サンクトペテルブルクはロシア第2の都市で、エルミタージュ美術館・血の上の救世主教会・イサク聖堂など世界遺産級の観光資源が集中しています。ただし2022年以降、外務省レベル3(渡航中止勧告)下にあり、2017年4月には市内地下鉄で爆破テロが発生して死傷者が出ています。
このページは在サンクトペテルブルク日本国総領事館「安全の手引き」(2026年1月版)から、業務・帯同で滞在する方向けの実務情報を整理しました。
サンクトペテルブルクは外務省レベル3(渡航中止勧告)
モスクワと同じく、サンクトペテルブルク市もレベル3「渡航は止めてください」が継続中です。観光目的の渡航は控えるべき水準です。
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犯罪統計(2025年1〜11月)
サンクトペテルブルク市検察庁の発表(総領事館「安全の手引き」より)。
2025年1月から11月におけるサンクトペテルブルク市の犯罪件数は、55,027件(前年比91.9%)です。罪種別件数は次のとおりです。殺人及び同未遂133件(前年比108.1%)、重度傷害247件(同96.5%)、強制性交及び同未遂42件(同57.5%)、強盗103件(同85.1%)、窃盗14,501件(同86.2%)、詐欺17,913件(同91.2%)、麻薬不法取引6,500件(同107.9%)。
総数は減少傾向ですが、殺人と麻薬不法取引は増加。詐欺17,913件は窃盗より多く、サンクトペテルブルクは詐欺が多発する都市です。
加えて2024年以降、無人機飛来も発生してます。
2024年1月以降、サンクトペテルブルク市およびその近郊において、無人機の飛来がみられます。報道によると、その多くは防空システム等で破壊されていますが、人や建物への被害が出ているケースもあります。
邦人被害多発エリア
総領事館が「邦人被害が多発している場所」として名指ししているのは次のとおり。
ア 地下鉄構内や路線バス、トロリーバス等の公共交通機関内 イ ネフスキー大通り付近 ウ エルミタージュ美術館内 エ 血の上の救世主教会付近 オ イサク聖堂付近 カ レストラン、カフェ等の飲食店内や各種商業施設出入口付近
全部観光客が行く場所。エルミタージュ美術館の中でもスリ被害が起きるのが現実です。
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スリ・取り囲み手口の特徴
地下鉄、路線バス、トロリーバス等の公共交通機関内やネフスキー大通り、観光名所、各種商業施設からの出入時等において突然犯罪グループに取り囲まれ、身動きできない一瞬の間に貴重品を奪われるという手口の被害が多く発生しています。また、観光名所では物売りを装って接近し、油断している間に貴重品をスリ盗る手口や故意にぶつかられて気がついたら財布や携帯電話が盗まれていたというケースの被害が多く、特に注意が必要です。
総領事館が挙げている対策。
ア 犯罪集団による取り囲みを未然に防止するため、人混みの中では定期的に後方を振り返るなど周囲の状況を十分確認し、警戒を怠らないようにする。
エ リュックサックや肩掛け鞄等を所持していると狙われやすいので、常に自分の視界に入る位置で抱えて持ち、ファスナー等の異常の有無を定期的に確認する。
オ 地下鉄に乗車する際は、混んでいる乗降口は避けてできるかぎり周囲の人が乗車するのを確認後、最後に乗車する。
「最後に乗車する」が混雑地下鉄の鉄則です。
地下鉄爆破テロ(2017年4月)
サンクトペテルブルク市では、2017年4月3日、サンクトペテルブルク地下鉄で爆発事件が発生し、死傷者が出ました。また、同年12月27日、市内スーパーマーケットにおいて簡易手製爆弾による爆発事件が発生し、複数人が負傷しています。
2023年4月には、サンクトペテルブルク市内の飲食店において爆発事件が発生し、死傷者が出ています。
外務省「テロ・誘拐情勢」によれば、2017年の地下鉄爆破は中央アジア出身者の犯行。観光地・公共交通機関・飲食店で散発的にテロ/爆発事件が起きるのがサンクトペテルブルクのリスク特性です。
総領事館の対処法。
○ その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとる。 ○ 頑丈なものの陰に隠れる。 ○ 周囲を確認し、可能であれば、銃撃音等から離れるよう、速やかに、低い姿勢を保ちつつ安全なところに退避する。
