エジプトの詐欺は「偽の権威」を使うのが特徴。偽警官が所持品検査で財布を抜き取る、偽ガイドが法外な料金を請求する、政府手続き関係者を装って金を騙し取る。大使館は「現在国内では偽警官の制服が出回っている」と書いており、制服を着ているだけでは信用できません。観光地ではバクシーシ(施し)を執拗に求められることも日常。断る技術が必要です。
Travel Alert 01
海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです
偽警官が「捜査」を装って財布とスマホを抜く
安全の手引きに載っている偽警官の手口は2パターン。
パターン1: 所持品検査型 --- 捜査と称して所持品検査を行い、現金や携帯電話を抜き取る。普通のパスポートチェックに見せかけて貴重品を盗むので、気づいたときには相手がいない。
パターン2: 飲酒取り締まり型 --- 路上での飲酒取り締まりを装って金品を没収する。仲間が先に酒を勧めてきて、飲んだところを「違反だ」と摘発する共謀型。エジプトでは観光ホテルやレストラン以外の屋外での飲酒は実際に避けるべきですが、これを悪用した詐欺です。
大使館の対策: 身分証明書の提示を求める。所持品を相手に近づけない。相手の車両のナンバーを控える。周囲の人に通訳の協力を求める。同じく権威を装う詐欺はイスタンブールのニセ警察官でも報告されている。
観光地の偽ガイドと法外なガイド代
外務省の安全対策基礎データに明記されている典型手口。
偽ツアーの催行、偽官憲による取締りを装った金品詐取、観光ガイドによる法外なガイド代等の請求
ピラミッド周辺やハーン・ハリーリ(カイロのバザール)で特に多い。「案内してやる」「良い店を知っている」と親しげに近づいてきて、最後に法外な金額を要求する。事前に金額交渉をしていないと断りにくくなります。
Travel Alert 02
海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?
寸借詐欺 --- 「夕食を一緒に」からの持ち逃げ
大使館の2022年11月注意喚起に邦人被害の実例。
※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在エジプト日本国大使館「ひったくりや寸借詐欺などにご注意下さい」2022年11月2日)
大使館の指示は明快です。「見知らぬ人物は安易に信用せず一定の警戒感をもって接し、金銭や貴重品は預けないこと。特に『都合の良い話』を提示してくる人物は悪意の意図を有している可能性が高い」。
もう一つの視点として大使館は「外国人である日本人に何か尋ねる、助けなどを求めてくるのは不自然と考える」と書いています。日本では普通の親切心でも、エジプトでは詐欺の入り口かもしれない。
ロマンス詐欺 --- 「ガザに派遣された日本人医師」を名乗る
安全の手引きのロマンス詐欺の被害例は具体的。
SNSを通じ、「国連よりガザに派遣されている日本人医師」「米国よりガザに派遣されている日系人兵士」等を名乗り接触を図り、恋愛感情を抱かせた上で渡航費用や医療費等の送金を要求
AIで生成した動画や画像、音声が使われるケースもあると大使館は警告しています。数週間から数か月のやり取りを経て信頼を得てから金銭を要求するので、長期間のやり取りだからといって安心できません。
エジプトでは「結婚」を合法的な先進国移住の手段として使う者もおり、SNSで知り合った人と結婚した後にトラブルになるケースが「しばしば見受けられる」と外務省は書いています。
Travel Alert 03
無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も
バクシーシ --- 断るなら「ラー」と明確に
バクシーシは「富める者が貧しい者に施しを与える」エジプトの習慣。チップとして当然の場面もありますが、観光客相手に対価なくバクシーシを求める人も多い。
渡す意思がないときは「ラー(NOの意味)」と言って、断る態度をはっきり表すことが重要です
曖昧な態度が一番危険で、付きまとわれます。ガイド代やチップは事前に金額を確認する。「撮影前に許可を求め、チップ金額は事前交渉」が鉄則です。
手口早見表
| 手口 | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 偽警官の所持品検査 | 市街地 | 「捜査だ」で現金・スマホ抜き取り |
| 飲酒取り締まり詐欺 | 路上 | 仲間が酒を勧め→偽警官が没収 |
| 偽ガイドの法外請求 | ピラミッド周辺・バザール | 案内後に想定外の金額要求 |
| 寸借詐欺 | 観光地 | 「夕食を一緒に」で前払い→持ち逃げ |
| ロマンス詐欺 | SNS | 数ヶ月信頼構築後に送金要求 |
| バクシーシ付きまとい | 観光地全般 | 曖昧な態度で執拗に要求 |
Travel Alert 04
知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?
出発前にやっておくこと
- 「ラー(NO)」を覚える。バクシーシもガイドの申し出も、断るならはっきり言う
- 路上で酒を飲まない。偽警官詐欺の入り口になる。飲酒はホテル・レストラン内だけ
- 「都合の良い話」は疑う。見知らぬ人に金を預けない、前払いしない
- ガイドの金額は事前交渉。写真撮影のチップも撮る前に確認する
Travel Alert 05
空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?
被害に遭った場合
- 不審な人物には明確に「NO」と伝え、その場を離れる
- 被害に遭ったら事件発生地の警察(122)に届出。観光地なら観光警察(126)
- 偽警官の場合は周囲の人に通訳の協力を求め、相手のナンバーを控える
- 大使館(02-2528-5910)に相談。助言が可能な場合がある
エジプトの治安全般も確認しておこう。保険の備えはアフリカ旅行の保険ガイドへ。
よくある質問
カイロで偽警官に遭遇したらどう見分ける?
大使館は「身分証明書の提示を求める」「所持品を相手に近づけない」「相手が車両利用の場合はナンバーを控える」と指示しています。「現在国内では偽警官の制服が出回っている」と大使館が書いているくらいなので、制服を着ているだけでは本物の保証にならない。路上での「飲酒取り締まり」は偽警官の常套手段です。
エジプトでバクシーシ(チップ・施し)を断るにはどうすればいい?
渡す意思がないときは「ラー(NOの意味)」とはっきり言って断ること。外務省は「断る態度をはっきり表すことが重要」と明記しています。曖昧な態度が一番まずく、付きまとわれる原因になります。写真撮影のチップ要求も事前交渉なしで撮ったら向こうの言い値になるので注意。
カイロの観光地で声をかけてくる人は信用していい?
大使館は「外国人である日本人に何か尋ねる、助けなどを求めてくるのは不自然と考える」と書いています。見知らぬ人物は安易に信用せず一定の警戒感をもって接し、金銭や貴重品は預けないこと。「都合の良い話」を提示してくる人物は悪意の可能性が高いです。