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メキシコシティのスリ ケチャップスリと地下鉄ドア強奪【2026】

メキシコシティのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.23 KAIGAI-RISK

メキシコシティの「スリ・置き引き」は他の中南米都市と比べても手口が多様で、ケチャップ詐欺・地下鉄ドア瞬間ひったくり・首絞め強盗・レストラン置引きが一次ソースに事例として残っています。2025年の邦人被害45件のうち窃盗系(車上ねらい・置引き・すり)は18件で全体の40%を占めます(C1-embassy-damage-2025-overview)。

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ケチャップ詐欺(メキシコシティ独自)

メキシコ大使館「安全の手引き」(2026年1月改訂)から。

事例:徒歩で帰宅中、頭上から白い液体がかかり、後ろから来た女性が鳥の糞だといってティッシュペーパーで拭き取るのを手伝ってくれていたところ、すぐに別の男性2名が近寄ってきて拭き取りを手伝ってくれたが、その間にショルダーバッグのファスナーが開けられ財布が抜き取られていた。

対策:いわゆるケチャップスリと呼ばれるスリ行為で、善意の第三者を装い、汚れを拭き取る手伝いをしつつ、所持しているバッグ等から金品を抜き取る手口で、いずれも比較的安全と言われている地域で発生しています。衣服や体に汚れが付いた場合、混乱しがちですが、近寄ってくる人には丁寧にお礼をいってその場から離れることが大切です。

そして大使館被害概況の2025年版にはこう追加されています。

特徴的な手口は、人が多い大通りにおいて、見知らぬ人物から「服にケチャップがついている」等と声を掛けられて、気を取られているうちに貴重品を盗られるいわゆるケチャップ詐欺の発生が未遂ではあるが見られた。

「比較的安全と言われている地域」で発生する、というのが要注意ポイント。ソカロ・国立芸術宮殿前・パセオ・デ・ラ・レフォルマ等のメインストリートでも油断できません。

ケチャップ詐欺の対処パターン

汚れに気づいた瞬間に「近寄ってくる人がいる前提」で動きます。

  1. その場で拭き取らず、店舗・ホテルに退避してから対応
  2. 近寄ってくる人には丁寧にお礼を言い、即離脱
  3. バッグは体の前で両手で押さえる
  4. 同行者がいれば1人が周囲を警戒、もう1人が拭き取り
  5. 写真や動画で犯人を撮ろうとしない(刺激しない)

地下鉄でのひったくり(Bellas Artes駅2025年事案)

2025年7月31日、メキシコ市クアウテモック区 Bellas Artes駅において、ドアが開いたと同時に持っていたトートバッグ(パソコン等在中)を何者かにひったくられた。

Bellas Artes駅は国立芸術宮殿の最寄駅で、観光客が必ず降りる駅。ドアが開いた瞬間にホームから腕を伸ばしてトートバッグをつかんで逃走する手口です。

地下鉄での対策

  • ドア付近には立たない、車両中央へ
  • ノートPC・カメラ・大型スマホは手持ちしない、体の前のリュック内かボディバッグ
  • ラッシュ時・夜間は避ける、ラッシュ時のスリは多い
  • 女性専用車両(青色マーカー)を活用(前方車両に設定)

A2-safetyから地下鉄全般のリスク。

スリが多発していることから利用時は十分に注意する。ラッシュ時や夜間の利用は避ける。

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首絞め強盗(背後からの不意打ち)

スリではなく強盗ですが、財布抜き取りの手口として一次情報に書かれているので扱います。

事例:比較的安全と言われている地域を歩行中、背後から衝撃を感じると同時に意識を失い、数分後に気が付くと財布や携帯電話がなくなっていた。

対策:いわゆる首絞め強盗と言われる犯罪で、背後から被害者に近づき、首を絞めたりスタンガンを使用したりして気を失わせ、その隙に金品を奪う犯罪です。

メインストリートでも夜間・人通りが少ない瞬間は背後を警戒。背後の足音に意識を向ける、夜間は明るい大通りを歩く、後ろから人が近づいたら振り返って距離を取るのが対策です。意識を失わされる系の被害は昏睡強盗・短時間誘拐にもまとまっています。

置引き(レストラン・ビーチ・空港)

メキシコ全土で共通する置引きパターン。

事例:レストランで食事中、カバンかけに荷物を掛けていたところ、気が付いたら無くなっていた。

対策:このような事案は、レストランに限らず、空港や海水浴場等あらゆる場所で発生しています。例え短時間でも荷物から離れず持ち歩き、所持品は目の前に置く、両足の間に挟む、バッグの紐を腕に通しておくなど、常に視界に入れておくことが大切です。

置引きの基本対策

  • 椅子の背もたれにバッグを掛けない、椅子の足元にも置かない
  • 足の間に挟む、または椅子の脚にストラップを絡ませる
  • 空港のチェックイン待ちは荷物に手を添える
  • レストランのトイレにも貴重品を持って行く
  • ビーチでは貴重品をホテル金庫、海に入る時は持参しない

カンクンバスターミナルでの旅券・財布抜き取り

メキシコシティではないが同国内の代表事例として。

2025年2月22日、混雑したカンクンのバスターミナルにおいて、肩に掛けた鞄から財布、携帯電話機、旅券が抜き取られた。現金500ドルとクレジットカードが使用された。

ADOバスターミナルは観光動線そのもの。鞄は体の前で両手で抑える、現金は分散、パスポートはホテル金庫が基本対応。詳細はカンクンの治安に書いた都市別の動き方も参照。

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車上ねらい(駐車場全般)