偽警官・職務質問の罰金詐欺
モスクワと同じく、サンクトペテルブルクでも警察官による現場での金品要求事案が発生してます。
警察官が身分確認のためパスポートの提示を求めるのは犯罪を予防するための正当な職務行為ですが、残念ながら、警察官の中には財布の中まで提示を求め賄賂を要求する者もいます。いかなる事情があっても、警察官が現場で罰金(現金)を要求することは認められていません。このような行為に遭遇した場合には、財布の提示や支払いを拒否するとともに、可能な限り警察官の氏名、階級、所属、服装、人相、使用している車両番号等について確認し、総領事館へご連絡願います。
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白タクの危険
タクシーを利用する場合は、一般人が自家用車を使用し低料金でタクシー行為を行う、いわゆる「白タク」は利用しないでください。過去には「白タク」の利用者が殺害されたり、運転手から睡眠薬が混入した飲み物を渡され、気を失った際に強盗の被害に遭ったりするなどの事件が発生しています。配車アプリを利用することをお勧めします。
配車アプリ(Yandex Taxi等)一択。空港・駅の客引きタクシーには絶対乗らないでください。
住居・アパートの防犯
総領事館の住居選択ポイント。
街灯があり、夜でも視認性が良く、24時間体制で警備員が常駐している物件は安全性が高いと言えます。
(ア)アパート1階の共同出入口から中に入る前に、一旦振り返り見知らぬ人が近づいていないのを確認してから中へ入る。
(イ)エレベーターは他人とは一緒に乗らない(エレベーター内の強盗が発生しています)。
「エレベーターは他人と乗らない」というのは欧米の他都市にはあまり見ない、ロシア独特のルールです。
反戦集会・SNS取締り
ロシアによるウクライナ侵略に関連し、反戦集会の呼びかけや対露制裁の支持等を行った者に対する当局の取り締まりが行われています。SNSによる投稿や書き込みも取り締まり対象となります。
サンクトペテルブルクは反政権集会が比較的多く呼びかけられる都市の一つでもあります。滞在中はSNS発信を一切止めるのが安全策です。
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交通事情
サンクトペテルブルク市では、市民の自動車保有率が急増する一方で、駐車場の数が少ないことや、交通関連施設が未整備なことから、平日は日中から夕方にかけて道路が渋滞します。
歩行者として注意すべきポイント。
前照灯や方向指示器が故障した整備不良車、高速で走行する車、信号無視をする車等が多いので、道路を横断する際は信号を守ることはもちろん、歩行者信号が青であっても注意深く安全確認を行ってから横断する。
冬期には建物の屋根からつららが垂れ下がっていたり、雪下ろしをしていたりすることがありますので、歩道にロープが張ってある場合には通らないようにしてください。
冬期のつらら落下は実際に死亡事故が起きるリスクで、サンクトペテルブルク特有の注意点。
緊急連絡先
- 在サンクトペテルブルク日本国総領事館: +7-812-314-1434 / 314-1418
- 警察: 102 / 救急車: 103 / 消防: 101 / 統一緊急ダイヤル: 112
宮殿広場・空港・ペトロパブロフスク要塞の市観光センター(「i」マーク、英露対応)でも警察取次ぎや救急車要請が可能です。
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まとめ
- サンクトペテルブルクは外務省レベル3、業務・帯同渡航のみ想定
- ネフスキー大通り・エルミタージュ・血の上の救世主教会・地下鉄が邦人被害多発エリア
- 取り囲み・物売り偽装・故意ぶつかりのスリ手口、リュックは前抱え必須
- 2017年地下鉄爆破テロ・2023年飲食店爆発の経歴あり、人混みでは退避ルート意識
- 偽警官の現場罰金は100%違法、白タクは強盗リスクで配車アプリ一択
- エレベーターは他人と乗らない/冬期つらら落下に注意
- SNS発信は滞在中ゼロを徹底
国記事はロシアの治安、地域全体はヨーロッパで使える海外旅行保険まとめでどうぞ。
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