ビエンチャンのスリ・ひったくりは、手段を選ばない・抵抗したら怪我するのが特徴。外務省の安全対策基礎データはこう書きます。
主な手口は、バイクに乗った犯人が追い抜きざまに、歩行中または自転車に乗っている被害者からバッグ等をひったくるというものですが、物を奪うために手段を選ばないのが特徴です。例えば、被害者ごとバックを強引に引きずったり、被害者が乗っている自転車をわざと倒すなどして、被害者が大けがを負うことがあります。また、バイクから降りてきて暴力を振るい強引に物を奪うこともあります。犯人は、拳銃やナイフ等で武装している可能性も高く、過去には、外国人の被害者が犯人に抵抗したところ、拳銃で撃たれた事案も発生しました。
ビエンチャン中心部を歩くなら、この1段落はそのまま覚えておきたいところです。ここではビエンチャンで日本人が実際に被害に遭った窃盗・ひったくり手口を、大使館の注意喚起から具体的に整理します。
Travel Alert 01
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1. バイクによるスマホひったくり(女性狙い)
噴水広場前通りの事例(2022年8月)
大使館の注意喚起から。
8月29日22時30分頃、首都ビエンチャン市内の噴水広場前通りにおいて、日本人女性が携帯電話で電話しながら歩いていたところ、後ろから来たバイクにすれ違いざまに携帯電話をひったくられたもの。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ラオス日本国大使館 注意喚起「日本人女性ひったくり被害」)
チャオアヌボンスタジアム付近の続報(路上引きずり)
5月3日22時30分頃、首都ビエンチャン市内チャオアヌボンスタジアム付近において、日本人女性が配車アプリ(LOCA)でタクシーを呼び、携帯電話で車両の位置情報を確認しながら路上でタクシーを待っていたところ、背後から接近してきたバイクに乗った犯人にショルダーバッグをひったくられ、そのまま引っ張り倒された後、路上に引きずられたもの。
配車アプリでタクシーを待つ間にスマホ画面を出している時間が、手口のトリガーになってます。配車アプリは便利ですが、待機する場所は屋内か人目の多い店先にするのが安全です。バイク2人組が引き倒してまでスマホを狙う手口はホーチミンのバイクひったくりでも同様です。
2. ミニバン車内窃盗(ビエンチャン⇔バンビエン)
ホテルや旅行代理店経由で申し込む乗合ミニバンの車内で、鍵をかけたリュックから現金(外貨)だけが抜かれる事案が継続発生。大使館の続報から手口の特徴を引用。
被害の特徴 ・旅行代理店や宿泊先ホテルを通じて申し込んだ首都ビエンチャン・バンビエン間の乗合いミニバン内で発生。 ・被害品は鍵をかけたリュックサックに入った現金(外貨)のみ。(ラオスキープは残されているため、すぐに被害に気づかない。) ・20分程度の長いトイレ休憩がある。 ・荷物を積んだミニバンが出発するまでしばらく時間がかかっている。
ポイントは「ラオスキープは残して外貨だけ抜く」。被害者がすぐ気づかないので、バンビエン到着後に現金を使おうとして初めて気づくパターンです。犯人が内部関係者か、荷物を一時的に預かる仕組みに仕込みがあるのは間違いなさそうですが、捜査状況は公表されてません。
Travel Alert 02
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3. 航空機内での窃盗
先般、成田空港からラオスワッタイ空港までの渡航中(ホーチミン経由)に、邦人旅行者が手荷物のカバンの中の封筒に入れていた現金の盗難事案が発生しました。他にも類似の事案が発生しています。機内では貴重品はご自身の身の回りにて保管し、頭上の収納棚に貴重品を入れることなく、肌身離さずご自身の見える範囲で保管する。
ビエンチャンに着く前から手口が始まってるパターン。頭上収納棚は安全地帯ではない、という前提で動くのが大事です。
4. オントゥー寺交差点の窃盗(ジミー事件)
2021年9月、チャンタブリー郡オントゥー寺角の交差点で、「ジミー」を名乗る男が日本人被害者にしつこく声をかけ、食事に誘って酒を勧め、酔った被害者のバッグから財布を盗んだ事件。
容疑者の特徴:年齢50代〜60代くらいの浅黒い肌の外国人の男、身長約170cm、小太り、髪は薄くピンク色に染めている、流暢な英語と片言の日本語を話す、自称「ジミー」
手口としてはひったくりというより「酔わせて抜く」タイプですが、日本語で声をかけてくる「ジミー」という固有のキャラクターが2021年時点で記録されているのは重要。今もこの容疑者が活動しているかは不明ですが、流暢な英語と片言日本語で気軽に声かけてくる外国人は同一人物の可能性を頭に入れておきたい。声かけ→食事→酒は、ビエンチャンでは睡眠薬強盗のパターンと繋がっています。
