カナダの医療には2つの罠があります。1つ目は医療費の高さ。入院すれば数百万円、チャーター機搬送なら3,890万円。2つ目は待ち時間の長さ。ERでも半日待ちが普通で、すぐ診てもらえない。この2つが重なると、「高い金を払っているのにすぐ診てもらえない」という最悪の体験になります。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
カナダの医療制度 — 旅行者は対象外
カナダは国民皆保険の国で、カナダ国民は原則無料で医療を受けられます。しかし旅行者は対象外。外務省「世界の医療事情」はこう書いています。
カナダの医療は国民皆保険制度を採用しており、原則として患者の自己負担はなく、全てを公的に負担しています。移民、留学生(ワーキングホリデイ含む)等の加入条件は州によって異なり、加入までの間や加入できない場合の医療費は有料になります。
旅行者は全額自己負担。しかも歯科、処方薬剤(入院中は無料)、リハビリは国民でも自己負担です。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
ER待ち半日 — すぐには診てもらえない
カナダの医療事情で最大の問題点は、医療機関へのアクセスの悪さと待ち時間の長さにあります。
外務省が「最大の問題点」と書くレベル。具体的には:
- 家庭医: 実数が少なく予約制。新規患者を受け付けていない場合も多い。予約が1〜2週間先
- 専門医: 家庭医の紹介なしでは受診不可。数週〜数か月待ち
- ウォークインクリニック: ショッピングモール等にある簡易診療施設。数時間待ちが平均
- ER(救急外来): トリアージで振り分け。緊急性がないと判断されれば半日以上待ち
つまり旅行中にケガや病気になっても、よほどの重症でない限りすぐには診てもらえない。民間クリニック(プライベートクリニック)なら待ち時間は短いですが、料金はさらに高額になります。
高額医療費の実態
ソニー損保とSBI損保のカナダ事例を見ると、医療費の桁がよく分かります。
海外で実際に支払われた医療費の事例
出典:ソニー損保/SBI損保のカナダ事例より
- 3,890万円
脳炎で入院、チャーター機搬送
19日間入院/チャーター機搬送
- 1,156万円
スノーボードで衝突、頚椎脱臼骨折
20日間入院
- 1,105万円
オーロラ鑑賞ツアーで凍傷
7日間入院
- 1,091万円
交通事故で肺挫傷
7日間入院
- 827万円
落馬で寛骨臼骨折
13日間入院
- 858万円
横断歩道で車にはねられ骨盤骨折
11日間入院
- 594万円
空港トイレで転倒、大腿骨頸部骨折
バンクーバー空港/8日間入院
- 571万円
肺炎で入院
8〜10日間入院(316〜571万円)
- 303万円
急性虫垂炎で手術
3日間入院
虫垂炎(盲腸)の手術で303万円、空港のトイレで転んで594万円。3日入院で300万円台がカナダの相場です。アメリカ本土ではさらに高額で、AIG損保の脊髄損傷事例は1億670万円に達しています。
損保ジャパンの事例では脳溢血でケベック州からアラスカ経由で成田までチャーター機搬送、US$77,694(約1,200万円)の支払いも記録されています。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:ソニー損保 カナダ旅行中の事故と保険金支払い事例)
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
カナダ固有の健康リスク
外務省「世界の医療事情」が注意喚起している感染症・リスク:
- ツタウルシ(Poison Ivy): ハイキングや庭仕事で接触するとひどい皮膚炎。水で洗い流す
- 狂犬病: コウモリ・アライグマ・スカンクから感染の可能性。発症後の死亡率100%
- ウエストナイル熱: 蚊が媒介。治療法なし、ワクチンなし。虫除け対策が予防
- ライム病: マダニが媒介。野山でのダニ対策が必要
そしてカナダならではのリスクが凍傷。SBI損保の事例でオーロラ鑑賞ツアー中の凍傷が1,105万円。冬のカナダは防寒具なしでの屋外滞在が命に関わります。
ナイアガラとアウトドアの事故リスク
外務省はナイアガラ観光の危険性も指摘しています。
ナイアガラ流域観光における一種のアドベンチャー・クルーズは危険性が高い(激しい横揺れ、上下動等のための打撲傷により入院した例もある)
湖でのカヌー転覆による死亡例、カナディアン・ロッキーでの遭難・野生動物の攻撃など、アウトドア事故の対策も必要です。
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
予防策
- 海外旅行保険は治療費無制限プランを: クレカ付帯の200〜300万円では虫垂炎1回で使い切る。選び方のポイントは北米の旅行保険で整理している
- 冬季は防寒具を徹底: 帽子・耳当て・手袋・防寒コートは必須装備。車内にも毛布を常備
- 虫除け対策: 夏のハイキングではDEET30〜50%の忌避剤を塗布
- ウォークインクリニックの場所を事前に確認: ERは半日待ちなので、軽症ならまずクリニックへ
- 処方薬は十分な量を持参: カナダで薬を処方してもらうには家庭医の受診が必要で時間がかかる
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
受診が必要になったら
- 軽症: ウォークインクリニックへ(数時間待ちを覚悟)
- 重症・緊急: 911で救急車を呼ぶ → ER搬送
- 保険会社のヘルプラインに連絡(キャッシュレス対応の有無を確認)
- 在トロント総領事館に連絡 ((1-416) 363-7038)
保険選びのポイントは北米の旅行保険で整理しています。
よくある質問
カナダの病院って旅行者でも無料で診てもらえるの?
いいえ。カナダは国民皆保険ですが旅行者は対象外です。外務省は「移民、留学生等の加入条件は州によって異なり、加入までの間や加入できない場合の医療費は有料になります」と書いています。歯科、処方薬剤、リハビリも全額自己負担。旅行者はそもそも公的保険に入れないので、全額自己負担です。
カナダのERの待ち時間はどれくらい?
外務省は「軽症疾患で受診した場合は待ち時間が半日以上になることもまれではありません」と書いています。患者はトリアージで振り分けられ、命に関わる緊急疾患以外は後回しにされます。ウォークインクリニックも数時間待ちが平均。すぐ診てもらえる前提で行くと詰みます。
クレカの海外旅行保険だけでカナダは大丈夫?
足りません。カナダの医療費は虫垂炎の手術で303万円、スノーボード事故で1,156万円、脳炎の入院+チャーター機搬送で3,890万円という実例があります。クレカ付帯保険の疾病治療上限は多くて200〜300万円。治療費無制限プランの検討をおすすめします。
オーロラ鑑賞で凍傷になるって本当?
SBI損保の事例に「オーロラ鑑賞ツアー休憩中に外出し倒れ緊急搬送。凍傷と診断され7日間入院。看護師が付き添い医療搬送」で1,105万円の支払いがあります。カナダ北部の冬はマイナス30度を下回ることもあり、適切な防寒具なしでの長時間屋外滞在は命に関わります。