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リスボンの医療 心筋梗塞370万円と日本語医師ゼロ【2026】

リスボンの医療・感染症の手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

リスボンの医療は「ヨーロッパ諸国の中では低い方」と外務省が書く水準。公立病院は混雑がひどく、観光客は基本的に私立病院を使うことになります。診察だけで100ユーロ、入院は1日200ユーロ前後が起点。さらに保険会社の支払事例ではポルトガル単独でサービスエリアでの心筋梗塞救急搬送→370万円・7日入院深部静脈血栓症→339万円・7日入院という具体例が掲載されていて、医療搬送費が積み重なると一気に300万円台に到達します。クレジットカード付帯保険の治療救援費上限(300〜500万円)では足りない金額帯です。

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ポルトガルの医療水準 --- 「ヨーロッパで低い方」

医療機関は、公立病院、公立診療所、私立病院、個人医院の4種類がありますが、医療水準はヨーロッパ諸国の中では低い方です。ポルトガルの社会保険(SNS)に入っている場合、公立病院では低額または無料で受診できますが、そのため非常に混雑しており、入院病棟も病床が常に不足しています。私立病院は、設備面ではほぼ問題がありませんが、社会保険は適用されず一般的な診察だけで100ユーロ程度、入院すると1日約200ユーロ程度の高額の費用が必要となります。

外務省・安全対策基礎データの一文。観光客は基本的に私立病院を使うことになります。

日本と比較してポルトガルの医療水準は高いとはいえません。また都市と地方でも医療水準の格差がみられます。医療機器の設備面では一見したところ立派な施設であっても、処方がひと昔前の内容であったり、十分に納得できる説明が受けられずに当惑することもあったりするため注意が必要です。日本人医師や日本語を解するポルトガル人医師はおらず、ポルトガル語または英語での診療となります。病院は基本的には予約制です。

外務省「世界の医療事情」の一文。日本語対応の医師は存在しないため、英語またはポルトガル語での診察になります。日本語通訳サービス付きの海外旅行保険を選んでおくと、症状伝達のトラブルが減ります。

リスボンの主要病院

病院区分電話備考
Hospital CUF Descobertas私立21 002 5200観光客向け推奨、英語対応
Hospital da Luz Lisboa私立21 710 4400大規模私立、設備充実
Hospital Lusíadas Lisboa私立21 770 4040私立、英語対応
Hospital Santa Maria公立21 780 5000リスボン最大規模、混雑
Hospital D. Estefânia公立(小児科専門)21 312 6600子連れ旅行者向け

加入している海外旅行保険によってキャッシュレス対応病院が異なります。事前にカスタマーサービスへ電話して提携病院を確認しておくと安心です。

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ポルトガル単独の医療搬送事例 --- 370万円・339万円

ソニー損保とSBI損保が「スペイン・ポルトガル」共同ページで掲載しているポルトガル単独事例。

内容入院日数金額
サービスエリア内のトイレで嘔吐し救急搬送、心筋梗塞、医師付添医療搬送7日370万円
現地到着後に膝が痛み歩行困難で受診、深部静脈血栓症、医師付添医療搬送7日339万円

7日間入院+医師付添の医療搬送だけで300万円台に到達。長距離フライト後の深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)は、リスボン到着直後の旅行者でも起きうるリスクです。

同地域スペインの医療搬送事例 --- 最高1,263万円

イベリア半島共通の医療搬送実態として、両ページに掲載されているスペイン側事例も参考になります。

内容入院日数金額
クルーズ中に意識を失いヘリコプター搬送、冠動脈疾患、家族駆けつけ・医師付添医療搬送17日1,263万円
上気道感染による発熱・敗血症、家族駆けつけ・医師付添医療搬送11日647万円
一過性脳虚血発作、家族駆けつけ・医師付添医療搬送19日545万円
脳梗塞、家族駆けつけ・医師付添医療搬送19日545万円
歩行中に段差で躓き救急搬送、大腿骨頚部骨折、家族駆けつけ・看護師付添医療搬送5日455万円
バスのステップで足を滑らせ腰椎骨折、入院・手術8日526万円
雨で濡れたホテルの床で転倒、大腿骨頸部骨折、入院・手術7日379万円
ホテルのバスルームで転倒、脛骨プラトー骨折、入院・手術4日357万円

転倒系の事故が複数掲載されているのがイベリア半島の特徴。リスボンは石畳・坂道・路面電車軌道で滑りやすい都市なので、転倒リスクは構造的に高いです(リスボンの交通トラブル対策)。

TESTIMONY · 旅行者A
空港のサービスエリアで体調を崩し救急搬送されました。心筋梗塞と診断され、現地で7日間入院。日本まで医師付き添いの医療搬送で帰国し、合計370万円。クレジットカード付帯保険では足りませんでした。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:ソニー損保 海外旅行保険 事故事例(スペイン・ポルトガル)

マデイラ諸島のデング熱

ポルトガルは特異な風土病はありませんので、入国にあたって義務づけられた予防接種もありません。また、蚊が少ないため蚊を媒介とする伝染病の発生例はあまり見受けられません。ただし、大西洋上のマデイラ諸島は海洋亜熱帯性の気候で蚊が多くいため、デング熱等、蚊を媒体とする伝染病に注意する必要があります。マデイラ諸島では、デングウイルスを保有する蚊が確認されており、同諸島へ行かれる際は、肌の露出を控える、虫除けスプレーを準備するなど、虫さされへの対策が必要です。

