Kaigai Risk
TRAVEL RISK ARCHIVE

リスボンのスリ 路面電車28番と展望台リュック開け【2026】

リスボンのスリ・置き引きの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

リスボンでのスリ・置き引きは「日本人が遭う犯罪のほぼ全部」と言ってよいレベルです。在ポルトガル日本国大使館の「安全の手引き」には「当館に届けられる邦人の被害届の大半は、スリや置き引き、車上狙い等の盗難被害です」と明記。2025年10〜12月の3か月だけで届出9件、ほぼ全部がリスボン市内のスリ・車上ねらい。手口は単独犯ではなくグループでの役割分担が基本で、1人が気をそらしている間に別の1人が抜くのが定番構造です。

Travel Alert 01

海外の無料WiFiには危険が潜んでいる
あなたのアクセス、丸見えです

詳しくみる →

多発エリア --- 大使館が四半期レポートで名指し

注意していただきたいエリアとしては、リスボン市内のコメルシオ広場、サン・ジョルジュ城、バイホ・アルト地区、ベレン地区及びポルト市など人通りの多い観光地です。バックパックやショルダーバッグのファスナーを開けられ貴重品を抜き取られたり、カフェのカウンターに置いた鞄を盗まれたりしています。

大使館「2025年Q4 海外安全対策情報」が出している実エリア。

エリア主な手口
コメルシオ広場屋外カフェのテーブル置き鞄、写真撮影中のリュック開け
サン・ジョルジュ城眺望スポットでバックパックのファスナー開け
バイホアルト地区夜の遊興エリア、酒に酔ったところを狙う
ベレン地区(ベレンの塔・ジェロニモス修道院)観光ルート上での羽交い絞め強盗(2025年12月実例)
路面電車28番・15番車内検札機渋滞時の前後挟み込み
地下鉄駅の券売機「使い方を教える」と寄ってきて暗証番号盗み見(2025年10月:1,300ユーロ被害)
アルファマ地区細い路地で地図を見ている隙にスリ
バイシャ地区(ロシオ広場・フィゲイラ広場)足元置きバッグの置き引き
空港・ホテルロビー受付・チェックイン時の足元荷物

2025年Q4 邦人被害9件の傾向

2025年10月から12月の間、大使館に届出があった邦人の犯罪被害件数は9件(すり、車上ねらい被害)でした。

大使館の四半期レポート。9件という数字は届出ベースで氷山の一角ですが、3か月で9件=月3件ペースは、観光客密集都市としてはかなり高い水準です。

スリ車上ねらい
2025年10月4件0
2025年11月2件1件(2名)
2025年12月2件0
TESTIMONY · 旅行者A
コメルシオ広場の屋外カフェで友人と話していて、足元に置いたリュックがいつの間にかなくなっていました。気づいたのは会計のときです。

※実際の被害報告をもとに再構成した事例です(出典:在ポルトガル日本国大使館「海外安全対策情報 2025年10-12月」(被害状況の典型例として整理)

Travel Alert 02

海外の決済で3.5%も搾取されている現実
あなたは知っていますか?

詳しくみる →

スリの定番手口

外務省・大使館がそろって列挙している手口を、シーン別に整理します。

1. 路面電車28番・15番の検札機渋滞

スリの手口としては、リスボン市内の路面電車(28番や15番)等に乗車するとき、犯人が割り込んできて前後を挟まれ、前の人物が切符の検札機を使うのに時間を要し、後ろの人物がリュックサックから財布を抜き取る手口

外務省・基礎データの一文。前後挟み込み+検札機渋滞が定番。乗車口で前に立つ人物が「使い方がわからないフリ」で時間を稼いでいる間に、後ろから抜きます。

対策:

  • 乗車前からリュックは前抱え:乗ってから直すのでは遅い
  • 混雑時間を避ける:夕方17-19時は地元通勤+観光客で大混雑
  • 検札機の前に列が滞っていたら見送る:次の電車を待つ
  • 貴重品はリュック内に入れない:前ポケットで手で押さえる

