モスクワの強盗・暴行は深夜の地下鉄帰宅・自宅前・公園周辺に集中するパターンと、ホテル客室への誘いの電話を入口にした睡眠強盗の2系統があります。在ロシア日本国大使館「モスクワ滞在上の注意点」(2024年7月版)に複数の邦人被害事例が記録されています。
このページは大使館の事例を一次ソースに、典型パターンと現地ルールを整理しました。
モスクワは外務省レベル3対象
本記事は業務・帯同等で「真にやむを得ず」滞在する方向けの実務情報です。観光目的の渡航は控えてください。
Travel Alert 01
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深夜・地下鉄帰宅中の暴行強盗
大使館の被害例。
深夜、地下鉄駅から自宅まで徒歩で帰宅途中、公園前を通過中、いきなり3人組の若者から殴る蹴るの暴行を受け、現金、携帯電話が入っていたバッグを盗まれた。
地下鉄駅から深夜帰宅しようとしたところ、二人組の男性から声をかけられた。無視して通り過ぎたが、自宅到着間際に後ろから羽交い締めにされ、鞄を盗まれた。
ロシア人の友人とカフェに入店しようとしたところ、店から出てきた25~30歳程の5人組の男に突然殴る蹴るの暴行を受けた。
深夜、自宅アパートの扉前で鍵を取り出そうとしていた際に、見知らぬ男から肩をつかまれ、振り向きざまに顔面を殴打され、バッグを強奪された。
地下鉄車内で座席に座っていたところ、前に立っていた男に突然顔面を殴られ、男はそのまま逃走した。
共通パターンは「深夜・地下鉄駅・徒歩帰宅・公園前・自宅前」。対策は徒歩区間をなくすこと——タクシー(Yandex)で自宅エントランスの中まで乗り付けるのが鉄則です。
ナイフを使う強盗(抵抗は厳禁)
深夜、タクシーに乗り自宅近くで下車、数百メートルを歩いて自宅アパート敷地入口まで来たところで、背後から2人組の男にナイフで脅され、バックをひったくられそうになって抵抗したところ、ナイフで手を切りつけられ重傷を負った
抵抗して重傷を負った事例が記録されています。大使館の指針。
例えば、犯人に取り囲まれ金品を要求された場合に金品を出し渋ったり抵抗したりするのは極めて危険です。最も重要なのは、自らの生命の安全であることを忘れないでください。
ナイフを向けられたら金品は素直に渡す——これが世界共通のルールです。
Travel Alert 02
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あなたは知っていますか?
エレベーター内・前での強盗
ロシア独特の強盗ポイントがエレベーター。大使館「モスクワ滞在上の注意点」より。
モスクワのアパートでは多くの人がエレベーターを利用していると思いますが、過去にはエレベーターが開いた途端に中から出てきた強盗に金品を奪われた、一緒に乗り合わせた人が強盗に早変わりした、エレベーターを待っている間に強盗に囲まれた等の例が報告されていますので、エレベーター使用の際には警戒が必要です。
アパートのエレベーター前に見知らぬ人物が待っていたら一緒に乗り込まない、エレベーターの周りに不審な人物が参集していたら近づかない、途中の階で止まった場合は乗り込む人物に注意し不審を感じたら直ちに降りる、などを心掛けてください。
つまり、
- エレベーター前に他人がいたら待つ/階段使用
- 一緒に乗らない(特に深夜・早朝)
- 途中階で乗り込んできた人物に違和感→次階で降りる
- 知らない階で勝手に止まったら警戒
ホテル客室への誘いの電話(睡眠強盗の入口)
ホテルによっては、見知らぬ女性から直接、客室に誘いの電話が入ることもあります。邦人被害の報告も寄せられていますので誘いに乗らないことが大切です。
ホテルの部屋に直接電話して女性が誘いをかけてくるパターン。応じると客室に来た時点で睡眠薬を飲料に混入され、意識を失った隙に金品を全部抜かれる、という典型手口。ホテル従業員以外からの電話には応じないが原則です。
室内で休むときは必ずドアを施錠し、忘れずにドアチェーンも掛けてください。また、部外者の訪問に際しては相手の身分を確認し、ドアチェーンを掛けたまま話すなど細心の注意が必要です。