Travel Alert 03
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5. 置き引き・ホテル内犯行
外務省の安全対策基礎データ。
置き引き被害は、カフェ、レストランや公共施設等の不特定・多数の人の集まる場所で発生しています。また、長距離バス内でも被害が発生しています。
ホテル関連は特に要注意。
ホテル、ゲストハウスおよびサービスアパートメントでは、ルームキーパー等の従業員の内部犯行による居室内での盗難被害も発生しています。居室内であっても、貴重品を放置しないなどの注意が必要です。また、備え付け金庫も従業員がマスターキーを所持しているので、完全に安全とは言い切れません。
備え付け金庫が安全ではない、というのは現地在住者視点ではよく言われる話で、本当に大事なものはTSAロック付きのスーツケースか身につけて出る。
手口早見表
| 手口 | 発生場所 | 主な被害 | 危険時間帯 |
|---|---|---|---|
| バイクひったくり(女性・スマホ) | 噴水広場前通り/チャオアヌボンスタジアム付近 | スマホ・ショルダーバッグ、路上引きずりで怪我 | 夜(22時台) |
| ミニバン車内窃盗 | ビエンチャン⇔バンビエン乗合ミニバン | リュック内の外貨現金 | 移動中(休憩・出発前) |
| 航空機内窃盗 | 成田⇔ビエンチャン便(ホーチミン経由等) | 頭上収納棚内の現金 | 飛行中 |
| 声かけ→酒→窃盗(ジミー他) | オントゥー寺交差点他の市内 | 酔わされて財布 | 夜(19時以降) |
| 置き引き | カフェ・レストラン・長距離バス | バッグ・パスポート | 日中〜夜 |
| ホテル従業員の内部犯行 | ゲストハウス・ホテル居室内 | 備え付け金庫含む貴重品 | 不在時 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
予防策
- 夜間の単独歩行を避ける、特に22時以降の路上でスマホを出さない
- 配車アプリの待機は屋内にする、スマホの画面を路上で長く出さない
- バッグは車道と反対側の肩にかける、斜めがけにして片手で押さえる
- ミニバンでは外貨・パスポート・カードは身につけたウエストポーチに入れ、リュックに入れない
- 機内では貴重品を頭上収納棚に入れない、足元の座席下か肌身離さず
- ホテルでは備え付け金庫を過信しない、大金・大事な書類はTSAロック付きスーツケース
- 「英語で話しかけてくる気さくな外国人」の酒の誘いは断る(ジミー型対策)
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭ったら
- 抵抗しない。犯人が武装している可能性が高く、過去に抵抗した外国人が拳銃で撃たれた事案あり
- 警察に通報(191)。被害届を出す(保険金請求に必要)
- 在ラオス日本大使館領事班(021-414-400〜403、閉館時020-5551-4891)に連絡
- パスポートが盗まれた場合は大使館で帰国のための渡航書を発行してもらう
- カード・スマホは即座に停止(紛失・盗難の国際電話番号はスマホとは別のメモで携帯)
- 保険会社のアシスタンスデスクに連絡し、事故証明書の発行手順を確認
ビエンチャンの他の手口は睡眠薬強盗・詐欺・求人詐欺も合わせて確認を。ラオス全体の医療費・保険の話はラオスの治安トップにまとまってます。
よくある質問
ビエンチャンで一番危ないのはどのエリア?
大使館の注意喚起で日本人被害が名指しで出ているのはメコン川沿いナイトマーケット周辺、噴水広場前通り、チャオアヌボンスタジアム付近、チャンタブリー郡オントゥー寺交差点です。いずれも夜間(19〜22時台)の被害が多く、市内中心部で起きています。
LOCAで配車待ちの間にスマホを見てても大丈夫?
2023年5月3日22時30分頃、チャオアヌボンスタジアム付近でLOCAでタクシーを呼び、スマホで位置情報を確認しながら路上で待っていた日本人女性がショルダーバッグをひったくられ、路上に引きずられた事案が大使館注意喚起に記録されています。待つ場所は屋内か人目の多い店先にする、スマホはポケットに入れるなど、手口のトリガーを与えない工夫が必要です。
ビエンチャン〜バンビエンのミニバンでは何を気をつける?
鍵をかけたリュックの中の現金(外貨)だけが抜かれ、ラオスキープは残されるのが典型パターンです。20分程度の長いトイレ休憩や、荷物を積んだまま出発まで時間がかかる構造が手口の前提。貴重品は必ず手持ちのウエストポーチで身につけ、車内のリュックに入れないこと。
機内で貴重品はどこに置けば良い?
大使館は「頭上の収納棚に貴重品を入れない、肌身離さず見える範囲で保管」と明記しています。成田→ホーチミン経由→ビエンチャン便の機内で、収納棚のカバン内の封筒から現金が抜かれた事案が複数発生しています。