
  3. 在リトアニア日本国大使館(+370-5-231-0462)に必ず連絡。弁護士手配は大使館経由で
  4. 取り調べでは通訳を要求。リトアニア語・ロシア語ではなく英語または日本語通訳を求める
  5. 日本国内法での処罰可能性も意識。リトアニアでの処分結果に関わらず、帰国後の捜査対象になる場合がある

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出発前にやっておくこと

  • 見知らぬ相手から渡される電子タバコ・食品・飲み物は絶対受け取らない:取得=違法
  • ナイトクラブで現地の人と打ち解けすぎない:薬物の入口になるパターン
  • SNS DMでの「面白いものある」の誘いに乗らない:トレースが残る
  • 空港・バスターミナルで他人の荷物を預からない:密輸犯として逮捕されるリスク
  • オランダ・ドイツのCBD製品もリトアニアに持ち込まない:THC微量でも違法
  • 海外旅行保険に加入+証券原本を携行:リトアニアは入国時義務、詳しくはヨーロッパの海外旅行保険

よくある質問

リトアニアの薬物犯罪はどれくらい多い?

2025年の薬物犯罪は4,747件で前年比+5%増。2026年第1四半期速報ではさらに前年同期比+13.9%増と加速しています(在リトアニア大使館「安全の手引き」「四半期報告」)。当局による取り締まりも強化されている状況です。

電子タバコをすすめられたら吸ってもいい?

絶対吸わないでください。リトアニアでは「薬物を希釈し電子タバコ用のリキッドとして取引するケース」が特に多く、知らないうちに違法薬物を吸引することになります。所持しているだけで厳罰の対象です(外務省 安全対策基礎データ)。

「もらっただけ」で罪になる?

なります。外務省は「麻薬の製造、使用、取得、所持、携行、運送および普及は禁止されており、違反者は厳罰に処せられる」と明記。「取得」「所持」が罪に含まれているため、もらった瞬間・受け取った瞬間に違法行為が成立します。

食品偽装の薬物とは?

大使館四半期報告は「食品に偽装した薬物の流通が目立っている」と指摘。グミ・チョコレート・クッキーなどの形に偽装された違法薬物が出回っているため、ヴィリニュスのクラブや路上で見知らぬ相手から食品を渡されても受け取らないこと。

薬物事件に巻き込まれてしまったら?

即座に警察112に通報し、自分は被害者であることを明確に主張。日本の刑事訴訟法では海外での日本人の薬物事犯も処罰対象になる可能性があるため、在リトアニア日本国大使館(+370-5-231-0462)に必ず連絡し領事サポートを受けてください。弁護士手配も大使館経由で。

出典

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