エジプトの2024年交通事故死者数は年間5,260人。日本の2,663人の約2倍。信号無視、逆走、夜間無灯火が日常的に起きる交通環境で、タクシーやトゥクトゥクを使えば強盗リスクまで加わる。大使館は2022年と2023年にタクシー強盗・トゥクトゥク暴行の邦人被害で計3件の注意喚起を出しています。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
「車の調子が悪い」で運転手が降りたら強盗が始まる
大使館の安全の手引きに載っているタクシー強盗の手口。流しのタクシーに乗ったあと、運転手が「車の調子が悪い」などと言って先に降車し、その隙に複数の男が乗り込んで貴重品を奪う、という流れです。
中東経由でカイロに来る人は、イスタンブールのメーター消し・配車アプリ追加請求とは別ベクトル(命の危険を伴う強盗)だという認識で。
運転手とグルの計画的犯行です。大使館の対策は明確で、「運転手に車両の機械的トラブルと告げられ一時降車を求められる場合は、運転手の降車を確認後に降車する」。つまり運転手より先に降りないこと。相乗りを求められたら拒否する、乗り込まれたら降車する。
流しのタクシーではなくUberやCareemを使えばリスクは下がりますが、大使館は「タクシー利用の注意に準ずる形で警戒を怠らない」とも書いています。
トゥクトゥクは「原則利用しない」乗り物
大使館が最も強い警告を出しているのがトゥクトゥク。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在エジプト日本国大使館「ひったくりやタクシー強盗にご注意ください」2023年12月24日)
別の注意喚起でも、トゥクトゥクに乗車したら人通りの少ない暗がりに連れ込まれ、若い男二人がかりでバッグを強奪された事例が報告されています。
車両登録・運転免許が未徹底で、10代前半の子どもが運転していることもある。車両は開放型で停車中に不審者が乗り込むのも簡単。大使館の結論は「原則として利用は控える」。観光気分で気軽に乗る乗り物ではありません。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
偽ライドシェアの高額請求詐欺
UberやCareemの車両を偽って客を乗車させ、降車時に高額な費用を請求する手口も報告されています。乗車時には自分が配車した車両かどうか、ナンバープレートをよく確認すること。老朽化した車両も多く、後部座席のシートベルトが機能しない車もあるので注意。
長距離バスは毎週大事故が報じられている
個人経営のマイクロバス(セルビス)による中長距離移動は大使館が明確に止めています。
ほぼ毎週、幹線道路を移動中のバス、マイクロバスの大事故が報道されている。考えられる原因は、無謀運転、速度超過、整備不良、過積載、運転手の長時間労働・薬物使用など
実績のあるバス会社を使うこと。夜間や降雨時の移動は事故が多いので極力避ける。ルクソール〜アスワン、アスワン〜アブシンベルなどの観光地間移動では外国人は事前の通行許可が必要なので、個人で動かず信頼できる旅行会社に手配を依頼してください。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
事故賠償は最大17万円 --- 自分の保険が命綱
ここがエジプトの怖いところ。
自動車の強制保険の対人賠償額は最大4万エジプト・ポンド(約17万円)。任意保険の加入率は非常に低い。判例によると、高額の対人賠償が認められた場合でも7千米ドル程度の模様
つまり交通事故で大怪我をしても、相手から出る賠償は17万円〜100万円程度。2019年のカイロ・ラムセス駅火災でも遺族への補償は1家族8万エジプト・ポンド(約48万円)だった。自分の海外旅行保険だけが頼りです。
手口早見表
| 手口 | 乗り物 | 特徴 |
|---|---|---|
| 「車の調子が悪い」降車→仲間が乗り込み強盗 | 流しのタクシー | 運転手とグルの計画犯 |
| 暗がりに連行して暴行・バッグ強奪 | トゥクトゥク | 顔面殴打の事例あり |
| トランクの荷物持ち逃げ | タクシー | 降車と同時に発進 |
| 偽Uber車両で高額請求 | 偽ライドシェア | ナンバー未確認が原因 |
| 毎週級の大事故 | マイクロバス | 速度超過・整備不良・薬物使用 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にやっておくこと
- 声をかけてきたタクシーには乗らない。Uber/Careem/inDriveを使い、乗車前にナンバー確認
- トゥクトゥクには乗らない。移動はライドシェア一択
- 後部座席に座る。貴重品はトランクに入れず手元に持つ
- 相乗りは拒否。途中で誰かが乗り込んできたら降車する
- 海外旅行保険に加入。エジプトの事故賠償は最大17万円、自分の保険がないと詰む
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭った場合
- 安全が確認されるまで車から降りない。人通りの多い場所まで移動してから降車
- 警察(122)に届出、観光地なら観光警察(126)にも連絡
- 交通事故の場合は相手の車両・運転手情報を記録し、ポリスレポートを必ず取得
- 大使館(02-2528-5910)に相談
エジプトの治安全般も確認しておこう。保険の備えはアフリカ旅行の保険ガイドへ。
よくある質問
カイロでタクシーを使うなら何が安全?
大使館はUber・Careem・inDriveなどのライドシェアを「運転手が登録されていることで一定の抑止効果がある」としています。ただし偽ライドシェアの詐欺もあるので、乗車前にナンバープレートを必ず確認してください。声をかけてきた流しのタクシーやトゥクトゥクは極力利用しないこと。
カイロでトゥクトゥクは安全?
大使館は「原則として利用は控える」と明記しています。車両登録・運転免許が未徹底で、10代前半の子どもが運転していることも珍しくありません。暗がりに連れ込まれて暴行される邦人被害が実際に発生しています。
エジプトで交通事故に遭ったらどうする?
まず安全が確認されるまで車から降りないこと。可能なら人通りの多い場所に移動してから降車を。相手の車両情報と運転手情報を記録し、警察に届出してポリスレポートを入手してください。自動車強制保険の対人賠償は最大約17万円しか出ないため、自分の海外旅行保険が命綱です。
カイロからルクソールへの長距離移動で注意することは?
外国人が観光地間を長距離移動する場合、事前に通行許可の取得が必要です。個人で移動せず信頼できる現地旅行会社に手配を依頼してください。個人経営のマイクロバス(セルビス)は大事故が毎週報道されているレベルなので避けること。夜間・降雨時の移動も事故が多く危険です。