外務省・安全対策基礎データの一文。ポルトガル本土には風土病はないものの、マデイラ諸島だけは別枠。デング熱は治療薬がなく対症療法のみで、重症化すると出血熱・ショック症候群に進展します。

  • 長袖・長ズボン着用
  • DEET配合の虫除けスプレー:服の上からも噴霧
  • 宿泊先の網戸・蚊帳を確認
  • 発熱・頭痛・関節痛が出たらすぐ受診:マデイラ島内の病院(マデイラ空港291 520 700経由で案内可)

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水道水と食品の注意

水道水には石灰分が多く含まれる、ミネラル・ウォーター推奨。

首都リスボン地域では水道水の飲用も可能ですが、同地の水に慣れない日本人は下痢を起こすことがあります。

外務省「世界の医療事情」の一文。リスボンの水道水は飲用可能だが日本人は下痢を起こすことが多い。ミネラルウォーターを買って飲むのが安全です。

稀に生焼けの豚肉や鶏肉提供あり、確認推奨。

肉料理は中まで火が通っているか確認。生焼けでサルモネラ・カンピロバクター食中毒のリスクがあります。

緊急時の流れ

軽症(風邪・腹痛など):

  1. 海外旅行保険のカスタマーサービスへ電話:提携病院・キャッシュレス対応の確認
  2. 指定された私立病院(CUF / Lusíadas / Hospital da Luz)へ予約:基本的に予約制
  3. 保険証券・パスポートを持参

重症・救急時:

  1. 112に電話:救急車要請、英語対応可
  2. 医療ホットラインSNS24 808 242 424:症状相談(ポルトガル語・英語対応)
  3. 海外旅行保険の緊急連絡先へ電話:日本語で対応してもらえる
  4. キャッシュレス対応外の病院に運ばれた場合は立替払い:後日保険金請求、領収書(factura)必須

海外旅行保険の選び方

ポルトガル単独事例だけでも医療搬送が絡むと300万円台、スペイン側事例では1,263万円のケースもあります。クレジットカード付帯保険(治療救援費上限300〜500万円)では明らかに不足。

チェックポイント

  • 治療救援費用:1,000万円以上(無制限が理想)
  • 救援者費用:500万円以上:家族駆けつけ費用(航空券・宿泊・通訳)
  • 携行品損害:盗難に備えて30万〜50万円(リスボンのスリ・置き引き対策
  • キャッシュレス対応病院:リスボンのCUF Descobertas / Hospital da Luz等が提携対象か確認
  • 日本語通訳サービス:医師との会話補助

加入比較はヨーロッパの海外旅行保険ガイドで詳しく整理しました。

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緊急時の連絡先

機関電話番号
SOS緊急通報(救急・警察・消防共通)112
医療ホットライン SNS24(24時間)808 242 424
Hospital CUF Descobertas(私立、英語対応)21 002 5200
Hospital da Luz Lisboa(私立、英語対応)21 710 4400
Hospital Lusíadas Lisboa(私立、英語対応)21 770 4040
Hospital Santa Maria(公立、リスボン最大)21 780 5000
Hospital D. Estefânia(公立小児科)21 312 6600
在ポルトガル日本国大使館+351-21-311-0560

ポルトガル語の緊急表現:

  • 「救急車を呼んで!」 = Chame uma ambulância!(シャーメ・ウマ・アンブランシア)
  • 「病院はどこですか?」 = Onde é o hospital?(オンデ・エ・オ・オスピタル)
  • 「具合が悪い」 = Estou doente(エストウ・ドエンテ)

街歩きでの予防策

  1. 長距離フライト後は脚を動かす:深部静脈血栓症の予防、リスボン着いてすぐの観光は控えめに
  2. 石畳・坂道では靴底のグリップ重視:転倒事故が保険事例の常連
  3. 水道水は控えてミネラルウォーター:リスボンでも下痢のリスク
  4. 生焼け肉は店員に確認:豚・鶏は中まで火が通っているか
  5. マデイラ諸島では長袖+虫除け:デング熱対策
  6. 海外旅行保険は治療救援費1,000万円以上:クレカ付帯では足りない

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よくある質問

リスボンの病院は日本語で受診できる?

外務省「世界の医療事情」は「日本人医師や日本語を解するポルトガル人医師はおらず、ポルトガル語または英語での診療となります」と明記。日本語通訳サービス付きの海外旅行保険を選んでおくと、症状の伝達でトラブルが減ります。

公立病院と私立病院どちらに行けばいい?

公立病院(Santa Maria・São José等)はSNS(社会保険)加入者向けで非常に混雑、入院病床も常時不足。観光客は基本的に私立(CUF Descobertas・Hospital da Luz・Lusíadas)を使います。費用は診察100ユーロ・入院1日200ユーロ程度。海外旅行保険のキャッシュレス対応病院を事前確認しておくと安心です。

マデイラ諸島でデング熱になるって本当?

外務省・基礎データが「マデイラ諸島では、デングウイルスを保有する蚊が確認されており、同諸島へ行かれる際は、肌の露出を控える、虫除けスプレーを準備するなど、虫さされへの対策が必要です」と明記。本土には特異な風土病はないものの、マデイラ諸島渡航者だけは別枠で長袖・虫除けスプレー必携です。

出典

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