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ルサカの強盗 バー睡眠薬とジャンキーズ夜間襲撃【2026】

ルサカの睡眠薬強盗の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

ルサカで「これは知らないと避けられない」タイプの犯罪が、バーや夜の外出で発生する薬物強盗と「ジャンキーズ」と呼ばれる若年貧困層の徒党による夜間強盗、そしてタクシー乗車中の同乗者による強盗・強姦です。在ザンビア日本国大使館「滞在安全の手引き」(2025年9月改訂)と外務省「テロ・誘拐情勢」が、それぞれ具体的な事例を公開しています。

加えて2025年には金銭目的の誘拐事件が首都ルサカを中心に6件発生。「年齢及び性別問わず身代金要求」という記述から、外国人も対象範囲に入ります。

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バー女性同伴・薬物入り飲料の強盗

最も典型的なのが、バーで声をかけられた女性に薬物を盛られる手口。手引き2025年9月版より。

(j)ルサカ市バーで女性に声をかけられ飲食、タクシー乗車後に女性が同乗、酔いが回り眠りに落ちた所をバッグ強奪、もみ合いで旅券・携帯電話奪取。

流れを分解すると:

  1. バーで現地女性が声をかけてくる(向こうから接近)
  2. 一緒に飲食、雰囲気がよくなる
  3. タクシーを呼ぶ際に「同じ方向だから」と同乗を申し出る
  4. 移動中に意識が遠のく(酔いではなく薬物の効果)
  5. 眠った隙にバッグ強奪、抵抗するともみ合いで貴重品奪取

薬物(睡眠薬・抗不安薬・GHB等)を飲料に混入される強盗の世界共通パターンで、東南アジア・中南米でも同じ手口が報告されています。対策:

  • 初対面の相手から飲み物を受け取らない
  • 目を離した飲み物は飲まない(トイレから戻ったら新しいものを注文)
  • 知らない相手と同乗しない(タクシーは1人で乗る)
  • ホテルへの動線にこだわる(バーの帰路は配車アプリで直行)
TESTIMONY · 旅行者A

ルサカのバーで現地の女性に声をかけられて、英語で雑談しながら数杯飲んだ。帰り際に「タクシー一緒でいい?」と言われて、何の疑いもなくOKした。タクシーで走り出してしばらくしてから、視界が霞んできて意識が飛んだ。次に気づいたら路肩で、財布もスマホもパスポートもない。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ザンビア日本国大使館「滞在安全の手引き」邦人被害事例(j)を再構成

タクシー乗車後の同乗者による強盗・強姦

タクシーそのものも安全とは限りません。

タクシー乗車後に突然見ず知らずの乗客が乗車し見知らぬところに連れて行かれ、貴重品を奪われた後、女性が強姦被害に遭ったという報告があります。

ドライバーが共犯で第三者を途中乗車させるパターンが想定される手口。流しのタクシー・無印タクシーでは特にリスクが高く、対策は配車アプリ(Yango・Bolt)かホテル経由のタクシー手配に限定すること。

大使館は政府系タクシー(車体部にオレンジ色の線)の利用を推奨しつつ、アプリ非対応地域では「乗車前にメモ帳で金額提示・車両ナンバー記録、支払いは下車後に窓越し手渡し」と具体的に書いています。

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「ジャンキーズ」 --- 薬物使用徒党の夜間強盗

冒頭で触れた「ジャンキーズ」は、ザンビアの近年の経済悪化で急増した犯罪集団です。

ウクライナ情勢、干ばつ等に伴う物価高騰により貧富の差が拡大し、職を求めて首都ルサカ等の大都市に移動した若年貧困層による犯罪が増加しています。彼らは「ジャンキーズ」と呼称され、組織だったものではなく、安価な違法薬物等を摂取し徒党を組み主に夜間に強盗、誘拐、窃盗などの犯罪行為を行っています。警察も一斉検挙を行うなど対処をしていますが、効果は低調です。

ポイントは:

  • 組織犯罪ではないため、警察取り締まりの効果が薄い
  • 薬物使用で気が大きくなっているため、抵抗すると暴力がエスカレートする
  • アジア人は「裕福」と認識されてターゲットになりやすい
  • 主に夜間に活動

実用的には、ルサカで夜間徒歩することは事実上不可。夕方以降の外出はホテル発着の配車アプリのみ、宿泊先もカブロンガ・郊外の警備員常駐型ホテルを選ぶのが安全です。

信号停止中の助手席侵入強盗

ジャンキーズ系統と思われる路上強盗の事例。

(f)20時頃、邦人がターボムベキ通りで信号停止時、助手席ドアから現地男性が車内に侵入、携帯電話を強奪された。

走行中・停止中問わず全ドアロック・全窓閉めが必須。配車アプリのドライバーは慣れているため、こうした手口は経験的に減らせます。

大使館前不審者集団・偽電話会社員

(d)19時頃、不審者4名がトラック1両で大使館前に乗り付け、警備用ボックスを無断搬出企図。電話会社社員を装う。

電力会社員・水道検針員・電話会社社員などインフラ関連を装って侵入する手口は南部アフリカ共通。短期宿泊先で「メンテナンスです」と言われても、フロントに連絡して事実確認するまでドアを開けないのが基本。