レンタカー利用時のリスク。2025年の邦人被害9件中6件がグアナファト州ですが、メキシコシティでも発生。

事例:コンビニエンスストアの駐車場に車を止め、買い物をして数分後に戻ると、窓ガラスが割られ、カバンが盗まれていた。

対策:車上荒らしの手口は、窓ガラスや鍵穴を破壊するものや、窓ガラス自体を巧みに外すという方法で数秒から数十秒で行われ、ショッピングセンターやレストランの駐車場等、警備員や防犯カメラがある場所でも関係なく発生しています。最も有効な防止策は、たとえ短時間であっても車内に荷物を残さないことです。

「警備員や防犯カメラがある場所でも関係なく発生」は重要なポイント。車内に荷物を絶対に残さないが唯一の確実な対策です。

体験談

TESTIMONY · 旅行者A
メキシコ市内を徒歩で帰宅中、頭上から白い液体がかかった。後ろから来た女性が「鳥の糞よ」とティッシュで拭き取るのを手伝ってくれて、続いて男性2名が来て拭き取りを手伝ってくれていた。その間にショルダーバッグのファスナーが開けられ、財布が抜き取られていた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在メキシコ日本国大使館「安全の手引き」

TESTIMONY · 旅行者B
メキシコ市Bellas Artes駅で地下鉄に乗ろうとした瞬間、ドアが開くと同時にホームから腕が伸びてきて、持っていたトートバッグをひったくられた。中にはノートパソコンも入っていた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在メキシコ日本国大使館「2025年邦人被害概況」

TESTIMONY · 旅行者C
カンクンの混雑したバスターミナルで、肩に掛けた鞄から財布・携帯電話・パスポートを抜き取られた。気づいた時には現金500ドルとクレジットカードが使われていた。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在メキシコ日本国大使館「2025年邦人被害概況」

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手口早見表

手口発生場所対策
ケチャップ詐欺ソカロ・大通り・観光地汚れたら店舗に退避、近寄る人にお礼を言って離脱
地下鉄ドア瞬間ひったくりBellas Artes駅等ドア付近に立たない、PCは手持ちしない
首絞め強盗観光地メインストリート背後を警戒、夜間は大通り
レストラン置引きレストラン全般椅子に掛けない、足の間に挟む
バスターミナルスリカンクンADO等鞄は体の前、現金分散、旅券はホテル金庫
車上ねらい駐車場全般車内に荷物を残さない(警備有無問わず)

予防策(出発前・現地)

出発前

  • ボディバッグかフロントポーチを準備(首掛けパスポートポーチも有効)
  • ダミーの財布(捨て財布)を用意(大使館推奨、強盗対策)
  • 海外旅行保険の携行品損害特約に加入(中南米の保険ガイド
  • パスポートはスマホ撮影+クラウド保存、原本はホテル金庫
  • クレジットカードの1日引き出し限度額を低めに設定(短時間誘拐対策)

現地

  • バッグは常に体の前、両手で押さえる
  • ノートPC・大型カメラは地下鉄・公共バスで手持ちしない
  • レストランは椅子の背もたれや床のフック禁止
  • 駐車時は車内に何も残さない
  • ATMは屋内・銀行支店内で、夜間は避ける

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被害に遭った場合の対応

  1. 身の安全を最優先。スリは追いかけない、強盗は抵抗しない
  2. クレジットカード即停止(24時間サービスデスク)
  3. 現地警察(911)に通報、被害届(denuncia)を取得 — 保険請求に必須
  4. 在メキシコ日本国大使館へ連絡(+52-55-5211-0028、閉庁時も警備員転送)。日本語対応あり
  5. 保険会社アシスタンスに電話、必要書類を確認
  6. パスポート紛失の場合は大使館で再発行手続き(写真・身分証コピー必要)

被害に遭ったら、現地警察の被害届(denuncia)が保険請求の必須書類です。書類なしでは保険金が出ないため、面倒でも必ず警察署で手続きを。

よくある質問

ケチャップ詐欺ってどういう手口?

大使館「安全の手引き」によると「徒歩で帰宅中、頭上から白い液体がかかり、後ろから来た女性が鳥の糞だといってティッシュペーパーで拭き取るのを手伝ってくれていたところ、すぐに別の男性2名が近寄ってきて拭き取りを手伝ってくれたが、その間にショルダーバッグのファスナーが開けられ財布が抜き取られていた」というパターン。「衣服や体に汚れが付いた場合、混乱しがちですが、近寄ってくる人には丁寧にお礼をいってその場から離れる」のが正解です。

メキシコ市の地下鉄は使ってもいい?

使えますが、2025年7月31日にBellas Artes駅で「ドアが開いたと同時に持っていたトートバッグ(パソコン等在中)を何者かにひったくられた」事案が発生しています。ノートPC・カメラ・スマホは手で持たない・体の前にかけて両手で抑える、ドア付近に立たない、ラッシュ時・夜間は避ける、が対策です。

カンクンのバスターミナルは安全?

2025年2月22日に「混雑したカンクンのバスターミナルにおいて、肩に掛けた鞄から財布、携帯電話機、旅券が抜き取られた。現金500ドルとクレジットカードが使用された」事案あり。鞄は体の前で両手で抑える、現金とカードは別の場所、パスポートはホテル金庫が基本です。

レストランで荷物を盗まれないためには?

大使館「手引き」は「例え短時間でも荷物から離れず持ち歩き、所持品は目の前に置く、両足の間に挟む、バッグの紐を腕に通しておくなど、常に視界に入れておくことが大切です」と明記。椅子の背もたれや床のフックは絶対に使わない、足の間に挟むのが鉄則です。

出典

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