2. 地下鉄での集団取り囲み

地下鉄やバスで数人組のグループに取り囲まれ、バッグから財布を抜き取られる。

大使館「安全の手引き」の一文。地下鉄の乗車時・降車時の混雑を狙います。

  • 乗降時はバッグの開口部を体側に
  • 数人組に囲まれたと感じたら別の車両へ
  • 空港〜市内のRedラインは観光客特化路線で要注意

3. 「道を尋ねる」「地図を広げる」気そらし

観光客を装った二人組が地図を広げて道を尋ねてきた際、対応している間にポケットから財布を盗まれる。

大きな地図で視界を遮りながら道や時間を尋ねてきたり、集団で話しかけてくる相手にも注意。

外務省・基礎データの一文。視界を遮る大きな地図+集団=典型的な気そらしです。

  • 道を尋ねられても立ち止まらない:歩きながら短く答える
  • 地図を広げられたら距離を取る
  • 集団で話しかけてくる相手は警戒

4. 小銭・持ち物のばらまき

空港、ホテル、ターミナル駅において、話しかけたり、小銭や持ち物を目の前でばらまいたりして気を引いた隙に、足下や椅子に置いておいたバッグを盗まれる。

大使館手引きの一文。「あ、落としましたよ」「拾います」と寄ってきた瞬間に足元の鞄が消えるという構造。

  • 他人がばらまいたものを拾わない
  • 足元の鞄を確認してから対応
  • 空港・ホテル受付では必ず鞄に足を絡める

5. 路面電車プラットホーム外からの気そらし

観光客がプラットホームで路面電車の到着を待っている際、気づかない間にバッグから貴重品を盗まれる。

混雑している停留所で、後ろから手を伸ばされて開口部を開けられます。バッグの開口部を体側にが基本。

置き引きの定番手口

1. レストラン・カフェでの足元・椅子置き

レストランで食事中、椅子にかけていたバッグを盗まれる。

広場のベンチに座り日本人同士で話をしていたところ、横に置いていたバッグを盗まれる。

外務省・基礎データの一文。コメルシオ広場・バイシャ地区・リベイラ地区(ポルト)のテラスカフェで定番。日本人同士で話に夢中=隙だらけとして標的にされます。

  • 鞄は膝の上か視界内:椅子の背もたれや足元置きはNG
  • 椅子の脚に紐を絡める:盗難防止ストラップが有効
  • テラス席より店内席を選ぶ:通行人からアクセスしにくい
  • トイレに行くなら鞄ごと

2. ホテルセーフティボックスからの一斉盗難

高級ホテル内であっても安心ではない。複数の客室内のセーフティーボックスから一斉に貴重品が盗まれた事案も発生。

大使館「安全の手引き」が明記している重要な一文。ホテルのセーフティボックスは絶対安全ではない。マスターキーを持つ清掃員・ホテルスタッフによる組織的犯行が想定されています。

  • 現金とパスポートは分散保管:セーフティ+スーツケース内+身につけ
  • パスポートのコピーを別の場所に保管
  • 貴重品は最低限の額に:高額の現金・宝石はそもそも持参しない

3. 空港・ホテル受付での足元置き

空港の到着・出発ロビー、ホテルのフロント前は荷物から目を離す瞬間が多い場所。足元にスーツケース+カウンター上にカバンの状態を狙われます。

  • カウンター作業中もスーツケースに足を絡める
  • 複数人なら1人は荷物番
  • チェックイン後の鞄は必ず1か所にまとめる

Travel Alert 03

無料クレカの"海外旅行保険の限界"は?
補償額をふやすウラ技も

詳しくみる →

強盗・ひったくり --- ベレンとマルティン・モニス

凶悪犯罪は少ないものの、2025年Q4は短期間に観光地で複数発生しました。

  • 2025年11月12日4時40分:マルティン・モニス広場で男性が3人組に刃物で腕を切り付けられ、金のネックレスを奪われた
  • 2025年11月16日午後:エドワルド7世公園で男性がバイク2人組に高級腕時計を奪われた
  • 2025年12月11日:ベレン地区の路上で女性2名が2人組に羽交い絞めにされ所持品を奪われた(16歳・19歳の少年逮捕)

両替所や銀行のATMで、親切を装った犯人にナイフやけん銃を突きつけられ金品を奪われる。

ショルダーバッグをたすき掛けにしていても、カッターナイフ等で肩紐を切られて、強引に盗まれることもあるので注意。

外務省・基礎データの一文。たすき掛けでもカッターで紐切りは強盗対策の盲点。完全に対策するなら、貴重品はベルトポーチ(腹に巻く)か、靴下の中に隠すのが確実です。

「種まき手法」窃盗 --- レンタカー利用者は要警戒

共和国警備庁(GNR)は、「種まき手法」と呼ばれる窃盗の手口について注意を呼びかけています。ショッピングセンターの駐車場やガソリンスタンド、ATM周辺などで小銭や鍵などをわざと落とし、注意を引きつけている間に車内などから金品を盗む手口で、犯人グループは事前に単独で行動している人物を中心に標的を選び、複数名で役割分担をしながら犯行に及び、車などで逃走します。この手口は、スペインのマドリッドなどでも発生しています。