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2025年金銭目的誘拐6件

外務省「テロ・誘拐情勢」より。

2025年には、首都ルサカを中心として、金銭目的の誘拐事件が発生しています。当館で把握している2025年の誘拐事件は6件であり、身代金要求(年齢及び性別問わず)を目的とした誘拐が確認されました。

過去には貧困地区にて公共交通機関(ミニバス)を装い学校から帰宅途中の女子中学生を乗車させた誘拐未遂事件(不審に思った当事者達が減速時にミニバスから飛び降り未遂事件となった)。

過去事例:

  • 2021年9月ルサカ州: 12歳と9歳のインド系女児が使用人(メイド)に誘拐、2日後にカバナナ・コンパウンドで発見。逮捕されたメイドは「給料が低くもっとお金が欲しかった」と供述
  • 2014年: 在ザンビアドイツ大使館員子女がドライバーにより営利目的で連れ去り

雇用人(メイド・ドライバー)が犯行に関与する事例が複数あり、長期滞在で雇用するなら身元確認・近隣住民の評判確認・契約書整備が必須。短期渡航者は雇用しないのが安全。

性犯罪・少女強姦事例

手引きには地方部の性犯罪事例も掲載されています。

2020年2月ムチンガ州: 14歳少女が男性4名に集団強姦。 2020年8月ムチンガ州: 11歳少女が不審者に強姦の上殺害。

地方部の治安は首都以上に弱く、女性単独での地方移動は推奨されません。サファリ・観光地(リビングストン、サウスルアングア、ロウアーザンベジ)でも、宿泊施設の警備体制を確認し、夜間の単独外出は控えるのが基本です。

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薬物所持の刑罰

ザンビアでは違法薬物の所持・使用は罰金または懲役刑。

  1. 違法薬物の所持・使用 ── 罰金又は懲役刑

「ジャンキーズ」が摂取している安価な違法薬物の周辺で、バーや路上で薬物を勧められるシーンも想定されます。所持しているだけで処罰対象、外国人逮捕事例もあるため、勧められても絶対に触れないのが原則です。

詳細は薬物トラブル国別マップにも近隣国の刑罰を整理しています。

周辺国の同じ手口

南部アフリカ・東アフリカで同様の薬物強盗・性犯罪が報告されている国:

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まとめ

ルサカで薬物強盗・性犯罪・誘拐を回避する基本は (1) バーで初対面相手の飲み物を受け取らない、(2) タクシーは配車アプリかホテル手配のみ、(3) 知らない相手と同乗しない、(4) 夜間徒歩を完全に停止、(5) 雇用人を信用しすぎない、(6) 薬物には絶対触れない。「ジャンキーズ」が活動する夜間時間帯(19時〜深夜)の外出は、配車アプリ送迎の店舗滞在に限定するのが現実的です。

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よくある質問

「ジャンキーズ」って具体的にどんな存在?

大使館「安全の手引き」より「ウクライナ情勢、干ばつ等に伴う物価高騰により貧富の差が拡大し、職を求めて首都ルサカ等の大都市に移動した若年貧困層による犯罪が増加しています。彼らは『ジャンキーズ』と呼称され、組織だったものではなく、安価な違法薬物等を摂取し徒党を組み主に夜間に強盗、誘拐、窃盗などの犯罪行為を行っています」とのこと。組織犯罪ではなく、薬物で気が大きくなった集団がその場の判断で襲ってくるタイプなので、警察の一斉検挙でも効果が低調と書かれています。アジア人は「裕福」と認識されてターゲットにされやすいため、夜間外出は徒歩・配車問わず控えるのが基本です。

バーで声をかけられた相手と飲んでも大丈夫?

大使館の事例(j)が典型例。「ルサカ市バーで女性に声をかけられ飲食、タクシー乗車後に女性が同乗、酔いが回り眠りに落ちた所をバッグ強奪、もみ合いで旅券・携帯電話奪取」。これは飲料に薬物(睡眠薬・抗不安薬等)を混入される強盗の世界共通パターンで、東南アジア・中南米でも同じ手口が報告されています。初対面の相手から飲み物を受け取らない、目を離した飲み物は飲まない(戻ったら新しいものを注文)、知らない相手と同乗しない、ホテルへの動線にこだわる、の4点が鉄則です。

タクシーで知らない人が乗ってくることがある?

はい。手引きより「タクシー乗車後に突然見ず知らずの乗客が乗車し見知らぬところに連れて行かれ、貴重品を奪われた後、女性が強姦被害に遭ったという報告があります」。流しのタクシーや無印タクシーでは特に発生しやすい手口で、ドライバー自身が共犯のケースもあります。対策はホテル経由のタクシー手配 or 配車アプリ(Yango・Bolt)の利用に限定すること。アプリだと運転手情報・車両ナンバー・GPS追跡が記録され、第三者乗車も基本的にありません。

2025年の誘拐6件は外国人も対象?

外務省「テロ・誘拐情勢」(2026年2月18日更新)より「2025年には、首都ルサカを中心として、金銭目的の誘拐事件が発生しています。当館で把握している2025年の誘拐事件は6件であり、身代金要求(年齢及び性別問わず)を目的とした誘拐が確認されました」。年齢・性別問わずの記述から外国人も対象範囲に入ると考えるのが妥当。過去には2021年に12歳・9歳のインド系女児が雇用していたメイドに誘拐された事例(2日後に発見)、2014年には在ザンビアドイツ大使館員子女がドライバーに連れ去られた事例があり、雇用人による犯行リスクも考慮が必要です。

出典

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