ビエンチャンで近年一番目立つ日本人被害が、メコン川沿いナイトマーケット周辺の睡眠薬強盗と夜間の拳銃強盗。2022年以降、同じ手口で日本人旅行者が連続して被害に遭っていて、大使館が複数回注意喚起を出しています。のんびりした首都の顔とは別に、夜の路上では武装した強盗が現実に動いてる、というのは知っておかないと危ないです。
Travel Alert 01
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1. 自称オーストラリア銀行員による睡眠薬強盗
手口の核(2022年以降連続発生)
在ラオス日本国大使館の注意喚起から。
8月15日20時頃、首都ビエンチャンのメコン川沿いのナイトマーケット近くの路上において、日本人男性が歩いていたところ、見知らぬ男性から後ろから英語で声をかけられ、一緒にビールを飲んだ。他の場所に移動しようと誘われ、二人で缶ビールを飲みながら歩いていたところ、「お互いのビールを交換して飲むのがラオスの文化だ。」と言われ、交換してビールを飲んだ。しばらくすると意識が定かでなくなり、気がつくと鞄の中に入れていた現金約10万円を盗まれていた。
「ビール交換がラオスの文化」は完全なデタラメです。これは手口の核で、事前に睡眠薬を混入した缶と未開封の缶を持ち、被害者の缶と交換する形で薬を飲ませる。
容疑者の共通特徴
容疑者の特徴:自称37歳のオーストラリア在住の銀行員、身長約180cm、中肉、坊主頭、黒人男性
別の大使館注意喚起にはこう書かれてます。
2022年以降、首都ビエンチャンのメコン川沿いにあるナイトマーケット付近で日本人旅行者がオーストラリア在住の銀行員を名乗る者から親しげに声をかけられ、仲良くなって一緒にビールなどを飲んだ後、いつの間にか所持金が盗まれていたという被害が複数発生しています。
2022年以降複数発生、同一容疑者像。つまり同じ人物(またはグループ)が継続的に犯行を続けている可能性が高い。
大使館の直接的な警告
見知らぬ人物から飲食を勧められても口にしない(睡眠薬が混入されている可能性があります)。たとえ飲み物を交換することが文化や慣習であると言われたとしても未開栓であることが確認できない飲み物は口にしない。
シンプルで強い警告。「未開栓確認できないものは口にしない」を徹底するだけで、この手口はほぼ防げます。同じ「ビール交換」「未開栓の缶を渡す」系の手口はバンコクの睡眠薬強盗やプノンペンの睡眠薬強盗にも共通してます。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ラオス日本国大使館 注意喚起「睡眠薬強盗被害」)
Travel Alert 02
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2. 「ジミー」を名乗る男の酔わせて窃盗(オントゥー寺交差点)
2021年9月、少し手口が違うが同じ系譜の事件が記録されてます。
9月12日19時頃、首都ビエンチャン・チャンタブリー郡のオントゥー寺角の交差点において、容疑者は歩行中の被害者にしつこく声を掛け、食事に誘って酒を勧めた上、酔った被害者のバッグ内から財布等の貴重品を盗み逃走。 容疑者の特徴:年齢50代〜60代くらいの浅黒い肌の外国人の男、身長約170cm、小太り、髪は薄くピンク色に染めている、流暢な英語と片言の日本語を話す、自称「ジミー」
睡眠薬を使ったかは明示されてませんが、「声かけ→食事・酒→酔わせて盗む」というビエンチャンの定番シナリオです。「ジミー」は流暢な英語と片言日本語というキャラクター像が特徴。今も活動しているかは不明ですが、日本人を日本語で気軽に呼び止めてくる外国人には警戒を。
3. 夜間の拳銃・刃物強盗
ビエンチャン市内では、睡眠薬を使わない直接的な武装強盗も並行して発生しています。大使館注意喚起の書き出し。
●最近、首都ビエンチャン市内において、夜間、拳銃・刃物を使用した強盗事件が発生しており、複数の日本人が被害に遭っています。 ●犯行の背景は不明ですが、日本人を含む外国人をターゲットとしている可能性があります。 ●ラオスでは、銃器が規制されているものの、近隣諸国からの密輸入によって、相当数の銃器が水面下で流通していることがうかがえます。
具体事例は安全の手引きから。
夜間、日本人男性が首都ビエンチャン市内のナイトマーケット周辺を一人で歩いていたところ、2人乗りのバイクに乗った者から拳銃を突きつけられ、さらにその他複数の者に囲まれ、斧を振りかざされるなど脅され、所持品を全て強奪されました。
拳銃+複数人+斧。抵抗の選択肢はありません。所持品は諦めて、命を最優先で対応するのが唯一の正解です。
2023年の銃撃事件(報道ベース)
大使館が報道を引用して注意喚起を出してます。
報道によると、8月29日夕方5時頃、首都ビエンチャン・サイセッター郡Nongnieng村において、薬物取引が原因と見られるトラブルで、車の中で男性が銃器により射殺される事件が発生しました。また、9月1日夜8時半頃、同じく首都ビエンチャンのチャンタブリー郡Sibounheuang村において、45歳の中国人男性が勤務先の中国工商銀行(ICBC)ビエンチャン支店からバイクで帰宅途中、首相府近くの信号で停止していたところ、銃器により背中を3発撃たれ重傷を負ったとのことです。