大使館「安全対策情報」の一文。シントラやカスカイス、オビドスへレンタカーで日帰り観光する旅行者は要注意。駐車場・GS・ATMで小銭/鍵が落ちる音→反応した瞬間に車内・手元の荷物が消える

  • 駐車場で物が落ちる音がしても反応しない
  • 車を離れる前に荷物を必ずトランクへ
  • GSでの給油中も車内施錠

Travel Alert 04

知らずに大損している海外ATMの罠
DCCって知ってますか?

詳しくみる →

街歩きの基本対策

  1. 路面電車28番・15番に乗るならリュック前抱え+貴重品は前ポケット
  2. コメルシオ広場・サン・ジョルジュ城・ベレンでは荷物を体の前に
  3. カフェ・レストランの椅子背もたれ・足元置きは禁止:膝の上か視界内
  4. ホテルセーフティは過信しない:分散保管が基本
  5. 「小銭が落ちた」「使い方を教える」は無視:種まき手法と地下鉄券売機詐欺の入口
  6. たすき掛けでもカッター対策:ベルトポーチや内ポケットを併用
  7. 夜のBairro Alto・Cais do Sodré・Docasは終電前に撤収:Bolt/タクシーで帰る

盗まれてしまったら

  1. その場で警察(112)に通報、または最寄りのPSP観光警察署で盗難・紛失届証明書(PV)を出す
  2. クレジットカード会社に連絡:暗証番号を盗み見られた場合は最優先(地下鉄券売機詐欺で1,300ユーロ被害の実例あり)
  3. 大使館(+351-21-311-0560)へ連絡:旅券再発行・帰国のための渡航書発給
  4. 保険会社へ連絡:携行品損害の保険金請求にはPVが必須

旅券のコピーを別の場所に保管しておくと再発行手続きが格段に早くなります。戸籍謄本の原本かマイナポータルの戸籍電子証明書も持参しておくと万全です。

PSPの旅行者用窓口は4か所:

  • PSP リスボン・クルーズターミナル観光警察署:21 880 4030
  • PSP リスボン・レスタウラドーレス観光警察署:931 321 180
  • PSP リスボン・サンタ・アポローニャ観光警察署:21 342 1623
  • PSP リスボン空港警察署:21 844 4530

Travel Alert 05

空港であなたを待ちうける5つの罠
準備はできていますか?

詳しくみる →

リスボン全体のリスクと他都市

リスボンのスリ・置き引きは詐欺・交通トラブルと地続きで起きています。地下鉄券売機での暗証番号詐欺や交通事故偽装詐欺はリスボンの詐欺・ぼったくり対策、Uber/Boltの選び方はリスボンの交通トラブル対策、医療搬送費はリスボンの健康・医療トラブル対策で詳しく整理しました。

ポルトガル全体の犯罪統計とテロ情勢、薬物法はポルトガルの治安へ。同じイベリア半島で手口が共通するスペイン(バルセロナ・マドリード)、ヨーロッパ各国の偽警察官詐欺やケチャップスリはフランスイタリアも合わせて要警戒です。

よくある質問

リスボンで一番スリに遭いやすい場所は?

在ポルトガル日本国大使館が2025年Q4レポートで名指ししているのは、コメルシオ広場、サン・ジョルジュ城、バイホアルト地区、ベレン地区、ポルト市の5エリア。手口別では路面電車28番と15番の乗車時、地下鉄駅の券売機、カフェ・レストランのテラス席が定番です。

路面電車28番に乗りたい。どう対策すればいい?

外務省の基礎データに「乗車時に犯人が割り込んできて前後を挟まれ、前の人物が検札機で時間を稼いでいる間に、後ろの人物がリュックから財布を抜き取る」と明記されています。リュックは前抱え、貴重品は前ポケット、混雑時間(夕方17-19時)を避ける、検札機が混んでいたら無理に乗らないのが基本対策です。

ホテルのセーフティボックスは安全?

大使館「安全の手引き」は「高級ホテル内であっても安心ではない。複数の客室内のセーフティーボックスから一斉に貴重品が盗まれた事案も発生」と明記。完全に頼らず、現金とパスポートは分散保管、コピーを別の場所に保管、貴重品は最低限の額にするのが安全です。

出典

NEXT READS · リスボン