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モスクワの詐欺 赤の広場の罰金恐喝と落とし物詐欺【2026】

モスクワの詐欺・ぼったくりの手口や予防策、被害時対応を、外務省と在外公館の事例からわかりやすくまとめました。

UPDATED · 2026.04.27 KAIGAI-RISK

モスクワの詐欺・ぼったくりは外国人旅行者を狙った定番手口がいくつか確立されています。最も多いのが「警察官を装った現場罰金恐喝」で、赤の広場周辺・地下鉄駅付近・空港で頻発します。

このページは在ロシア日本国大使館「モスクワ滞在上の注意点」(2024年7月版)から、邦人被害例と現地ルールを整理したものです。

モスクワは外務省レベル3対象

本記事は業務・帯同等で「真にやむを得ず」滞在する方向けの実務情報です。観光目的の渡航は控えてください。

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不良警察官・偽警官の現場罰金恐喝

これがモスクワで最も警戒すべき詐欺パターンです。大使館の邦人被害例。

赤の広場付近で警官 2 名に声をかけられた。パトカーに乗せられ所持品のチェックをした後、滞在登録に不備があり、不法滞在者であると言われ現金の支払いを要求され、支払わなければ刑務所に行くことになると恐喝された。

市内北東部の地下鉄駅付近を歩いていたところ、警官に身分証明書の提示を求められた。到着通知に不備があるとして5,000ルーブルを支払うよう要求してきたため、その場から大使館に連絡した。大使館から警官に対し現場での罰金の支払は認められていない旨抗議したところ、同人らは解放された。

パトカーに乗っている警官2名に呼び止められ身分証明書の提示を求められた。到着通知に不備があるとして、通常は罰金5,000ルーブルであるが、今この場で払えば1,000ルーブルにしてやると「罰金」と称する現金を要求された。同人が支払をためらっていると、パトカーに乗車するよう言ってきたので、急いでいたこともあり支払った。

シェレメチェヴォ空港にて帰国のフライトに搭乗すべく、出国手続を終えセキュリティーチェックを受けていたところ、2人組の警官に旅券等の提示を求められ、到着通知に不備があるとして、その場で「罰金」と称する現金の支払を要求された。邦人が到着通知に不備はないとして支払を拒否したところ、警官はあきらめて同人を解放した。

国内線にてシェレメチェヴォ空港ターミナルBに到着後、荷物のターンテーブルがある制限区域内で、2人組の警官に旅券等の提示を求められ、到着通知に不備があるとして同区域内に所在する事務所のような小部屋に連れて行かれ、「罰金」と称する1万ルーブルの支払を要求された。同人は不審に思いつつも乗り継ぎの帰国便出発時刻が迫っていたため支払に応じた。

赤の広場・地下鉄駅・シェレメチェヴォ空港の3箇所が頻発スポット。「到着通知(滞在登録の半券)に不備がある」というのが定番の口実です。

大使館の対処指針——現場での罰金支払いは100%違法

いかなる事情があろうとも、警察官が現場で罰金(現金)を要求することは認められていません。そのような行為に遭遇した場合には、支払を拒否するとともに、不良警官を特定するため氏名、階級、所属先等をメモし、休日・深夜を問わず、直ちに大使館に御連絡願います。また、当該警官の服装、人相、利用している自動車の車番等、警官の特定につながる情報についても可能な範囲で把握するようお願いします。

要点は4つ。

  1. 支払いを断る — 現場での罰金は法的に存在しない
  2. 大使館に電話 — +7-495-229-2550、24時間対応
  3. 警官情報をメモ — 氏名・階級・所属・車両番号
  4. 見た目もメモ — 服装・人相・特徴

実際の事案でも「大使館に連絡」「支払いを拒否」した邦人は解放されています。屈しないことが最大の防御です。

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落とし物詐欺(クレムリン付近で多発)

もう一つの典型パターン。

クレムリン付近の道路を歩いていた際、前を歩いていた人物がドル紙幣入りのビニール袋を落としたがそのまま無視して通り過ぎたところ、同人の直ぐ後ろを歩いていたロシア人が同袋を拾い上げ落とし主に手渡した。突然警官らしき人物が現れ、邦人に対し、金を盗んだのではないかと言いがかりをつけ、財布の中身を見せるよう要求してきたので見せたが、後になって確認したら、4万円相当の現金が盗まれていた。