ドアチェーンは必ず使用、訪問者はドア越しに用件確認、これは徹底してください。
Travel Alert 03
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訪問者対策(自宅も同じ)
訪問者に対しては、必ずドア越しに用件を確かめることが基本です。玄関のブザーを鳴らし応答がないことを確認して合鍵等で侵入する泥棒もいますので注意が必要です。ドアスコープで相手を確認し、不審な訪問者の入室はドアを開けることなく、明確に拒否してください。
警察官や警備員の服装をした強盗に押し入られた例もありますので十分に注意してください。
「警察官の制服・警備員の制服を着た強盗」というのが厄介。ドアチェーンを掛けたまま身分証明書をドアスコープ越しに確認、不審ならドアを開けない。これに尽きます。
アシャン・ショッピングモール集団暴行リスク
カフェ前での集団暴行事例(前述)の通り、外国人を狙った若者グループの暴行もモスクワでは発生します。大使館の対策。
集団でたむろするグループを見かけたら、近づかないようにしてください。特に何かしらの抗議活動を行っているように見受けられる場合には、速やかにその場を離れてください。
5人組以上のたむろ集団は目を合わせず迂回が安全策。
Travel Alert 04
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加害者にされた場合の対応
意図せず事件に巻き込まれて警察に拘束された場合、大使館はこう案内しています。
事件の加害者となったり、事件に巻き込まれたりして警察署に逮捕・拘禁された場合、日本国大使館及び総領事館では次のような援護を行いますので、日本国大使館への通報を警察官に要請してください(1966年の日ソ領事条約に基づき、ロシア側は日本人を逮捕した場合には日本側に直ちに(3日以内が目安)に通報する義務があります)。
3日以内に大使館への通報義務がロシア側にあります。「日本大使館に連絡してほしい」を最優先で警察に伝えてください。
被害後の対応
- 102(警察)/103(救急車)/112(統一緊急ダイヤル)
- 在ロシア日本国大使館: +7-495-229-2550 / 2551
- 負傷時は手当を優先して病院で診断書を受領(保険請求・警察届出に必要)
- 警察署で盗難証明書(スプラフカ)を取得
Travel Alert 05
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まとめ
- 深夜の地下鉄帰宅・自宅前・公園周辺が3大強盗ゾーン、徒歩区間をなくす
- ナイフを向けられたら抵抗せず金品を渡す(生命優先)
- エレベーターは他人と一緒に乗らない(モスクワ独特ルール)
- ホテル客室への女性からの誘い電話は睡眠強盗の入口、応じない
- 警察官・警備員の制服を着た強盗もいるので、ドアチェーン越しに身分確認
- 大使館は被害者・加害者どちらにも対応、警察拘束時は通報を要請
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よくある質問
ホテルの部屋に女性から誘いの電話がかかってきました。
在ロシア日本国大使館「モスクワ滞在上の注意点」では「ホテルによっては、見知らぬ女性から直接、客室に誘いの電話が入ることもあります。邦人被害の報告も寄せられていますので誘いに乗らないことが大切です」と明記されています。睡眠薬使用や強盗の入口になるパターンです。
深夜の路上強盗で抵抗していいですか?
大使館事例では抵抗してナイフで切られ重傷を負った邦人男性のケースがあります。「最も重要なのは、自らの生命の安全であることを忘れないでください」と大使館も明記しており、要求された金品は素直に渡すのが原則です。
自宅エレベーター内で襲われると聞きました。
モスクワのアパートでは「エレベーターが開いた途端に中から強盗が出てきた」「途中の階で乗り込んできた人が強盗だった」という事例が複数報告されています。エレベーター前に見知らぬ人がいたら一緒に乗らない、途中で不審を感じたら降りる、が現地ルールです。