日本人が直接標的ではありませんが、首相府近くの信号停車中でも銃撃される環境、というのは頭に入れておきたい。巻き込まれる可能性はゼロではない。
Travel Alert 03
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4. 侵入盗(凶器所持)
住居への侵入盗についても大使館は警告してます。
侵入盗については、犯人が銃器やナイフ等の凶器を所持している場合もあり、凶悪犯罪に発展するおそれがあるので、十分な対策が必要です。日本人宅や日系事務所等の侵入盗被害も数件報告されており、これら犯罪の中には、警備員を雇用しているにもかかわらず被害に遭っているケースもあります。
長期滞在者向けの情報ですが、警備員がいても被害に遭うというのはラオス治安当局の捜査能力・抑止力の限界を示しています。
手口早見表
| 手口 | 場所 | 主な被害 | 時間帯 | 武装 |
|---|---|---|---|---|
| 自称オーストラリア銀行員の睡眠薬強盗 | メコン川沿いナイトマーケット | 現金10万円規模 | 夜20時台 | なし(薬物) |
| 「ジミー」の酒窃盗 | オントゥー寺交差点 | 財布・貴重品 | 夜19時以降 | なし |
| 拳銃・斧の路上強盗 | ナイトマーケット周辺 | 所持品全部 | 夜 | 拳銃+斧 |
| 銃撃事件(巻き添えリスク) | サイセッター郡/チャンタブリー郡 | 薬物・抗争絡み | 夕方〜夜 | 拳銃 |
| 侵入盗 | 住宅・事務所 | 家財・現金 | 不在時 | 銃器・ナイフ所持あり |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
予防策
- 夜のメコン川沿い・ナイトマーケット周辺の単独歩行を避ける、特に22時以降
- 知らない人からの飲食提供は全部断る。缶ビール・ペットボトル・水でも未開栓確認できないものは受け取らない
- 「ラオスの文化」「日本語話せるよ」と声をかけてくる外国人は警戒対象として接する
- 大金・パスポート・カード類はホテルに分散保管、持ち歩くのは当日使う分だけ
- 配車アプリ(LOCA)でホテル直行が夜の安全解。トゥクトゥクを夜に拾わない
- 万が一武装強盗に遭ったら即座に所持品を差し出す。抵抗しない
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
睡眠薬強盗の場合
- 意識が戻ったらすぐ医療機関へ(意識障害・記憶欠落は医師に正確に伝える)
- 保険会社のアシスタンスデスクに連絡(キャッシュレス対応病院の紹介)
- 警察(191)に被害届を出す(被害届番号は保険金請求に必要)
- 大使館領事班(021-414-400〜403、閉館時020-5551-4891)に連絡
- カード・キャッシュパスポート等は即座に停止
武装強盗の場合
- 命最優先・抵抗しない・所持品は全て差し出す
- 犯人が去ったら警察(191)に通報、救急(195)が必要なら併せて要請
- 大使館領事班の閉館時緊急電話(020-5551-4891)は24時間つながる
- 保険会社のアシスタンスデスクに連絡(搬送・治療の調整)
- 現場を離れる前に現場の様子・犯人の特徴を記録(後日の捜査・保険請求用)
ビエンチャンで他の手口も確認したい場合はスリ・ひったくり・詐欺・求人詐欺を。ラオス全体の医療・保険の話はラオスの治安トップに。
よくある質問
ビエンチャンで知らない人にビールをすすめられたらどうする?
2022年以降、メコン川沿いナイトマーケットで「ラオスの文化だ」と言ってビールを交換させ、睡眠薬を盛って金を盗む手口が連続発生しています。ラオスにそんな文化はありません。知らない人からの飲食提供は、未開栓の缶やペットボトルであっても断るのが基本です。
犯人はいつも同じ人物?
大使館注意喚起には「身長約180cm、中肉、坊主頭、黒人男性、自称37歳のオーストラリア在住銀行員」という共通特徴で記録されています。2022年から同様の被害が複数発生しているので、同一人物かグループの可能性が高いです。
拳銃強盗に遭ったら抵抗すべき?
絶対に抵抗してはいけません。大使館は「ラオスでは銃器が規制されているものの、近隣諸国からの密輸入によって、相当数の銃器が水面下で流通している」と明記しており、過去には抵抗した外国人被害者が拳銃で撃たれた事案もあります。所持品は諦めて命を優先してください。
睡眠薬を飲まされた疑いがあるときは?
意識障害・異常な眠気・記憶の欠落がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。ラオスの医療水準は東南アジア最低クラスで、重症時はタイへの医療搬送が必要になります。海外旅行保険のアシスタンスデスクに連絡して、キャッシュレス対応病院を紹介してもらうのが最短です。