複数人による連携詐欺。手順はだいたい次のとおり。

  1. 共犯Aが目の前で財布・紙幣入り袋を落とす(演技)
  2. 共犯Bが拾い上げて持ち主に渡す
  3. 共犯C(偽警官)が登場「金を盗んだだろう」と因縁
  4. 「財布の中身を見せろ」で財布を確認させる隙にスリ取る

「他人が落とした物を一切拾わない・触らない・近寄らない」が現地ルール。クレムリン付近・赤の広場・観光地で発生します。

偽札・玩具紙幣(タクシーお釣り)

タクシーを利用した際、お釣りとして受け取った複数の 100 ルーブル札紙幣が精巧な玩具紙幣であった。

ロシアには「Деньги для приколов」(ジョーク用紙幣)が普通に売られていて、これをお釣りに混ぜる手口があります。対策。

  • 配車アプリ(Yandex Taxi)一択 — キャッシュレス決済できる
  • 現金払いの場合、お釣りの紙幣を1枚ずつ目の前で確認
  • 大きな紙幣(5000ルーブル札)は使わず、小額紙幣で支払う

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ネット系詐欺(出会い系・なりすましメール・通販)

大使館事例。

インターネットの各種出会い系サイトを通じて知り合ったロシア人女性から、日本への渡航費用や査証(ビザ)の取得に必要だとして数千ドルの送金を要求され送金したが、その後様々な理由をつけて日本に渡航せず、そのまま音信不通となった。

インターネットの電子メールのアカウントに不正アクセスされ、友人や知人宛てに急病のために送金して欲しいとなりすましメールを送られた。メールを見た友人が実際に送金した後、詐欺被害が判明した。

個人が物品売買を行うロシアのネット通販サイトに邦人が出品したところ、商品を購入したいが、商品代を振込む前に本当に信用できる相手かを確かめたいので、まずは数千ルーブルを先に振り込んで欲しい。商品代に上乗せする形で返金するので安心してもらいたい、と言われ指定口座に振り込んだが、その後連絡が途絶えた。

国際ロマンス詐欺・なりすましメール・通販前金詐欺。送金を求められたら100%詐欺と覚えておけば破綻しません。

経済制裁下の支払い注意

これはモスクワ特有の現実問題。

経済制裁により、日本等で発行された国際クレジットカード(VISA、Master 等)は使用できませんので、ご留意ください。

つまりロシア国内では現金(ルーブル)かロシア製Mirカードのみ。日本のクレカが効かないので、現金トラブル(偽札・お釣り詐欺・両替詐欺)の被害可能性が高まる構造があります。両替は必ず公認の両替所で、レシートを保管してください。

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被害に遭ったら

  • 102(警察)/112(統一緊急ダイヤル) — 112は英語対応可能なことあり
  • 在ロシア日本国大使館: +7-495-229-2550 / 2551 — 24時間対応
  • 警察署で盗難証明書(スプラフカ)を取得(保険請求・パスポート再発行に必要)

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まとめ

  • モスクワ詐欺の3大パターン: 偽警官の罰金恐喝/落とし物詐欺/タクシー偽札
  • 警察官の現場での現金要求は100%違法、その場で大使館に電話
  • 「到着通知に不備」は定番の口実、滞在登録半券は常時携帯で対抗
  • 他人が落とした物に近寄らない、触らない(連携詐欺の入口)
  • タクシーは Yandex Taxi 一択、空港の白タクは絶対NG
  • 国際ロマンス・なりすまし・通販前金は送金要求の時点で詐欺確定

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よくある質問

警察官に現場で罰金を払うよう要求されました。

在ロシア日本国大使館は「いかなる事情があろうとも、警察官が現場で罰金(現金)を要求することは認められていません」と明言しています。支払いを拒否し、警官の氏名・階級・所属・車両番号をメモして、休日・深夜を問わず大使館に連絡してください(+7-495-229-2550)。

路上で誰かが落とし物をしました。拾うべきですか?

拾わないでください。「目の前で財布やドル紙幣入りの袋を落とし、別の人物が拾い、後から警官が現れて財布の中身を見せろと迫る」という落とし物詐欺の典型パターンです。大使館の被害例ではこの過程で4万円相当の現金が抜き取られた事案が記録されています。

タクシーのお釣りが偽札でした。

大使館の事例では、お釣りとして受け取った100ルーブル札が精巧な玩具紙幣だった事案が記録されています。タクシーは Yandex などの配車アプリを使い、空港で客引きする白タクは絶対に避けてください。

出典

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